5月29日(水)

●小口泰與
岩魚追う獣道をや登りけり★★★
鰻釣る蛇と見紛ううねりかな★★★
我立つと水面に集う目高かな★★★

●佃 康水
草叢の木苺朝の陽を返す★★★★
草叢の木に小さな実をつける木苺。つぶつぶの実が朝日をはね返すと、宝石のように輝く。小さく、フレッシュなものの可愛いさ。(高橋正子)

種々の樹のみな真っ白き花蜜柑★★★
老鶯や木魂のように啼き返す★★★

●桑本栄太郎
それぞれの丈にときめくルピナスよ★★★
医科大の樟の大樹や風薫る★★★
早苗田の山影よぎる車窓かな★★★

●藤田洋子
紫陽花にきれいな山の風が吹く★★★★
梅雨入りしたばかり。ときに、山には涼しく透明な、さらっとした風が吹く。それが「きれいな風。」紫陽花をさわやかに、軽やかにしている。(高橋正子)

見始めの紫陽花一つ大きなる★★★
紫陽花の毬それぞれに朝の色★★★

●小西 宏
草原を母さんと行く藁帽子★★★★
広く、青い草原を麦わら帽子を冠った母と子が行く。草原と母と子のみ。ことさらに何もない世界がいい。(高橋正子)

挨拶は軽鳧の子のこと草の池★★★
五月野を網持ち走るふくらはぎ★★★

●河野啓一
力矯めつぼみ抽き出すアマリリス★★★
アマリリス赤色秘めて伸び出る★★★
碁に負けて口惜しくもありアマリリス★★★

●川名ますみ
聖橋(ひじりばし)
緑蔭の先は明るき聖橋★★★★
聖橋は、お茶の水駅近くの神田川に架かるアーチ型の橋。湯島聖堂とニコライ堂をつなぐ橋という意味で、聖橋と命名されたという。湯島聖堂方面から見た光景が。橋の明るさが緑陰と対比されて、より明るい思いが感じられる。(高橋正子)

御茶ノ水橋の先蔦茂る橋★★★
御茶ノ水橋の向こうに青蔦の橋★★★


コメント

  1. 藤田洋子
    2013年5月30日 22:34

    お礼
    信之先生、正子先生、5/29の俳句に★印の添削のご指導をいただきありがとうございました。
    正子先生、「紫陽花」の句にコメントを寄せていただき嬉しいかぎりです。ありがとうございました。

  2. 佃 康水 
    2013年5月31日 7:19

    御礼
    信之先生、正子先生、5/29の俳句に★印のご指導を有難うございました。
    正子先生 「木苺」の句にその時に思った通りのお言葉を頂き大変うれしく励みにさせていただきます。

  3. 小西 宏
    2013年5月31日 8:37

    お礼
    高橋信之先生
    高橋正子先生
    いつも俳句のご指導を下さり、どうもありがとうございます。
    正子先生
    「草原を母さんと行く藁帽子」へのお言葉、たいへんありがたく、嬉しく頂戴いたしました。