2月7日(月)

★梅の花遠きに咲きて白さ満つ   正子
高みから見ていらっしゃるのでしょうか。満開の梅の花の白さが際立っています。梅の花の香りも漂ってきそうな気がします。(黒谷光子)

○今日の俳句
拝観を終え紅梅に集まれり/黒谷光子
集ってお参りに出かけた。拝観を済ませたものが順次、誰彼となく、紅梅のもとに集まった。うららかな日の紅梅の見事さ、和む人の心がおのずと知れる。(高橋正子)

○二人吟行:
5日の土曜日は、6日の立春句会の句を作りに、信之先生と近隣を吟行。一時の寒さが緩んでからは、探梅と称して、住んでいる3丁目から、2丁目、5丁目と歩き回った。土曜日は晴天で、駒林神社、天台宗の西光院、おなじく天台宗の西量寺を訪ねる。2丁目の西光院は、小さなお堂がある、実に小さなお寺。庭には金柑の実があまるほど成って、地に落ちている。一粒いただく。白木蓮の蕾が良く太って、立派な樹である。お賽銭をあげて去る。

駒林神社の梅を見に寄る。この前来たときは白梅がみずみずしかったが、今日は、はや散りかけている。まだ咲かない梅もあるが、蕾が固い。気をつければ、神社の御手洗の後ろ、本堂の横と、紅梅や白梅がある。かわいらしいのは、同じ境内のお稲荷さんの狐。今日は、お稲荷さんの狐にお賽銭をたくさんあげる。たくさんと言っても知れてるが。鳥居のそばには大きな樅の木。ご神木で幣を巡らしている。

駒林神社の坂を下ればすぐ、駒林小学校だが、小学校をぐるっと回って、しばらく歩くと高台に墓が見える。墓地の下に、紅梅が終わりかけ。そこが西量寺らしいので、表へ回る。門前に寺の碑があって、階段がある。上ると、さんさんと降り注ぐ春の庭。花が少ないところを歩いたので、庭の水仙、葉牡丹がうれしいほどだった。一メートルほどの池に30センチ足らずの小さな観音様が祀ってある。水掛観音とあって、言われが書いてある。地元日吉の何とかという子供が川で泥石を見つけ、母親が水を掛け洗い清めると観音様が現れ、なお開眼供養をして祀られたというらしい。何度も杓で水をかける。水を掛けると観音様はずぶ濡れで春日に輝く。が、すぐ乾いてもとに。また水を掛けて輝かす。

水掛けて春水かがやく仏なる  正子
高台の寺の水仙濃く匂う    正子

小さいお寺だが、お寺の人らしい生活があって、面白かった。

○立春ネット句会入賞発表/2月6日
◆ご挨拶
今年は寒さがことのほか厳しい冬でした。あたたかい地方まで大雪となったり、雪深い地方では、豪雪となったりでした。ようやく立春の日を迎え、ほっとした気持ちです。立春ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。節分の句、立春の句、その他の句、どの句もレベルが高く、厳選となりました。入賞の皆さま、おめでとうございます。頂いた互選、コメントも水準を上げており、大変うれしく思いました。日々のご精進の賜物と思います。互選の集計は藤田洋子さんにお願いしました。句会の管理運営は信之先生にしていただきました。お世話になりありがとうございました。まだまだ寒い日もあることでしょうが、ご健吟ください。これで、立春ネット句会をおわります。
次回は、3月3日(木)の<雛祭ネット句会>です。ご参加をお待ちしています。(主宰 高橋正子)
◆入賞発表ブログ
http://blog.goo.ne.jp/kakan15/

○花冠3月号発送
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2月6日(日)

★たらの芽のまだ枯色で棘ばかり   正子
たらの芽は山道など身近な所でも見かけられ、山菜の王として良く知られている。立春間も無い頃のたらの芽は未だ未だ枯色で鋭い棘ばかりが目立つている。しかし春の到来でこれからは幹の先端から伸びて来る薄みどり或いは薄むらさきの柔らかい芽を見るのが楽しみ。その時期のたらの芽との出合いを今から心待ちにされている作者の気持が思われます。(佃 康水)

