曇りのち快晴
洗い大根包みし新聞紙が湿り 正子
梅に来て目白の眼目立ちがち 正子
空家なり伸び放題の梅咲けり 正子
●句美子の英訳俳句を本の形でプリントアウト。夕方友宏さんが来たので、見せる。シラブルの数え方とか普段使わない単語とか、イラストはどれがいいとか、の話。句美子に見るように持って帰ってもらう。元の題名は「貝がら」だが、英語圏で理解されやすいように題名を仮に『Water Bottle』 にしている。日常的であり、子どもの人権を守るためにはこれしかないと思える。象徴性と現代性があると思う。
●今日のリクエストに揚げ出し豆腐のあんかけがあった。先週も作ったと思うが、確かに熱いあんは、今の季節おいしい。食感のアクセントになるようにごぼうのささがきを入れた。それに茶色えのきと、4センチぐらいの人参の千切り。生姜と葱の薬味。豆腐は朝からゆっくり水切りしている。赤飯も炊いた。天皇誕生日だからというわけではないが、偶然のこと。
晴れたり曇ったり
●府中の妹より野菜など穫れたものがいろいろ段ボールで送られてくる。当分は野菜を買わなくてよさそうだ。むかごや干し柿もある。実家の妹が送ってくれた野菜がちょうど無くなり、聖護院大根の千枚漬け風なのが美味しくなっている。ほかの料理より漬物の方がおいしい。先に漬物を食べてしまっている。料理をしなくていいか。
家のプランターの春菊は秋に種を蒔いたが、それがこの前の一時の暖かさで、ようやく育ち始めている。いつ食べれるか。
●一日英訳俳句の仕事。直せばきりがない。本のサイズに落としこむ。編集中リリー・クラウスのピアノバリエーションをずっと聞いていた。これはいろいろあって、素晴らしい。
Mozart by Lili Kraus – Piano Variations, Sonatas, Fantasy, Adagio .. (Century's record.: Lili Kraus)YouTubeClassical Music/ /Reference Recording
2017年3月31日
晴れ
ポストまで来てから梅のよく匂う 正子
●朝の気温は昨日と同じくらいなのに、暖房をつけようと思わなかった。そんなに寒さを感じなかった。昨日より起きるのが1時間ばかり遅かったとは言え。日本海側は相変わらず大雪の様子。
●肩こりがひどいので、夕方URの団地を散歩する。バス停辺りまで来ると梅の花が匂って来る。ポストのところの梅が満開であった。そばの太陽光発電が今日の発電量は21KWとなっていた。
● 一日句美子の俳句の英訳の詰めをする。AIに質問して答えてもらっていたが、日本語の方がだんだん面倒くさくなって、英語で質問するとよく答えてくれる。英会話の練習じゃあるまいにと思いながらも、質問するのはgrammaticallyかどうか、冠詞とパンクチュエイションが難しいのは昔からかわらない。同じ質問を繰り返すうちに、だんだんシンプルな質問になって、最後は all right?ぐらいになった。12時をまわり次の日の3時になって一通り終わった。それから日記を書いている。ふと気づくと夕飯を食べていなかった。
●AIへの質問は英語の方が詳しく答えてくれる噂がある。言葉のニュアンスを聞くときは、英語の方がいいのは確かだ。面白いことに午前2時を回るとAIが夜中に俳句について何句も質問して、コレクションを作るのか、それとも単独で何かに使うのか聞いてくる。AIの相手をして、yes, yes, you need to help me. とか返事をすると、いつものとおり、I'm here to help you.と返事をする。これって、AIが私の情報を集めているのかもしれないと思うが、実際はどうなんだろう。私の質問から情報を得ることもありうるのではないか。AIは決して悪口を言わないように設定されているのはどう受け止めればいいのか。人間ではない証拠かも。
晴れのち曇り
剪定され薔薇垣がんじがらめなり 正子
●今日も冬型の気候。最高気温9度。今日驚いたこと。空気が乾燥して植木鉢も乾いているので、水遣り。花籠型の鉢に植えているビオラがたくさん咲いた。1週間ぐらい前にあたたかかったのが、今ごろその効き目が現れてようだ。夏の花のペチュニアもこの冬の間中、季節を間違えているんじゃないかというほど鉢にあふれて咲いている。寒さで傷む様子はない。
