4月10日

●小口泰與
あえかなるばらの新芽や風の中★★★★
ばらの新芽に「あえか」な表情を見た。かわいらしく、やわらかく、傷つきそうな新芽が風の中に伸びてきた。(高橋正子)

山風に帽子とられし春の川★★★
揚ひばり榛名へ夕日急ぐかな★★★

●多田有花
よく晴れし菫咲く道を歩く★★★
風吹けば我に注ぎし花吹雪★★★
藪椿手にして男戻りけり★★★★
花を手にした男の人を目にすれば、その人の意外な面を覗いたような気になる。花好きは概してやさしい。「藪椿と男」の取り合わせがよい。(高橋正子)

●黒谷光子
満開の桜めぐらす天守閣★★★
人の列絶えぬ濠端花満開★★★
会食の造りに旬の桜鯛★★★

●河野啓一
信濃路や安曇の里の豆の花★★★
山焼きの煙は風に明日香村★★★
遠霞花散り終えて山裾に★★★★

●小西 宏
そよ風に子ら手をつなぎ雪柳★★★★
陽を散らしツバメ旋回高く消ゆ★★★★
広々と芽吹く欅に昼の月★★★

●古田敬二
春蘭のすっくと立てり藪の奥★★★
春の日の走り根深く潜りけり★★★
豊かなり木々それぞれに芽吹く色★★★★


コメント

  1. 小口泰與
    2014年4月11日 10:12

    御礼
    高橋信之先生、正子先生
    4/10の投句に★印のご指導を賜り、その上、正子先生には「ばらの新芽」の句に素晴らしい句評を頂き有難う御座いました。
    今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。

  2. 多田有花
    2014年4月11日 18:37

    お礼
    信之先生、正子先生、
    「藪椿手にして男戻りけり」にご指導、ご句評をいただきありがとうございます。
    山へあがっていく道で、藪椿を手にしておりて来られる男性の姿を見ました。
    女性で花を手にしている人は結構よく見るのですが、男性は珍しく、印象に残りました。