2月11日~20日
暖かや芝に座りて醜草を★★★
放たるる犬の躍動春兆す★★★
ものの芽や乳呑児あやす母の声★★★★
ものの芽の一つ大きくほぐれけり★★★
春きざす窓に風音空の青★★★★
乙訓の丘を歩めば風光る★★★
あぢさいの芽の艶やかに風生忌★★★★
沛然と利根川の雨春寒し★★★★
笛太鼓控ふ雛を飾りけり★★★
水切りの石の伸び行く春の川★★★
丹沢の山青くして春の川★★★
いよいよと日差し向き居り桜芽木★★★
落日にその影くっきり春の雪★★★
落日に行きつ戻りつ春の雪★★★
くねくねの径を歩みて蓬かな★★★
家長我父の年忌や春暖炉★★★
紙雛を共に飾りて賑やかに★★★★
すずめ等のふくらみ群るる凍返る★★★
愛ありて愛人同居のかの子の忌★★★
春泥の靴に重たく残りけり★★★★
春寒や選挙カーの次つぎと★★★
蕗の薹焼くか揚げるか決めかねて★★★
多田有花
虹置いて春のしぐれの去りにけり★★★★
春疾風ショパンの英雄ポロネーズ★★★
桑本栄太郎
登校の児童の列に春の雪★★★★
群青の高嶺となりぬ春の宵★★★
鳶舞いて湖華やぐや春シール
川べりに潜む鶯高き声★★★★
古き家の庭に紅白梅の花★★★
カタカタと校旗はためく春の風★★★
料峭のさざ波走るにはたづみ★★★
咲き初めてやさしき香りフリージア★★★
山風に紛るる初音はつはつに★★★
せせらぎの音涼やかに山笑ふ★★★★
盛土せし道路開通山笑ふ★★★
桑本栄太郎
揚ひばり遥か彼方にヘリコプター★★★★
言い訳のこの頃増えし冴え返る★★★
多田有花
赤ペンで卒業試験を採点す★★★
頂のうえに出ている春の雲★★★
雨後の庭朝日に恥じず牡丹の芽★★★
丹精の薔薇一斉に芽吹きける(原句)
春耕を終へし畑に佇みぬ★★★
芽柳の土手に日差しや川の風★★★
初めての山や鳥鳴き木の芽晴★★★
校庭に大樹はだかり残る雪★★★
畦道に枝をさしかけ梅の花★★★
紅白の枝を交わせり梅の花★★★
畦道に茎の伸びたり仏の座★★★
諸子魚釣る子らよ榛名へ雲一朶★★★★
山祇や谷川岳の雪崩れ★★★
春霜や日を返したる駐車場★★★
鎮まりしままの畑や春の霜★★★
春宵や嶺の端ほのと赤くあり★★★
春の日や河原の子らの声高き★★★★
蕗の芽やゲートボールの打球音★★★
春光に包まれて居る二人かな★★★
多田有花
春の霜駆けぬけてゆく女子高生★★★
建国記念日真昼の風のやわらかし★★★
河川敷春の芝生に球追う人★★★
通り道少しよけたる犬ふぐり★★★
桑本栄太郎
遅き日やひと眠り後の窓明かり★★★
海苔掻やの潮のたゆとう岩の間に★★★★
自由な投句箱/2月1日~10日
※投句は、一日1回3句に限ります。
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主宰:高橋正子・管理:高橋信之
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今日の秀句/2月1日~10日
★日脚伸ぶ松の葉末の青あおと/小口泰與
日脚に明るさを感じ、辺りを見れば、ものみな生き生きとして見える。常緑の松も緑が青あおと、真冬とは違っている。春に向かっているのは、確か。その嬉しさ。(高橋正子)恵
2月1日~10日
蕗味噌や魚の腹へたっぷりと★★★★
雲流れ雪山浮かび凍返る★★★
帰り道瞬く星や冴返る★★★
丘上の天を占め居りいかのぼり★★★★
いたずらと思えどにくし春の風★★★
古田敬二
雪柳五弁の白き花咲かせ★★★
