10月28日

●小口泰與
雨粒のとうかんかくや草の花★★★
岩削り白波起つや蔦もみじ★★★
無残やな一夜に消ゆるもみじかな★★★

●河野啓一
秋高しパソコントラブル解消し★★★
虫食いの柿小さくも柿は柿★★★
うす紅葉庭梅今年もごくろうさん★★★

●桑本栄太郎
バスを待つ間にも充ち来る金木犀
バス待つ間も金木犀の充ち来る香★★★★(正子添削)
バスを待っている間にも、待てば待つほど金木犀の香りが濃厚になってくる。香りが溜まってくる。それが「充ち来る」であろうが、そういった感じ方に新しさがある。(高橋正子)

実みずきの葉の落ち天へ青空へ★★★
”のぞみ号”秋の西日へ奔りけり★★★

●多田有花
朝霧の晴れゆく平野を見下ろせり★★★★
高くに登って平野を見ろすと、ベールをめくるように朝霧がすうっと晴れていき、朝日の差す平野が見える。その面白さと秋の朝のすがすがしさが読み取れる。(高橋正子)

白菊や朝の空気の清しさに★★★
まだありし晩稲に日差し傾きぬ★★★


コメント

  1. 多田有花
    2013年10月30日 18:03

    お礼
    信之先生、正子先生、
    「朝霧の晴れゆく平野を見下ろせり」にご指導、ご句評をいただきありがとうございます。
    朝のうちに山へ散歩に行きました。頂から見る平野は秋の終わりの景色でした。
    霧が秋のもの、というのを実感しました。