8月5日(水)


曇りのち晴れ。

ほおずきの朱をくくりて盆の品    正子
一日の熱にトマトの真っ赤なる    正子
日の温みまだあるトマト一籠に    正子

●今夜は満月のようだった。

●生協の配達、葡萄、梨が不出来な感じ。産地変更とある。雨が多すぎたようだ。
尾花沢の西瓜は、お盆が近いだけあって、これまでで一番おいしい。暑くて果物に頼りがち。

●リハビリに行くが、今週、月火水金が病院とは。友人に子供のころのおけいこ通いみたいと言われる。歩くのは休み。

8月4日(火)


晴れ。

百合ひらく花粉の汚れひとつなく    正子
遠巻きの蝉音に耳の鋭く澄めり     正子
朝顔のくれいない白き雲が浮き     正子 

●すかし百合が咲く。今朝は5時半から2丁目を歩く。きっかり30分。6時ごろ日が昇った。

8月3日(月)


曇。8月1日に晴れたのが、梅雨明け。

●今朝の朝顔は大きめ。2丁目を歩く。このごろ予定時間がぴたりと合う。これには、信之先生も感心するくらい。そもそもはじめから少し余分に、途中とろとろしてもいいように時間をとって仕事なり、外出なりしている。最後を整えるためには、ゆるみや遊びが必要と思うようになった。

●昨日のラジオで「伝統文化ジャーナリスト」と呼ばれるジャーナリストがいることを初めて知った。東山文化についての講演だが、その中で、「伝統は引き継がれなければ伝統にならない。」と言っていた。それはそうだ。引き継ぐための苦労がある。伝統は古いとおもうかもしれないが、新しくしていかないと引き継がれない。それに、勝手な自論だが、伝統はらせん状に繋ぐべし。螺旋ということは、坪田譲治も言っていたと思う。

●花火について。今年はコロナのせいで、花火大会が中止になっている。花火の季語はもとは「秋」。送り火と関係している。私の「遠花火草に座り子供らと」の句評に洋子さんが、「初秋の・・云々」と書いてくれた。花火にある幾分の寂寥感は、やはり秋のものと思う。彼女の句評をうれしく思った。

●「緑さす」について。ものが緑がかってみえたり、単に感覚的にそう思えたりすることがある。外の木陰もそうであるが、家の中にいても外の緑を感じることがある。木々が周囲にしげっている昔ながらの家。昔の家でなくてもいいが。風が通り抜ければ、緑がさす感じになる。「笊にあげ緑さしたる冷そうめん」の有花さんの句評は、家内にさす緑であった。同じような経験をされたのかと思う。これもうれしい句評である。

8月1日(土)


晴れ。

●昨夜一雨降ったもよう。ベランダの朝顔が咲く。赤紫。久しぶりに晴れたので、マット類を洗濯。

●2丁目を歩く。まだ右脚に少し痛み。金蔵寺の西側の谷ではじめて蜩をきく。2丁目のお屋敷に青栗。

●8月月例ネット句会の案内をアップ。

●お中元を送ったついでに天一書房で『フィッジェラルド短編集』(新潮社)を買ってくる。黄色
一色の装丁。関西の店は、お中元配送の無料期間が月遅れのお盆にあわせている。柿安の佃煮と坂角のえびせん。

7月31日(金)


曇。

蓮巻葉みどりさやけく一葉のみ     正子
 今朝ラジオで尾瀬のたよりを聞く
はんごん草鳩待峠へ黄を乱し      正子

●西日本は梅雨が明けた。こちは8月梅雨明けとなりそう。昨日につづき、2丁目を歩く。西量寺は少し小高いところ。門から蓮の葉が見えたので石段を上る。藍色の火鉢数個を利用して蓮を植えていた。蓮の実と蕾があった。火鉢は檀家が集まったときなど使われていたものだろう。

●コロナで疲れたという手紙をもらう。疲れないようにするには、コロナが日常と思わなければいけない。マスクと手洗いの励行、これしか予防手段を持たない。N95のマスクがわが家に少々お守りのようにあるが、まだ出番ではなさそう。

7月30日(木)