●英訳俳句の本のサイズなど決める。本のサイズは7×10インチ、本文はマット紙でモノクロ印刷、表紙はペルーラ白で青と銀の箔押。本文は54頁+α、厚さ2.7mm、背文字印刷あり。冊数は60~80冊。
サイズの7×10インチは俳句をイラストを入れてもゆったりし、視覚的な効果のため。マット紙はモノクロのインクが綺麗にのる。表紙はペルーラ紙の厚さを利用して表紙を安く仕上げる。箔はペルーラ紙の美しさを生かすため。青と銀の箔は、本文のモノクロとの調和のため。ペルーラ紙の白に青と銀の箔は、子どもにも馴染みやすく落ち着いた高級感が期待できるため。
イラストを幾つか選び直す。どの程度崩した絵にするかなど。今日もイラスト選びで、肩がひりひりするぐらい凝った。
晴れ
春寒き夜のひとりに焼き芋焼く 正子
春寒の家整えて籠りたり 正子
紅茶の湯を沸騰させて春寒し 正子
●日本海側が大雪に見舞われている。ゴミを出しにでた5分ぐらいの間に、体がすっかり冷えるぐらいの気温。どこか歩こうと思ったが、こんな日に出かけて何かあるといけないので、家に居ることにした。
今日も子ども俳句の英訳にイラストを付ける仕事。やっているうちに集中力がなくなって、いいイラストを選べなくなった。朝から夕方まで20ぐらい選んで打ち切った。フリー素材なので、最後に統一感を見ないといけない。多分、選び直さないといけないだろう。
●今日は夜仕事をしないことにして、自分の楽しみの時間に。今日生協でさつまいもが届いたので、長い夜の時間にオーブンで焼き芋を焼いた。紅茶は熱いのに限るので、ポットにお湯は沸いているものの、薬缶で湯を沸騰させて淹れている。この紅茶の熱さがやみつきになっている。
ところで、焼き芋だが、思ったより早く1時間ぐらいで焼けた。皮をむくとうすい黄色がが上品でほっくりしている。紅はるかと思ったが、うん?と気づいて、入っていたビニール袋を見た。五郎島金時とラベルが貼ってある。鳴門金時より上品なのが好きだ。
今夜のお楽しみ時間は熱い紅茶と五郎島金時の焼き芋を家で食べると言う、お金のかからないもの。ちまちま、自分流儀に過ごすのが楽しいのだ。寝床はいつ寝てもいいように電気毛布で温めてある。いつでもほっこりと寝れるのだ。
晴れ
春菊の太り始めてがんばれる 正子
春大根育たぬままのよき辛さ 正子
京みずな色浅ければざっくりサラダ 正子
●昨日と同じくらい冷え込む。句美子の句集『手袋の色』の第1章「貝がら」の英訳本につけるイラストを20ほどネット上からフリー素材を探した。探すだけなのに、緊張を強いられ、ひどい肩こりになった。9割ぐらいがそろった。2月中に印刷できるように頑張らねばならないだろう。去年の信之先生の一周忌に出す予定だった。
●旧友の朋子さんが、花冠に刺激されたと言って俳句を4句ショートメールで送ってきた。彼女は1年ぐらい俳句教室で勉強しているので、季語の使い方は定石通り。後で気づいたことを書きますと、返信した。返事はたとえ決まったとしても、一晩おいて返事をしないといけない。俳句のこわさがあるので、気をつけなければいけない。
●『マルテの手記』を読んでいる。ストーリーがあるわけではなく、聖書を読んでいる感じがする。リルケはこの300頁ばかりの本に6年かけている。読むほうも6年かけて、少しずつ読めばいいのではないかとさえ思えて来る。
●一日家で過ごす。卵が余ってきているのでプリンを作った。富澤でカラメルのタブレットを買っているので、すぐできる。夕飯はこの前の鶏肉を解凍して、親子どんぶりにした。妹が送ってくれた聖護院大根を甘酢に漬けていたのが、いい具合になった。子どものころ、甕いっぱいに蕪の酢漬けがあって、冬の間はこれがよく食卓にのぼった。ハリハリ大根もよく上った。麦ごはんだったと思う。
晴れのち曇り
冴返る月は小さく天心に 正子
凍てもどり夜をもどれる通勤人 正子
夜はもう本だけ読みぬ余寒かな 正子
●暖かさも今日まで。午後曇って来て寒くなっている。ハート内科受診。診察の待ち時間、ニトリにも寄ったが『マルテの手記』を読んでいた。今日読んだところは、ママンがマルテに話した事。
