台風12号が九州に上陸しそうだ。
昨日の疲れで熟睡。驚いて目を覚ますと午前10時。風邪もなおった。簡単な朝食。
○11時ごろから、一日遅れで、句美子の誕生日祝いにマドレーヌを焼く。カルピスバターが120グラムちょうど残っていた。バターの品不足の折ながら、娘の誕生日に免じて、貴重なカルピスバターを溶かすことに。この簡単なお菓子が30年来焼いているが、納得いくように焼けない。
マドレーヌは句美子のところに夕刻おかずと一緒に箱に入れリボンを掛けて持って行く。句美子は、今のマドレーヌ型をやめて、フッ素加工したものにしたら、とアマゾンの検索でいろいろ見つけてくれる。貝型が一つのもあるという。
○日吉からは句美子の家へ目黒線で行くが電車内で、「俳句界9月号」の特集<さらば「萬緑」!>を読む。「萬緑」は、来年3月号で終刊になるとのこと。金子兜太インタビュー・兜太草田男を語る!に「萬緑」の解散を残念がる趣旨のことを末尾に書いている。
長くなるが引用すると
<今の横澤放川さんも好きだからね。「萬緑」の匂いのする人はある意味で親しみを持つんです。だから解散はもったいないなと。なんとか継続する方法が無かったかと思いますね。「萬緑」は季語を大事にして、とりわけ詩としての美しさに眼目を置いている。詩の世界を攻めている、ということは大歓迎でしたね。大好きな草田男という人の雑誌が長く続いてもらえばいいなといつも思っていましたね。私の先生の加藤楸邨もそうだけど、草田男、石田波郷と新興俳句の三羽烏の系統のグループはあとがあまりうまくいなかいね。今回の解散は非常に残念な気持ちが強いです。その時代を代表する俳人が作り出した主宰誌を、どうやって継続していゆくか、続けてゆくか。今回の「萬緑の解散は俳壇全体の一つの宿題だと思いますね。どうやったらうまくゆくのか、なぜだろうというね。そのあたりを追及してみたいです。」2016.7.5>
とある。
私はおやおやと思いながら、おととい2日の日記に書いたことを思いながら、読んだ次第。
○句美子家からの帰り日吉東急の天一書房により、元希に「しんかんせんでいこう」の地図絵本を買う。元希は、「ちーず、ちーず。」といって地図に興味を示すようだ。夏に岐阜の母親の実家に行くのに新幹線にのったせいもあるらしい。頭が立体的に働くようになったのか。
葡萄食ぶ濃きむらさきの甘さ愛し 正子
葡萄の枝まだ真みどりを美しく 正子
秋灯下車内に広ぐ地図パノラマ 正子
今朝は早起き。ベランダに出ると群青色の朝顔が一つ咲いている。もう咲きそうにない蔓に咲いて驚いた。
句美子の誕生日。砥部の家では、いつも白萩が咲き始めていた。今年は誕生日プレゼントを用意していない。何がいいかと聞くと、葡萄をとのこと。明日持っていく。今日は八芳園でちらし寿司で、夫婦二人でお祝いをしたそうだ。
午前11時に、町田市鶴川の墓地の契約がある。気の進むものではないが、止むを得ない。契約手続きは、シンプルだったが、緊張した。墓地は鶴川街道を真直ぐいったところ。途中武相荘への案内看板を見かけた。
鶴川から帰ったらぐったり疲れていた。少し頑張って、3歳の元希が葡萄が食べれるようになったので、送ることに。用心のため日吉東急の林フルーツで買って配送を頼んだ。お菓子はあまり食べたがらないようだが、桃や葡萄それにソーセージが好きとのこと。
●朝顔の紺色さやか低きに咲き 正子
●鉢やりの水が清水のごとあふる 正子
台風12号がまた近づいているらしい。
昨日の朝日新聞の夕刊。
政治学者中島岳志さん(1975年生まれ・東工大教授)を取材した記事「平凡に暮らせよ」の中から。
経済成長が終わった日本で、物質的な豊かさに代わる価値を探る「ロスジェネ世代」の政治学者として、ボース(インド独立を志した革命家で、亡命先の日本で病死した。老舗中村屋の長女と結婚)の「平凡」をどう定義できるか、と考えるようにもなった。
