●花冠2月号ができました。年末の合同句集『泉』の編集に注力していましたので、冬号が少し遅れましたが、本日2月11日(日)に横浜・綱島郵便局から発送いたしました。お手元に届くのは、2月14日以降となります。お楽しみください。
届きましたら、下のコメント欄に、その旨お書きください。よろしくお願いします。
花冠代表 髙橋正子
2024年2月11日
現代俳句2月号に掲載句/髙橋句美子
髙橋句美子さんの俳句「冬林檎」8句が「現代俳句」2月号(2024年)に掲載されました。
みなさまの感想をお願いします。
冬林檎
髙橋句美子
空仰ぐ白梅の花咲きはじめ
白梅のうしろはきっと晴れ上がった青空でしょう。春がやってくるという希望を感じます。
(多田有花)
星結び春の星座が浮かび出る
「星結び」という言葉が効いています。昔の人々はそうして星々の並びを見上げいろいろな物語を想像しました。(多田有花)
旅人に線路に沿って花あじさい
線路に沿って植えられたあじさいが咲きそろっています。旅ゆく人もそれを眺め旅に新たな楽しみが加わります。(多田有花)
歓声と重なり花火大輪に
どーんと鳴って暗い夜空に大きな花火が広がりました。打ち上げられるたびに沸く歓声がさらに花火大会を盛り上げます。(多田有花)
秋の雲遠く流され青空に
秋の雲がどこからか流されてきて空にかかったかと思うと早くももう風に流されて遠くへ消えてしまいました。(多田有花)
吊り橋を揺らし渡れば色紅葉
山の谷川にかかる吊り橋。その山々は鮮やかな紅葉の季節です。
吊り橋の揺れが紅葉の色を一層鮮やかにするようです。(多田有花)
冬林檎が包まれ香る新聞紙
新聞紙のインクの香りとりんごの香りが混じりあって独特の香りを生んでいます。(多田有花)
豆まきの升からあふれ跳ねる豆
これから豆まきが始まります。升いっぱいに盛られた豆は「福」を願う心のあらわれですね。(多田有花)
俳壇2月号掲載句/西村友宏
「俳壇」2月号に西村友宏さんの6句が掲載されました。
皆様のコメントをいただければ、幸いです。下記のコメント欄にお書きください。
髙橋正子
2024年1月16日
「松ぼくり」
西村友宏
朝日あび銀杏黄葉が生きいきと
靴裏にかたきもの踏む松ぼくり
鴨が来てしぶきに拍手止まぬ池
散りこみし紅葉に池のきよらかに
ここにまた千両の実が赤々と
初雪や草木に白を振りかけて
(「俳壇」2月号(2024年)「現代俳句の窓」に掲載)
訂正:第5句目を「千両」とすべきところを、「十両」と書き間違えました。訂正しました。大変失礼しました。(髙橋正子 /1月17日)
《感想》
①桑本栄太郎
★靴裏にかたきもの踏む松ぼくり
秋も晩秋ともなれば、新しい松ぼくりが出来て居り、時には樹下に落ちている事があります。散策などで歩いていて作者はまつぼくりを踏み、思わず見上げて居ります。
★鴨が来てしぶきに拍手止まぬ池
晩秋から初冬にかけて鴨が池に飛来します。気候の所為でこの年は飛来が遅く、待ちに待っていて漸く飛来の飛沫を認め拍手をしてしまった作者が見えます。
★初雪や草木に白を振りかけて
今年初めての初雪です。積もる程でもなく草木にパラパラと塩を振り掛ける程のうっすらです。初雪の情景が描写が見事!!。
?多田有花
西村友宏さま、「俳壇」2月号への掲載おめでとうございます。
★朝日あび銀杏黄葉が生きいきと
銀杏が黄金色に染まり、そこに朝日がさしています。 出勤途上の銀杏並木でしょうか。明るさを感じます。
★靴裏にかたきもの踏む松ぼくり
山を歩いて赤松が多いところにくると、あちこちに松ぼっくりが落ちています。 その感触を確かめるのも山歩きの楽しさです。
★鴨が来てしぶきに拍手止まぬ池
鴨が渡ってくるのを大勢の人が待ち構えているような都会の池でしょうか。 バードウォッチャーたちの拍手があがるのが面白いですね。
★散りこみし紅葉に池のきよらかに
池の周囲の並木が紅葉し、落葉の時期を迎えました。 しばらくは池の面が華やかに染まり、晩秋から初冬の色彩の名残が楽しめます。
★ここにまた十両の実が赤々と
