10月7日(木)

★星月夜ただ風吹ける夜半のこと  正子
よく晴れた夜空を、何げなく仰ぎ見られたのでしょうか。満天の星がまたたく静かな秋の夜半のこと。今日も充実し、ことなく過ぎた感慨がロマンをもって伝わってくるようです。「ただ風吹ける」が印象に残ります。(小川和子)

○今日の俳句
虫の夜の海より暮れて更けゆけり/小川和子
「海より暮れる」が作者の発見。さらに夜が更けてゆき、虫の夜へのことさらの思いがある。(高橋正子)

○コンテストの仕事。

○花冠11月号が到着した知らせが入る。6日に届いた方が多いようだ。

○朝市に出かけ、栗、とうがらし、大根、ほうれん草、茄子、葱を買う。とうがらしは、油でいため、醤油と酒で味付け、鰹節をふりかけできあがり。ピリッと辛くて、新米ご飯によくあって病みつきになる。

○You Tubeで「月光ソナタ」をいろいろ聴く。今夜は、ケンプが好みだ。月光を弾く老齢の表情もよかったのだが。ベートーベンが見ていた月はどんなであったのだろう。フランクフルとに懸かった月は、空をはるか航く感じだったが、小川沿いの森に差す月光もいいだろうなあと思いつつ。

10月6日(水)

★鵙猛りそれより空の真っ青に  正子
鵙が鋭く鳴いている。その声を追うと、抜けるように青い空が広がっている。まるで鵙が、秋の深まりを教えてくれたようだ。(山中啓輔)

○今日の俳句
ジーンズの深き藍色小鳥来る/山中啓輔
ジーンズはインディゴの色であるが、季節によって、相応しい色合いがある。小鳥来る季節は、何といっても深い藍色がよい。小鳥に似合った色である。(高橋正子)

10月5日(火)

★秋の星寝に就く前の大きな宙  正子
高階に秋の星々の澄んだ輝きを目にしつつ寝に就けば、大きな宇宙の闇に抱かれているような安らぎの中に眠れそうです。至福の秋の夜のひとときが、女性ならではの繊細な感覚で詠まれていて心惹かれます。(柳原美知子)

○今日の俳句
青蜜柑むけば清き香夜の畳/柳原美知子
「夜の畳」に生活実感があって、青蜜柑の匂いを「清き」だけで済まさないリアルさがよい。(高橋正子)

10月4日(月)

★いっせいに月を待つべく曼珠沙華  正子
彼岸花は名月のころに咲きますね。曼珠沙華とされたことにより、名月を待つ華やかさが生まれました。今年は異常な残暑で、十月に入ってようやく姫路では花盛りです。名月にも彼岸にも稲刈りにも遅れていまいっせいに咲いています。(多田有花)

○今日の俳句
露草の色に澄みたる野辺をゆく/多田有花
「露草の色に」の「に」によって、景色が大きくなった。露草の瑠璃色があることによって、野辺がりんりんと澄んでくるのである。その野辺をゆく爽やかさ。(高橋正子)

○花冠11月号発送。
○十五夜ネット句会金(光子さん)・銀(康水さん)・銅(秀之さん、洋介さん)各賞の賞品発送。

10月3日(日)

★炊き上がる米の光りにぎんなん混ぜ  正子
銀杏の頃はご飯も新米でしょう。つやつやと光るご飯に、こちらも黄緑に光るぎんなんを混ぜあわせ、秋の味覚の何よりの一品です。(黒谷光子)

○今日の俳句
松手入まず天辺に鋏音/黒谷光子
松手入れの季節。松の木に植木屋がのぼり、まずは、天辺から剪定がはじまった。剪定のはじめの鋏の音が快く響く。「まず天辺に」が命。(高橋正子)

○青蜜柑色づきそめし青のつや 正子
 えのころと小さき花と摘んでくる 正子
 日にいちばん今かがやいて菊つぼみ 正子
 掃き集む日日草の花ばかり 正子
 こぼれつつ咲けるは日日草の花 正子
 
○インターネット俳句コンテストの仕事。本選の審査を依頼。はやくも、審査員の先生お二人から選が返ってきた。

○信之先生の俳句が毎日新聞社の「俳句あるふぁ」に載ることになった。11月13日発売の12・1月号の「光と影の歳時記」。

○栗ぜんざいを作る。八百屋のあずきと栗がおいしいというので、仕入れてきて作ったのだが、出かけた人が「御座候」の大判焼きをお土産に持ち帰る。60周年記念で一個60円というので、行列に並んで買ったとのこと。あまいものが溢れる。

10月2日(土)