○今日の俳句
白梅の萬の蕾の薄みどり/佃 康水
梅の蕾みもしだいにふくらんでくると、花の色が見え始める。白梅は、どの蕾みも、いっせいに薄みどりを見せて、開く日を待っている。薄みどりに花のういういしさがある。(高橋正子)

2月5日(土)

 東山・法然院
★春寒し木を打ち人を呼び出せり   正子
春寒の季節、寂びた佇まいの森閑とした禅寺を訪れる。玄関に着くと魚の形の板が吊るされている。修行僧に食事や起床の時刻を知らせるのに打ち鳴らす魚板の名残りだろうか。家人を呼ぼうと置いてあった木槌で板を叩くと、樹々に反響して、静寂な境内の奥深くから木の音が響いてきます。思いがけない魚板の音に迎えられ旅の妙味や修行僧の生活などが思われます。(柳原美知子)

○今日の俳句
白梅の香りとともに明るさも/迫田和代
白梅の香りには気品があって、だれにでも愛でられるところ。香りだけでなく、陽があたれば白い花はかがやくように明るい。「明るさも」と見てとったのは秀逸。

2月4日(金)/立春

★春立ちてものの影踏むこと多し   正子
春の訪れが感じられるのはまず光から。光が強くなり、すべてのものの影が濃さをまし、おのずとそれを踏むことにも意識が向きます。(多田有花)

○今日の俳句
立春大吉梅の小枝はまっすぐに/多田有花
「立春大吉」は目出たい上に、朗らか。梅のずわいが真っ直ぐ伸びて、躊躇なし。目出たく、朗らかで、躊躇なし。こう行きたい。(高橋正子)

◇生活する花たち「梅」(横浜日吉本町)

2月3日(木)/節分

 鎌倉・報国寺
★竹林に踏み入るところ冬椿   正子
竹の寺とも言われる報告寺の竹林。一歩踏み入れると別世界に感じる竹の庭ですが、その竹林ではなく、踏み入るところの冬椿を見つけた嬉しさを感じさせてもらいました。(高橋秀之)

○今日の俳句
輝ける夜空の星や豆を撒く/高橋秀之
「輝ける夜空の星」に託された気持ちが、晴れ晴れとして広い。高く放って撒いた豆は、星屑のなかに散らばってしまいそうだ。(高橋正子)

◇生活する花たち「ふきのとう」(横浜日吉本町)

2月2日(水)

★白木蓮冬芽の銀の日にまぶし   正子
銀色の毛に包まれて厳しい寒さの中で春を待つ白木蓮。ふかふかとした感触と暖かさとさらにその向こうにある白い花の姿が見えてきます。(多田有花)

○今日の俳句
やわらかき色を置きたり寒卵/多田有花
寒卵はきびしい寒さの中で産み落され、白色の厳しさもあるが、それがテーブルなどに置かれると、命あるもののやわらかさ、やわらかき色を呈す。そこをユニークな視点で捉えた。(高橋正子)

◇生活する花たち「パンジー」(横浜日吉本町)

2月1日(火)

★枯木立星のあおさに揺れもせず   正子
風も無く枯木立は星の青さに魅了されたかの様に深閑として立ち上がっている。その枯木立を透けて広がる澄み切った夜空には冴え冴えと青い星が煌めいている。冬銀河である。枯木立と相俟って美しく雄大な冬の夜空が目に浮かんで参ります。昔歌った「冬の星座」を懐かしく思い出させて頂きました。 (佃 康水)

○今日の俳句
山里に戸ごと掻かれし雪盛らる/佃 康水
一戸一戸が散らばる山里。雪掻きの山が戸ごとにあって、山里らしい暮らしぶりが覗えて、雪の日の景色が読み手によく見える。(高橋正子)

◇生活する花たち「パンジー」(横浜日吉本町)

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1月31日(月)

