3月20日(4名)
小口泰與
枝枝に葉はいまだしや春楓★★★
癒ゆるとは春の青空舞う如し★★★
春日浴び沼はいよいよ大笑い★★★
癒ゆるとは春の青空舞う如し★★★
春日浴び沼はいよいよ大笑い★★★
多田有花
春雨続く中で食後の珈琲を★★★
春分の霜いちめんに輝けり★★★
春分に流れるヨハン・クリスティアン・バッハ★★★
春分の霜いちめんに輝けり★★★
春分に流れるヨハン・クリスティアン・バッハ★★★
桑本栄太郎
われ行かず孫ら田舎へ彼岸かな★★★
お彼岸や心の墓に手を合わす★★★★
春風の頬を撫で行く田道かな★★★
お彼岸や心の墓に手を合わす★★★★
春風の頬を撫で行く田道かな★★★
廣田洋一
久し振り妻の夢見し彼岸かな★★★
強き風頬を打ちたる彼岸入り★★★
春分や建築工事始まりぬ★★★
強き風頬を打ちたる彼岸入り★★★
春分や建築工事始まりぬ★★★
3月19日(5名)
小口泰與
ほぐれたる牡丹の芽にささら雨★★★
山茱萸の黄のほつほつと蒼き空★★★
愛犬の老いいやまさる暮の春★★★
山茱萸の黄のほつほつと蒼き空★★★
愛犬の老いいやまさる暮の春★★★
桑本栄太郎
カーテンを開けて頻りに春の雪★★★
こんもりと枝垂れ梅咲く狭庭かな★★★
ほつほつと小花咲き初む雪やなぎ★★★
こんもりと枝垂れ梅咲く狭庭かな★★★
ほつほつと小花咲き初む雪やなぎ★★★
土橋みよ
初乗りに新しき靴春日満つ★★★
春光の寺路を行けば鳥の歌★★★
紅菜苔茹でてほぐるる茎の艶★★★
春光の寺路を行けば鳥の歌★★★
紅菜苔茹でてほぐるる茎の艶★★★
廣田洋一
春の田や先ず雑草を刈り取りし★★★
川べりに残る春田の畔を踏む★★★★
引鶴や次第に列を整えし★★★
川べりに残る春田の畔を踏む★★★★
引鶴や次第に列を整えし★★★
上島祥子
スカーフに明るさ求む春の服★★★
雪柳芽吹き気長に北の庭★★★★
夕日照り柊南天咲き揃う★★★
雪柳芽吹き気長に北の庭★★★★
夕日照り柊南天咲き揃う★★★
3月18日(3名)
小口泰與
ばらの芽や上州風の強き国★★★
春泥をい行きて森の鳥と遭う★★★
辛夷咲きいきよい強き川の水★★★★
春泥をい行きて森の鳥と遭う★★★
辛夷咲きいきよい強き川の水★★★★
廣田洋一
白木蓮高く灯りて街の角★★★★
おかめてふ桜咲きたる曲がり角★★★
芽柳のゆったり揺れる弁天堂★★★
おかめてふ桜咲きたる曲がり角★★★
芽柳のゆったり揺れる弁天堂★★★
桑本栄太郎
さざ波の立つばかりなり鳥雲に★★★★
水底に日の斑のゆらぐ春の池★★★
番いごと塊りあうや残り鴨★★★
水底に日の斑のゆらぐ春の池★★★
番いごと塊りあうや残り鴨★★★
3月17日(4名)
小口泰與
今さらの如くに見るよ雪解川★★★★
山風をまといて帰る雁の群★★★
いや白き浅間山巓里は春★★★
山風をまといて帰る雁の群★★★
いや白き浅間山巓里は春★★★
廣田洋一
初雷に目覚めし朝や闇の中★★★
平原の草青々と春の空★★★
鳶一羽舞い上がりたる春の空★★★
平原の草青々と春の空★★★
鳶一羽舞い上がりたる春の空★★★
多田有花
桜鯛のかぶと煮甘くしゃぶりけり★★★
彼岸入いまだ寒さの残りおり★★★
春雨の通り過ぎたる街に出る★★★
彼岸入いまだ寒さの残りおり★★★
春雨の通り過ぎたる街に出る★★★
桑本栄太郎
濡れそぼつ乙女つばきの滴かな★★★
ぼた餅にごくりと喉の入り彼岸★★★
鷹鳩と化して降り来る日照雨かな★★★
ぼた餅にごくりと喉の入り彼岸★★★
鷹鳩と化して降り来る日照雨かな★★★
3月16日(3名)
小口泰與
川囃し帰雁の頃となりにけり★★★
春雷や怯ゆる子犬床の間へ★★★
