葉桜の蔭は家居のごと安し 正子
○今日の俳句
ゆさゆさと百の牡丹も風のまま/黒谷光子
風が来て、百ほどの牡丹の花を揺らす。大きく富貴な花が、花の重みをもって揺れると「ゆさゆさ」となる。「ゆさゆさ」「風のまま」は、牡丹をより自然に捉えている。(高橋正子)
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矢車の星空深きにまわる音 正子
○今日の俳句
芳しき緑をひらき柏餅/池田加代子
柏餅の葉には、蒸して緑が変色した色のもある。これはこれでまた落ち着いた色あいでよい。この句では、柏餅を包んでいるのが、「芳しき」緑の柏の葉である。白い柏餅と対比されて、すがすがしい。(高橋正子)
[自句自解] この句をつくったときもそうですが、夫に「食べ物がからむといい句をつくるね」と時々いわれます。童心に戻れるせいかもしれません。
○花冠発行所(代表/高橋正子)主催の立夏ネット句会を開催する。
http://blog.goo.ne.jp/kakan15/
俳句
スイートピー眠くなるほど束にする 正子
自句自解:例年、朝顔を咲かせるために西窓を覆って竹を四つ目に組んでいた。それを秋になっても取り除かず、利用して根基にスイートピーを蒔くと、朝顔と同じように窓を覆って茂り、花もとりどりに存分に咲いた。飽きるほど花を摘んで束にすると、日もうららかで、眠気をもよおしそうな色である。
○今日の俳句
しゃぼん玉垣根越えゆき風となる/祝恵子
しゃぼん玉は吹かれていって消えるものであるが、消えるのではなく、姿の見えない風となったのである。風となって風と一緒に吹かれてゆく。しゃぼん玉は風となって命を新しくしたのである。(高橋正子)
○明日5日は、立夏ネット句会開催。
http://blog.goo.ne.jp/kakan15/
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俳句
八十八夜のポプラに雀鳴きあそぶ 正子
松山でのお住まいのポプラ、四季折々の美しい佇まいを私も楽しませていただきました。ポプラの高木の緑のそよぎ、雀の軽やかな囀り、八十八夜ならではの明るく温和な情景が快く伝わってきます。(藤田洋子)
自句自解:松山では、居間の窓から年中ポプラのそよぐのが見られた。八十八夜の頃はやわらかな緑がしずかに音を立てて、風の様子を見せてくれていた。いい天気の昼下がり、鳴き始めた雀は、いつまでたっても鳴きやまない。一人遊びをしているように、夏の近づく日差しを楽しんでいた。
○今日の俳句
子が発ちし八十八夜の月明り/藤田洋子
「八十八夜の月明かり」の美しい抒情に、旅立つ子を送り出す母の一抹の寂しさが添えて詠まれた。(高橋正子)
俳句
聖書繰る野の青麦を思いつつ 正子
○『60歳からの楽しい俳句入門』(鴇田智哉著/実業之日本社/1400円)を読む。
こういったことを知っていれば、俳句の免許皆伝かと思う。知っていて益となるか、知っていて損となるかは、賽の目の出方のようなものか。
○今日の俳句
影の来て蝶の来ていることを知る/祝恵子
蝶は、やわらかに、気配もなく飛んで来る。ふと見やるところに蝶の影があり、蝶のいることに気づかされる。物があって、影が生まれるのだが、その逆のような世界の不思議。(高橋正子)
俳句
近寄れば真実リラの匂いける 正子
○今日の俳句
春の沖へ沖へとヨットのきらめく帆/多田有花
ヨットの観察をよくすべきなので、添削。春の沖へ出てゆくヨットの帆がきらめいて、沖にはもう夏が近づいている感じがする。(高橋正子)