雨。
いわし雲空よりチリチリ鳥の声 正子
柿熟れて日本の家に陽があたる 正子
すすきの穂かがやくときのさみしさよ 正子
●著名某俳人の俳句は人気と見える。句集で知る限りでは、ほどんどの句が比喩。「俳句では比喩は避けるのが基本」。これが西洋の詩ともっとも違うところ。比喩を使うなどは言っていないが、ほどんどの句が比喩からなっているのはどういうことか。これを指摘する俳人は誰もいない。これでいいものだろうかと思っているのは私だけかもしれない。
比喩を使わないでいかに本質を表現するかで、俳句は自然をより深く洞察し、本質へと迫った気がする。芭蕉は推敲によって、より自然への洞察、人間への洞察を深めている。
●コロナでA1cの値に気を付けるようにと言う料理雑誌が目に付く。血糖値のコントロールにいいらしい料理を2種作ってみる。
①おからとひじきの炒り煮。これは、単品で食べるだけでなく、シラスご飯に混ぜたり、卵焼きを作るときに入れる。②根菜を3ミリ幅に切って生のまま冷凍。根菜は、ごぼう、れんこん、にんじん。ごぼうは、サラダ用を使った。冷凍根菜は、ソーセージと炒める。ツナ缶と炊き込みご飯にする。二つは、ごく普通の料理だけれど、ほかの料理に使うためのベース。これをいろいろ使うと簡単でよいらしい。
♪Crystian Zimerman – Beethoven – Piano Concerto No 4 in G major, Op 58
♪Arrau Bernstein Beethoven Piano Concerto No. 4 Piano Concerto No. 4 in G
Orchestra: Bavarian Broadcast Symphony Orchestra
Venue: Munich, Germany.Date: 17/10/1976
♪Beethoven : Concerto pour piano n°3 Alice Sara Otto( Orchestre philharmonique de Radio France)
日本のどこかで聞いたようなピアノの音がときどき聞こえる。
♪ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 「皇帝」 Op. 73 / アルフレッド・ブレンデル(p),サイモン・ラトル指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1998年2月
曇のち晴れ、夜中雨。
●注文していた『狐』を買ってきた。月夜の村の景色にうっとりした。月光に包まれた祭りの夜。話の結末を忘れていたが、現代にしては、話がウェットすぎはしないか。「文六ちゃん」の名前がかわいい。日本は情の深いところだ。
ついでに『ぼくはアフリカにすむキリンといいます』(岩佐めぐみ作・高畠純絵/偕成社)を買った。ドイツ児童文学賞を受賞した本という。日本の児童文学にもこんな本ができたのかとちょっと驚いて、パラ読みしてすぐ買った。ユーモアとウィットがある。
●中曽根元総理の死に弔意を示すよう、国立大学に通達があった報道。学術会議に続いて、またまた。時代錯誤?政治家が一番偉いとでもいうのか。
●『光年の星』の著者川原正さんより選句のお礼状をいただく。
●5丁目の丘へ。富士山の形がかすかに感じ取れる。柿が熟れ、目白が啄んでいる。たしかに目白。
♪ピアノコンチェルト1番/ベートーベン(アルゲリッチ 2019年12月13日)鳴りやまぬ拍手に応えてアンコールにバッハのガボット、スカルラッティK141。シックな花束がプレゼントされると、白い薔薇を一本抜いて、すぐそばのバイオリンの奏者に渡そうとしたが、遠慮して受け取らなく、コンマスに渡した。すごいオベーション。会場は、ドイツと思えた。
♪Beethoven: Piano Concerto No. 2, Rubinstein & Krips (1956)
Symphony of the AIr(ニューヨーク)
♪Beethoven: Piano Concerto No. 3, Gould & Bernstein (1959)
(コロンビア シンフォニー オーケストラ)
曇り。
露けくて花のあいだの土の色 正子
菊の花あしたの土のよく湿り 正子
露草のひえびえとして山の畑 正子
●このごろ朝ごはんは、トースト、コーヒー、葡萄。トーストがうまくできる器具はないかと常々思う。コンベクションオーブンはどうかなと、電気屋で見るが、250度まで温度設定されていて、いっそ、ケーキも焼きたくなる。ケーキを焼くにはあと3センチか5センチ高さ足りない。トーストのためだけに買うのはやめる。結局、今朝は6枚切りをガスに餅焼き網を載せて焼いた。
食べる人いわく、「おいしそうに焼けてるね。」これで、いいか。
●巨峰が、ぐっと甘くなる。日本では果物を生食するせいか、苺も葡萄も柑橘類すばらしくおいしく改良されている。それに伴い値段も高くなっている。外語国産の青や赤の葡萄もそれだけ食べれば結構おいしいが、比べて食べたときの落差。これどう?