十両はヤブコウジの別名。赤い実がお正月の縁起物にもなります。 十両の赤い実を愛でておられる様子がよくわかります。
※もとの句は、「十両」ではなく「千両」でした。正子の書き間違えでした。失礼しました。「十両」としてのご鑑賞も雰囲気が違って素敵です。(髙橋正子)
★初雪や草木に白を振りかけて
都会の初雪は草木にふりまかれる粉砂糖のような美しさがありますね。 「振りかけて」にその趣が感じられます。
③川名ますみ
西村友宏さま「松ぼくり」へ
友宏さま、『俳壇』2月号「現代俳句の窓」掲載、おめでとうございます。友宏さまらしい、身近な場に新鮮な発見を見出す明るい作品、楽しませていただきました。
★靴裏にかたきもの踏む松ぼくり
晩秋、風の吹いた後によく見られる松ぼくり。今季、初めに出会うそれは、靴の裏にあったのですね。「かたきもの」を踏んだ時の、お?という感覚から、頭上の木の枝、さらに季節や天気へと広がる視点が、とても自然で、すてきです。
④高橋秀之
西村友宏さま、「俳壇」2月号への掲載おめでとうございます。
素敵な句ばかりですが、その中でも気に入った句です。
★朝日あび銀杏黄葉が生きいきと
朝日には、これから1日が始まるとの勢いがあり、その朝日を浴びた銀杏黄葉を生き生きと感じるところに未来への勢いを感じます。
★靴裏にかたきもの踏む松ぼくり
表題句の松ぼくり。道を歩いていると靴裏にかたきものを踏んだ感覚が。何かなとみるとそれは松ぼくりだった。素朴な自然がそこに感じられます。
⑤徳毛あさ子
感覚の研ぎ澄まされたいい句ですね。「花冠」のネットで発表された句も紙面で見ると、別の感動があります。
今年もよろしくお願いします
花冠発行所は昨年五月の花冠創刊者の髙橋信之先生の死去にともない、喪中ですので、新年のご挨拶をご遠慮申し上げます。
皆様には良い年をお迎えのことと思います。今年一年もまた素晴らしい年でありますよう、祈念いたします。
2024年1月1日
花冠発行所 代表 髙橋正子
合同句集発送
12月24日、正午前、綱島郵便局から『合同句集』を発送いたしました。
皆様のお手元には、神奈川県内の方は26日に、その他の県の方には27日に
届く予定です。お楽しみください。
なお、届きましたら、その旨、下のコメント欄にお書きください。よろしく
お願いします。
2023年12月24日
髙橋正子
★合同句集『泉』の表紙・装丁について★
表紙に使われている紙はペルーラというアート紙です。ペルーラはパール(真珠)と言う意味で、合同句集に使用したのは「スノーホワイト」という色です。
イラストと文字は青の箔で印刷しています。箔押し印刷は特殊印刷の技法です。イラストは植物の葉をイメージしたイラストで、洋書などの伝統的なイラストなので、それが美知子さんがおっしゃる西洋の詩集に似通う印象となったのかと思います。
内扉「泉」の裏側は、ドイツ語の教師であった信之先生に敬意を表して、ドイツ語の泉を意味する単語のBrunnenを飾りに入れました。
また、表紙のつぎの何も書いていない紙(遊び紙)の薄茶色は日本の伝統色「白茶」と言う色です。(髙橋正子)
令和6年度会費2万円納入者一覧
■令和6年度会費納入者一覧
(現在 12名))
◆12月15日:川名ますみ◆12月15日:柳原美知子◆12月15日:弓削和人◆
◆12月15日:藤田洋子◆12月15日:祝恵子◆12月15日:桑本栄太郎◆
◆12月16日:廣田洋一◆12月16日:多田有花◆12月19日:高橋秀之◆
◆12月19日:吉田晃◆12月20日:小口泰與◆12月21日:友田修◆
■令和5年度会費2万円納入者一覧(12名)■
◆11月28日:藤田洋子◆12月5日:小口泰與◆12月6日:川名ますみ◆
◆12月7日:廣田洋一◆12月8日:弓削和人◆12月9日:吉田晃◆
◆12月10日:高橋秀之◆12月12日:祝恵子◆12月15日:桑本栄太郎◆
◆12月16日:柳原美知子◆12月23日:多田有花◆1月8日:友田修◆
●花冠誌売り上げ代金
12月16日:2000円
■令和6年度花冠会費納入について■
■□来年度(令和6年度)の会費納入について
