11月23日(土)

★冬泉手にやわらかに旅半ば  正子
冬旅の半ばに澄みきった泉に出会った。そっと手を水に触れれば、やわらかに身に染みてくる。旅に出た喜びも感じられるようです。(祝恵子)

○今日の俳句
楽しみは湯葉と湯豆腐京歩き/祝恵子
湯葉と湯豆腐はいちばん京都らしい料理。丁寧にこまやかな心配りの行き届いた湯葉と湯豆腐の料理は、心が和むもの。それを楽しみにというのもほのかな温もりが感じられる句。(高橋正子)

○キウイフルーツ

[キウイ/川崎市高津区子母口]       [キウイ/横浜市緑区北八朔]

★右往して左往する蔓キウイかな/たかを
★子のつくるカナッペキウイのせてあり/中島美也

 キウイフルーツ(kiwifruit、学名:Actinidia deliciosa あるいは Actinidia chinensis)とは、マタタビ科マタタビ属の雌雄異株の落葉蔓性植物、またはその果実。名称はニュージーランドのシンボルである鳥の「kiwi(キーウィ)」が語源であり、果実に似ていることに由来する。主に東アジアに自生するサルナシ(マタタビ科)の内、「シナサルナシ」という中国原産の植物を、1906年にヨーロッパ経由でニュージーランドに種子が持ち込まれた後、品種改良され1934年頃から商業栽培が始まり、世界各国で食べられるようになった果物である。日本における花期は5月頃。「キーウィーフルーツ」「キーウィフルーツ」「キウィフルーツ」などの表記も使用される。耐寒性があり冬期の最低気温-10℃程度の地域でも栽培が可能である。産地は温帯から亜熱帯で、熱帯果実ではない。
 普通のキウイフルーツ(ヘイワード種グリーンキウイ)の果肉は緑色を呈し、白色の果心の周囲に胡麻粒ほどの黒い種子が放射状に並んでいる。味は甘味と爽やかな酸味がある。生食 – 熟した果実の皮を剥くか、半分に切りスプーンなどで中を抉り、食用にする。サラダ、デザートなどへの利用もされる。
ゼリー – ゼラチン使用の場合は生のままの使用は、固まらず不向きである。ジャム – 砂糖を加えて煮て作る。もっと煮詰めて羊羹のような菓子にする例もある。乾燥品 – スライスして凍結乾燥させた食品もある。酒 – 醸造原料として利用しワインなどが作られている。

◇生活する花たち「十両(やぶこうじ)・万両・白文字(しろもじ)」(東京白金台・国立自然教育園)

11月23日

●小口泰與
寒暁の湖や白波かがよえり★★★
冬雲や待合室の重き黙★★★
四段の飛び箱飛びし小春かな★★★

●迫田和代
縁側で西日厭わず柿を食ぶ★★★
大いなる幸を喜ぶ菊日和★★★
道々で村の祭りや遠出の日★★★

●古田敬二
温き陽の桜紅葉の尾根に出る★★★★
「温き陽の桜紅葉」がよい。尾根の見晴らしのよさ、心地よさが伝わる。(高橋正子)

億年の模様の石ころ冬陽浴び★★★
淡き影まっすぐに立てて冬の竹★★★

●多田有花
順々に枯枝となり陽のあたる★★★
冬の蝶ひらひら日差しの中へ出る★★★★
日差しの中のか弱い冬蝶が、光の精のように思える。(高橋正子)

展望を指差す小春の頂に★★★

●桑本栄太郎
校門の空や桜の冬紅葉★★★★
校門の空と言われれば、そこには大きな空がある。春は満開の桜で新入生を迎えたであろうが、今は冬紅葉となって凋落の前の美しさを見せている。(高橋正子)

踏みしだく落葉さくさく乾きおり★★★
ひと跨ぎほどの川面やつがい鴨★★★

●小西 宏
農夫老い太く真っ赤な薩摩芋★★★
芝草に残る冬日のドッジボール★★★
山の端に日の残りいて冬紅葉★★★

●河野啓一
大通り黄葉落葉の清掃車★★★
川沿いにネオンきらめく冬の街★★★
暖簾越しおでんの湯気は道頓堀★★★

●黒谷光子
空よりも濃き冬の海東尋坊★★★
冬晴れの岸壁を打つ波真白★★★
冬紅葉南北朝の館跡★★★