★雪運ぶ風音すざまし聴くばかり   正子
雪を伴って強い北風が吹き荒び当に猛吹雪。そのすさまじい風の音、木立の揺れる音、時折戸や窓を叩きつけたり柱の軋む音が聞こえて来る。早く納まってほしいものの成す術も無く家の中に居てただじっと聞くばかりである。きっと外の視界は悪く積雪も予想される。過酷な天候状況の中での人の暮らしが見えて来るようです。 (佃 康水)

○今日の俳句
遠山の晴れて冠雪確とあり/佃 康水
よく晴れて、雪を冠った遠くの山々がくっきりと輝いている。確とある大きな自然に向かったときの晴れ晴れとした気持ちがよく出ている。(高橋正子)

○昨日は、午後から信之先生と探梅に近所を歩く。「うめはまだか~」の都都逸ではないが、梅の花が咲いているのを見つけるのはたのしみ。「探梅」は、冬の季語であるが、そこまで来た春をよく言っている。まず、鯛ヶ崎公園に足を向ける。農家の畑の端の梅、となりの御屋敷の白梅。公園(山なのであるが)の中は垣根として植えられた山茶花。梅はない。公園を出て、竹藪へ出る。竹藪の端には、蕗が葉を出すのでそちらへ曲がる。坂道となっているが、予期せず、民家の白梅が満開。携帯で写真を撮るが、高すぎて、遠目の写真となる。竹藪の端の日当たり抜群のところに、ひとつ蕗のとう。蕗の葉は、ようやく蕗とわかる程度に、霜に焼けた小さい葉がまばらに。蕗のとうも写真に。このあたりの民家は、昔ながらの農家と、新しい世帯の家が混在。農家の庭先によってパンジーを撮る。

さらに下って、バス通りに出る。コンテナの貸し倉庫がある。この辺りも日吉だが、初めて来た。トラックが行き交う道路に出ると向かいに「ツタヤ」。それに寄る。古本をざっと見る。半額程度と、百円程度が多い。昔ながらの古書店では、古本の値段が、いちいち違っているので、その値段だけ見るのも本の価値が反映されて面白かった。今、日経にコラムを書いている内舘牧子もある。水桜子編の日本大歳時記があったが、これは半額程度の2700円。向田邦子と塩野七生は、読んでもよさそうだ。そんなものを見て、何も買わず、借りずに店を出て帰った。帰宅は3時前。

○年末我が家に登場したホームベーカリーでパンを焼く練習をしている。自動で焼けるとはいえ、これも奥が深そうだ。昨日は夕食後から、普通の食パンを焼いた。バターは本物、砂糖は三温糖。出来上がりはホテルブレッドのようだ。粉はパン専用粉で、調合は自分で。おとといと、さきおとといと二日続けて、フランスパン。これはミックス粉を使う。フランスパンは、よくできている。ただし、仕込みから出来上がりまで6時間半。夕食前後に始めると、出き上がりは夜中0時半。出来てすぐに取り出さないといけないので、眠さをこらえ起きている羽目になった。

探梅の風の御空に雲淡し
白梅の満開といい空おおう
白梅の匂うはカメラを収めるとき
真っすぐな日の差すところ蕗のとう
たったひとつの蕗のとうがはや花に
黒雲の湧き出てあれば蕗のとう
三色の色をくっきり冬すみれ

◇生活する花たち「梅・ふきのとう・パンジー①・パンジー②」(横浜日吉本町)

1月30日(日)

★手袋に手を入れ五指を広げみる   正子
冬の日に手袋をすればほんのりと温かい。嬉しさに五本の指をそっと広げてみる。指と指が離れ、毛糸の網目が広がってもまだまだ温かい。包まれてあることの喜びを目いっぱい確認してみる少女。(小西 宏)

○今日の俳句
辛夷冬芽の散り輝ける空の晴/小西 宏
「晴空」は、日本語として馴染まないので添削した。空が晴れれば、日が耀き、枝に散らばっている辛夷の冬芽の姿がよくわかる。「散り輝く」は辛夷の冬芽を詠んで的確。(高橋正子)

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