9月26日(火)彼岸明け

晴れ
園児らの農園案山子目を見ひらき 正子
曼殊沙華蘂を零るる朝の露   正子
●マイナポイントがもらえるらしい。自動的にもらえるものと思っていたので、いつまでたっても何事もない。で、他人事と思っていたら、私も申請したらもらえるケースらしい。パソコンで申請しようとしたが、ポイント付与のためのカードが要るとか。メンドクサソウ。9月29日(金)までとのこと。
●URの緑地を一周。4000歩。丘をのぼるのと大違いで汗もかかない。穂絮が飛んでいないのか腕がかゆくならない。荒れた畑を見ていると、見ているだけで、腕や顔がかゆくなる。

9月25日(月)

晴れ
 七里ガ浜二句
秋潮の満ち干の刻のフルコース 正子
貝殻や小石や拾う秋の砂    正子
家内に菊花盛りという仏間   正子
●昨日日本記者クラブで、ジャニーズ問題について、文春側の弁護士さんの記者会見の中継をネットで見た。「メディアと事件の関係つまりメディアの沈黙」が事件の主題にあるように思えた。その中で、会見の弁護士さんがメディアのランキングを示された。ランキングを3段階に分け、1位NHKと大手新聞社、2位文藝春秋などの雑誌、週刊誌、3位民間テレビ局。はっきりとこのランクを聞いたのは貴重な情報だった。
この情報に加え、今朝の朝日朝刊の「AERA」の広告に、俳句はテレビ、短歌はSNSを中心にブームと、あった。「へぇー、そうなんだ」なんだけれど、「テレビでブーム」は民間局の番組を指すと思っている人がほとんだろうが、火付けはNHK。NHKの権威の連鎖がそのブームを大きくし、おそらく経済効果を生み、俳句成金まで生まれている。そういう中で育てば、俳句も成金俳句となりかねない。私の別の俳句結社の友人は、宗匠先生に「あんなの俳句と思ってもらっては困る。」と言われたというのだ。かわいそうに、世の中に遅れるじゃない。

9月24日(日)

晴れ
露さむし写真の夫をふいと見る  正子
頼まれて秋初めてのケーキ焼く  正子
黄菊の蕾ほどけはじめて光るなり 正子
●人参ケーキを焼く。数年焼いていない。いつもなら50分かけて焼くが、焼く温度を忘れ、180度で焼くが35分で上が焦げ始めた。串を指してすっと通るので、オーブンより出したが、焼け残りがあり、失敗。こんな失敗をしたことはない。よほど年をとっている。総合的に判断する勘がにぶっている証拠だ。
●先日ラジオ深夜便で千玄室さんのお話があったが、地震で話が何回か中断したので、今朝仕切り直して、放送があった。その中で、徳島の特攻部隊から待機命令が出て、松山基地へ教官として赴任することになったという話があった。
 ここで符合することがある。松山の勝山町に裏千家の古川先生がおられ、しばらく教えていただいた。ここでにはNHKの職員の奥さん三人が来ておられ、私と四人がお稽古の日が一緒だった。先生はそのとき80歳近い方たったのだろう、髪もお団子に結い飾り気がなくて、大変やさしい方であったが、どこか、厳しそうな感じもしていた。露地から待合、茶室、水屋などすべてが整っているお茶人の家である。お稽古のとき、戦時中、松山に来られた、今の千玄室さんのお世話をさせていただいた、ということを話された。これは確かな話だったのだと今朝思い出した。玄室さんは100歳で、まだお元気でしっかりと話されている。徳島での特攻部隊の話をされるとき、100歳の今も思わず嗚咽を漏らされた。
このお茶のお稽古で思い出すのは、毎回、茶杓に銘を付ける練習があったこと。私は季語をちょっと変えたり、思いつくことを、「銘は?」と聞かれ「芝露でございます。」とか言っていたのだが、毎回ぐらいおほめをいただいた。どこからその銘を思いつくのか度々聞かれた。俳句のお陰だろうと思う。