曇。

ふうせんかずら茂るを分けて百合蕾  正子
百合蕾いまだ青きが空見上げ     正子
南風吹けば洗いぬ旅鞄        正子

●西光院から西量寺を通って2丁目の外周を歩く。40分ほどかかる。多分3000歩弱。西量寺の崖下に毎年おしろい花がたくさん咲いていたのに、今年は一本もない。どう気が変わられたのか。すぐ傍の空き地の柵に葛が絡ん蕾がついていると早合点、違う花。期待すればそのように見える。

●ベランダの朝顔に蕾がたくさんついた。少し色が見える。雪の下と間違えたベゴニアが白い花を咲かせる。日本には白を段階的に表す言葉がほんとにないので、とりあえずピュア・ホワイトと呼んでおく。

●高知を旅する二人づれの英語の会話に「Niyodo blue」という語が聞き取れた。仁淀川のみどりの深いブルーを指しているのか。今治タオルのストールに「瀬戸内ブルー」の色がある。実際見ないとその色は口では表現しがたい。歌枕のように地名を織り込んだ色の名前に旅情を誘われる。

7月29日(火)


曇り。
 日吉本町駅
駅前にふうせんかずらは吹かるるよ  正子
ふうせんかずら花は米粒ほど真白   正子

●ふうせんかずらの花がよく咲く。種を垣根からもらってきて蒔いたのがよく育っている。

●外科のリハビリに行く。今日は2回目。「リハビリはいつごろ終わりますか」と理学療法士の先生に聞こうとしたら、「治療計画書は、月一回書きますから。」と言われ、思わず言葉を呑んだ。当分続きそう。

●俳壇8月号が足りなくなったので、5冊追加注文したのが、昨日届いた。

●「くじら」8月号を恵贈される。小西昭夫さんの正岡子規だよりに永野孫柳の特集。松高の機関紙「星丘」の座談会「呉評越評」についてのいきさつがある。「石楠」と「雲母」の違いがあきらか。それを見ると今の俳壇の句は、肩がはっている。軟派なようでもリズムは硬派の印象を持たざるを得ない。

7月27日(月)


晴れのちくもり

●ようやく晴れて、午前中は気持ちよい風が吹いた。正午ごろから、また曇ってしまった。でも梅雨明けは近いらしい。

●俳壇8月号に掲載された正子5句について、花冠同人の皆さんから温かい応援と思えるようなコメントを頂いた。感謝につきる。
今回は「生活詠」のお題を俳壇からいただいた。8月号ということも考えて、「夏休み」の句を作った。思い出の句というよりも、作っていなかった句という手触り。昨日の出来事として事実がはっきりとしてきた感じだった。始めて作った句から一か月以上の間違う句になったり、表現がずいぶん変容して来て、最終的に今回の5句になった。詠みたいように詠めたことにほっとした。

「夏休み」 高橋正子
夏休み窓を横切る船の音  
田溝のぞく子らに吾子いて夏休み 
三つ編みも腕も日焼け宿題す
笊にあげ緑さしたる冷そうめん
遠花火草に座りて子供らと

好きな句と感想
〇小口泰與
私の好きな句は「遠花火草に座りて子供らと」です。
お子様たちがまだ小さい時の素敵な思い出が詠まれていて、とても素敵な句ですね。
夜空にまさに花と開く鮮やかさと、一瞬のうちに消えてしまう花火を川岸の草の上からご家族そろって見ているほほえましい光景が目に浮かびます。心が洗われる素敵な句ですね。有難う御座いました。

〇古田敬二
夏休み窓を横切る船の音  
夏休みが始まって学校へ行く準備を急ぐこともなく子供たちの朝の騒がしさもなく静かである。そんな時、港から船の音が聞こえる。この音を合図に夏休みの朝が始まる。

〇高橋秀之
どの句も素敵な句ですが、普段の生活になじみが深いこの句を選ばせていただきます。
夏休み窓を横切る船の音
船の音はきっとエンジンのリズミカルな音なのでしょう。夏休みで在宅している窓の外をリズミカルな音が横切っていく風情がのどかです。

〇多田有花
俳壇プレミアシートに掲載された五句、いずれもお子様が小学生時代の夏休みの一コマを詠まれています。「良い俳句は良い生活から」の花冠のモットーが示された秀句と思います。
笊にあげ緑さしたる冷そうめん
夏休みのお昼に冷そうめんはぴったりです。そうめんだけでなく、窓から入る風、蝉の声、庇の作る影、戸外の日差しなど夏休みを形作るさまざまなものが目に浮かんできます。自分自身の小学生の頃の夏休みの日々も思い出されました。

