7月28日(木)

 ドイツの旅平成2年夏
★ラインのぼる巨船の人の裸かな  正子
川風がよほど気持ちよかったのでしょう。川を行く船の上で裸になっている人がいる。想定外でちょっと驚いてしまいますね。(上島祥子)

○今日の俳句
立つものは向日葵ばかり畑の昼/上島祥子
真夏の昼の畑は、南瓜が地を這い、茄子は低く育ち、小葱なども葉が白けて、立ってるものは、向日葵ばかり。それだけに向日葵の姿が独特に浮かび上がる。(高橋正子)

◇生活する花たち「カンナ・朝顔・百日紅」(横浜日吉本町)

7月27日(水)

★初蝉は一蝉遠く鳴いて止む  正子
待っているとなかなか聞けない初蝉の声です。遠くからひと声、じーと聞こえて、それで終わり、少し拍子抜消したような-気分です。やかましく鳴き出すのは2,3日さきかもしれませんね。 (河野啓一)

○今日の俳句
空晴れて祭り太鼓の試し打ち/河野啓一
「試し打ち」に、祭への張り切りようが想像できる。「空晴れて」なので、思い切りの試し打ちだろう。まだ不調子があれば、本番でない面白さと思える。(高橋正子)

◇生活する花たち「百日紅・蓮①・蓮②」(横浜日吉本町金蔵寺)

7月26日(火)

★白すぎて花おおらかに泰山木  正子
泰山木はモクレン科、直経20cmはあろうかという大きな白い花を開きます。その花の雰囲気を「白すぎて」と「おおらか」で見事に詠まれています。 (多田有花)

○今日の俳句
月涼し静かに夜を渡りおり/多田有花
「月涼し」と感じる月は、「静かに」夜を「渡る」ところにある。平明な描写に、作者の心境にの「涼しさ」が出ている。(高橋正子)

◇生活する花たち「百日紅・のうぜんかづら・カンナ」(横浜日吉本町)

7月25日(月)

★枇杷の実のあかるさ葉ごと買いにけり  正子
まるまるとした黄赤色の枇杷の実、葉の付いた新鮮な枇杷の実、そのあかるさが、とても美味しそうで幸せな気持ちにさせてくれます。「買いにけり」にうれしい喜びの気持ちが伝わってまいります。 (藤田裕子)

○今日の俳句
飛機の灯も遠のき後は星涼し/藤田裕子
星空を動く飛行機の灯が遠くへ去り、その後は、満天の星が、涼しげに輝く。飛行機の灯があればこそ、永久に輝く星の明かりが美しく心に残る。(高橋正子)

◇生活する花たち「百合・朝顔・白粉花」(横浜日吉本町)

7月24日(日)

★ゆうすげに月まだ淡くありにけり  正子
「ゆうすげ」のひびきが素敵ですね。ゆうすげは夕方から黄色い気品の有る花が咲き始めますがその頃はまだ月は淡く、宵闇に咲き誇る頃には月もくっきりとゆうすげを照らすのでしょうか。そして朝露に濡れ萎れ始める。「月まだ淡し」が一日花のゆうすげのけなげさを一層印象ずけられて居る様に思います。(佃 康水)

○今日の俳句
噴水のしぶきや児らを走らせる/佃 康水
噴水のしぶきを避けながらも、喜々として水に濡れたり、水から逃げたりする幼い子たちの無邪気な姿がよく詠めている。(高橋正子)

◇生活する花たち「百日紅・向日葵①・向日葵②」(横浜日吉本町)

7月23日(土)

★漂白されすずしき食器となりいたり  正子
こすっても落ちない茶渋や黒ずみは気になります。漂白液に浸し、しばらくすると食器はきれいに甦り、それを洗い流すのは実に気持ちが良いものです。台所を守るささやかな喜びを見逃さず、清潔感、清涼感を「すずしき」と詠まれ、共感致しました。(後藤あゆみ)

○今日の俳句
まだ青き稲穂の匂い確かなる/後藤あゆみ
早い田植えなら、八月を待たずに稲穂が出ている。まだ青い稲穂ながら、確かな匂いがする。しっかりと実りつつある稲である。「青き稲穂」のイメージが爽やか。(高橋正子)