9月23日(土)彼岸

曇り
白萩の臥す奥にまた白芙蓉  正子
花葛の匂い行く手をふさぐかに 正子
からすうり熟れ色違え高きより 正子
●彼岸の中日なので、ごま豆腐などのお膳を供える。
●雨があがり、涼しくなった。鯛ヶ崎公園から5丁目の丘へ。公園で中学生の男の子と女の子がデートなのか、黄葉しはじめた欅の下で、二人写真を撮っていた。階段をのぼり丘の上へ。一番好きだった30メートルほどの道は、両脇の畑は荒れ、穂草は伸び放題。葛がのさばっている。これほどまで荒れて嘆かわしい。帰り道さっきの男の子と女の子にまた会って、挨拶してくれた。

9月22日(金)

秋の雨そのほかなくて夜をすごす  正子
秋雨の音はっきりと夜の窓     正子
手触れずに葡萄どっしり置かれたり 正子
●めずらしく雨。気温が下がり、クーラーも扇風機も使わないで過ごす。
●「ワルキューレの騎行」を何気なく聞いていると、結構面白い。ワルキューレたちが戦で死んだ者たちを翼のある馬に載せて空を乱舞するように駆けてゆくのを想像する。カラヤンで聞いた。
●ますみさんの俳壇の原稿の相談にのる。ほぼ出来上がる。
●角川の「全国結社マップ」の原稿を書く。「どういう人に向いているか」の質問にはすぐ答えれそうで、書いてみると難しい。仕上げは後日とする。

9月20日(水)彼岸の入り

晴れ、雨ぱらつく。
サーファーの黒き身体波に乗る  正子
満ちてくる秋潮一面陽をかえす  正子
引き潮に遊ばむ秋の砂の金    正子
●信之先生の初彼岸。仏壇仏具をきれいにする。いろいろ菊をたくさん供えた。おはぎは店の手作り。ひとつはお供、ひとつは自分に。好物の葡萄。菊の絵蝋燭。月見のようだと思いつつも茹でたての枝豆と小さいさつま芋も。
●ミックスキャロットが届いたので、元希に送る準備。水の入っていた箱がちょうどいい。空いたところに、ポップコーンのチョコやキャラメルでコーティングしたポップコーン流行っているようなので、全4種類を入れる。表参道で見かけたようなもの。築地のご飯にかける海苔やカツオ節など混ぜたのがおいしそうだったので、これも。高級品とラベルのある、簡単包装の基本のようなクッキーなど。明日送る。

9月19日(火)

晴れ
昭和めき稲村ケ崎は秋暑し   正子
 極楽寺二句
掃き清めかたき土より曼殊沙華 正子
三四本白曼殊沙華が境内に   正子
●ハート内科へ、朝早い受診。心電図とか、肺のレントゲンとかの定期検査。
夏バテ気味ながら、たくさんの検査の結果は毎月少しずつよくなっている。おかしなこと。
●「赤木ファイル」の裁判。信じられない判決が出ている。思うのだけれど、旧制高校出身の政治家がいなくなって、それはそれで日本が新しい局面に来たのだけれど、政治はいまだ古くて、新しい局面が見いだせていない気がする。頭のいい人はどこに隠れておられるのか。出鱈目が通りそうな日本。二世、三世議員が増えているが、親のやったことをそのまま踏襲していていいはずがない。裁判も政治によって動いている。大学1年のときだったか、憲法の授業を受けていて、裁判所は真実や正義の判断をするところではないと悟り、失望した経験がある。間違いないようだ。

9月18日(月)敬老の日

晴れ
満ち来る潮の眩しさ秋暑し 正子
夏惜しむ沖のヨットの帰り来ず  正子
引き潮の残す木の実のまだ青き  正子
●句美子と友宏さんの俳句の整理を済ませた。残るは自分の俳句。
●きのう鎌倉で食事をしているとき、句美子が不意に「人参ケーキを作ってよ。」と言う。ここ何年か作っていない。