ほつほつと山茱黄の花青空へ★★★★
春雷や怯ゆる子犬床の間へ★★★
ほつほつと山茱黄の花青空へ★★★★
土橋みよ
<根室のふのり>
北の磯削りしふのり春届く(原句)
北の磯削りしふのり春届く(原句)
北磯の削りしふのり春届く(正子添削)
春風に香る簾の生ふのり★★★★
春の朝ふのりとろとろ椀の中★★★
春風に香る簾の生ふのり★★★★
春の朝ふのりとろとろ椀の中★★★
多田有花
春の庭二重跳びする女の子★★★★
横転の軽自動車に春陽さす★★★
紅梅を咲かす古民家ランチ店★★★
横転の軽自動車に春陽さす★★★
紅梅を咲かす古民家ランチ店★★★
3月15日(6名)
小口泰與
百千鳥湖畔に家を建てたしよ★★★
春の沼いぶかられおる朝の波★★★
上州は五百重の山に抱かれし★★★
春の沼いぶかられおる朝の波★★★
上州は五百重の山に抱かれし★★★
多田有花
化粧廻し春の土俵に揃いけり★★★
春場所の土俵に入りぬ新横綱★★★
春場所やいつしか満員御礼に★★★
春場所の土俵に入りぬ新横綱★★★
春場所やいつしか満員御礼に★★★
土橋みよ
手術終え我が足で行く春の道★★★★
春風に根室のふのり香り立つ
春風に根室のふのり香り立つ
「ふのり」は具体的にどこで香り立っているのでしょうか。干されているとか、お椀の中とか。(髙橋正子)
廣田洋一
青空に咲きあふれたる河津桜★★★
洋一さんのリズムと少し違いますが、添削例のようにも詠めます。
青空に河津桜の咲きあふれ(正子添削例)
土手一面覆いつくせる若き草★★★
畝一つ吾が場所として仏の座★★★
桑本栄太郎
<洛西大原野の田園をバスで行く>
春日さすバスの車内の眩しくて★★★
春耕の畝間に水を湛え居り(原句)
春日さすバスの車内の眩しくて★★★
春耕の畝間に水を湛え居り(原句)
「畝間に…湛え居り」の主語は何でしょうか。(髙橋正子)
菜の花を右に左に路線バス ★★★
菜の花を右に左に路線バス ★★★
上島祥子
春夕日通過列車は三編成★★★
雨音の傘に響いて春の冷え★★★★
(名古屋の徳川美術館では毎年春に国宝の「初音の調度」の展示が有ります。)
三月や初音の調度の案内板★★★
弓削和人
僧房の裏街道や春の泥★★★
陰雪を照らす陽ざしの淡きかな★★★
春寒し蕎麦の香喉をすべりけり★★★
陰雪を照らす陽ざしの淡きかな★★★
春寒し蕎麦の香喉をすべりけり★★★
3月14日(5名)
小口泰與
梅咲きて北へ向かいし鳥の群(原句)
「向いし」の「し」の意味をよく考えてください。(髙橋正子)
梅咲きて北へ向かえる鳥の群(正子添削)
いぶかりし鳥声近し春の森★★★
今さらの如くに見ゆる斑雪★★★★
廣田洋一
落椿垣根の端を明るくす★★★★
門前を真っ赤に染めし椿かな★★★
潦赤く染めたる落椿★★★
門前を真っ赤に染めし椿かな★★★
潦赤く染めたる落椿★★★
多田有花
三段目の取組進む春の昼★★★
春場所の行司応援横断幕★★★
春の土腹につけたる負力士★★★★
春場所の行司応援横断幕★★★
春の土腹につけたる負力士★★★★
桑本栄太郎
<京都大原野の丘>
菜の花や畝間に光る春の水(原句)
菜の花や畝間に光る春の水(原句)
「菜の花」と「春の水」が詠まれています。これは季重なりになります。
せせらぎの瀬音早きや春の丘★★★
野放図というは狭庭の野梅かな★★★
上島祥子
円描く春禽の軌跡滑らかに★★★★
シャボン玉生まれては消え母子の間に★★★
シャボン玉天目指す一つ風に乗る★★★★
シャボン玉生まれては消え母子の間に★★★
シャボン玉天目指す一つ風に乗る★★★★
3月13日(3名)
廣田洋一
公園の園児の声や青き踏む★★★
