12月9日(月)

★跳躍の真紅の花のシクラメン  正子
心の高揚があったのでしょうか。シクラメンの真紅を見つめた日の静か場所で。(祝恵子)

○今日の俳句
炬燵には兄妹と居る嬉しさよ/祝恵子
炬燵を囲み、暖かさにくつろいで兄妹といるうれしさ。いつまでも兄の下の妹でいる幸せがある。(高橋正子)

○さんしゅゆの実

[さんしゅゆの実(12月6日)/横浜・四季の森公園]_[さんしゅゆの花(3月22日)/横浜・四季の森公園]

★山茱萸にけぶるや雨も黄となんぬ/水原秋桜子
★山茱萸の黄や街古く人親し/大野林火
★さんしゅゆの花のこまかさ相ふれず/長谷川素逝
★赤といふ禁断の色山茱萸の実/桐一葉
★枝揺らし山茱萸の実の手から手に/芝滋

★山茱萸の小さき実数多青空へ/高橋信之

サンシュユ(山茱萸)は、朝鮮半島原産の小高木で、日本には江戸時代中期に薬用植物として渡来しました。早春に新葉に先立ち樹木一面に鮮かで黄色い小花を咲かせる姿も美しいですが、晩秋に鮮かに紅色に熟する実もまた愛らしくて美しいものです。楕円形をしたサクランボウのような感じがします。実は甘くておいしそうに見えますが、実は渋くて生食には向かないそうです。残念。サンシュユの果実は、滋養・強壮、止血、解熱作用の薬効があるといわれ漢方薬にもなっているそうですよ。サンシュユの春の情景を「春黄金花(ハルコガネバナ)」と呼び、秋の情景を「秋珊瑚(アキサンゴ)」と呼びますが、その別名がよく似合います。心も身体も癒してくれる、私たちにとって大事な植物なんですね。感謝(大阪市立長居植物園ブログより)

◇生活する花たち「茶の花・花八つ手・木瓜」(横浜下田町・松の川緑道)

12月9日

●古田敬二
オリオン座大きい朝に旅に出る★★★★
オリオン座がまだ輝いている早朝の旅立ち。旅への緊張感と楽しみとが入り混じって見上げる朝のオリオン座である。(高橋正子)

東天に三日月寒し旅に出る★★★
初霜を踏んで旅立つ外つ国へ★★★

●小口泰與
寒禽や利根の河原の石数多★★★
せせらぎに風音まじる寝酒かな★★★
夕照に包まる庭のみかんかな★★★

●祝恵子
山茶花の落ちて水鉢数増やす★★★
石蕗の花朱塗りの寺の観音さま★★★
竹馬の並んで園児の遊ぶ声★★★★
竹馬で遊ぶ園児らのあどけない声が冬の空気を暖かくしている。(高橋正子)

●迫田和代
初雪や待ちかねた子供の叫び声★★★
名も知らぬ川面に浮かぶ散紅葉★★★

公園に初雪舞って広さ知る★★★★
公園に初雪が舞うと、公園は静まって、平らかな広さが知れるという。独特のよい捉え方と発見がある。(高橋正子)

●多田有花
十二月八日八十翁と頂に★★★★
山茶花を屋根より高く咲かせおり★★★
今年の葉すべて手放し裸木に★★★

●桑本栄太郎
箒木の赤に冬日の陽射しかな★★★

菜園の語り賑わい冬ぬくし★★★★
収穫や手入れのために菜園に出て、暖かい日差しにそのまま菜園で過ごす。次々そのような人が集まると話が弾むというもの。菜園がいい交流の場となっている。(高橋正子)

吹き溜まる銀杏落葉を踏みゆけり★★★