4月21日(水)

俳句
春月の光りにも触る午前二時  正子
ふと目覚めると午前二時、あまりにも美しい春月が手の届きそうに高階の窓に映っています。思わずその光りに触れるかのように少し窓をあけて仰ぎ見ます。女性ならではの感覚の美しい句ですね。(柳原美知子)

○今日の俳句
鶯の声に澄みゆく引き潮よ/柳原美知子
静かに引いてゆく潮が、鶯の声によって、ますます澄む。のどけく、透明感のある鶯の鳴き音と、瀬戸の引き潮が相呼応して、澄明な世界が詠まれた。(高橋正子)

○現代俳句一日一句鑑賞
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◇生活する花たち「ツツジ・黄花ジャスミン・キンレンカ」(横浜日吉本町)

4月20日(火)

俳句
独活放つガラスボールが水の玉  正子

○今日の俳句
花林檎咲き満ち空をかがやかす/矢野文彦
ほのかなピンク色の混じる林檎の花が咲き満ちると、空が一度に明るく感じられる。明るいどころか、空はかがやいている。林檎の花によって輝く空があることに心膨らむ。(高橋正子)

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◇生活する花たち「ツツジ・蒲公英・ペチュニアとパンジー」(横浜日吉鯛ヶ崎公園)

4月19日(月)

俳句
濃きお茶に春の灯しを入れて飲む  正子

○今日の俳句
蒲公英の花せめぎあい光りあい/小西 宏
蒲公英が明るい日差しの中に、びっしりの咲いている様子。一つ一つの花は可憐でありながら、せめぎあうほどの花の力。せめぐだけでなく、また、互いに光りあっている。確かな目である。(高橋正子)
[自句自解] ちょうど二年前の今ごろになりますが、退職記念に妻と二人でヨーロッパ旅行に出かけた折に作ったものです。バスの窓からライン川の岸沿いに見たタンポポの揺れや、ユングフラウの麓の宿から散歩に出かけて出会ったタンポポの原などが重なり合って思い出されます。(小西 宏)

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◇生活する花たち「ツツジ・ペチュニア・蒲公英」(横浜日吉本町)

4月18日(日)

俳句
春ほのぼの棚にあげたる書の紙も  正子

○今日の俳句
群青の湖までの土手花菜風/黒谷光子
土手伝いに菜の花の風を受けながら湖まで歩くと、湖は群青の色に。その色への驚きがある。菜の花の黄色をイメージさせる花菜風と、湖の群青のコントラストが美しい。(高橋正子)

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4月16日(金)

俳句
 ディズニーランド・シンデレラ城
うすみずいろという水あって春の城  正子

○今日の俳句
菖蒲の芽尖り出でくる水の中/祝恵子
菖蒲の葉は剣にも例えられる。柔らかな水に、「尖り出でくる」芽の鋭さがよく詠まれている。(高橋正子)

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4月15日(木)

俳句
欅若葉空をうずめて浅みどり  正子

○今日の俳句
初燕満水となる池の面を/古田敬二
満々と水を湛えた池面すれすれに、さっそうと飛ぶ燕。初燕だけに、その飛ぶ姿は目に眩しいほど。水が満々とあること、燕がやって来たこと、すべて明るい喜びである。(高橋正子)

○現代俳句一日一句鑑賞
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後記(平成22年6月号)

★二〇一〇年の花冠俳句フェスティバルを四
月七日、八日、信之先生創刊の水煙発祥の地、
松山で句友の皆様と時をともにでき、感慨深
いものがありました。八日は虚子忌でありま
したが、句友の柳原美知子さんのご子息悠二
郎さんが虚子を演じるミュージカル「正岡子
規」をみなさんと観劇でき、よき日となりま
した。悠二郎さんは、小学生時代投句をして
くれていて、今もご自身のブログに毎日俳句
を書き込んでおられます。さすが若い虚子を
演じて不足はありません。信之先生と私は、
美知子さんのご尽力もあって、劇場からの招
待という幸運で特等席で観劇できました。
★「多様な俳句への新たな展開を(五)」を
信之先生より書き下ろしていただきました。
今回は、松山でのフェスティバルの前後のハ
ードなスケジュールの中、発熱を押して書い
ていただきました。松山でミュージカル「正
岡子規」を観劇し、それに触れて、俳句の「
総合性」について述べられています。俳句が
「総合的」であることは、これからの俳句へ
の新しい展望や意見と言えるでしょう。この
ことについて、嘗て俳人も学者も触れており
ません。ご味読ください。
★松山は三年半ぶりに訪ねました。四十年以
上暮らした街ですから、どの景色も脳裏に焼
きついています。写真も撮りました。写真を
見ると、しずかで美しい、ヨーロッパの街に
も匹敵する美しさがあります。松山郊外にあ
る坊っちゃん劇場への道は、昔と変わらず、
青麦の穂が色濃く続いておりました。石鎚山
も皿が嶺も、砥部の障子山も変わらぬ景色を
見せておりました。洋子さん、美知子さんは
じめ、松山句会の皆様には大変お世話になり
ました。
★それと、横浜へ帰ってからのおまけのうれ
しさ。「正岡子規」を演じたキャストの皆さ
んから、お礼の寄せ書きが送られてきました。
正岡子規の演劇キャスト全員の写真が添えて
あり、フェスの最後を飾る記念となりました。
信之先生は、若いとき労演の仕事に携わった
経験で、役者さんとの交流も熟知で、観劇の
より総合的な面白みを味わうことができまし
た。
★子規はすでに過去の人となっていますが、
近代文学を「革新した」功績は大きく、革新
された俳句を「花冠はどうするか」がわれわ
れの課題でありましょうが、それは、信之先
生の「多様な俳句への新たな展開を」にそっ
て、迷わず細く長く俳句を作ることに尽きる
と思います。          (正子)

6月号投句/4月15日

花曇
高橋正子

遠山の桜桜のほつほつと
 横浜港
港は春の朝のみどりの潮の色
吊橋の斜鋼張り詰め春の朝
白き桜それが八重なる湾岸道
春光に満ち雲海の眼のかぎり
 松山湾上空
島はしずかに島でありたり花曇
松山の楠燃え桜混じり咲く
 JALシティ松山
花の夜のショパンのピアノの音の粒
 「正岡子規」観劇
青麦を来て劇中の子規と虚子
東京の空はさびしき春茜

俳句メモ/4月15日

遠山の桜桜のほつほつと
 横浜港
港は春の朝のみどりの潮の色
吊橋の斜鋼張り詰め春の朝
白き桜それが八重なる湾岸道
春光に満ち雲海の眼のかぎり
 松山湾上空
島はしずかに島でありたり花曇
松山の楠燃え桜混じり咲く
 JALシティ松山
花の夜のショパンのピアノの音の粒
 「正岡子規」観劇
青麦を来て劇中の子規と虚子
東京に戻ればさびし春茜
煽られて花のゆるるは大いなる
ようやくの桜蕾が灯の中に
花すもも散るや夜道の片側に
春嵐夜道を戻る髪弄り
境内に水音のして黄水仙
備前の瓶にあふれ桜の満開に
一日を二日を経ても花満開
仮の世の小さき部屋の雪明り
いつ見ても雪割草のつめたかり
寝残りて春の雪降る屋根の下
にらの香のつんとしてくる夕餉の椀
春の蕗すじをすうっと引き水に