花冠会費は、本年度(令和5度)をもって、前金切れとなりました。
来年 度(令和6年度)の納入(前納)を下記の要領でお願いします。
①納入期日:本日から1月15日まで
②会費2万円(ネット使用料、維持同人費を含む)
③会員以外の方、ネット使用をなさらない方は、郵便為替を送付いたしますので、その納入金額をご送金ください。
※納入済の方は、下記アドレスの花冠発行所ブログでご確認ください。
http://blog.goo.ne.jp/kakan100/
▼送金先:
○ゆうちょ銀行
[店名]〇二八(読み ゼロニハチ)
[店番]028
[預金種目]普通預金
[口座番号]6257389
[名義]花冠発行所(カカンハッコウショ)
○郵便振替
口座番号 00290-1-116469
口座名称 花冠発行所(カカンハッコウショ)
●花冠発行所(インターネット俳句センター)
http://blog.goo.ne.jp/kakan100
●自由な投句箱
http://blog.goo.ne.jp/kakan003
●花冠2月号の雑詠投句箱
●花冠2月号の雑詠投句をお願いします。
「花冠」No.370(2月号)の雑詠投句を下記の要領でお願いします。
投 句 :雑詠15句
投句締切:2023年12月15日(金)
投句場所:このブログの下にあるコメント欄
※一度花冠に投句された句を再度投句された場合は、髙橋正子選で、「月例ネット句会」、「自由な投句箱」から新しい句を選んで差し替える場合があります。ご了承ください。
2023年12月5日
花冠代表 髙橋正子
■雑詠投句を済ませた方(敬称略)(12名)■
小口泰與 桑本栄太郎 吉田晃 祝恵子 弓削和人 廣田洋一 川名ますみ 多田有花
柳原美知子 藤田洋子 友田修 高橋秀之
※ここのコメント欄に雑詠15句をご投句ください。
■12月例ネット句会ご案内■
■12月例ネット句会ご案内■
①投句:当季雑詠
12月4日(月)午前6時~2023年12月10日(日)午後5時
②投句は、下の月例ネット句会のブログ<コメント欄>にお書き込みください。
https://blog.goo.ne.jp/kakan02d
※どなたでも投句が許されます。
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:12月10日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:12月11日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、12月11日(月)正午~12月14日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:髙橋句美子・西村友宏
俳壇12月号掲載 「連打音」(川名ますみ作品)
「俳壇」12月号に川名ますみさんの俳句7句が掲載されました。
10月号の祝恵子さんにつづいての掲載です。
好きな句、感銘を受けた句を選んでコメントをお願いします。コメントは、下のコメント欄にお書きください。
よろしくお願いします。
俳壇ワイド作品集(今月の有力同人)
「連打音」 川名ますみ
凩の止みて定まる朝の青
口紅の唇埋めずショール巻く
懐炉手に祈り無音の舞台袖
手袋をぬぐや舞台のピアノへと
降る雪のごとく始まる連打音
冬天へ最後の主音届けよと
冬の夜を楽譜とドレス背負い帰る
☆☆☆ コメント ☆☆☆
①?などの番号は、コメントを頂いた順です。(敬称略)
⑧桑本栄太郎
(「俳壇12月号」に7句ご掲載大変おめでとう御座います!!。
その、ご掲載7句の中より、ピアニストとして発表会に臨む緊張感に溢れる下記の3句を特に頂きました。小生も永年ジャズバン演奏をおこなっておりましたので、ステージへ出る緊張感を存じて居ります。)
★懐炉手に祈り無音の舞台袖
寒くて冷たい舞台待ちです!!。手の指が凍えないよう懐炉を持ち、舞台袖に於いて祈るような心情で順番を待っています。
★手袋をぬぐや舞台のピアノへと
