今日の秀句/3月8日~3月20日(2022年)(転記)

3月20日(1句)
★浅間山隈なく晴れて雪解かな/小口泰與
雪解けが進む浅間山。陰るところもなく晴れて、雪解けは隠しようもなく進んでいる。本格的な春へむかう自然の巡り。(髙橋正子)
3月19日(1句)
★曇天を颯爽と切り初つばめ/多田有花
今年初めて見たつばめ。曇天ではあるが、颯爽と切って飛ぶ姿は、間違いなくつばめ。「つばめよ、ようこそ」。(髙橋正子)
3月18日(1句)
★東天に輝く星や春ショール/小口泰與
春の良き日、夫婦ででかけたのであろう。家路につくころには、東天に大きな星が輝き、春ショールでは少し寒い。料峭の道すがらのさり気ない夫婦愛。(髙橋正子)
3月17日(2句)
★峡空を潤す河津桜かな/小口泰與
山峡の空は、さみしい。2月下旬ごろから咲きはじめる河津桜は、少し色が濃くて、咲けば、山峡の空もはなやかに、潤って感じられる。ここにも春が来たのだ。(髙橋正子)
★野放図と云う枝振りの野梅かな/桑本栄太郎
野梅は枝を切られることもなく、奔放に枝を伸ばしている。伸びて交差する枝は、野放図というのにふさわしい。庭梅にない奔放さ、逞しさが野梅にはある。(髙橋正子)
3月16日(1句)
★鶯を間近に聞ける夜明けかな/多田有花
夜明け、間近に鴬の声が聞こえた。まだ薄暗い夜明けの鴬の声はうるわしく、妙なる声。「間近に聞ける」が嬉しい。(髙橋正子)
3月15日(1句)
★いささ舟公魚釣りの只中へ/小口泰與
公魚釣りは、氷上に穴を開け、そこから釣り糸を垂らして釣り上げる様子をテレビでよく見る。凍ってないところに小舟を出して、釣り三昧の人たちに近づこうというものか。(髙橋正子)
3月14日(1句)
★高らかに応えて卒業証書受く/多田有花
卒業式は、卒業証書授与式。「高らかに応えて」は、名前を呼ばれて「はい」と応える誇らしく、明るい学生の声。教師も学生も、卒業を喜びあう感慨深いときが詠まれている。(髙橋正子)
3月13日(1句)
★奔放と云うは林の野梅かな/桑本栄太郎
林にゆくと梅が枝を奔放に伸ばして咲き満ちている。「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」と俗に言われているが、梅を適宜剪定しなければ、野放図というか、奔放というか、勢い余った感じがする。それが野梅の魅力だが。(髙橋正子)
3月12日(1句)
★岩陰の雪代山女飛び出しぬ/小口泰與
春の雪解けの頃釣れる山女を雪代山女と呼ぶ。「雪解け水で増水し白く濁った流れは早く、冷たい。水温が低いと食いが悪く釣るのは難しいが、釣人にはそれもまた魅力。」と言われている。その山女が岩陰から飛び出して、おどろくことやら。(髙橋正子)
3月11日(1句)
★引鴨や上越の空慌ただし/小口泰與
この句の上越は新潟、群馬を指してよいであろう。鶴が北に帰っていく様子は美しいが、たくさんの鶴が空に湧くように飛ぶと、「慌ただし」とも思える。引鶴を目の当たりにした実感。(髙橋正子)
3月10日(1句)
★申告書終えて散歩へ春うらら/桑本栄太郎
確定申告の季節。今は国税庁のネット画面から簡単に申告できるようだが、やはり、慣れない文言や数字の処理のわずらわしさに困惑する。申告書を書き終えるとほっとするものだ。気持ちも軽く散歩へ足が向く。おりしも麗らかな陽気に、足取りが軽かったことだろう。(髙橋正子)
3月9日(1句)
★雲浮かぶ浅間南面雪解かな/小口泰與
ぽっかりと雲を浮かべた浅間山。南面は、雪解けが進んでいる。雄々しくそびえる浅間山がいよいよ春を迎えている。
私は小諸へ行くときに浅間山を間近に見したが、実際、大きさに圧倒されました。(髙橋正子)
3月8日(1句)
★葉牡丹の茎立のさき軽き色/川名ますみ
葉牡丹が茎立って、茎の伸びた先には淡い黄色の花を咲かせている。決してたくましくはないが、「軽い色」こそ命のかぎりの色と言えそうだ。(髙橋正子)

