●小口泰與
お茶漬の茶は焙じ茶の火鉢かな★★★
真夜中の地震に起こさる寒さかな★★★
空風に埋もるる里に住みにけり★★★★
●多田有花
大寒の薄き日差しのなか歩く★★★★
「薄き日差し」は、大寒でなくても経験することだが、大寒であることで、清浄な日差しを感じる。(高橋正子)
【原句】蜜柑の香残りし指でキーを打つ
【添削】蜜柑の香残りし指がキーを打つ★★★
大寒に一杯熱き善哉を★★★
●桑本栄太郎
大寒の空へ梢のゆるぎなし★★★★
寒さが極まるが、梢は寒さに対抗するかのように、ますます強さを秘めてくる。「ゆるぎなし」がそのことをよく表している。梢の先々まで力が漲っているのだ。(高橋正子)
大寒の瀞に揺れおり水の影★★★
ありがたき黄身のふたつや寒卵★★★
●下地鉄
冬風に乱れて美しき紫煙かな★★★★
煙草の煙が冬の風に乱れて流れる。それを「美しき」と言った。「冬の風」の吹き様に紫煙の乱れが想像でき、煙草をくゆらす風貌をよきものにした。(高橋正子)
そっと嗅ぐ褞袍の香り今もなお★★★
初場所に初午の声たからかに★★★
●古田敬二
小春日の万葉の里に立つ煙★★★
石室の入り口冷える石舞台★★★
遠望に鈴鹿の白嶺街冷える★★★
コメント
御礼
高橋信之先生、正子先生
1/20の投句に★印のご指導を賜わり厚く御礼申し上げます。有難う御座いました。今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
御礼
高橋信之先生、正子先生
1月20日の「大寒の空へ梢のゆるぎなし」の句へ★印のご指導を賜り、嬉しい過分なるご句評も頂戴しまして大変有難うございます。大寒の当地京都の昨日は上が3,6度、下が-1度と大変寒い一日でした。真っ青な青空は更に青く、その空へ向かって冬木立の梢は敢然と挑戦するかのごとく凛と張って見えました。
お礼
信之先生、正子先生、
「大寒の薄き日差しのなか歩く」にご指導、ご句評をいただきありがとうございます。
大寒の日はうすぐもり、時折日が差すというお天気でした。
寒さの極まるころですが、日の光の明るさには近づく春の気配がします。