●河野啓一
雨上がり待ちかね庭に小鳥来る★★★
石榴の実威風堂々裂けており★★★
星屑の匂うごとくに金木犀★★★
●小口泰與
秋茄子の乾ぶるままや風の中★★★★
秋茄子も終わりに近づき、木になったまま風に乾くのを任せている。作者の住む上州を思えば、乾びる茄子も風もわびしい景色だ。(高橋正子)
来る雲の千変万化野分かな★★★
外に出づと虫の音絶ふる朝かな★★★
●桑本栄太郎
雨降れば楚々と色付く柿の村★★★
雨に濡れ黄花コスモス更に映え★★★
秋雨を夢に聞きおり夜もすがら★★★
●多田有花
昇る月ほどよく散りし雲照らす★★★
霜降の窓に静かな雨の音★★★
晩秋の嵐ゆっくり近づきぬ★★★★
10月も終わりというのに、今日26日は台風27号がゆっくり西日本に接近している。晩秋の台風は、晩年の台風ということか。(高橋正子)
●古田敬二
秋祭りだんじりを引く綱太し★★★★
「綱太し」に祭の威勢の良さ、力強さが表現されている。太い綱でだんじりが引かれ、地方の祭が盛り上がる。(高橋正子)
軋みつつだんじり坂を秋まつり★★★
さわやかに幟はためく秋まつり★★★
●小西 宏
刈蘆の蘖(ひこばえ)の田に小鷺立つ★★★
霧雨のロマンスグレー桜の葉★★★
実ばかりとなる花水木秋寒し★★★
コメント
お礼
信之先生、正子先生、
「晩秋の嵐ゆっくり近づきぬ」にご指導、ご句評をいただきありがとうございます。
台風が二つ並んでやってくるとは驚きです。
どうやら本土へ上陸はしないようですが、雨が続きます。
御礼
高橋信之先生、正子先生
10/24の投句に★印のご指導を賜わり、その上、正子先生には「秋なす」の句に素晴らしい句評を頂き有難う御座いました。
今後ともよろしくご指導のほどお願い申し上げます。