懐炉を持って手を温めていた手袋を脱ぎ、やおら舞台に出て観衆に一礼の後、ピアノへ向かいます。
★降る雪のごとく始まる連打音
演奏が始まれば、もう無我夢中です!!。指がかってに動き、寒さも忘れてピアンの連打音の嵐ですね!!。演奏の興奮が見えるようです。
⑦髙橋句美子
★降る雪のごとく始まる連打音
しんしんと降る雪のように、次から次へと指が滑らかに鍵盤へ落ちてゆく姿が想像できます。軽やかさと重みのある音のようです。
⑥廣田洋一
(「俳壇」12月号7句掲載おめでとう御座います。)
★手袋をぬぐや舞台のピアノへと
侍が盃を割って出陣する如く、手袋を外して颯爽と舞台へ出ていらっしゃる景と意気込みが感じられる素敵な句です。
⑤吉田 晃
★冬の夜を楽譜とドレス背負い帰る
音楽をする人なしかわからない感覚だろう。演奏の余韻の残る楽譜とドレスを背に夜空を帰るのであるが、その心地よさを感じ取ることがてきます。
④小口泰與
(川名ますみ様
「俳壇」12月号7句掲載おめでとう御座います。)
7句とも素敵な御句ですね。その中でも「凩」の御句、「ショール」の御句、「手袋」の御句、「降る雪」の御句、「冬天」の御句が特に好きな句です。大変勉強になりました。有難う御座います。
③多田有花
(川名ますみさま、「俳壇」12月号への掲載おめでとうございます。「連打音」とは、ピアニストのますみさまらしいですね。)
★凩の止みて定まる朝の青
凩が吹いたあとは空気中の塵が吹き払われ澄んだ空気に空の青が美しいです。
★口紅の唇埋めずショール巻く
女性らしい感性を感じる句です。情景がはっきり見えて素敵です。
★懐炉手に祈り無音の舞台袖
お知り合いが演奏されるのでしょう。それを舞台袖で見ておられる。
どうか、無事に普段通りの実力を発揮して演奏してほしいと祈る気持ちが伝わってきます。
★手袋をぬぐや舞台のピアノへと
ピアニストは指を冷やさないように演奏の寸前まで指を温めておられるのでしょうか?
手袋を脱いで舞台へ向かう、そこに決然とした演奏者としての姿を見ます。
★降る雪のごとく始まる連打音
どんな楽曲の演奏が始まったのでしょう。ピアニストらしい描写にはっとします。
★冬天へ最後の主音届けよと
演奏はフィナーレを迎えました。最後の音を弾き終えた瞬間のピアニストの充実感、それを聴き届けた鑑賞者双方の思いが伝わります。
★冬の夜を楽譜とドレス背負い帰る
最後の句まできて、これはますみさまご自身の演奏に精進された日々を思い出しての御句たちか、と気づきました。華やかなステージが「ドレス」に、「背負い帰る」に日常が感じられます。
?高橋秀之
(俳壇/12月号、好きな句とコメントです。ますみさん、掲載おめでとうございます。)
★懐炉手に祈り無音の舞台袖
次の出番を待つタイミングなのでしょうか。手指が冷えないように懐炉を持ちながら、舞台袖で祈る様子がうかがえます。
★降る雪のごとく始まる連打音
降る雪という響きが、チラチラと降る雪ではなくしんしんと降り続く雪が連想されます。そんな感じで始まる連打なのでしょう。そこに力強さを感じ取れます。
①柳原美知子
(恵子さんに続いてますみさんも俳壇に登場され、おめでとうございます。「花冠」の仲間として、頼もしくとてもうれしいです。ますみ様、俳壇ワイド作品集への7句掲載おめでとうございます。また、コンサートのご成功もお祝い申しあげます。)
ピアニストとしてコンサートの一日のはじまりから演奏を終えて帰宅されるまでの臨場感あふれる貴重な場面を想像しながら読ませていただき、感銘を受けました。
★凩の止みて定まる朝の青
心配していたお天気も朝になるとすっかりよくなり、いつも通り清々しい青をたたえた景色に
気持ちも落ち着き、よいコンサートとなるような予感がします。
★降る雪のごとく始まる連打音
激しく降る雪のような連打音が聞こえてくるようです。そしてどのような調べに変わってゆくのか想像がふくらみます。
★冬天へ最後の主音届けよと
聴衆だけでなく亡きご両親や恩師へと最後の精一杯の主音が届いてほしいと冬天への祈りの演奏
に感動を覚えます。