「たとえるなら、事業の拡大より継続が大切。縮小しても、次のせだいに手渡せるものをちゃんと残す。そういう価値観に移行できなければ、日本はもたない。劇的な解決を望むのではなく、部品を点検しボルトを締め直すように、一つ一つの問題に向かい合うしかない。そういう平凡な努力の積み重ねが非凡なんです。」
中島氏の考えは、リベラル保守だそうだ。
花冠も「拡大より継続。縮小しても次の世代に手渡せるものを残せるものを。」の路線で来ている。
伝統も螺旋形を描きながら継続するほかはない。一直線では伝統はつぶされるのではないかとも思っている。
○咲き残る朝顔数花野に置けよ 正子
○朝粥に梅干厄日の今日始まる 正子
今が日から9月。
今年は、ベランダの花がほとんんど全滅。葉が枯れる。葉が縮れたようになる。そんななかでも朝顔が咲き続けている。ちょっといい種を買ったので、花は小さいながらも、いろんな色を楽しませてくれる。支柱から外れて野原に咲く花のように、思い思いに咲いている。かえってこれがいいのでは。来年も朝顔と夕顔は植えよう。今年の夕顔は一つだけだったが、みずみずしい白い花を開いた。なにより嬉しい。
ベランダに花をいっぱいにしたかったが、年もとっていくから、思い切り鉢も処分して、少なくした。好きな花を1、2本植えよう。
食器も減らそう。5客そろいのどんぶりを2個処分して3個にした。食器棚に余裕ができたし、出し入れが楽になった。いいと思って買った食器も「いとじき」が高い感じで、ダサくなってしまった。5客揃。これも処分対象として考え中。最近買った手塩皿は、軽量でスタッキングしやすい。つい、こればかり使っている。
○窓に置ける机に鳴ける鉦叩 正子
○おとといから鳴いているよな鉦叩 〃
とうとう、発熱。夏の疲れがきたらしい。けだるい体に鞭打って、一日かけて、角川俳句年鑑の原稿を書く。書く時間は10分ほどキーボードを打てば済むことなのだが、載せる句を選ぶのに、時間がかかる。神経を使う。代表の私の句を含め9句選び。花冠の一年の動向など書き込み、出来上がり。印刷して、信之先生にお伺いを立てる。読んでの感想は「大変よろしい。」私の感想も全く同じで、「大変よろしい。」みんなよく頑張ったなあ。締め切りまでは余裕だが、今日中に投函。
台風10号が近づいている。はじめは、北の方に生まれ、南南西に向かい、また北上するという。こんなのは初めて。週明けに北関東か東北に来るらしいが、台風圏は広がっているし、どこに上陸するか、はっきりしないらしい。
信之先生は風邪らしい。微熱あり。梨と握りずし、それにアイスクリームばかり注文を受ける。私も夏バテ気味で、一日家に籠る。
角川俳句年鑑に掲載するの信之先生の諸家自選5句を整理してもらって投函。投函に出て驚いた。ずいぶん涼しい風が吹いている。投函帰り、10分ほど散歩。帚木が黄ばみ始めている。
信之先生、正子、句美子さんの2015年の句と、2016年8月までの句を整理。それが済んだら、花冠会員の秀句を選ぶ。そして、年鑑に載せる句を選ぶ。「選句は労働だ。」普段の整理が大切と知ってはいるが、つい目先の仕事に追われる性分。句を整理しつつ、まんざら捨てたものではないと、慰めて、思い直して、頑張る。
★帚木に千日紅の赤が立ち 正子
★帚木を植えて書道具売り居たり 正子
★原っぱにえのころぐさの影となる 正子
寸地にも、えのころ草は生えて来ますが、原っぱで有ればなお生茂り大きな穂が伸びて少し色付き、影をつくる程になって参ります。その影や揺れるすがたに初秋の爽やかさを感じます。「原っぱ」「えのころ草」に遊んだ子供の頃の懐かしさを覚えます。(佃 康水)
○今日の俳句
賑わいの漁港の上の鰯雲/佃 康水
出船、入船、魚の水揚げなどで、賑わう漁港。その上の空高くに広がる鰯雲。生き生きとした漁港の美しい景色。(高橋正子)
○犬蓼(赤のまま)

[犬蓼(いぬたで)/横浜下田町・松の川緑道]