●小口泰與
枯れかれてなお鶏頭の紅かりし★★★★
鶏頭の紅さは個性的と言える。枯れてもその紅い色が衰えず残る。色に生命が通う。(高橋正子)
切干や父の遺愛の腕時計★★★
我が影のガリファの如き冬田かな★★★
●河野啓一
よこざまに雀飛び来て落つ師走★★★★
雀も飛ぶ鳥であるから、どこから飛んで来ようと自由だが、よこざまに飛んで来られては驚くほかない。そして落ちる。師走は雀も忙しげだ。(高橋正子)
枝の先年越す構え夏蜜柑★★★
海望む山の畑のオリーブよ★★★
●桑本栄太郎
山茶花や日毎に紅の饒舌に★★★★
山茶花がどんどんと日ごと数を増やして咲くようになった。山茶花の咲き盛る様子を饒舌と感じたところが面白い。師走の忙しさに歩調を合わせるように咲く山茶花だ。(高橋正子)
時雨れつつ青空のぞく嶺の奥★★★
踏みしだき道の片方(かたえ)や落葉踏む★★★
●多田有花
暁の窓に轟く冬の雷★★★
<姫路城・修理見学施設二句>
凩の街見る天空の白鷺より★★★
冬桜修理の天守を仰ぎ咲く★★★
●黒谷光子
蹲踞の明かりとなりて石蕗の花★★★
庭石のありて寄り添う石蕗の花★★★
早々と上がり半分冬の月★★★
●古田敬二
昇る陽に初霜の我が街染まり初む★★★★
初霜のきらめきに、我が住む街がきよらさに包まれた。「昇る陽」に勢いがあってあかるい。(高橋正子)
セントレア空港
冬波のきらめく海から外つ国へ★★★
冬の海に機影走らせ旅に立つ★★★
コメント
御礼
高橋信之先生、正子先生
12/10の投句に★印のご指導を賜わり、その上正子先生には「鶏頭」の句に素晴らしい句評を頂き有難う御座いました。今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
御礼
高橋信之先生、正子先生
12月10日の「山茶花や日毎に紅の饒舌に」の句に★印のご指導を賜り、素晴らしいご句評も頂戴しまして大変有難うございます。つぼみを真っ白になるほど付けていた山茶花が一斉の咲き始めました。紅色の花は饒舌とも思える様子です。
お礼
信之先生、正子先生
「よこざまに雀飛び来て落つ師走」の句に★印のご指導を賜り、正子先生には嬉しいコメントを御添え下さいまして誠に有難うございました。ふと見た庭先の光景です。