花冠(7月号)No.369 雑詠投句箱
花冠369号は2023年7月10日発行の予定です。つきましては、同人各位の俳句をご投句ください。投句は下記の要領でよろしくお願いいたします。
投句締切:2023年5月15日(日)
投句数 :15句(2022年12月から2023年5月までの句)
場所 :このご案内の<コメント欄>
2023年4月17日
花冠代表 髙橋正子
【投句を済ませた方】(12名)
①祝恵子 ?吉田晃(unknown) ③小口泰與 ④弓削和人 ⑤桑本栄太郎
⑥藤田洋子 ⑦多田有花 ⑧柳原美知子 ⑨友田修 ⑩川名ますみ
⑪廣田洋一 ⑫高橋秀之
コメント
花冠7月号(369号)雑詠15句
散る桜声上げて追う姉いもうと
抱く児に花びらヒラと舞い落ちる
菜の花の帯の2本を抜き水へ
3月場所応援タオル届きくる
このカーブ曲がれば見えるしだれ梅
島よりのタンカン届き二月ゆく
大晦日夕焼け空は朱色増す
門松や行列は鳥居をくぐる
破魔矢手に往復歩く7千歩
末賞はオマケでマスク付けてくれ
賀状刷ることばを添えて元気です
さつま揚げ鹿児島よりの歳暮くる
産直の重さ密入り冬リンゴ
市からのワクチン記録十一月
杖置いて日なたぼこするお二人さん
Unknown
傘深くさして枯れ葉の吹く道を
雪国へ送る蜜柑の香をぎっしり
春寒し掛けた布団をさらに寄せ
田返しの畦に抜かれし花大根
陳列の和菓子に花の添えられて
野遊びのシャツに滲んだ草の汁
ゆく春を背負い富山の薬売り
花茗荷寺門は暗き杉木立
まぎれ咲く庭にひと茎花菜の黄
漱石忌松風荒れし四十島
鼻をかむ足元にある春の冷え
柊を挿す日娘の誕生日
草枯れの村を夫婦の旅遍路
春蝶の白き二羽くるうれしさよ
乳母車マンションを出て葉桜へ
花冠7月号雑詠15句投句
1霜の朝連山我に迫り来る
2水蹴りて羽音重たき小白鳥
3風が風押して赤城や年歩む
4笹鳴や湖を見下ろす祖父の墓
5山風のさきがけ浴びし枯木かな
6日脚伸ぶさして卒寿の遠からず
7クロッカス日は利根川を直射せり
8また二人餅草摘みに現れし
9餌に来る野鳥したたか春の朝
10朽舟を連れ添うように蘆の角
11浅間へと日の退くや雛納め
12芽柳のすらり輝く雨の中
13渓音に散り込んでくる落花かな
14天つ日をたまわる棚田つばくらめ
15雨上がり菫の蕊の光かな
花冠7月号雑詠15句投句
1. あちこちの春田ひかるや耕運機
2. チューリップ昼日の揺るる赤白黄
3. ぜんまいの十六のうず空を巻き
4. 湖風やたちまち揺るる黄水仙
5. 芍薬の芽のぐんぐんと日向かな
6. 対岸の家のあかりや春の湖
7. 湖風に辛夷の花や踏ん張りぬ
8. 青空へ軽トラ白しいとざくら
9. まさおなる分校の空黄水仙
10. 花冷えやおもわず遠く歩きたり
11. 盛岡や朝寝うつつに旅立ちぬ
12. 盛岡や新幹線は花を越ゆ
13. 若草やひやりと風の吹きすさぶ
14. 囀りや湖面につづく遠き山
15. 春の湖白鳥翔てりと聞くばかり
訂正を願います。
私の名前は小口泰與です。名前の訂正をよろしくお願い致します。
花冠7月号(369号)雑詠15句
①金閣寺目指すリュックや春休み
②エレベーター降りてピンクやにはざくら
③オルガンの音色戸外へ復活祭
④くもり来る三つ葉つつじや雨催い
⑤山吹の堰水囃す黄色かな
⑥送電線峰より里へ花の雲
⑦ひと風の桜吹雪に立ち尽くす
⑧父母のなき故郷遠く花大根
⑨硝子戸の枝葉明るく菜種梅雨
⑩山藤のどさつと垂るる白さかな
⑪からし菜の高き背丈や高瀬川
⑫あおぞらの日射し明るく五月来る
⑬ついついと白き筋見せ青すすき
⑭特急の「ひだ号」行くや桐の花
⑮父母在りてこその今日とや子供の日
花冠7月号(369号)投句
空透ける銀杏若葉の一葉ごと
初桜五十回忌の壺満たす
音読の一字一音入学児
