●小口泰與
歩むるは羽根もつ跡や春の雪★★★
赤あかと朝日出づるや凍返る★★★
山笑う終業ベルの高らかに★★★★
終業のベルが高らかに鳴り響く。日ごと日脚が伸び、山笑うころの日暮れは、明るさがある。(高橋正子)
●多田有花
バレンタインデー粉雪降り続け★★★
春の雪いつしか雨となりし午後★★★
通帳の印字黒々冴返る★★★★
ATMを通した通帳だろう。機械から出て来た通帳の印字がやけに黒々としているのに驚いた。冴え返る空気が余計に数字をはっきりさせた感じだ。嬉しい印字だろう。(高橋正子)
●桑本栄太郎
蝋梅の標となりし門扉かな★★★
茎立や草取り屈む姉被り★★★
豆の花高き支柱の葉の陰に★★★★
●佃 康水
巣組みする鴉や青き枝散らし★★★
荒鋤の田の面の艶や春の風★★★
僧の描く円き箒目風光る★★★★
●河野啓一
屋根の雪どんと音して落ちにけり★★★
雪止めば枯れ枝揺らす鵯の声★★★★
雪空の中から淡雪音もなく★★★
●小西 宏
斑雪野(はだれの)にセキレイ土を選び行く★★★
雪残る街にまた降る春の雪★★★★
花芽もつ鉢植え埋め雪の降る★★★
コメント
御礼
高橋信之先生、正子先生
2/14の投句に★印のご指導を頂き、その上正子先生には「山笑う」の句に素晴らしい句評を賜わり有難う御座いました。今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
御礼
高橋信之先生、正子先生
2月14日の「豆の花高き支柱の葉の陰に」の句に★印のご指導を賜り大変有難うございます。先日の散策にて菜園のネットで覆われている高い支柱の下の方に、すでに蚕豆の花が咲いて驚きました。
お礼
信之先生、正子先生、
「通帳の印字黒々冴返る」にご指導、ご句評をいただきありがとうございます。
正子先生のお言葉どおりの状況でした。
薄いそれまでの印字とのコントラストが印象に残りました。
御礼
高橋信之先生、正子先生
2/14の投句に★印のご指導を頂きまことに有難うどざいました。庭の枯れ樹によく鵯がやってきて慰められております。