10月22日

●小口泰與
朝寒の雨粒いよよ白きかな★★★★
朝はうすら寒くなった。雨が降れば、雨粒に白ささえ見える。辺りに「白さ」を感じるは秋なのだ。(高橋正子)

鳶を追う阿修羅の鴉秋の暮★★★
白波を起こす風道秋の湖★★★

●迫田和代
今日もまた広い空あり菊日和★★★★
「今日もまた」とあるから、日和続きの今日この頃である。菊の花の香る菊日和は、なんとも晴れ晴れとするよい天気だ。(高橋正子)

春竹の林の穴から朝日射し★★★
実を落としだけど青々銀杏の葉★★★

●河野啓一
柿の葉のきらきら光る朝の風★★★★
柿熟れて葉のきらきらと朝の風(正子添削)
もとの句は季語がないので添削した。柿が熟れるころは晴天続きで、ひんやりとした朝の風に柿の葉もきらきらと光って、心楽しい朝である。(高橋正子)

台風の進路気になる昨日今日★★★
秋冷の気を切りさいてバイク行く★★★

●多田有花
秋晴れや信号は全て青で過ぎ★★★
澄む水をたたえし寺の手水鉢★★★
石蕗の花黄色き蝶の来てとまる★★★

●桑本栄太郎
杓子菜の穫られ菜屑の乱れけり★★★
コスモスの風の狼藉絶え間なし★★★

蘆刈の空開かれて明らかに★★★★
背丈が人の丈以上もある蘆が刈られると、そこだけすっぽりと空が開かれたようになる。明らかに空がある。蘆を刈り取ったあとの空が新鮮で、さっぱりとしている。(高橋正子)

●小西 宏
アカゲラのせせらぎに来て枝の揺れ★★★★
アカゲラもせせらぎに来ることがあるようだ。せせらぎへと伸びた枝に止まったのだろう。アカゲラがいて、枝が揺れている。間近にアカゲラの動きを見るのは楽しいことだ。(高橋正子)

脚弾む道に団栗うかと踏む★★★
黄落の白樺染める夕日影★★★

●古田敬二
秋祭り果て山影に月上る★★★
秋冷の入り来る列車止まるたび★★★
朝の陽に落ちしばかりの栗光る★★★


コメント

  1. 河野啓一
    2013年10月23日 8:56

    御礼
    高橋信之先生、正子先生
    10/22の投句に★印によるご指導を賜り誠にありがとうございました。

  2. 河野啓一
    2013年10月23日 9:06

    御礼
    正子先生
    「柿熟れて葉のきらきらと朝の風」と添削を賜り、季語の使い方を勉強させていただきました。“柿の葉”では季語にならないのですね。”柿熟れて”と添削していただき、句の深みも広がりも見違えるようになりました。有り難うございました。今後ともご指導宜しくお願い申し上げます。

  3. 小口泰與
    2013年10月23日 9:09

    御礼
    高橋信之先生、正子先生
    10/22の投句に★印のご指導を賜わり、その上、正子先生には「朝寒」の句に素晴らしい句評を頂き、有難う御座いました。
    今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。

  4. 迫田和代
    2013年10月23日 9:40

    お礼
    信之先生
    正子先生
    10/22の(今日もまた広い空あり菊日和)の句に★をおつけいただき有り難う御座いました。漸く秋らしくなりましたが、もう冬も近いですね。
    何時に変わらない正子先生のお優しいコメントに、励まされております。感謝致します。

  5. 小西 宏
    2013年10月23日 9:58

    お礼
    高橋正子先生
    「アカゲラのせせらぎに来て枝の揺れ」へのお言葉、たいへんありがとうございます。先日泊まった宿は渓流沿いの、小鳥のよく集まる所でした。流れに手の届くほど近い温泉に浸かりながら、紅葉や小鳥たちの枝に憩う姿を眺めていました。

  6. 桑本栄太郎
    2013年10月23日 17:54

    御礼
    高橋信之先生、正子先生
    「蘆刈の空開かれて明らかに」の句に★印のご指導と過分なるご句評を頂戴しまして大変有難うございます。良く散策で訪れます池の一角に蘆の茂る場所があり、昨日通りがかった折、ボランティアの人が丁寧に手刈で刈り取り整備されていました。丈が2、5メートルもあるその一角の空が明るくなったようでした。