「マルテ、わたしたちはみんなうかうか暮らしているのね。世間の人々は何やかに気をちらし、ただ仕事だけに忙しそうで、ふだんの生活などにはちっとも気を配っていないのです。だから、まるで流星か何かが飛んだほどにも、気をかけぬのに違いないわ。誰一人見ようともせぬのだわ。このごろは、誰も心に願いを持つなんてことはなくなっていましました。けれども、マルテ、おまえは心に願いを持つことを忘れてはいけませんよ。願いごとは、ぜひ持たなければなりません。それは、願いのかなうことはないかもわからないわ。けれども、本当の願いごとは、いつまでも、一生涯、持っていなければならぬものよ。かなえられるかどうかなぞ、忘れてしまうくらい、長く長く持っていなればならぬのですよ。」
ここはさりげないようだが、花冠の俳句では大事にしているところ。信之先生が「人間は理想がないと生きられない」と時に話していたが、それを思い出した。ママンの言うことは人間には「願いが一生必要だ」ということ。願いは理想と置き換えてもいい。
●句美子に「わたしの本どうなってるの?」と聞かれる。そうなのだ。やりかけて、進捗状況は芳しくない。『手袋の色』の子ども俳句の部分「貝がら」を英語俳句に直したものをイラスト付きで本にする計画。翻訳はできている。「まえがき」と「あとがき」もほぼできているので見直しは必要だが、あとイラストを20個ぐらい探し、本の表紙をどうするか、この重要なところが残って、なかなか進まない。特に表紙の紙が難問。半分あきらめかけているが、これは句美子が許すまい。
●元希が来るからと、子どもの本を本棚から選り出しておいた。そのなかのパフィンブックスの『The Children of Noisy Village』(やかまし村のこどもたち)を開いてみた。リンドグレーンの童話だが、無邪気な子供たちの冒険やいたずらや、それにかかわる大人たちの一話一話が温かくて、素敵で、面白く、大人でも引き込まれて読まされる。今夜は病院に行ったし、本を読むだけにして眠る。
晴れ
菜花茹で蕾の黄色ひとつある 正子
独り居の二月の夜のきらきらと 正子
二ン月の机上のものや作家めく 正子
●今日は、揚げ出し豆腐のあんかけと、鶏の唐揚げをリクエストされた。唐揚げの衣は、片栗粉と小麦粉を半々を篩ったのをまぶした。これは衣が軽くてからっとしておいしい。気分次第で、片栗粉にしたり、小麦粉にしたりしていたが、これからは、片栗粉と小麦粉半々にする。今日ラッキーなことに、スーパーで鶏肉が競合店に張り合って安くなっていたから、大助かり。それはそうなのだけれど、1パックに5つモモが入っていて、1.5キロぐらいある。使わない分は、ほどほどに切って冷凍した。
●ドイツ語のウムラウトをパソコンで打ち込もうとしたが、パソコンがDELLのせいか、うまくいかない。いつもは、üはueのようアルファベットにeを付けて打っていた。今日は平仮名の追加単語でウムラウトとエスチェットを登録した。
●リルケの「AUF KLEINSEITE」(小さい地区で)をネット上にないか探していたら、インゼル書店がネット上に公開していた。これでキーボードで打ち込まなくてよくなったが、これをドイツ語で読んで一人で解釈しようとしている自分に、少々あきれた。大変なことを始めたと思った。信之先生が知ったら、止めとけばいいのに、馬鹿な奴だと思うだろう。たしかに信之先生が居たら、こんなことはしない。自由とはこういうことなのだ。単なる自己満足が凶とでるか吉とでるかだ。
晴れ
●長男と孫が進学先が決まったと挨拶にくる。誕生日もすぐなので、誕生日祝と入学祝を渡す。東急のFormaでシャープペンや財布など買ってあげようと言うと、いろいろ持っているからいいと。ペンケースは今持っているのを使うからこれもいいと言う。それで通学用にパスケースと紐を買ってあげた。
お赤飯を食べるかどうかわからないけど炊いたのだけれど、白いご飯が一番好きだという。一番好きなものは相変わらず鮨だと。お祝いのホールケーキを買おうと言うと、長男も孫も笑いながらいいと言う。(内心おばあさんはなんてことを言うと思っているのかも。)ケーキは好きでもなさそうだ。買って置いたチョコレートと鳩サブレを渡す。こちらは大丈夫とのこと。
