小雨
一日を春の時雨にもてあそぶ 正子
ソックスを濡らし子が来ぬ春時雨 正子
草刈られ土筆すくすく育ちたり 正子
『芭蕉百五十句』から秋の句
起あがる菊ほのか也水のあと
はつ秋や海も青田の一みどり
荒海や佐渡によこたふ天河
わせの香や分入(わけいる)右は有磯海(ありそうみ)
合歓(ねむ)の木の葉ごしもいとへ星のかげ
病雁(やむかり)の夜さむに落て旅ね哉
秋風のふけども青し栗のいが
名月はふたつ過ても瀬田の月
鶏頭や雁(かり)の来る時尚あかし
ひやひやと壁をふまへて昼寝哉
ぴいと啼(なく)尻聲(しりごえ)悲し夜の鹿
●K・ひとみさんからお便り。<子規博主宰の「子規塾」での小西昭夫先生の「髙橋信之の俳句」の講義は熱量が半端無かった>と書いてあった。小西さんに葉書きで、お礼を。俳壇4月号に、「種田山頭火俳句の「前書き」」についてのエッセイも拝読した旨を伝えた。
●『近代美学入門』(井奥陽子著/ちくま新書)。「西洋近代」とは、17世紀~19世紀のこと。日本の江戸時代。
「芸術とは美しいもので、高い技術によって創作されるもので、高尚で凡人には生みだせないオリジナリティ溢れるものだ。あるいはそうあるべきだ。」というのは、近代的考え。現代では、「こんにちでは、芸術には美も技術も必須ではありません。」「もはや芸術は『美しい諸技術』ではありません。」となる。
大方の人は、ヨーロッパの近代の芸術に関する概念で判断していると言えそう。こう考えるのは危ういと言う著者。
「近代(なかでも18世紀後半から19世紀の)ヨーロッパ以外の芸術について理解しようとするなら、それぞれの地域の文化や思想を汲まなければいけません。近代ヨーロッパでなく、当人たちの物差しに合わせる必要があります。そのため、『芸術』から思い浮かべられる概念は、近代ヨーロッパのものであると、自覚することが重要なのです。そうすることで、また、芸術について柔軟に考えられるようになる気がするのです。」
●現代アートや前衛俳句においては、「美しい諸技術」は必須でないことになっている。現代アートや前衛俳句を評価する基準があるのか、どうかわからないが、あれば、なによりも「力」のような気もする。
曇りのち雨
●信之先生の月命日。桜のお香を焚く。稲荷ずしを作って供える。スーパーで蕗を探すが見当たらない。今の時期そんなはずはないと思いながらも、山菜コーナーを見ていると、葉を切り落とし、茎を25センチくらいに切ってビニール袋に入れている。見つからないはずだ。一把でなく、一袋買う。今日は鯛が安いので予定外だったが買った。鯛で意外とおいしいのは、塩焼き。強めに焦がす。鯛の水分が程よく抜けて、身がしまって、味がすっきりする。夕方句美子が雨に濡れてきた。急に本格的に降り出したとのこと。十六本骨の長い傘を買った方がいいかも。
●信之忌 五月二十四日
芍薬の匂えば夫は香のなかに 正子
As the peonies scent the air, my late husband is in the fragrance.(tr.masako)
Explanation by AI: This verse captures the essence of sensing a loved one’s presence through the enveloping fragrance of peonies. Peonies are known for their rich aroma, which has inspired many cultures and poetic works.
小雨
●『芭蕉百五十句』から
夏の句
命なりわづかの笠の下凉ミ 芭蕉
山かげや身をやしなはむ瓜畠 〃
暫時(しばらく)は瀧に籠るや夏(げ)の初 〃
涼しさやほの三日月の羽黒山(やま) 〃
めずらしや山をいで羽の初茄子 〃
京にても京なつかしやほとゝぎす 〃
朝露によごれて涼し瓜の泥 〃
秋ちかき心の寄(より)や四疊半 〃
●起きてからヘンデルを聞きながら仕事。ラルゴなど。
●鴨流る映れる影も流れける 正子
The flowing wild duck, its reflection also flowing. (tr.masako)
Explanation by AI:The line you've shared evokes a serene image of a wild duck gliding over water, with its reflection moving along with it. It’s reminiscent of a scene one might find in a haiku, capturing a moment in nature with simplicity and beauty.