春の雨雀の糞を洗いそめ★★★
梅が香や帰宅の庭の薄明り★★★
薄氷を透かして見ゆる鯉の口★★★
火の用心バケツ覆ひし薄氷★★★
名のみの春光の春にて御座候★★★
奥山に化粧をさせて春の雪★★★★
桑本栄太郎
春潮の円く広がる水平線★★★★
海苔掻の潮のたゆとう岩間かな★★★
御嶽の見える高みへ青き踏む★★★
伊吹颪煙は横になびきおり★★★
永き日や耳標新たな子牛達★★★★
遅き日や浅間は没日近づけず★★★
宅配の台車は緑風光る★★★
金縷梅の花や枯葉を付けしまま★★★
さざ波のわらわら走り春浅し★★★
春立てば樹影は高し青空へ★★★★
遊具より飛び下りる子よ黄水仙★★★★
一つだけそつぽを向きし黄水仙★★★
のどけしや五色団子を妻と食ぶ★★★
森閑と里の庭なり梅ひらく★★★
ものの芽やときには句帳開きつつ★★★★
稜線の二月の木々に朝日差す★★★
春眠やふとんの引力に負ける★★★
古田敬二
いかのぼり町一番の高台に★★★★
つくしんぼ一つ除草の鍬先に★★★
川岸を駆けるD51春の朝★★★★
小公園一人見上げる梅の花★★★
鶯や枝移りつつ飛び去りぬ★★★
まんさくの早も咲き初め居たりけり★★★
堰水の飛沫きらめく猫やなぎ★★★★
校舎から子らの歓声春立つ日★★★
柊指す古びし雨戸の穴探す★★★
病院の長き廊下の余寒かな★★★
縄文の土偶の乳房春兆す★★★★
窓を打つ木の葉の音や春一番★★★
外出を抑へる如く春一番★★★
からす飛ぶ嶺の茜や春入日★★★
自粛とう値打ち無き日や春暮るる★★★
早春や棚田の空へ鳶の笛★★★
春浅し榛名は雲を育て初め★★★★
右左杖をつく人春寒し★★★
鶯の声晴れやかに朝かな★★★★
寒明けや小枝集めに野にいずる★★★★
余寒あり空き缶空き瓶出しにゆく★★★
桑本栄太郎
犬ふぐり早も咲きたる土手の道★★★
春疾風吾の帽子を攫いけり★★★
古田敬二
三和土土間薪ストーブの終夜燃ゆ★★★★
寺の坂音立て下る落葉踏み★★★
追炊きのスイッチ押すや寒の明★★★
大利根の波が波追う二月かな★★★★
立春の自粛会ひたき友多し★★★
巣ごもりの今朝の目覚めや春迎ふ★★★
料峭や会いたき人の夢に見ず★★★
冬の鵙昔の上司の訃報来る★★★
寒鮒釣り動かぬ浮子と竿先と★★★
窓鳴らす風今日からは春の風★★★
柊を挿すや赤城の風しまく★★★
部屋ごとに犬を従え鬼は外★★★
豆撒きや歳の数などもう喰えぬ★★★
枝のみな日差しに向きぬ桜芽木★★★★
中学生山茶花散り敷く道を行く★★★
麦踏みし母と傾斜の山畑に★★★★
多田有花
二月二日百二十四年ぶりの節分★★★
節分や八幡さまにお参りす★★★
寄合は恐怖の的や虎落笛★★★
畑の土黒々光り春近し★★★★
受験子に道案内や大学生★★★
剪定のクレーン高く日差しけり★★★
二ン月のあおぞら続く今朝の晴れ★★★
多田有花
寒の陽を受ける平野を見下ろせり★★★★
寒の梅ちょんちょん飛びてじょうびたき★★★
古田敬二
御嶽見ゆ冷えている三角点★★★
鈴鹿から伊勢湾越えて風花来★★★★
自由な投句箱/1月21日~31日
今日の秀句/1月21日~31日
1月21日~31日
青首の嘴より魚や多々良沼★★★
八十の端を忘れ獣狩★★★
川の面の光れる中を鳰番★★★
梅探ることし二度目の寺苑かな(原句)
多田有花
寒の梅眺めておれば寺の鐘★★★★
寒中や進めトレイルランニング★★★
寒木瓜や真贋定かピカソの絵★★★
天の階(はし)あるや白鳥翔ちにけり★★★
廣田洋一
