「いには」2月号(大野林火の「浜」の系統誌/千葉県)に掲載

「いには」2月号「現代俳句散歩」に「角川俳句12月号ー「冬の星」より」の髙橋句美子さんの句を鑑賞頂きました。
(「いには」は印旛の古語ということです。)

「現代俳句散歩」 
              ひめみや多美

毬栗の青々として実がずっしり   髙橋句美子
美しい黄緑色の毬栗を同じ色の葉に重ねて実らせた栗の木は、
明るい未来を確信したような輝きに満ちている。実の重さに
よって少し撓んだ枝はどうだといわんばかりに両手を広げた
姿のようだ。本格的な秋の訪れがますます楽しみになる。

色鳥をそっと爪先立ちて見る    髙橋句美子
美しい羽色の鳥を見つけた。落ち葉や枝を踏む音に驚いて飛ん
でいってしまわぬように、そっと爪先立ちをして見つめる。し
かしその美しさに思わず感嘆の声がもれそうになり、そっと口
元を押さえた。感動の時間が静かに流れる。自然への優しい視
点を持つ作者の姿が浮かぶ。


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