★囀りに子の片言の鳥を呼び 正子
○今日の俳句
すかんぽの赤き穂が伸び揺れにけり/桑本栄太郎
すかんぽの穂は、伸びて来たばかりのころは、茶色がかった赤い色がやわらかで美しい。そよ風に揺れると、色に動きが出て楽しいものである。(高橋正子)
◇生活する花たち「花水木・モッコウバラ・母子草」(横浜日吉本町)

★牡丹の百花に寺の午(ひる)しじま 正子
○今日の俳句
柿若葉吹き出す窓の明るさよ/安藤智久
桜が終ると、柿若葉が「吹き出す」ように燃え出てくる。柿若葉の明るい輝きに、窓は明るい季節へと変身する。(高橋正子)
○今日の俳句②
あおられてまたあおらるる花楓 正子
雨あとの水音高し初蛙 正子
○ミニ薔薇のテディベアが二つ目の花を開いた。19世紀の雰囲気がするクラシカルな色合いがかわいい。消毒もしないのに、いたってすこやか。
◇生活する花たち「花水木・藤・鯉のぼり」(横浜四季の森公園)

★明け初めし空の丸さよ柿若葉 正子
春蘭けていち早く萌えはじめる柿若葉。まろやかな明けの空に、ことのほか柔らかな初々しさの柿若葉です。朝日とともに照り輝く柿若葉も目に浮かび、近づく初夏の明るさを感じます。 (藤田洋子)
○今日の俳句
春光につつまれし身のときめきよ/藤田洋子
この句を読むと、もの静かで明るい若い母親の姿が浮かぶ。うす紫の丸いヨークのセーターが、春光の中で、肩までの黒髪に映えていた。(高橋正子)
○きのう24日の日曜日の早朝、、ラジオで野鳥の声を聞いた。きびたきの明るく弾む声と、おおるりの伸びやかな森全体に響くような声。声の質は同じだが、鳴き方に違いがあるとのこと。フィリッピンから渡って、家の近くの公園や緑地を経由して森に入って行くとのこと。今頃ちょうど、公園や緑地で鳴いていることもあると聞いたので、木午後から思い立って、句美子と一緒に横浜緑区中山にある四季の森公園に出かけた。四季の森公園は、新緑の季節を迎え、家族連れや老人、アマチュアカメラマンがカワセミを狙ってカメラを構えていた。菖蒲田に沿う流れのあたりで、蛙がくるくるっとよく鳴いている。紅葉谷に入ると、鶯、四十雀が鳴いている。残念ながら、きびたきやおおるりはいない。おおるりの声は、昨年夏、尾瀬の山に入ったとたんに聞いて、ずっとその声が何の鳥かと気になっていた。今朝のラジオでそれが、思っていた通り、おおるりの声であったと確信した。写真は、句美子が主に撮ってくれた。花水木、青梅、花楓など。
◇生活する花たち「花水木・青梅・花楓」(横浜四季の森公園)

小石川植物園
★たんぽぽの草の平らに散らばりぬ 正子
○今日の俳句
八重桜色を沈めて街ふけぬ/成川寿代
八重桜は桜の中では、もっとも遅く咲く。ぽったりと重い花は、街がふけ、色を沈めたころに抒情がある。(高橋正子)
○「2011年俳壇年鑑」が届く。
雪降ってわくわくと少年の日へ/信之
山小屋の湯にいて秋の笹の音/正子
上記の句が、諸家自薦作品集2700句に掲載される。
○俳句界5月号に花冠同人の川名ますみさんが「俳句の未来人」に掲載される。ミニ俳句論が秀逸。来月号は、安藤智久さんが掲載される予定。
◇生活する花たち「ヤマブキ・ラベンダー・タンポポ」(横浜日吉本町)

小石川植物園
★やわらかに足裏に踏んで桜蘂 正子
賑わった桜も散り、今は桜蘂が散り敷き、ふあふあと暖かく、やわらかに感じながら歩かれたことでしょう。(祝恵子)
○今日の俳句
花主と見上げふさふさ藤の房/祝恵子
「花主」は、風流。原句は、「見上げておりぬ」であったが、藤の房の観察をもう一歩進めて、「ふさふさ」と添削した。ふさふさとした藤房の豊かさが感じられる。(高橋正子)
◇生活する花たち「白山吹・デージー・ポピー」(横浜日吉本町)


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隅田川
★都鳥春の空より羽音させ 正子
晴天で風のない穏かで明るい日なのでしょう。都鳥が飛び交い川面に反射する光は強さを増しています。少し汗ばむほどの陽気ではないでしょうか。 (多田有花)
○今日の俳句
青空を透かしてほぐれ楓の芽/多田有花
楓の芽のみどりの間から青い空が透けて見える。「透かして」の把握が生きていて、ほぐれたばかりの楓の芽の様子がよく見て取れる。(高橋正子)
◇生活する花たち「薔薇・チューリップ・花えんどう」(横浜日吉本町3丁目)

★春月の光りにも触る午前二時 正子
ふと目覚めると、美しい春月のやわらかい月光が身にも触れるように差しこんでいる。やすらかでつややかな春月の夜の女性ならではの感性のお句ですね。(柳原美知子)
○今日の俳句
鶯の声に澄みゆく引き潮よ/柳原美知子
静かに引いてゆく潮が、鶯の声によって、ますます澄む。のどけく、透明感のある鶯の鳴き音と、瀬戸の引き潮が相呼応して、澄明な世界が詠まれた。(高橋正子)
◇生活する花たち「薔薇・黄花ジャスミン・ソケイ」(横浜日吉本町)


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★独活放つガラスボールが水の玉 正子
○今日の俳句
花林檎咲き満ち空をかがやかす/矢野文彦
ほのかなピンク色の混じる林檎の花が咲き満ちると、空が一度に明るく感じられる。明るいどころか、空はかがやいている。林檎の花によって輝く空があることに心膨らむ。(高橋正子)
◇生活する花たち「チュ-リップ・はこべ・蒲公英」(横浜日吉本町)

★濃きお茶に春の灯しを入れて飲む 正子
春の夜の寛いだひと時、たぶん独りだろう、ゆっくりと濃いお茶を口元に近づける。ふとそこに電灯のあかりが写るのを見ることがある。その華やぎを一瞬味わった後、また静かに茶碗を近づけ香りで喉を潤す。あの春灯しは今ゆったりと心の中にある。 (小西 宏)
○今日の俳句
蒲公英の花せめぎあい光りあい/小西 宏
蒲公英が明るい日差しの中に、びっしりの咲いている様子。一つ一つの花は可憐でありながら、せめぎあうほどの花の力。せめぐだけでなく、また、互いに光りあっている。確かな目である。(高橋正子)
◇生活する花たち「薔薇・チューリップ・デージー」(横浜日吉鯛ヶ崎公園)

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★春ほのぼの棚にあげたる書の紙も 正子
春も四月ともなれば桜も野の花も咲きはじめ、何かにつけてほのぼのとした温かさを感じます。棚に上げておかれる書の紙も温かく出番を待っているようです。冬は何に触れても冷たく感じますが春の温かさはあまり意識していないことに気付きました。また「書の紙さえほのぼの」にも感銘を受けました。 (黒谷光子)
○今日の俳句
群青の湖までの土手花菜風/黒谷光子
土手伝いに菜の花の風を受けながら湖まで歩くと、湖は群青の色に。その色への驚きがある。菜の花の黄色をイメージさせる花菜風と、湖の群青のコントラストが美しい。(高橋正子)
◇生活する花たち「薔薇・チューリップ・パンジー」(横浜日吉本町3丁目)


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