○槿(むくげ)

 白槿十年たちまち過ぎていし  正子

槿は、朝咲いて夕方にはしぼむ。お茶席の花としてよく活けらもする。先日千駄木の骨董屋の女主人が亜浪の句について信之先生に聞いて来た折に、骨董の竹籠に槿としま萱を活けた写真を送ってこられ、だれかをお茶にお招きしたい気分だと書き添えてあった。お茶の花ともなるが、どこにでも咲いている。
この句は、砥部の田舎で学生が来たり、ドイツ語の先生が来たり、子どもの友達がわっさわっさときたり、句会の人たちが出入りしたり、掃除、洗濯、庭の手入れ、などなど、雑多なことに明け暮れて、ある朝、白い槿を見て、十年なんてすぐ終わってしまうと思ったとき出来た句だ。

 道のべの木槿は馬にくはれけり 芭蕉

◇生活する花たち「槿」(横浜日吉本町)

7月22日(金)

★うっすらと平らに緋鯉の浮いて来し  正子
少し濁った緑の池にゆったりした王者の泳ぎの緋鯉です。その静かな様子を「うっすらと平らに浮いて来し」の措辞で、スローモーションの映像を見るように平明に詠まれました。かそけき詩情を感じます。 (河野啓一)

○今日の俳句
雲海に沈みし谷や奥丹後/河野啓一
奥丹後の谷は、今雲海に沈んで、緑滴る谷であろうことを想像させ、奥丹後の谷への思いがある。(高橋正子)

○朝顔
 台風のすぎし朝顔青一輪 正子
 今朝もまた朝顔が一輪咲いた。毎朝の家族の楽しみにベランダの鉢植えで花を咲かせてくれる。

 朝顔の濁り初めたる市の空    杉田久女
 朝顔むらさき海に裏側みせて棲む 桂 信子

 朝顔は、鉢植えにして行燈作りにするか、四つ目に竹を組んで垣根を作って咲かせてきた。最近はネットに上らせているが、風情がなくていけない。四つ目の垣に咲き上ると、花はみんな表を向いて、裏側からは、葉ばかり眺めることになる。でも、外からみれば、すずしい花がいくつも咲いて、きれいなのだ。

 桂信子の「海に裏側みせて」は、海の見えるベランダで咲かせたときは、まったくこの通り。久女の句は、朝顔が涼しい時にさいているのは、ほんのひととき。すぐに市の空は煙ったように濁り初め、じりじりと暑くなる。朝の終わりを咲く朝顔か。

○インターネット俳句センター/制作管理:高橋正子
<Googleの検索>で<約 14,40万件中4位>となる。初めてのことで、今までは、6位、7位止まり。今日は、株式会社 角川学芸出版【俳句】、NHK 俳句王国、現代俳句協会、日本伝統俳句協会などを抑えての4位なのが嬉しい。
「インターネット俳句センター」は、開設が1996年11月27日、間もなく開設15年となり。この8月か、9月には、アクセス百万件となる。俳句では、草分けの存在。
http://suien.ne.jp/haiku/

○アクセスランキング/4日連続ランク入り
2011.07.21(木):7927 位(1610602ブログ中)、538(閲覧数)、205(訪問者数)
2011.07.20(水):9540 位(1610253ブログ中)、392(閲覧数)、172(訪問者数)
2011.07.19(火):9065 位(1609874ブログ中)、383(閲覧数)、171(訪問者数)
2011.07.18(月):6926 位(1609492ブログ中)、591(閲覧数)、199(訪問者数)

◇生活する花たち「朝顔」(横浜日吉本町)

7月21日(木)

★泳ぎ子の母呼び父と沖にいる  正子

○今日の俳句
鮎焼く香大黒柱の黒光り/古田敬二
大黒柱が囲炉裏の油煙で黒光りしている民家であろう。そこに落ち着いて、鮎を火にかざして焼くと香ばしい匂いがして、良い時間が流れる。(高橋正子)