●里山ガーデン
晴れ
白き月遠き春日に相対し 正子
月白し畑に土筆無尽蔵 正子
辛夷・菜の花・桜の庭に尾長来て 正子
●『芭蕉百五十句』(安東次男著 文春文庫)より75句と、『芭蕉の世界』(尾形仂緒講談社学術文庫)より30句を選る。重なる句もあるから、実際は百句にならない。
春の句
水とりや氷の?の沓(くつ)の音 芭蕉
原中や物にもつかず鳴(なく)雲雀 〃
獺(カハウソ)の祭見て来よ瀬田のおく 〃
ひばりなく中の拍子や雉子(きじ)の聲 〃
種芋や花のさかりに賣ありく 〃
木のもとに汁も膾(なます)も櫻かな 〃
雪間より薄紫の芽獨活(めうど)哉 〃
●午後3時ごろ郵便局や買い物に出かける。帰ってすぐその足で散歩に行く。本町駅に近い農家の辛夷は散ってしまい、桜が咲き始めている。畑に菜の花、尾長の群れが来ていた。主には地面に降りて啄んでいる。
5丁目の崖っぷちの公園へ。霞んではいたが、富士山がきれに見える。予想通り。四十雀が一本の枯木で鳴いていて、帰りには東に白い月、西に沈みかけた春の日。木立は夕日に赤く染め上がられていた。上着なしだったので寒くなった。
桜参道のある古刹・金蔵寺
★去年居て今年夫居ぬ春の寺 正子
Last year my husband was here, now he is not, in this spring temple.(tr.masako)
This haiku reflects on the impermanence of life and the passage of time, as felt in the quiet of a temple during spring. It’s a poignant reminder of those who were once with us and now are gone.
●フォトチャンネル「生活する花たち」●
晴れ
お彼岸の襖を閉めてこちら側 正子
●合同句集『泉』から、四季の句の選句者は現在3名。選ばれた句は、180句近く、重なる句は数句。一句に集中するのを心配したが、大丈夫そうだ。
集めてみると、なかなか面白い。
●愛媛新聞3月21日付「俳誌」欄に花冠No.370が紹介される。吉田晃さんより、添付ファイルのメールを受け取る。
月低く四十九日を戻りけり 多田有花
石透けるほどの瀬音に鮎錆びて 吉田 晃
白鷺の田に降りる朝師の訃報 柳原美知子
★お彼岸の襖を閉めてこちら側 正子
Translation: As the equinox screen door closed, I'm on this side. (tr.masako)
Explanation:The equinox often symbolizes a moment of balance, a pause between the shifting seasons. Your words evoke a sense of contemplation as one phase ends and another begins.
晴れ、午後曇り、夕方雷と雨
春雷に明るさ残る日暮れ時 正子
三月の風に揺れずめひのき林 正子
ブナ芽吹く登山口より少し入り 正子
●今日は春分、午後曇る。「俳壇」4月号今朝、9時過ぎ宅配で届く。綱島郵便局から注文者に発送。今日が祝日だということを忘れて、南日吉郵便局へ。その足で綱島郵便局へ。
●綱島郵便局へ行く道すがら、綱島市民の森がよく芽吹いているのに気づく。郵便を出してそのまま登った。登り口に山茱萸が一本。登りはじめると四十雀が道沿いの生垣にいて、地鳴き。幅1メートルほどの小さい古い石段を登ると、神社跡に着く。小さい神社跡を左手に行き「ひのきの森」に着く。風でひのきの先のほうが、大きくゆれている。上の方は風が強いらしい。ブナが芽ぶいて、花が咲いている。ジーンズの上着にバックパックの男性に会った。道を探しているようだったが、いつの間にかいなくなっていた。茶髪の老女性が登ってきた。誰も来ない感じなのに、二人来た。広場にはいかないで、すぐ下山して帰った。途中、麓の旧家の飯田家を見学したらしいグループに会う。仲間と思ってか、みんながみんな、声をかけてくれる。飯田家の門前に水の溜まる大石があり、メダカがいた。メダカがいるかどうかは、メダカの動く影でしかわからないほど。
★ブナ芽吹く登山口より少し入り 正子
Taranslation:From the trailhead where beech trees bud,just a little way in.