9月17日(日)

晴れ
夏草をまた夏草を鎌倉へ   正子
秋海の見えて潮濃く匂いけり 正子
帆を立ててヨットは沖に犇めけり 正子
極楽寺門前さやかに花芙蓉  正子
 成就院
結界に来て花葛の真っ盛り 正子
●七里ガ浜へ
鎌倉の七里が浜へ句美子と出かける。10時48分発の元町中華街行きに乗るため、日吉のプラットホームで待ち合わせる。横浜からは逗子行で鎌倉まで。鎌倉から江ノ電で七里が浜へ。江ノ電は観光客でごったがえしていて、一電車遅らせて乗る。この状態はわかっているが、なかなか出かけるチャンスがない。
七里が浜へ12時すぎに着いたので、レストランの予約時間の1時まで砂浜へ下りて遊ぶ。江ノ電を降りて川沿いを海へ歩くとすぐに潮の匂いがしてくる。濃い潮の匂いが懐かしい。ちょうど引き潮。砂は黒っぽくて、金の砂がきらきらして、踏むと足が沈む。砂浜の感触を忘れている。貝殻を土産に拾おうとするが、壊れた貝殻しかない。そもそも貝がいないのかも。波に洗われて丸くなった小石を少し拾う。
七里ガ浜には食べ物屋が多いと電車の乗客の話。たしかに海岸沿いにレストランや喫茶店がずらりと並んでいる。海岸の道路は、オートバイをバリバリ噴かしたり、ロールスロイスや、面白い車が走っている。グレアムグリーンのハードボイルドの小説のような風景。ヨットがたくさん沖にでて、サーファーやウィンドサーフィンをする人たちでいっぱいだ。
1時に予約していたイタリアンのアマルフィ本店へ入る。七里ガ浜のレストランやカフェは、みんな海へ向いてどこからでも海が見える。案内されたのは2階の海が見える席。スパゲッティをさっと食べて寺を巡るつもりが、そうはいかなかった。句美子が本店しか予約がとれなかったと言うのだ。ランチながらフルコース。前菜からはじまり、ライチのシャーベットとマンゴーのババロアのデザートまで、延々2時間。食事が終わったのは3時。太陽が傾き始めて海が眩しく光る。句美子に席を代わってもらって海が見えない反対側へ。来た時引き潮だったのが、潮は満ち始めて砂浜が少なくなってきている。食事の間の2時間、ずっと七里ガ浜の海を見ていた。
房総半島の方へ橋が伸びているように見えた。あれって、アクアライン?と聞いて、句美子に叱られる。アクアラインが見えるはずがないでしょ。レストランの人に聞くと、ヨットだという。沖まで白い橋脚のようにヨットの帆が並んでいるのだ。いつもに増して今日はたくさんのヨットが沖にでているそうだ。
レストランを出て鎌倉行に乗り、極楽寺駅で降りる。電車も駅も混雑。暑さに参りながら、駅から近い極楽寺に行く。山門の茅葺屋根が美しい。芙蓉、萩、曼殊沙華、百日紅が咲いてこじんまりしたきれいなお寺。極楽寺を出て、徒歩数分の成就院へ。成就院は真言律宗。石段を上り西の結界から入る。葛の花が盛り。石段を上ったところから由比ガ浜の海が見える。そこを下ると東の結界の入り口に至るが、紫陽花と萩が植えられている。萩は咲きはじめ。境内にはいると、白曼殊沙華、羊草。弘法大師の像。なで蛙。境内は狭い。
暑さで体力消耗。お土産も買わず、鎌倉から横浜へ。そごうで、句美子とお茶をして帰る。私はくず小倉、句美子はくずあられ。横浜からは特急がきたので乗り、句美子とは菊名で別れて帰った。念願の七里ガ浜行きの小旅行はたのしかった。今日は何回電車で席を譲られただろう。尋常ではない。どれも断りはしたが。