○アクセスランキング/3日連続ランク入り
2011.07.20(水):9540 位(1610253ブログ中)、392(閲覧数)、172(訪問者数)
2011.07.19(火):9065 位(1609874ブログ中)、383(閲覧数)、171(訪問者数)
2011.07.18(月):6926 位(1609492ブログ中)、591(閲覧数)、199(訪問者数)

3日連続ランク入りは、ブログ開設以来初めて。これもツイッターのお蔭だと思う。ツイッターの情報が世界を駆け巡っている。
ブログだけでは、間に合わない感じだ。問題があるにはあるが、「ブログ句会」を「ツイッター句会」に思いきって、切り替えてよかったと思う。やや若い世代の情報(俳句)をキャッチできる。

▼花冠ツイッター集/Twilog
http://kakan.info/twitter/
▼デイリー 俳句新聞/ツイッター新聞
http://paper.li/haikucurrent

◇生活する花たち「昼顔とキンシバイ・向日葵・南天の花」(横浜日吉本町)

7月20日(水)

★松林に白百合まばら富士裾野  正子

○今日の俳句
高速路青田青嶺を貫いて/多田有花
高速道路は、人家を避けて建設されているので、青田の中や、青嶺を突っ切っている。そこを走れば、爽快この上ない。(高橋正子)

○サッカー日本女子代表「なでしこジャパン」W杯優勝(FIFA 女子ワールドカップ ドイツ2011)
▼6月27日(月)、7月1日(金)、7月5日(火)
グループリーグのグループBで2勝1敗の2位、決勝トーナメント に進出。
▼7月9日(土)
決勝トーナメントの準々決勝でドイツに1対0で勝利。
▼7月13日(水)
準決勝では、スウェーデンに3対1で勝利。
▼7月17日(日)
決勝は、米国に2対2のPK戦で3PK1で勝利、世界一となる。

海外の報道と日本の報道の違いに注目する。準々決勝では、世界一の三連覇を狙う地元開催国のドイツに勝利したが、日本の報道が少ない。海外の報道に劣るもので、信之先生は、憤慨していた。決勝を勝ち取った日の報道は、ドイツ、米国など絶賛、かって米国と決勝を争い、世界一とはならなかった中国の報道も絶賛していた。日本に見習え、という報道であった。以下、ツイッターに寄せられたツイートを紹介する。

澤選手のあるコメント
アメリカでは美談として流れているものの
何故か日本では報道や掲載されないのだ

日本語コメントの英訳を再び和訳する事に違和感ながら
日本のマスゴミが報道しない為にあえて和訳する

http://sports.yahoo.com/soccer/news;_ylt=AmArrRdFEVrJjWgo3hlE1WA5nYcB?slug=ro-rogers_japan_win_pay_tribute_tsunami_071711

澤選手のコメント:
“We knew that what we were doing here could be about a little more than just a football tournament. If winning this makes one person, someone who lost something or someone or was hurt or damaged by the events that touched our country, feel better for even one moment, then we have really achieved a most special thing. If it makes everyone happy and joyful and gives them a reason to cheer after such difficult times, then we have been successful. Japan has been hurt and so many lives have been affected. We can not change that but Japan is coming back and this was our chance to represent our nation and show that we never stop working. This is like a dream to us and we hope our country shares it with us.”

「我々のしていることは、ただサッカーをするだけではないことを、意識してきた。我々が勝つことにより、何かを失った人、誰かを失った人、怪我をした人、傷ついた人、彼らの気持ちが一瞬でも楽になってくれたら、私達は真に特別な事を成し遂げた事になる。こんな辛い時期だからこそ、みんなに少しでも元気や喜びを与える事が出来たら、それこそが我々の成功となる。日本は困難に立ち向かい、多くの人々の生活は困窮している。我々は、それ自体を変えることは出来ないものの、日本は今復興を頑張っているのだから、そんな日本の代表として、復興を決して諦めない気持ちをプレイで見せたかった。今日、我々にとってはまさに夢のようで有り、我々の国が我々と一緒に喜んでくれるとしたら幸いです」

ちなみに
今日の試合は両チーム共にフェアプレイで有り
(倒した選手が倒れた選手の手を取って立たせる)
(そもそも明らかな反則がない等)