曇。
コスモスにあたたかそうに陽があたり 正子
コスモスの色だんだらに赤系統 正子
砂土に鶏頭芽生え花高く 正子
●『かえでがおか農場のなかまたち』の絵本の案内がくる。前買ったと思って調べると、『かえでがおか農場のいちねん』だった。童話館から元希のもとへ、140冊ぐらい届けてもらっている。題名を見ると、徐々に成長している。
昨日、天一書房に『狐』(新美南吉著/偕成社)を注文。『ごんぎつね』じゃないのかと、書店員に言われたが、欲しいのは『狐』のほう。明日届く。
●『俳壇11月号』が届く。添削教室を見る。なんと上手に、含蓄深く、中にはもとの句のかけらもなく上手に。外国の詩人って、添削してもらうのだろうか。日本の添削制度はどうなんだろう。外国の詩人に聞いてみたい。
●学術会議のこと。政治家は、ノーベル賞をもらったときは喜ぶが、学者の仕事をなんだと思っておられるのだろうか。「総合的・俯瞰的」であるので、理由が付かない。「偏った理由で」であれば、理由がつく。そうなれば、違った次元では、なんで偏るの?ってなる。言えばいうほど、深みにはまっている。
晴れ。
●朝顔、小さいながら葉があおあお育ち、毎朝花を咲かせる。春から植えている花が、気候がよくなって、花を咲かせている。心なし、花に風格みたいなものが感じられる。力をなくしたかに見えるものも、見守って復活を待つべきなのだろう。春の花とか、秋の花と言えなくなる。
コッズウォルズで花を見たとき、この気候にしてこの花なんだと思った。長く咲いた紫陽花の色の変化が非常にきれいだった。ロココ調の貴婦人の服の色合いを見ているようだった。ハワースの牧師館のそばの紫陽花も枯れかけてなお美しかった。気候のせいもあるだろうが。
●リハビリの予約時間に遅れて10分のみの治療。ちょっと働きすぎではと言われる。そうかも。リハビリから帰る途中脈が速くなる。不整脈の出現か。仕事を早退。
うすぐもり。
●10月月例ネット句会入賞発表。
朝10時半の発表。句のコメントを書いていて、どうも書きづらいと思って考えていると、その句に少し問題があることに気づく。季節感に無理がある。いいんだけど、入賞句から外す。
●『宇宙の音符』の礼状を出す。
曇り。
●10月月例ネット句会。
正子投句3句
28.コスモスの丈を掬いて大きな風
丈も伸び、ようやく咲きそろったとりどりの色のコスモスを吹く台風の風の吹きようが「丈を掬いて」によく表されています。横倒しになりそうでも折れないコスモスのしなやかさも感じられます。(柳原美知子)
29.ぎす鳴けり草の平らを踏みおれば
30.赤ままを摘みて何せむ瓶に挿す
●『光年の星』の礼状を出す。
●『宇宙の音符』(豊里友行著/沖縄書房/2020年9月23日発行)より15句。あとがきの「私の俳句は想像力の翼を広げて地球を駆け巡る。」を鑑賞の基準として読む。
のあのはこぶねのはしごは揚雲雀
平凡な一日はずむポエムの卵
青空の画鋲のような戦闘機
こおろぎの投網の星のさざなみ
うみなりは心音の闇対馬丸
モノイワヌタミハホロビルヒキガエル
終戦はまだよさざなみのまらそん
翅も絮も奪って瓦礫のランドセル
軍港のいそぎんちゃくを内蔵し
かんからさんしんのねいろ天の川
参観日花火のような手があがる
枯れ向日葵のさみしくなんかない
りんりんと月を身籠る花月桃
みんな武器すて鉄砲百合が痛快
ホームラン虹の根ぐいぐい伸ばしてく
雨。
●台風14号が、伊豆諸島の方へ。直撃は免れたが、一日雨。
●明日は10月月例句会。自由な投句箱に案内を出し忘れたので、栄太郎さんより確認の電話がある。