Explanation:It captures a serene moment of entering the forest as the beech trees begin to show their new leaves. Beautiful imagery!
曇り
芋の芽の生きいきと出し台所 正子
パンジーに老い好める花のいろ 正子
一本ずつ売らる山独活一本買う 正子
【生成AI】山独活(やまうど)は、春の旬の山菜で、特に日本では人気があります。一本ずつ売られている山独活を一本買うというのは、その新鮮さと質を選ぶ楽しみがあるということですね。山独活は、独特の香りと苦味が特徴で、天ぷらや和え物、おひたしなど様々な料理に利用されます。
●午後ハート内科へ。心臓エコー検査。帰りは歩く。災害に備えてということで、予備の薬を一か月分処方される。
晴れ、風が強い
一日には机に並べつくづくし 正子
たんぽぽの黄色地にあり目を射して 正子
たんぽぽの黄色なつかし君も老い 正子
●皮膚科へ。コロナの熱が引いたので、お風呂にはいったら、蕁麻疹。皮膚科の先生によると、コロナに限らず、病気のあとは、アレルギー症状がでやすいとのこと。担当の先生は3月末で転勤とのこと。信之先生がずっとお世話になっていたので、最後のご挨拶ができてよかった。
困るのは薬を飲んだり、塗ったりしているにもかかわらず、体がほっこり温まると蕁麻疹が出ること。
★たんぽぽの黄色なつかし君も老い 正子
the nostalgic yellow of dandelions, my friend also ages.(tr.masako)
晴れ
子が往んで空に光りぬ春の星 正子
遠く住む人らに出でよ春の星 正子
薔薇の芽は今くれないのやわらかさ 正子
●夕方句美子が来てくれる。山田やまんじゅうと、キティちゃん柄のゴーフルをお土産に持参。29日のマロさんのコンサートチケットをプレゼントしてくれた。コンサートに間に合うようにコロナが治って、これなりに運がいいのかも。
●2月の終わりごろから、絶対運気が下がっている。空回りの悩みに加え、コロナ。コロナの熱が下がって、ベランダの菫やサラダ菜がよく育って、ムスカリも咲いて、チューリップも、ミニ薔薇もよく育って、少しまともな気分になれそうだ。カミノミナ二オイテ、待つしかない。
●新キャベツで初めての料理。単なる新キャベツのサラダ。新キャベツを軽くボイル。切ってから水気をよく絞り、きゆうりと、ハムとマヨネーズで和える。かんたん酢をほどよく加える。キャベツが入っているので、かんたん酢がないと美味しくないので、注意。とてもさっぱりしている。キャベツを入れ過ぎないこと。
●大根と人参と、厚揚げと絹さやの炊いたの。絹さやは色よく、味もよくつけて。春大根ながら、おいしい。
★薔薇の芽は今くれないのやわらかさ 正子
the rosebuds ,now in their crimson hues, glistening softly. (tr.masako)
晴れ
ムスカリの青が目覚めの目に入りぬ 正子
ムスカリは空へ背伸びす青い鳥 正子
チューリップ犇めき育つ素焼き鉢 正子
●一日一日コロナから治っていくのがよくわかる。薬の開発時に、回復の経過を計算して組み込んでいるような感じさえする。まだ、倦怠感があるので、買い物にも出かける気分にならないが、郵便局、銀行の用事で日吉駅まで。丸善によって、次買う新書などメモして、すぐ帰る。
『美学への招待』(佐々木/中公新書1000円)
『近代絵画史』(上)(下)(高階秀爾.中公新書840円・860円)
『西洋美術史入門』(池上英洋 ちくま 950円)
『マチス』(画集)
『茨木のり子詩集 谷川俊太郎選』(岩波文庫)
●ピアノ協奏曲おすすめ
①バッハチェンバロ協奏曲第5番?モーツアルトPC第27番③ベートーベンPC第5番
④シューマンPC⑤ラフマニノフPC2番