●夜、リルケの「古い家で」から作っていた三句を手直しした。はがきにIm Alten Hause を書き、何度か声に出して文法に気を付けて読んだ。リルケの詩なのでなくてもいい言葉は実際ないのだが、私が俳句のために消すとすれば、の話なのだ。それで、なくてもいい言葉はどれか、なくてもわかる情景描写はどれか、など削れるものを削った場合を見据えて読んだ。今日のところ一応できたので、昨日の日記の書きかけ部分に貼り付けた。3連あるので、一連に一句作った。そして三句揃えた。揃えるにあたって、一つ仕掛けをした。これは特許ものかも知れないいいアイディアと思いつつ。今のところ秘密にしておく。
快晴
愛の日の街へと山を越えて来ぬ 正子
暖かし二月の空の青まさり 正子
●リルケの「古い家で」をまた読んだ。なぜなら、きのう「一物仕立て」と「取り合わせ」について長々と書いたことが、今日になってあまりにもつまらなくなったから。現俳句の問題点、つまり、今の俳句が面白くない理由がわかったから、いいようなもの。しかしわかったからと言って、全くつまらない。それよりも、ほどんどわからないドイツ語を辞書を引きながら読むほうがよほど創造性がある。
この「古い家で」からインスパイアされて秋に第2連から一句作ったが、それは序の段。第1連からは、秋のような印象を受けたが、第3連では、蒸し暑い、都会の喧騒が出て来るから、季節をいつに設定すればいいのだろう。俳句作りなので、季節が決まらないと落ち着かない。
第1連では、作者は古い家から円形に広がる全プラハを遮るものなく見ている。夕暮れが音もなく小さな足音を立て深く下りて来る。
In the old house, in front of me I see the whole of Prague in a wide circle: far below, the twilight hour passes by with a noiseless quiet step.
★黄昏はしのびて深く下り来たり 正子
第2連では、街はガラス越しのようにぼやけて見えて、巨人のヘルメットを冠ったような緑青のドームや尖塔のニコライ聖堂が高くくっきりと聳えている。
The city blurs like behind glass, only high, like a helmeted giant, the green spire dome of St. Nicholas rises clearly before me.
★聖堂の緑青聳ゆ街の滲みに 正子
第3連では、蒸し暑い街の喧噪の遠くに、すでにあちこちに灯が瞬き、古い家のなかで今>アーメン<と声が言う感じがした。
Already a light blinks here and there far away in the bustling city, I feel that in the old house now a voice speaks >Amen<.
★蒸し暑き灯ともしころの声に「アーメン」 正子
3連まで読むと、晩夏か初秋の印象だが、「蒸し暑い」「街騒」の印象からこの詩は晩夏としたい。あくまでもこの解釈は私の「創造的解釈」。
リルケ作「古い家で」にインスパイアされて
黄昏はしのびて深く下り来たり 正子
聖堂の緑青聳ゆ街の滲みに 正子
蒸し暑き灯ともす刻の声に「アーメン」 正子
●日吉駅まで歩いて、街で用事。母の遺したコートを着て来たら、歩いたせいか、暑すぎて脱ぐことになった。東急の店に入って今日がバレンタインデーであることを知る。ベルギ―などのあたらしいチョコレートブランドが並んでいる。ケーキまでつやつやのコーティングを掛けたハート型。一口にハート型とっても表情はいろいろ。チョコレートは元希に買ってあるので今日は買わない。丸善で越前和紙の桜の花の便箋とフリージアをかいた和紙葉書を買った。
●花冠No.373号7月号の企画。原稿が増えて、目次を書ききれなくなったので、現在の半ページから1ページにする必要がありそうだ。目次があったところには、信之先生の俳句の鑑賞文を載せるようにしてはどうかと思いつく。No.372号を読むは初めての企画だが、みんなが活発に書いてくれたので、おもしろそうなので、これを載せようと思う。