●句集『光年の星』(川原正著)より好きな句10句
ノーサイド湯気の背中がたたえ合ふ
若葉風風邪の子ひとり保健室
?ぎたての野菜はじける夏カレー
青葉若葉奈良井の宿は木と生きる
胡桃和信濃育ちの妣の味
初任地は海と畑と揚雲雀
白き帆は夏の色なり滑走す
鷹の眼に深き野性の潜みけり
冬めくや一人で使ふ八畳間
光年の星と歩みしかたつむり
(著者の川原正さんは、現在は高校の体育教師を退職され、現在も箱根駅伝にかかわっておられるとのこと。勘どころ良い方ではないかと思った。)
●多蔵得三郎氏(「燎」編集長)に出した礼状が返送されてきた。虫メガネで確かめて書いた住所だったが、17番地を7番地と書いていた。書き直す。このごろ、確かに目がよくない。
●『Doctor Dolittle's Garden』(Red Fox Book)が本棚から見つかる。朝、冬みたいに冷え込んでいたので、布団ではじめの方をパラパラ読む。こんなに面白かったかと、思った。挿絵も可愛い。
雨。
暗がりの大樹となって金木犀 正子
金木犀散りては水漬く花十字 正子
ずぶ濡れてコスモスの色みな淡し 正子
●台風14号が明日接近。
●忘れ忘れになっていたが、チューリップと、カサブランカの球根を注文。ターシャ・チューダーさんは、花の球根や種を買うために絵を描いているんだとどこかに書いていた。いい色合いの花はそれなりの値段だけど、咲いた時がうれしい。
●『光年の星』が見つかる。雨で暗いので、部屋を一番明るくして、ガラス扉のある本棚を指呼確認のごとくにして探した。句集を入れてあるところに、一冊抜いてぽっかりと暗くなっているその隣、扉の枠で見えなくなったところにあった。部屋を明るくして、扉を全開して探したら、あるべきところにあった。目が悪く、勘が鈍くなったものだ。句美子が来たら、探してもらおうかとも思っていた。
●句集が見つかりほっとして、お茶の葉が少し古くなったのでほうじ茶にした。焙じたては、香ばしくて、おいしい。
小雨。台風14号くる。
●『浮世の画家』をおととい読み終わったのだが、小津映画の影響、日本の祖父母の家のイメージがあってか、戦後まもなくの日本家屋やそこに住む人たちの様子はこまかに描写されている。けれど、それは物語のなかのようで、靄っている。「ためらい橋」とか「みぎひだり」というバーの名前は日本人ならつけないだろう。原文を知らないが、「リラクタント ブリッジ」とか、「ライト アンド レフト」とかでも言うのだろうか。
『日の名残り』も確かにイングランドの風景が描かれている。地図にあたり、ネットで写真を見たり、思い出す限りのイギリス旅行のときの風景を目に浮かべながら読んだが、なんだか、景色が靄っている。
前、「嵐が丘」の舞台となったハワースへ観光ツアーでいったが、『嵐が丘』に書かれた風景は、ハワースに立って見ると実態としてなんとなく想像できる。イシグロは、5歳のときにイギリスに移住したという体験がその後のイシグロの故郷形成に大きく作用しているのではないかと思えた。故郷喪失という解説者もある。故郷を喪失した人へのいとおしみというものが湧いてくる感じだ。
ノーベル賞作家には、故郷というものが非常に大きな役割を果たしていると聞いている。イシグロの場合の故郷はなんだろうと、思う。故郷を喪失した人は、アイデンティティーを模索し続けなければならないのだろうかとも。
松山から横浜に引っ越して15年になるが、周りの景色、いうなれば風土が自分の体にようやく定着してきつつあるように思える。まだ、血肉となったとは言えない。引っ越し当初より、俳句が作りやすくなったという気がする。