行きずりに芽柳撫でる銀座の灯★★★
炉を塞ぐ名残の炭を足しにけり★★★
行きずりに芽柳撫でる銀座の灯★★★
炉を塞ぐ名残の炭を足しにけり★★★
多田有花
三月や浪花の街を力士ゆく★★★
春雨に四股名の幟立ち並ぶ★★★
浪花場所力士浮世絵飾られて★★★★
春雨に四股名の幟立ち並ぶ★★★
浪花場所力士浮世絵飾られて★★★★
桑本栄太郎
稜線のうつすらかすみ霾ぐもり★★★
春北風の頬なぶりゆく田道かな★★★
ポン菓子の圧の爆音春の昼★★★
春北風の頬なぶりゆく田道かな★★★
ポン菓子の圧の爆音春の昼★★★
3月12日(5名)
小口泰與
春の夕もの言いたげな目のありぬ★★★
訝しき墓の荒れよう猫の恋★★★
ぷちぷちとさんしゅうの花にわのすみ★★★
訝しき墓の荒れよう猫の恋★★★
ぷちぷちとさんしゅうの花にわのすみ★★★
廣田洋一
芽柳や雨にけぶれるお濠端★★★
発雷や保母に駆け寄る園児たち★★★
春の鴨行く手を阻む鯉の群★★★
発雷や保母に駆け寄る園児たち★★★
春の鴨行く手を阻む鯉の群★★★
土橋みよ
見上げれば雲間を走る春の月★★★
春光に導かれゆく大中寺
春光に導かれゆく大中寺
「春光に導かれ」がよくわからないです。(髙橋正子)
春風に旨味膨らむするめいか★★★
春風に旨味膨らむするめいか★★★
桑本栄太郎
ほつほつと芽吹く細枝や雪やなぎ★★★
田道ゆく我にほほ笑む犬ふぐり★★★
空中にとどまるように虻の昼★★★
田道ゆく我にほほ笑む犬ふぐり★★★
空中にとどまるように虻の昼★★★
多田有花
初音かな洗濯を干すベランダへ★★★★
春空を一直線に飛行機雲★★★
春の雨児童の傘の並びゆく★★★
春空を一直線に飛行機雲★★★
春の雨児童の傘の並びゆく★★★
3月11日(3名)
小口泰與
早春の天は青空強き風★★★
磐座を登る朝日や春の風★★★
目ん玉をぐるりと回し春の鯉★★★
磐座を登る朝日や春の風★★★
目ん玉をぐるりと回し春の鯉★★★
廣田洋一
炉を塞ぐ六畳の居間広くなり★★★
海風に香りを載せて沈丁花★★★★
雛菊や日陰に白く光りおり★★★
海風に香りを載せて沈丁花★★★★
雛菊や日陰に白く光りおり★★★
桑本栄太郎
去年の殻つけし侭なり薮つばき★★★
ぼうぜんとただ眺め居り梅満開★★★
暮れかぬる雲の茜や春の宵★★★
ぼうぜんとただ眺め居り梅満開★★★
暮れかぬる雲の茜や春の宵★★★
コメント
お礼
いつもご指導有難うございます。
詩因をよく考えなおして、再度投句したいと思います。
御礼
高橋正子先生
「梅咲きて」の句をご指導賜り厚く御礼申し上げます。今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。有難う御座いました。
お礼
ご指導有難うございます。
「春風に」の句で、香り立つのは、生ふのりを干した状態だったと気づきました。また、お椀の中のふのりは香り立つのではなく、ふのりのトロトロ感を美味しく感じていることに気づきました。作り直してみます。
御礼
高橋正子先生
3月15日の「青空に咲きあふれたる河津桜」を「青空に河津桜の咲きあふれ」と添削して戴き、有難うございます。青空と桜の赤との対比が強くなりました。
今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。
添削お礼
正子先生
星のご指導と添削を頂き有難うございます。
「北の磯」の句は、「北磯の」とすることで、上5と中7のつながりが良くなるだけでなく、句が引き締まったのがよくわかりました。ご親切に感謝しております。
お礼
正子先生
15日の星のご指導有難うございました。