アメリカのゴールキーパーは
日本人選手と衝突し、足を負傷していた
残り時間が限られてのリード時
ケアの為に時間を割く事を拒み
時間稼ぎという戦法より
正々堂々と勝負することを望んだ

“— どうして報道しないんだろうねー、ほんとに。マスコミがこれを大したことのないものと考えているんだったら一体どれだけの人間の真摯な姿勢がただのエンタメに変えられているんだろうか。 TwitLonger: 澤選手のあるコメント アメリカでは美談として流れているものの 何故か (via carbondoubt)

◇生活する花たち「槿」(横浜日吉本町)

7月19日(火)

★大朝焼車一台ずつ染まる  正子
作者が目にしたのは、ぼんやりとした朝焼けではない。燃えるような紅黄色が東の空からじわりと広がり、太陽に近い車から1台ずつ深く染められていくのであろう。夏の太陽のエネルギーをその色に感じる。(安藤智久)

★すずしさに星座の話読みつなぐ  正子
縁台に腰掛け、物干しに立ち、涼を求めて空を仰いだ夏の日々を懐かしく思い出します。夏の夜は遠い歴史、遠い宇宙に思いを馳せる広やかな時間でもあります。(小西 宏)

○今日の俳句
★青田から青田をつなぐ水の音/藤田洋子
青田に流れ込む水は、水源から小川へ、そして、それぞれの田へ分けれた水。「つなぐ」が的確で、どの田も青々と育っている。(高橋正子)

★向日葵の黄がひろびろと丘をなす/小西 宏
丘一面に広がるひまわり畑。向日葵の黄の色が空に触れるまでにひろびろと丘をなしている外国のような風景が鮮やかだ。(高橋正子)

○さるすべり)(百日紅)
さるすべりには、白、赤、ピンクの花がある。赤とピンクの色は、微妙に違った花が見られる。夏の間、夾竹桃と並んで咲き継ぐのが「さるすべり」。幹がつるつるして木登り上手な猿が滑り落ちるから、こんな名がついたのか。四国松山に住んでいた頃、わが家の庭の真ん中にあったのが、薄紫に近いピンク。風が吹けばフリルのような花がこぼれる。真っ青な空も、炎昼の煙るような空にも似合う。

 女来と帯纏き出づる百日紅   石田波郷
 煙むほどの高き空なり百日紅  高橋正子

○緑陰ネット句会/7月17日開催
今日も一日暑い日でした。その中、緑陰ネット句会にご参加くださいまして、ありがとうございました。
今回は、会員以外にもお二人がご投句くださって、新しい雰囲気になりました。ネット句会なので、気軽に参加いただけることもあるでしょうが、花冠句会のファンができたことはうれしいことです。会員のみなさまにも、盛夏の力作をたくさんご投句いただいて、暑い暑いと言いながらも、夏もやっぱりいいなあ、と思いました。選とコメントをありがとうございました。すべての入賞俳句にコメントが付くということは、大変素晴らしいことですので、これも皆様に感謝です。洋子さん、いつも集計をありがとうございます。お疲れ様でした。信之先生には、管理運営を暑さの中、お世話になりありがとうございました。これで「緑陰ネット句会」を終わります。次回は、8月14日(日)の盂蘭盆(満月)ネット句会です。楽しみにしてお待ちください。(主宰 高橋正子)

信之先生、正子先生、ご参加の皆様、今日も各地で真夏日の中、「緑陰ネット句会」お世話になりありがとうございました。連日厳しい暑さが続きますが、その中でも皆さんの、盛夏ならではの明るく生き生きとした俳句、緑陰句会に相応しい、涼やかな情感あふれる俳句に、しばしの憩いを感じさせていただきました。24名の皆さんのご投句、また選句やコメントも楽しませていただきました。今回も、句会の開催、管理運営をお世話いただく信之先生、正子先生に心よりお礼申し上げます。暑さの折ですので、皆様、どうぞご自愛ください。(世話人 藤田洋子)

▼緑陰ネット句会入賞作品
http://blog.goo.ne.jp/kakan15

◇生活する花たち「百日紅」(横浜日吉本町)