3月18日
●小口泰與
夕づくと来鳴くうぐいす縁の先★★★
黄水仙風にならいて向きむきに★★★★
揺るる梢(うれ)捕まえがたき春の鳥★★★
●黒谷光子
外に出でば春満月の真正面★★★★
何かちょっとした用事で外に出られたのだろう。真正面に満月を見たときの嬉しさは、格別。満月と対面し、話し、話しかけれるような気持ちになる。やわらかな春の満月にうっとりとするとき。
(高橋正子)
春の月遮るものの何もなく★★★
お茶湯に茶柱の立つ春の朝★★★
●多田有花
春風にセーラー服の少女たち★★★
里芋をやわらかく煮て彼岸入り★★★★
鶯の囀り山路のあちこちに★★★
●桑本栄太郎
あおぞらの梢艶めき春日さす★★★
菜の花のひと畝残し耕さる★★★★
ひと畝の菜の花は種を取るために残されたか。それも含めてきれいな菜の花をまだ楽しもうとういうのか。ひと畝の菜の花にすすむ季節が惜しまれる。(高橋正子)
うす淡く容ゆるびて山笑う★★★
●小西 宏
陽の庭に白木蓮の花浮かぶ★★★★
さんさんと太陽が降り注ぐ庭に、白木蓮が鮮やかに咲いている。庭の陽のあまりの明るさに、花は「浮かぶ」感じだ。白木蓮の花の姿をよく表している。(高橋正子)
さざ波立て陽を輝かせ春の風★★★
ふと風の止み香の中に入る梅の園★★★
●古田敬二
藪椿森の夕べに高く咲く★★★★
木五倍子咲く藪へ夕べの偲び来る★★★
さ緑に垂れて木五倍子の夕べかな★★★
コメント
御礼
高橋信之先生、正子先生
3/18の投句に★印のご指導を賜り、厚く御礼申し上げます。今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
御礼
高橋信之先生、正子先生
3月18日の投句「菜の花のひと畝残し耕さる」に★印のご指導を賜り、嬉しい丁寧なるご句評も頂戴しまして大変有難うございます。菜園の春の光景もかなり進み、とある場所では一列の畝のみを残し耕されていました。間もなく夏物野菜の苗が植えられるものと想いました。
お礼
高橋正子先生
「陽の庭に白木蓮の花浮かぶ」へのお言葉、たいへんありがとうございます。家々の庭が明るく輝くこの頃です。