鳰番行ったり来たり街の川★★★
マヨネーズで炒めし大根葉の昼餉★★★
剪定のクレーン高く伸び来たる★★★
白鳥へひろげし羽へ夕日かな★★★
老夫婦杖をつきつき冬日和★★★
冬晴れの空青々と富士白し★★★
窓鳴らし寒波が町にやってくる★★★
北風強く開けたるドアを押し戻す★★★
桑本栄太郎
すすぎもの干すや眩しく日脚伸ぶ★★★
さざ波の水面きらめく春隣★★★★
この一年無味乾燥や春隣★★★
蝋梅や瑠璃へ音無き朝日差す★★★
葉牡丹の茎ゆっくりと立ち上がり★★★
葉牡丹や雨水ためて光りをり★★★
枯萩の葉の縮れ居り坂を行く★★★
補助輪のキコキコ鳴りて春近し★★★
寒の月はやも山野を離れおり★★★★
古田敬二
一つだけ咲いているなり犬ふぐり★★★
浅間嶺の雪を迎えてきららかな★★★
日溜りに三色映える冬菫★★★
冬菫散歩の足を止めけり★★★
送電線白く里へと寒緩む★★★
橡の芽のぬめり艶めく冬芽かな★★★
煮凝や諏訪湖に舫う舟二葉★★★★
ばさと翔ちはらはらと来し寒雀★★★
早梅や日差し豊かな丘の上★★★★
赤き傘並んで帰る寒の雨★★★★
ぽつぽつと隣家の庭に寒の梅★★★
桑本栄太郎
畝ごとのマルチ煌めき日脚伸ぶ★★★
午後よりの雨の予報や寒ゆるむ★★★
一寸(いっすん)は高くなりたる落ち葉道★★★
さゆる夜の星またたくや風の里★★★
夕映えの端山凍滝見に行かむ★★★★
藷匂ひもう一つ足す焚火かな★★★
庭焚火バケツの水を傍に置き★★★★
過疎と云う一村埋もる雪の峡★★★★
日脚伸ぶ嶺の茜の入日かな★★★
春近き芝生に犬を駆けさせる★★★
せんだんの実や冬鳥を集めおり★★★★
獅子舞を見し宮の庭はるかなり★★★
廃校に猪猟師の集まれり★★★★
人出無き歓楽街や狐火は★★★
大都会捨てばやとはや虎落笛★★★
公園の木々の鎮まり雪催★★★
ちんちんとお湯の湧く音雪催★★★
冬シャツに最適なのは山のシャツ★★★★
寒の雨に降られ週末家籠り★★★
桑本栄太郎
一村の底ひとなりぬ峡の雪★★★
話しつつ韮雑炊の灰汁すくう★★★
白鳥と一会のけふや夕日影★★★
群青の空へ翔けたる小白鳥★★★★
白鳥の鴨を抛るや夕日影★★★
廣田洋一
悴む手一息かけて出かけたり★★★
悴む手小銭を出すに手間取りぬ★★★
悴む手大きく開き日を浴びぬ★★★★
多田有花
川岸の白く見えたり渇水期★★★★
乾きたる枯野に雨の降り始む★★★
春近し眠りは深し雨の朝★★★
頬被りとかぬ同士の会釈かな★★★
破顔して雪山下りし漢かな★★★
朝日受く巨木の狭間寒紅梅★★★★
多田有花
朽野にピンクの車停まりおり★★★
寒風になびくタオルを干しにけり★★★
大寒の快晴に立つ姫路城★★★★
桑本栄太郎
雨雲の峰にとどまり寒の雨★★★
水滴の枝にきらめく寒の雨★★★
木々の枝に滴の寒の底ひかな★★★
廣田洋一
柿の木のまっさらになり春隣
探梅や北鎌倉の待ち合わせ(原句)
久し振りと挨拶交す春隣★★★
古田敬二
手に取りて北京楓の紅葉かな★★★
落葉踏む妻の歩幅の小さくて★★★
冬ばらの力つきたる花様かな★★★
砂煙上げし山風青木の実★★★★
梅探る散歩の足を延ばしけり★★★
すれ違ふ人に声掛け探梅行★★★
探梅や北鎌倉の待ち合わせ(原句)
桑本栄太郎
トランプのゲーム終はりぬ寒晴るる★★★
病院の帰りは歩む寒の晴れ★★★
稜線の黒々うねり寒夕焼★★★
多田有花
青空と桜冬芽を仰ぎけり★★★★
ジャケットを白衣に替えて仕事かな★★★
薄けれどこの毛布実に暖かし★★★