自由な投句箱/11月27日

今日の秀句/11月27日(2句)

★みちのくに風花ちらと帰り継ぐ/弓削和人
「帰り継ぐ」は、同じ場所に何度も帰ることを意味するので、この度帰るみちのくには、風花がちらと舞っている。寒さに戸惑いながらも風花にみちのくの冬の初めを感じている。美しい句。(髙橋正子)

★山茶花の咲き始めたる日和かな/廣田洋一
日和の良さも、山茶花の咲きはじめの花の初々しさも、どちらも晴れやかに詠まれている。(髙橋正子)

11月27日(5名)
小口泰與
指先に痛さひろごる寒さかな★★★
沼風に重なり揺れる枯薄★★★
動かざる枯葉に朝日山の沼★★★

多田有花
一斉に雀飛び立つ枯葎★★★
冬の夜に光の木々の立ち並ぶ★★★
師走近し紅白の光の並木★★★

桑本栄太郎
ひと風に彩なし冬の紅葉散る★★★
赤と黄の落葉の土手や唐かえで★★★
交差点尾灯つらなり冬ざるる★★★

廣田洋一
山茶花の咲き始めたる日和かな★★★★
山茶花散る由緒の寺の墓原に★★★
山茶花の白くっきりと四ツ目垣★★★

弓削和人
いにしえの戦は枯野の城址かな★★★
涸渓や橋欄干に見下ろしつ★★★
みちのくの風花ちらと帰り継ぐ (原句)
「帰り継ぐ」は、何度も帰る意味なので、「みちのくの風花」より、「みちのくに」がよいのでなないでしょう。俳句では、「の」は便利に使われていますが、
よく吟味して使ってください。(髙橋正子)

みちのくに風花ちらと帰り継ぐ(正子添削)
今日の俳句
★冬天やポケットの中の両こぶし/大石和堂(おおいしわどう)🌸
 高い冬天に対して、ポケットの中で握りしめる己の両こぶしの確実さ、寒さを身に引き寄せて、確かに受け止める。(髙橋正子ー『現代俳句一日一句鑑賞』より)

コメント

  1. 小口泰與
    2024年11月27日 8:40

    自由な投句箱
    ★指先に痛さひろごる寒さかな
    ★沼風に重なり揺れる枯薄
    ★動かざる枯葉に朝日山の沼

  2. 多田有花
    2024年11月27日 10:37

    自由な投句箱
    一斉に雀飛び立つ枯葎
    冬の夜に光の木々の立ち並ぶ
    師走近し紅白の光の並木

  3. 桑本栄太郎
    2024年11月27日 18:09

    自由な投句箱
    ★ひと風に彩なし冬の紅葉散る
    ★赤と黄の落葉の土手や唐かえで
    ★交差点尾灯つらなり冬ざるる

  4. 廣田洋一
    2024年11月27日 18:15

    自由な投句箱
    ★山茶花の咲き始めたる日和かな
    ★山茶花散る由緒の寺の墓原に
    ★山茶花の白くっきりと四ツ目垣

  5. 弓削和人
    2024年11月27日 22:20

    Unknown
    ●いにしえの戦は枯野の城址かな
    ●涸渓や橋欄干に見下ろしつ
    ●みちのくの風花ちらと帰り継ぐ