〇桑本栄太郎
どの御句も誰にでもある自身の夏休みの想い出、あるいは子供が小さな頃の夏休みの想い出が凝縮され、懐かしくも微笑ましい御句ばかりです。その中でも特に下記の句に惹かれました。
田溝のぞく子らに吾子いて夏休み
夏休みともなれば、近所の子供たちはそれぞれ手網(たも)を持ち、近所の田の溝川へ小魚掬いです。その中に、吾子もいて夏休みを楽しんでいます。
笊にあげ緑さしたる冷そうめん
一瞬戸外の緑蔭のもとでの、そうめん流しを想起しました。流れて来る白いそうめんも緑に映えています。子供らも嬉々として楽しみ、良い夏休みの想い出です。

〇廣田洋一
どの句も、夏休みの楽しい思い出を呼び起こす素敵な句ですが、特に下記の句に惹かれました。
笊にあげ緑さしたる冷そうめん
夏は、よく昼食に冷そうめんを食べるが、「緑さしたる」とあるので、屋外で流しそうめんをしてると思いました。緑に囲まれた庭で、子供らが歓声を上げながらそうめんを掬ってる景色が見えてきて、夏休みらしい楽しい句だと思います。

〇藤田洋子
夏休みならではのお子様とのお暮らしから生まれた5句、どれもとても好きです。とりわけ
「遠花火草に座りて子供らと」
〝草に座りて〟に、夜空の花火との遠近感とともに、初秋の夜気の静けさを確かに感じとれます。お子様と寄り添いながら眺める遠花火の、叙情豊かなひとときです。

〇川名ますみ
誰もが想い出す景色を、誰にも思いつかない意外な視点で詠まれていて、はっといたしました。「音」が横切る窓、「子ら」の中の吾子、「三つ編み」の日焼け、優しくも鋭敏なまなざしを感じます。
遠花火草に座りて子供らと
高台の原っぱでしょうか。花火大会を見られる近所の穴場にいらした、ご家族が浮かびます。喧噪から距離を置き、夏草のエネルギーにふれながら、花火を楽しまれたのでしょう。遠くに望む打上花火と、草に座る感触、家族の笑み、遠近に渡る五官が優しくつながります。

〇吉田晃
素晴らしい五句、何度も読みかえしております。特に「遠花火」のくは大好きな一句でして、私もこのような句が詠めるようになりたいと思っているところです。正子先生の新しい作風をみたような気がしてうれしく思っております。

〇柳原美知子
家庭のあたたかさ、親子で自然と触れ合いながらゆったりと過ごす夏休みの豊かさが感じられる「夏休み」の5句です。懐かしい気持ちで読ませていただきました。
好きな句は「遠花火草に座りて子供らと」「三つ編みも腕も日焼け宿題す」です。
「遠花火」の句は闇の中に静かに開く遠花火を水の匂い、草の匂いに囲まれて、無言で見つめる親子の息が聞こえてきそうです。自然の中で、ゆったりとした気もちになって親子で過ごす至福のひとときですね。
「日焼け」の句は幼い頃の句美子さんの姿が彷彿とされます。元気に日焼けし、少し逞しくなった我が子の成長を見守る優しい母の視線が感じられます。

〇祝 恵子
高橋信之先生、正子先生、いつもお世話になりありがとうございます。20日俳壇8月号いただきました。正子先生の句の掲載、おめでとうございます。ハガキもありがとうございます。
両先生どうぞご自愛くださいませ。

7月26日(日)


午前中晴れ。昼過ぎから本降りになったり、止んだり。

●朝晴れたので、信之先生を床屋に行くよう促す。昼をすぎてやっと腰があがる。雨が降り出したが、決行しついて行く。行くには行ったが、行きつけの床屋は、しばらく休みとある。ここはずいぶん前から休んでいる。数軒先の床屋へ。ここも休み。引き戻り近くの喫茶店へ。コーヒーとマドレーヌを頼んで雨宿り。多分、コロナのせいで床屋は休業なのだ。