3月21日
●桑本栄太郎
西空の豊かに蒼し春の宵★★★★
春の宵空は暮れ色に蒼い色がたゆたい、「ゆたかに蒼し」となって、たとえようもなく、柔らかく美しい。(高橋正子)
稜線の嶺くつきりと余寒風★★★
桜桃の蘂のかそけく青空に★★★
●小口泰與
あけぼのや日ののびていてつくつくし★★★★
「日ののびていて」が野原の草の萌え出た緑のやわらかさを想像させる。その中に土筆がのびて、あけぼのの冷たさのなかにすっくと立ちみずみずしい。(高橋正子)
上州の風の国原揚ひばり★★★
ばらの芽や赤子の指のやわらかし★★★
●河野啓一
相模より孫来阪す春彼岸★★★★
春分の朝日に躍る狭庭かな★★★
球児らの入場行彼岸かな★★★
●迫田和代
目の前で春駒踊り牧広く★★★★
「春駒踊り」は、白川郷や郡上などで踊られる伝統芸能のようであるが、詳しくは知らない。牧場を背景に、目の前で踊られると、迫力も違うことだろう。(高橋正子)
あと少し桜並木の桜かな★★★
紅梅や青空に向け高く咲く★★★
●高橋秀之
合唱の声高らかに卒業式★★★★
今は、卒業式に「蛍の光」や「仰げば尊し」は歌われなくなったと聞く。胸を張って声高らかに卒業歌を歌う。未来へと夢が膨らんで、あかるい卒業式風景だ。(高橋正子)
卒業式終えて笑顔の人だかり★★★
卒業式夢を語って胸を張り★★★
3月20日
●小口泰與
七十年浅間の雪解仰ぎおり★★★★
雪解の季節が巡って来、また暖かい春を迎えた。思えば幾年この雪解けの時を迎えたことだろう。生まれて七十年ずっと浅間を仰いできた生活。七十年の感懐である。(高橋正子)
つばくらの川くつがえる風の中★★★
かしましき声を降ろせり花見舟★★★
●祝恵子
子ら去りてふらここ軽くなりゆるる★★★★
子らが乗っていた間は、ぶらんこに子らの重さがある。子らが下りるとその重さがなくなり、ぶらんこは軽くゆれる。軽さがうららかで快い。(高橋正子)
路地路地に子の声遊ぶ春休み★★★
濃き色のヒカンサクラに目白鳴く★★★
●桑本栄太郎
地ひびきを立てて紅置く落椿★★★★
川べりを歩めば風の余寒かな★★★
日暮れれば淡き茜や春霞★★★
コメント
御礼
高橋信之先生、正子先生
3/20の投句に★印のご指導を賜り、その上、正子先生には、素晴らしい句評を頂きありがとう御座いました。
今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
お礼
信之先生、正子先生★印のご指導をありがとうございます。「ふらここ」に素敵な句評を頂きましてありがとうございます。
御礼
高橋信之先生、正子先生
3/21の投句に★印のご指導を賜り、その上、正子先生には、「つくつくし」の句に素晴らしい句評を頂きありがとう御座いました。
今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
お礼
信之先生
正子先生
3/21の春駒踊りの句に★のご指導を賜りとても嬉しかったです。と、申しますのは佃様のお誕生をお祝いしその投句だったのですから。今後ともよろしくご指導くださいませ。正子先生のコメント素晴らしいです。有難う御座いました。
お礼
迫田和代様
3/21の「春駒踊り」の句の先生へのお礼のコメントを拝見致しました。俳句を通し温かいお心使いに感謝申し上げます。迫田さんとは添削教室での同期生ですね。これからもご一緒に勉強させて頂きましょう。
好きな句
目の前で春駒踊り牧広く/迫田和代
春駒踊りについて詳しくは知りませんでした。これから春駒の勉強をさせて頂くチャンスを作って頂いた句です。有難うございます。
デイリー句会投句
★洗い場の水止め初音聞き澄ます
★黎明の初音に一日気の弾む
★水換えて早や蹲踞へ椿落つ
御礼
高橋信之先生、正子先生
3月20日の投句「地ひびきを立てて紅置く落椿」の句に★印のご指導を頂戴しまして大変有難うございます。先日の散策にて、目の前の椿の花が高い所からすとんとと落ちました。意外に大きな音に驚きました。
御礼
高橋信之先生、正子先生
3月21日の投句「西空の豊かに蒼し春の宵」の句に★印のご指導を賜り、過分なるご句評も頂戴しまして大変有難うございます。先日の春嵐の翌日はすっかり晴れ、夕方の日が沈み西空の嶺の上が群青紺となっていました。その日は一日中穏やかであり、春宵一刻値千金の様子でした。
お礼
佃 康水様
折角のおめでたい日に変な話で御免なさい。でも私にすれば、大真面目でしたのよ。お優しい正子先生のコメントで、かたちになり嬉しかったです。佃さんも有難う御座いました。