12月4日

●小口泰與
炉話や和紙に包まる甘納豆★★★★
民話の世界の趣きの句。和紙、甘納豆が温かみを添えている。(高橋正子)

口切や白き波だつ湯檜曽川★★★
北風や焼饅頭の味噌の味★★★

●多田有花
冬うらら浮かぶがごとき航空機★★★
雲ゆっくり北の空ゆく小六月★★★
日ごと散る紅葉や空の透きとおる★★★★

●桑本栄太郎
焼き跡の黒き模様の冬田かな★★★
日溜りの壁に憩えば冬日燦★★★
橙の黄明かり重き土塀かな★★★

●小西 宏
味噌汁に冬日の恵み朝の窓★★★
金星の冬空蒼し峰の影★★★

青深く街の灯定む冬の闇★★★★
冬は大気が澄んで闇の暗さも「青」と捉えらえる。街の灯もくっきりと点るところに「定まる」。クリスマス前の冬の街を詠んで洒落ている。(高橋正子)

●黒谷光子
山茶花の垣根の向こう子らの声★★★★
山茶花は椿よりもさっくばらんな花である。子どもを取り合わせてよく馴染む。山茶花の垣根向こうの子の声が作者に明るく届く。(高橋正子)

自転車の篭に手編みの毛糸帽★★★
庭の木に生りしと蜜柑届けられ★★★


コメント

  1. 小口泰與
    2013年12月5日 10:22

    御礼
    高橋信之先生、正子先生
    12/4の投句に★印のご指導を賜わり、その上正子先生には素晴らしい句評を頂き有難う御座いました。今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。

  2. 小西 宏
    2013年12月5日 19:56

    お礼
    高橋正子先生
    「青深く街の灯定む冬の闇」にご句評を賜り、たいへん嬉しく思っております。夜の街は電飾も賑やかですね。