3月8日~3月20日(2022年)(転記)

3月20日(2名)
小口泰與
青空へ峰の紅梅雲を上げ★★★
浅間山隈なく晴れて雪解かな★★★★
はくれんやはるか榛名へ雲一朶★★★
桑本栄太郎
白れんのつぼみ膨らみ青み居り★★★
八重椿斑入りと云えど紅ほのか★★★
紅梅や閉じらるままの喫茶店★★★
3月19日(3名)
小口泰與
鳥交る窓を震わす山の風★★★
花虻や洗濯物の風に乗る★★★★
春泥や畝間を進むねこ車★★★
多田有花
初つばめ曇天なれど颯爽と(原句)
「なれど」が理屈になっています。ストレートに情景を述べましょう。(髙橋正子)
曇天を颯爽と切り初つばめ★★★★(正子添削)
春の畑杭打つ音の響きけり★★★★
また雨の降り出している彼岸かな★★★
桑本栄太郎
葉ぼたんの渦巻くままに茎立ぬ★★★
白木蓮の無垢と云えども深傷負う★★★
「云えども」が理屈です。ストレートに述べるのがいいと思います。(髙橋正子)
地球儀を回し愁うや冴え返る★★★
3月18日(3名)
小口泰與
ばらの芽のほぐれ赤子の手のごとし★★★
水中のペンギン速し鳥曇へ★★★
東天へ輝く星や春ショール(原句)
東天に輝く星や春ショール★★★★(正子添削)
桑本栄太郎
春雨や濡れて鴉の止まり居り★★★
卒園の親子の帰途や春の雨★★★
との曇る空を見上げて木の芽立つ★★★
多田有花
豆苗や春陽の方へ伸びてゆく★★★
切り花の百合馥郁と入り彼岸★★★★
入り彼岸静かな雨の一日に★★★
3月17日(3名)
小口泰與
かの庭の闇夜の中の沈丁花★★★
峡空を潤す河津桜かな★★★★
ばらの芽のほぐるや数えきれずなり★★★
多田有花
磯鵯さえずり高らかなる夜明け★★★★
野の道や菜の花の黄を両側に★★★
AIに運転指導受く春昼★★★
桑本栄太郎
野放図と云う枝振りの野梅かな★★★★
堰水の煌めき落つや水温む★★★
山の端のほんのり赤く春の宵★★★
3月16日(3名)
小口泰與
滔滔と利根の白波鼓草★★★★
雨上がり雪解の浅間眼間に★★★
くさり樋伝いし鳥や花きぶし★★★
多田有花
突然の気温上昇彼岸前★★★
鶯を間近に聞ける夜明けかな★★★★
たっぷりとうるおっている春の月★★★
桑本栄太郎
心地良き風の木蔭や春暑し★★★★
木々の枝のゆらぎ鳴き居り百千鳥★★★
うぐいすの物まねしたる初音かな★★★
3月15日(2名)
小口泰與
いささ舟公魚釣りの只中へ★★★★
忽然と鶏の声せり夜半の春★★★
浅間燃え春天へ禽一列に★★★
桑本栄太郎
干しものの弄られなびく春の風★★★
ビリビリとポスター破れ春疾風★★★
遅き日の目覚めてお菓子ひとつまみ★★★
3月14日(3名)
小口泰與
揚雲雀今朝の赤城は靄の中★★★
単調な田川の調べ鼓草★★★
鶯や山の橅林峰走り★★★★
多田有花
高らかに応えて卒業証書受く★★★★
卒業式は、卒業証書授与式。「高らかに応えて」は、名前を呼ばれて「はい」と応える誇らしく、明るい学生の声。教師も学生も、卒業を喜びあう感慨深いときが詠まれている。(髙橋正子)
卒業生より花束を贈られる★★★
祝卒業紅白上用饅頭食ぶ★★★
桑本栄太郎
雨上がり芽ぐむ梢や青空に★★★★
若枝の枝垂れみどりや庭の梅★★★
もくれんの芽の色めきし日差しかな★★★
3月13日(2名)
小口泰與
春なれや長きすそ野に憩いける★★★
