8月28日(火)

●小口泰與
つり橋を渡りて宿や夕河鹿★★★
山風の猛々しきやけしの花★★★
どんどんと蜘蛛の子散らす目高かな★★★

●佃 康水
草刈られ畔の川筋光りけり★★★★
川を覆っていた草がきれいに刈られると、川は水を光らせて流れる。さっぱりとした川の流れがすがすがしい。(高橋正子)

長廊下足裏の湿り梅雨の入り★★★
デパートの梅雨入りグッズやカラフルに★★★

●小西 宏
酢漿の花くび傾げ雨近し★★★
梅雨前の塩辛蜻蛉岩の上★★★
梅雨近し小暗き森の鳥の声★★★

●多田有花
五月の雨並びし子らの傘の色★★★
雲低く山にかかりて走り梅雨★★★
万緑となりぬ風雨に洗われて★★★

●桑本栄太郎
青空の高き葉陰やいかる鳴く★★★
草茂る川の中州や水見えず★★★
緑蔭のつづく車内の阪急線★★★

●河野啓一
万緑に埋もれ活き活き森を行く★★★
苦瓜を植えつけて待つ青簾★★★
走り梅雨なるや夜来の雨の音★★★

●小川和子
風澄めば矢車草の花淡き★★★★
矢車草の色は、風に澄まされたような色をしている。逆に言えば、風が澄むと矢車草の花も淡く清楚に。(高橋正子)

森に聞く声のみ低く青葉木菟★★★
青嵐吹けば吾を呼ぶ母しのぶ★★★

●古田敬二
一列に丸く風受けネギ坊主★★★★
ネギ坊主が一列に整列して、さながら坊主頭の子どものよう。その頭をさらっと風がなでると、行儀のよいかわいい風景となる。(高橋正子)

うつむくはホタルブクロの内気かな★★★
まず一色見せて濡れてる額紫陽花★★★

●川名ますみ
薫風に眠りし人よ雲のべつ★★★
梅雨入の今年は忌日より早く★★★
さくらんぼ炊いて隣にミントティ★★★>


コメント

  1. 佃 康水 
    2013年5月31日 7:33

    御礼
    信之先生、正子先生、5/28の俳句に★印のご指導を有難うございました。
    正子先生 「草刈り」の俳句へ大変うれしいお言葉を頂き有難うございます。今、田植えの準備に農家の方々は多忙に動き回っていらっしゃいますが、草刈の後、水の流れが見えて活き活きと息付いていました。