1月4日(火)

★新巻に荒縄しっかとかかりたる  正子
塩蔵された鮭にかかる荒縄の力強さ、確かな目で新巻の姿を捉えていらっしゃると思います。おのずと、北国の厳しい冬の生活も感じさせていただきました。(藤田洋子)

○今日の俳句
四日はや高々と干す濯ぎもの/藤田洋子
主婦の若々しい生活俳句。四日になると、正月にたまったものの洗濯に精を出し、日に風に高々と掲げて干す。若々しさと清潔感に好感がもてる。(高橋正子)

○正月3が日は、穏やかな日が続いた。今日4日からは、信之先生は、味噌のお雑煮。日脚が伸びた感じが強まる。(高橋正子)

1月3日(月)

★誕生日正月三日の眉月に  正子
誕生日と言っても、正月三日なので、正月の用事に取り紛れて、特に感慨は湧かないが、私自身は、何かにつけて、月に恃む気持ちがあるので、美しい眉月にほっとして、今日は誕生日だと思ったのである。(自句自解)

○今日の俳句
水音を近く三椏芽は銀に/小川和子
原句は「水音を近くに」であったが、中七の八音を七音に整え、切れを入れた。それにより、作者の立場と情景がはっきりする。水音が近く聞こえ、三椏の芽が銀色に輝きながら、早春に咲くのを待っている。(高橋正子)

○新年ネット句会開催。今年初めてのネット句会。24名の参加者。修さん、弘さんもご参加。オフ句会でひょっこり顔を見せていただくとうれしいが、ネットでも同じ感じ。入賞発表中の1時ごろ、電気のブレーカーが突然落ちて、とんだハプニング。

○お節もほとんど食べ尽くした。今年は紅白膾を柚子果汁だけで作ったので、ずいぶん好評。酢が抜けることも、水っぽくなることもない。

○年賀状が、元旦、二日、三日と休まず配達される。京大の西村先生(元愛媛大学の先生)に、花冠を贈呈しているが、賀状に、「花冠のエッセイ興味深く読んでおります」とあった。

1月2日(日)

★正月の子どもが五人じゃんけんぽん  正子
長閑なお正月です。子供達の健やかさを思います。見ていたい景です。(祝恵子)

○今日の俳句
凧揚がる次々引き手変わる子ら/祝恵子
一つの凧を揚げるのに、引き手が次々変わるのも面白い。よく揚がった凧に夢中な子どもの本気が見える。(高橋正子)

○1月1日のアクセス
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1月1日(土)

賀正 2011年元旦
あけましておめでとうございます。本年も高橋正子の俳句日記をよろしくご愛読ください。

★せせらぎの砂に日差してお元日  正子
浅瀬の水際に佇み、迎える新年。流れゆく水はもちろん、その岸の砂、一粒一粒に日が差していることに、慶びを感じます。見るもの全てがあらたまり、清らかに想われるお元日です。(川名ますみ)

○今日の俳句
元旦の窓に自在な雲と鳥/川名ますみ
人の世は、今元旦ののどけさにあって、雲も鳥も自在に遊ぶ。作者の心も雲や鳥のように空に遊ぶ。(高橋正子)

○夕方5時半ごろ、すっかり暮れて星が出ていたが、氏神様の駒林神社に句美子と初詣。鎌倉の八幡さんにゆくことが多かったが(そういえば、去年は切山椒を買ったが)、村の氏神もなかなか面白い。御手洗には、若松と紅梅を括ってあり、お神酒を飲むかわらけはプラスティックのそっくりなもの。古いお札を焼くためのドラム缶が4つ置かれてあり、その火で煙草を吸う男が二人。お参りの人は、この時間では、5人ぐらいだったか。巫女さんがひとり社務所の縁側の戸をあけてお札やお守りを売っていた。驚いたのは、破魔矢に、矢だけでなく、弓も付けてある。1700円。お札を買って帰り、神棚に置く。

12月31日(金)

★大年の山河も晴れを賜りし  正子
大年のこの日にあって、恵まれた晴天が、この上なく清々しく晴れやかに感じられます。明るく輝かしい自然の大らかさに、一年の末日の深い感慨とともに、来たる年への明るい希望もあふれます。(藤田洋子)

○今日の俳句
年の瀬の遮断機上り街動く/藤田洋子
遮断機が上ると一斉に車が忙しく動き出す。年の瀬の街の風景をよい視点でとらえた。(高橋正子)

12月30日(木)

★枯れ道の白くかがやく固さ踏む  正子

○今日の俳句
大雪の朝の光と鳥の声と/矢野文彦
生き生きとして、かがやきのある句。目に大雪の朝のまぶしい光、耳に鳥のはずんだ声。こういった世界が目の前にあるよろこび。

12月29日(水)

★オーバーの肩の落ちしが身に安し  正子
ゆったりとしたオーバーが暖かく身体を包んでくれます。寒い冬も心はほかほかしてきて安らぎます。(井上治代)

○今日の俳句
冬鵙に雲一片もなかりけり/井上治代
一片の雲もなく晴れ渡った空に、けたたましいはずの冬鵙の声が、のびやかに聞こえる。(高橋正子)

12月28日(火)

★年逝かす蘭の華やぐ丈見上げ  正子
鉢植えの大きな洋蘭なのでしょう。その華やかな存在感に、あらためて一年を回顧する思いがかきたてられるようです。(藤田洋子)

○今日の俳句
一しきり霰の音を硝子戸に/藤田洋子
急な冷え込みに、霰が一しきり降り、硝子戸を叩く。家居の静かさを驚かす天気の荒れに、冬の緊張がある。「一しきり」が詩情を生んだ。(高橋正子)

12月27日(月)

★水仙の香を吸いながら活けており  正子
水仙は姿と同時に香りも清楚な印象です。それを楽しみながら活けておられる。日々の生活を大切に過ごされている様子が伝わってきます。 (多田有花)

○今日の俳句
雲がゆく冬田に大き影落とし/多田有花
秋に刈り取られた田は、ひつじなどもすっかり枯れて、寒風が吹き過ぎる冬田となった。大きな雲が影を落として行くこともある。冬田に見た大きな雲の影が心象ふかく刻まれる。(高橋正子)

12月26日(日)

★南天の実も水音もかがやかに  正子
艶々と真っ赤に実り光り輝いている南天の実を思い浮かべます。庭や山路等での水の音なのか「かがやかに」と詠われた事で、清らな水で有る事も想像出来、南天の実・水の音双方のきらきらして居る情景が見えて来ます。(佃 康水)

○今日の俳句
初雪や下校の子等の髪光る/佃 康水
寒いながらも初雪に、はなやぎがある。下校の子どもたちの髪に初雪がちらちらと降りかかって、髪が光って見える。「髪光る」は、観察のよさ。(高橋正子)