利根はいさ雪代山女居りしかな★★★
いざいなん雪解の川へ魚釣りに★★★
桑本栄太郎
くいくいと天を目指せり桜の芽★★★
奔放と云うは林の野梅かな★★★★
林にゆくと梅が枝を奔放に伸ばして咲き満ちている。「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」と俗に言われているが、梅を適宜剪定しなければ、野放図というか、奔放というか、勢い余った感じがする。それが野梅の魅力だが。(髙橋正子)
心地良き風の木蔭や春暑し★★★
3月12日(2名)
小口泰與
渓流の雪解の流如何にせむ★★★
渓流の雪解の水に憤る★★★
岩陰の雪代山女飛び出しぬ★★★★
春の雪解けの頃釣れる山女を雪代山女と呼ぶ。「雪解け水で増水し白く濁った流れは早く、冷たい。水温が低いと食いが悪く釣るのは難しいが、釣人にはそれもまた魅力。」と言われている。その山女が岩陰から飛び出して、おどろくことやら。(髙橋正子)
桑本栄太郎
礼服のトンネル抜けて卒園す★★★
庭梅の枝垂れしだるる狭庭かな★★★
ミニ鉢の木瓜の花咲く花卉農園★★★★
3月11日(2名)
小口泰與
つくつくし巨石あるべき妙義山★★★
引鴨や上越の空慌ただし★★★★
この句の上越は新潟、群馬を指してよいであろう。鶴が北に帰っていく様子は美しいが、たくさんの鶴が空に湧くように飛ぶと、「慌ただし」とも思える。引鶴を目の当たりにした実感。(髙橋正子)
塩梅のなれて蕗味噌良かれかし★★★
桑本栄太郎
待合の長き廊下や春愁う★★★
診察を終えて明るき春の昼★★★★
囀りの団地の空に真似したる★★★
3月10日(2名)
小口泰與
三山は丈を競わず笑うなり★★★
春祭赤き腰巻あらわなり★★★
芽柳や利根の流れの荒らかに★★★★
桑本栄太郎
申告書終えて散歩へ春うらら★★★★
確定申告の季節。今は国税庁のネット画面から簡単に申告できるようだが、やはり、慣れない文言や数字の処理のわずらわしさに困惑する。申告書を書き終えるとほっとするものだ。気持ちも軽く散歩へ足が向く。おりしも麗らかな陽気に、足取りが軽かったことだろう。(髙橋正子)
残りしか棄てられ居しや春の鴨★★★
目覚めても未だ明るき遅日かな★★★
3月9日(2名)
小口泰與
春眠や影の伸び來る利根の瀞★★★
春昼や太柱にてひと眠り★★★
雲浮かぶ浅間南面雪解かな★★★★
ぽっかりと雲を浮かべた浅間山。南面は、雪解けが進んでいる。雄々しくそびえる浅間山がいよいよ春を迎えている。私は小諸へ行くときに浅間山を間近に見したが、実際、大きさに圧倒されました。(髙橋正子)
桑本栄太郎
いつまでも面影追いぬ春の夢★★★
料峭と云えど日差しの眩しけり★★★
学び舎の昼のチャイムや春うらら★★★★
3月8日(3名)
小口泰與
花辛夷獣の声の聞ゆなり★★★★
春霞赤城は岫もあらなくに★★★
風船のあらぬ風受け踊り行く★★★
桑本栄太郎
鉄塔の並ぶ青空春の嶺★★★
来て見ればすでに咲き居り花菜かな★★★
囀りの木々の間や青き空★★★★
川名ますみ
葉牡丹の茎立のさき軽き色★★★★
葉牡丹が茎立って、茎の伸びた先には淡い黄色の花を咲かせている。決してたくましくはないが、「軽い色」こそ命のかぎりの色と言えそうだ。(髙橋正子)
葉牡丹の茎立風をつかまえる★★★★
茎立や切なき歌はニ短調★★★

