2月16日-17日

2月17日

●小口泰與
単線の鉄路かがよう春スキー★★★
あけぼのの雪解の榛名輝かす★★★★
春の雲掲ぐ榛名や鳶の笛★★★

●祝恵子
樹に隠る春鳥を待つ日の温み★★★
まんさくや今来た道を振り返る★★★★
梅ふふむ一人占めする空のあり★★★★
青空に梅の蕾がふくらんでいる。梅のふふむ空の美しさにひとり見惚れている。一人占めして楽しんでいる。心の持ちようでこんなよい世界が生まれる。(高橋正子)

●桑本栄太郎
梅ひらく一木のみの白さかな★★★★
あたりに先駆けて一木だけ梅が満開である。清潔で光に満ちた白さが目を惹く。「一木のみの白さ」が季節感と共に梅の花らしさをよく表現している。(高橋正子)

青空へ紅の一輪丘の梅★★★
、白梅の空の彼方へつづきけり★★★

●小西 宏
庭の雪芯の青みに解けゆけり★★★★
風に耐え雪に影置き春の光★★★
道に雪融けつつあるを跨ぎ行く★★★

2月16日

●小口泰與
春雪の花を咲かせし梢かな★★★
腰までの春雪降りし史上初★★★
ずぶずふと小犬消ゆるや春の雪★★★★
雪にまろび遊ぶのが好きな小犬ではあるが、このたびの春の大雪は、子犬が雪に溺れてしまうほどである。「ずぶずぶと」に水分を多く含んだ春の雪のやわらかさ、深かさ、子犬の重さなどが知れる。(高橋正子)

●桑本栄太郎
吹きさらす風の野面や蓬萌ゆ★★★★
雲奔り日射し眩しき余寒かな★★★
蒼天の楽譜となりぬ銀杏芽木★★★

●多田有花
城跡より城跡を見る春早し★★★
一本の松が立ちたり春の空★★★
山に山重ねて山の朧かな★★★

●小西 宏
春の空青々と澄み雪垂(しず)り★★★★
雪融けて庭に如雨露の口立てり★★★
吹く風に木の芽襞なし空を指す★★★

●川名ますみ
春雪の角度保ちて降りそそぐ★★★★
さつさつと斜めに降る春雪の降り様を「角度保ちて」と表現した。「理」が買っているようだが、よいデッサン力だ。(高橋正子)

春の雪角度を守り降りきたり★★★
春雪を弾く樹花芽に載せる樹★★★★


コメント

  1. 小口泰與
    2014年2月17日 9:58

    御礼
    高橋信之先生、正子先生
    2/16の投句に★印のご指導を賜わり、その上、正子先生には「春の雪」の句に素晴らしい句評を頂き、有難う御座います。今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。

    まだ、庭には50cm以上の雪が残っています。両先生にはくれぐれもご自愛のほどお願い申し上げます。

  2. 桑本栄太郎
    2014年2月18日 18:13

    御礼
    高橋信之先生、正子先生
    2月16日の「吹きさらす風の野面や蓬萌ゆ」の句に、又2月17日の「梅ひらく一木のみの白さかな」の句にそれぞれ★印のご指導を賜り、素敵な過分なるご句評も頂戴しまして大変有難うございます。日射しは日毎に力強さを増して来ましたが、田園の散策は風がまだまだ寒いままです。その中でも少しづつ萌え出るものが増えて来ました。又、近在の丘の上の公園に小さな梅林があり、良く見に行きますが、白梅の一本のみが開花中であり、風の寒さを実感しています。

  3. 祝恵子
    2014年2月19日 16:59

    お礼
    信之先生、正子先生、17日の★印のご指導ありがとうございます。梅の句にとても嬉しい句評を頂きましてありがとうございます。