柿若葉歩み初む子に陽をこぼす
子ら歌う部屋の隅々春の日に
シャボン玉吹く子追う子に丘の風
あおあおと支柱定まるトマト苗
誕生ケーキ囲む子らの瞳夏兆す
海見ゆる丘の桜も実となりぬ
山藤の高さに墓苑の風生まる
忌日過ぎ椿一輪机上置く
春愁とめどなく亡夫の腕時計
新茶の香遺影向き合うひと時に
惜春の哀しみ一つ受話器置く
初蝶の離るる空の青さかな
花冠7月号(369号)投句
足もとに青き輝きいぬふぐり
梅咲けば庭おのずから光りだす
奥山の姿を隠し春の雪
春雪や運ばれてゆく競走馬
チェーンソーの音響きおり春の雪
風光るみんなで集う日は最後
旅立ちの春改札に手を振りぬ
花の香の部屋に溢れて春の朝
芽柳や仁徳天皇陵に沿い
はくれんの白きはばたき校舎前
やまざくら一樹の高く満開に
雨あがる夜明け盛んに雉の声
土筆煮てきたと広げる花の下
さっぱりと花終わらせる雨の降る
<グラバー園>
うららかや長崎湾に船が入る
花冠7月号(369号)投句
小雪の朝日へつぎつぎ子ら登校
風花舞う道後歩けば旅人めき
子が引いて作りし今朝の蕪のスープ
冬凪の海峡の紺忌日晴れ
石鎚のはだれへ暁雲幾重にも
春の水峡の四方の山鳴らす
紅白梅樹影踏んでは香を吸って
雛分け愛猫座してすまし顔
伊予柑を供え吉報仏前に
谷音聴く樹下に初音のこぼれきて
「ジョン マイ ラブ」千穐楽
万次郎の劇果て花菜の海窓に
つばめ来て風新しき里となる
花えんどう光を集め咲き続く
立ち昇る香は花みかん宵の月
麦熟れて野の果てまでも暮れ残る
花冠7月号(369号)投句
大寒にひかり輝く屋根瓦
陽を受けてやがて崩れる霜柱
啓蟄やヒマラヤ杉と青い空
満月の照らす小径の春の泥
春の川膨らむ水面輝ける
青空に紅白梅のさらに伸ぶ
早暁のひかり集める梅の花
風に舞う桜を追いて笑う子ら
黒々と土盛り上がる春の畝
切株に苔むす春の日差しかな
春の宵人もまばらな増上寺
春の日に歴史を辿る浜離宮
木洩れ日に揺れる葉陰に初夏の風
多摩川の水増す初夏の白き雲
揺れる薔薇ミツバチここぞと潜り込む
差し替えをお願いします。
春の宵人もまばらな増上寺
を
春の宵人まばらなり増上寺
と変更を可能であればよろしくお願いいたします。
俳誌『花冠』第369号投句
初空に富士のしろさの大いなり
初御空富士真っ白に晴れ渡り
ベッドより伸ばす左手初明り
春立つ日新しき刃が髪を断つ
新しき鋏の響き今朝の春
菜の花を広場に咲かす五年生
高窓に囀あふれ処置室へ
囀も陽も高窓を零れくる
花曇青の自転車赤のバギー
糊利きし白衣四月の病院に
病牀に今日も長閑という遊び
花冷えや一指を象牙の鍵盤に
春きゃべつリズム明かにざく切りす
ざく切りのリズム弾ける春きゃべつ
車椅子速めに走り五月来る
花冠7月号(369号)雑詠15句
朧月書斎の窓の磨硝子
アフリカの空の青さや丁字の香
三月十日語りし友も逝きにけり
レガッタや土手まで届く舵手の声
ざぶざぶと川を渡りて芹摘めり
蒲公英やおかっぱ頭逝きにけり
軽やかな足音聞きつ朝桜
清明の湯煙白し露天風呂
松の芯ぴんと伸びたる青き空
桜貝今日も探して由比ヶ浜
ドラマ一つ見終えて気付く日永かな
江ノ電の窓を開けたり春暑し
夏近しきらきら光る地平線
年古りし神の庭にも若緑
メーデーや古き良き日の労働歌
Unknown
子ら巣立つ後も小さな鯉のぼり
目の前すっと燕が飛び去れり
海沿いに青きネモヒラ咲き誇る
友と会う春夕焼けの大阪城
桜咲く大空青く子の門出
静かなるふたりの食卓春野菜
列車行く菜の花畑の向こう側
おはようの朝の挨拶受験の日
今日は右明日は左春の風
春の夜の灯りの下で妻を待つ
建国の日の丸眺める銀婚日
旅先の駅舎の差し込む日脚伸ぶ
帰省するわが子の車で初詣
目に眩し仕事始めに見る日の出
布団干す晴れ渡る日の午餐どき