自由な投句箱/3月1日~7日

※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。
代表:高橋正子・管理:高橋信之

今日の秀句/3月1日~7日

3月7日(2句)
★積み上げしボートに春日たっぷりと/小口泰與
シーズンオフのボートが積み上げられ、春日をたっぷり受けている。湖や川に浮かぶ季節を待っているようなボートの様子。(髙橋正子)
★春耕の田にスコップの刺さりしまま/多田有花
スコップを畑に刺したまま、耕人は昼餉に帰ったのか、今日はここまでと終えたのか。春らしい畑の光景。(髙橋正子)
3月6日(1句)
★白梅や風受け立てり野に一本/多田有花
風を受けて立つ野梅の潔さがよい。(髙橋正子)
3月5日(2句)
★鶯の初音の響く夜明けかな/多田有花
春の夜明けのしらしらとした寒さと、鴬の初音の響き合いがいい。(髙橋正子)
★トラックにパンジー積まれ花卉農園/桑本栄太郎
トラックに積んでパンジーの苗を出荷するところ。花卉農園ならではの色とりどりの華やかさが明るくていい。(髙橋正子)
3月4日(1句)
★篩にかけ日向に曝す春の土/廣田洋一
篩いにかけ消毒を兼ねて日向に曝し、風を通す。蘇った春の土に何を植えるのだろう。(髙橋正子)
3月3日(1句)
★たんぽぽや新築の庭に咲き出でし/廣田洋一
たんぽぽは根が地中深くに伸び、絮も遠くまで飛んでその繁殖力はたくましい。新築の庭の、草もまだ生えないところに、可愛いたんぽぽが咲いて驚くことだ。(髙橋正子)
3月2日(1句)
★雨上がる今朝の日差しや畦青む/桑本栄太郎
雨が上がると待ちに待ったように、朝の日差しがまばゆく輝く。畦の草が青く萌えだし、いよいよ春だ。(髙橋正子)
3月1日(1句)
★湧水や至る所に蕗の薹/小口泰與
蕗の薹は、周囲に水があり、風がない場所によく生えるようだ。湧水があれば、あそこにも、ここにもと見つかって、嬉しいものである。湧水と蕗の薹の取り合せがきれいだ。(髙橋正子)