★秋の潮満ち来る波の触れあいて  正子
満ちてくる潮を「触れあいて」とまるで人々がひしめきあって来るように表現されているのが新鮮です。潮騒が聞こえてくるようです。(多田有花)

○今日の俳句
秋野菜色々からり天ぷらに/多田有花
秋野菜の天ぷらがからりと揚がれば、目にさわやか。秋茄子のむらさき、かぼちゃの黄色などが、薄い衣を透ける色を愛でたい。(高橋正子)

○新米に青とうがらしひりひり食ぶ 正子
 おそがけのふるさとの葡萄つめたかりと 正子
  夢に天の川
 水汲みの空に流れて天の川 正子

○コンテストの仕事。
○いただいた新米を息子におすそ分けで宅急便で送る。米の味にうるさいだけに喜ぶ。

10月1日(金)

★円盤の刃に秋草のきらきら散る  正子
近在の田園をウォーキングの時にいつも見掛ける光景ですが、夏草ほど勢いが無くなっても、種を落とす前に処理する為の草刈のようです。彼方此方で草刈機の爽やかな金属音が、風に乗って聞こえて来るようです。
(桑本栄太郎)

○今日の俳句
ほつほつと畝の高きに貝割菜/桑本栄太郎
まだ「ほつほつと」というほどの双葉の芽生え。貝割菜のいとけさなが、「畝の高きに」で強調されている。(高橋正子)

9月30日(木)

★さやけさの中へ起き出し四肢があり  正子
暑く寝苦しい日がいつの間にか去り、今朝の目覚めの何と心地よいことでしょう。すこやかに起き出し、さわやかな一日のはじまりです。 (小川和子)

○今日の俳句
樹を離れあおき団栗零れおり/小川和子
樹を離れたところにまだ青い団栗が零れている。嵐に吹き落とされたのであろうか。想像をしてみる。青い団栗のかわいらしさと、時季でないのに樹を離れた実へ愛おしさがあって、やさしい句である。(高橋正子)

○第19回インターネット俳句コンテストの作品応募を締め切る。
早速実行委員による予選に入る。

○一日雨が降ったり止んだり。ベランダの日日草が溢れるように咲く。苗をもらったので植たランタナもよく咲き出した。ムスカリと水仙、チューリップの球根を用意。かわいい鉢を探さなくては。

○今朝、天の川の夢を見た。何年も夢など見たことがなかったが、突然天の川が現れた。とてもきれいな天の川で、小さな星の配置などもすばらしかった。いつ自分はこのような天の川の景色を頭にインプットしたのだろうか、という思いにもなった。どこか山にでも行って星が見たいものだ。

◇生活する花たち「アケボノソウ」(尾瀬ヶ原)

9月29日(水)

★手に触れて硬き林檎を二つ選る  正子
「二つ選る」の具象から林檎の触覚、視覚、嗅覚が味覚へとつながって幸せが感じられます。 (矢野文彦)

○今日の俳句
靡くことなくて月下の曼珠沙華/矢野文彦
まっすぐな茎に、華やかな花を掲げ、月下にあって月の光が届いている詩的なところが詠まれている。(高橋正子)

○街を行く人の服装もすっかり秋の装いになった。栗の出盛り、葡萄も梨も、柿に林檎に。秋の果実が勢ぞろい。今年は葡萄をたくさん買ったりいただいたり。それでもまだまだ食べ飽きない。ついには、最近では、ワインの味がすると感じるまでに。今年の果物のグランプリは葡萄に。

◇生活する花たち「イワショウブ」(尾瀬ヶ原)

9月28日(火)

★道端の日に出てみどり濃きバッタ  正子
草むらから道に飛び出し、やわらかい秋の日差しの中で憩うバッタは、草影にいる時の色とはまた異なる美しく深いみどり色であることよ。何気ない言葉の中にバッタの動きや葉の戦ぎ、秋の日差しのあたたかさ、バッタの美しさ、愛しさが思われ、秋の日の静かな安らぎが感じられるお句です。 (柳原美知子)

○今日の俳句
初栗の輝き分け合う職員室/柳原美知子
職員室の教師たちのなごやかな雰囲気が、豊かな季節感をもって詠まれています。初栗に寄せる懐かしさ、暖かさは、人間教師としての一面を見せています。(高橋正子)

○花冠11月号が印刷されて届く。発送用の封筒は宛名シールも貼って用意できているものの、すぐに発送するには、いかにも早い。10月3日の日曜日に、発送予定。コンテストとの兼ね合いもあるし。

○昨日国勢調査の用紙を郵送した。職業の欄は随分詳しく書くようになっている。コンピューターに読み取らせるのかなあ。

◇生活する花たち「ミヤマアキノキリンソウ・ミヤマワレモコウ」(尾瀬ヶ原)