3月1日~7日

3月7日(2名)
小口泰與
禽去りて沼の広さや末黒葦★★★
積み上げしボートに春日たっぷりと★★★★
シーズンオフのボートが積み上げられ、春日をたっぷり受けている。湖や川に浮かぶ季節を待っているようなボートの様子。(髙橋正子)
春雷や利根の流れの荒あらし★★★
多田有花
春耕の田にスコップの刺さりしまま★★★★
スコップを畑に刺したまま、耕人は昼餉に帰ったのか、今日はここまでと終えたのか。春らしい畑の光景。(髙橋正子)
金盞花風強けれどよく晴れて★★★
プリムラや日曜の午後静かなり★★★
3月6日(4名)
小口泰與
禽去りて里の行事の野焼かな★★★
雪解水岩と抗い起ち上る★★★
花辛夷谷川岳の荒けなし★★★★
廣田洋一
田楽につい手が出るコップ酒★★★
田楽や肉に飽きたる舌の味★★★
アフリカの旅の終わりや茄子田楽★★★
多田有花
戦争はいつも突然春嵐★★★
陰ヨガに心身ほぐす春の夕★★★
白梅や風受け立てり野に一本★★★★
桑本栄太郎
こつ然と天の静寂や雲雀落つ★★★★
人の世は戦止まずよ冴返る★★★
番づつ浮寝すがたや春の鴨★★★
3月5日(4名)
廣田洋一
道端の小石押しのけ草若し★★★
水際に若草萌ゆる中洲かな★★★
若草やふはと返さる足の裏★★★★
小口泰與
雪形を仰ぐ農夫のねこ車★★★
春光や辞書ひく指の影太し★★★
過疎の駅雪解の風を纏うなり★★★★
多田有花
啓蟄の朝しらじらと明けてくる★★★
鶯の初音の響く夜明けかな★★★★
贈られし遺愛の書籍春の昼★★★
桑本栄太郎
遠嶺を望む田道やよなぐもり★★★
たびらこの茎伸び来たる日差しかな★★★
トラックにパンジー積まれ花卉農園★★★★
3月4日(4名)
小口泰與
白鳥の天伝いゆく北の国★★★
灌木に雉の鋭声や風の中★★★
白鳥の去りし大沼広びろと★★★★
廣田洋一
春の土掻き均されて広々と★★★
篩にかけ日向に曝す春の土★★★★
篩いにかけ消毒を兼ねて日向に曝し、風を通す。蘇った春の土に何を植えるのだろう。(髙橋正子)
春の土ローンテニスの音高し★★★
桑本栄太郎
学び舎の昼のチャイムや暖かし★★★
庭梅の紅の枝垂るる日差しかな★★★
白梅の道に迫り出し青みけり★★★
多田有花
ブラウザを開けば現る内裏雛★★★
コーヒーのやわらかに香り春の朝★★★
ムーンリバー奏でしサックス春の宵★★★
 
3月3日(3名)
小口泰與
匂ひ立つ佐久の鯉こく山笑う★★★
テンカラや魚籠一杯の蕗の薹★★★★
あまたたび鳴く子雀や樋の中★★★
廣田洋一
たんぽぽや新築の庭に咲き出でし★★★★
たんぽぽは根が地中深くに伸び、絮も遠くまで飛んでその繁殖力はたくましい。新築の庭の、草もまだ生えないところに、可愛いたんぽぽが咲いて驚くことだ。(髙橋正子)
園児らの声をかけ行くたんぽぽかな★★★
たんぽぽや土を離れず葉を広げ★★★
桑本栄太郎
乙訓の風の田道や蕗の薹★★★
見下ろせば川に緋鯉や水温む★★★
立子忌のままごと遊び雛の客★★★
3月2日(4名)
小口泰與
のどけしや浅間の煙まっすぐに★★★
我と犬帰雁をあおぐ畷径★★★★
山風の煽つ霞の里の沼★★★
廣田洋一
白酒を供へてみたし政子矢倉★★★
雛祭女帝を気取る一人っ子★★★
吊るし雛四隅に垂らし雛祭★★★
桑本栄太郎
身の内の滾る思いや新芽立つ★★★
雨上がる今朝の日差しや畦青む★★★★
雨が上がると待ちに待ったように、朝の日差しがまばゆく輝く。畦の草が青く萌えだし、いよいよ春だ。(髙橋正子)
幼子のこくりと会釈日永かな★★★
多田有花
固定資産税払い終え二月尽★★★
三月や道路工事があちこちで★★★
春雨のなかを荷物が届きおり★★★
3月1日(4名)
小口泰與
湧水や至る所に蕗の薹★★★★
蕗の薹は、周囲に水があり、風がない場所によく生えるようだ。湧水があれば、あそこにも、ここにもと見つかって、嬉しいものである。湧水と蕗の薹の取り合せがきれいだ。(髙橋正子)
文机に置かれし紙の雛かな★★★
麗らかや小屋旋回の伝書鳩★★★
廣田洋一
合格を祝ぎて鶯鳴きにけり★★★
すいと伸び鶯招く小枝かな★★★
鶯や産土神の霊気増す★★★★
桑本栄太郎
野放図と云う枝振りの野梅かな★★★★
三月の空との曇り雨予報★★★
木々の枝のうすきみどりや新芽吹く ★★★
多田有花
ヘリコプター春青空を飛びゆけり★★★
たんぽぽやまだ低く地にはりついて★★★★
春めきてドライブレコーダー使い初め★★★