10月21日(木)

★大寺の水あるところ水澄んで   正子
「水澄む」の季語のイメ-ジがそのまま心に入ってきます。大寺のよく掃き清められた境内、水場なども目にうかび、清涼感にみたされる思いがいたします。(小川和子)

○今日の俳句
穂芒と軽き野の花組み束ぬ/小川和子
秋草は軽く、種々あるのがいい。穂芒と野の花との組み合わせがたのしく、やさしい。

10月20日(水)

★あふれたる林檎まぶしみつつ選りぬ  正子
旬の林檎の輝きが店頭にあふれ、思わず手に取って選ぶのも主婦の楽しみのひとつですね。何気ない日常生活の中の喜びが生き生きと伝わってきます。(柳原美知子)

○今日の俳句
鰯雲島中の空埋め尽くし/柳原美知子
島中の空は、言うなれば、島を巡る球形の空です。限りなく広がる空に、限りなく鰯雲が並んで、空に寄せて、のびのびした大きな気持ちが広がっています。

○今日の俳句
ジンジャーの花の香に足る十三夜 正子
欅もみじはや夕暮れが来ておりぬ
おのこらが合唱して来る秋の坂

○十三夜句会。昨日から今日にかけて。10時ごろ空を見上げると、薄い雲が広がるなかにぼんやりと月がひかっている。ときに雫のように雨が顔にあたる。虫もつづれ鳴いて、こころもとない。いつぞやは、樋口一葉の「十三夜」を読んだりして、十三夜句会にも熱をいれたものだが、今日はコンテストの発表と重なって、その余裕はなかった。

○第19回インターネット俳句コンテストの入賞発表は昨日したが、インターネット俳句協会の理事長賞と選者特選を追加発表。これで、入賞発表は完了。あとは、授賞式と賞品賞状の発送、選者の先生方へのご挨拶がある。

○コンテストのことが、NHKの雑誌に載る予定である。

○五丁目を吟行する。五丁目は一戸建ての住宅がほとんどで、小さな庭を工夫している。庭を見ながら歩くと、坂の下から男声合唱が聞こえて近づいてくる。中学生の男の子七、八人が合唱の練習をしながら下校している。

10月19日(火)

★うす紙がかりんをかたちのまま包む  正子
かりんの色、かおりも、より鮮明に「うす紙が包む」で感じられます。(矢野文彦)

○今日の俳句
車椅子薄一本挿し戻る/矢野文彦
デイケアに通われて、そこでの生活も時に華やぎ、車椅子での散歩では、薄を見つけて、一本を大切に持ち帰り、自然に触れた日の喜びがあります。身辺の生活にささやかながらも納得があり、人生の肯定へと繋がっている。(高橋正子)

○今日の俳句 
 マカロンのお土産ありて
十二夜の月にふらんす菓子を食ぶ 正子

○第19回インターネット俳句コンテストの入賞発表。
○十三夜句会の受付を今夕から開始。

○赤い羽根募金をする。
○昼食は早めにピザトースト。ネットの仕事で忙しくて焦がすが、これまで食べたピザのなかで最高にあつあつのピザになった。モツァレラがよく溶けた。

○ランク入り
2010.10.18(月)
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10月18日(月)

 阿蘇
★火口歩む秋天いよいよ高くあり  正子
秋の青空へ大きく口を開ける阿蘇の火口。外輪山の緑と真っ青な秋の空。火口を歩きながらその空を見上げる。どこまでも澄んで高い空である。読む人に、秋の澄んだ空の感動を真っ直ぐに伝えてくれる句である。 (古田敬二)

○今日の俳句
木の実独楽歩き始めし子へ廻す/古田敬二
歩き始めた子は、木の実独楽を、「なんと不思議なものだろう」と思ったのに違いない。興味津々の無垢な子どもとふれあう心があたたかい。(高橋正子)

○八百屋さんのトラベルプレゼントキャンペーンに、応募していたら、2等に当選したから旅行にご優待と知らせがあった。伊豆への日帰り旅行、温泉、食事付き。費用は3900円。くじに当たったためしはないので、応募者全員2等当選かも。

10月17日(日)

★詩に倦んで親しき灯火を小さくす  正子
詩である俳句の日々のご指導、「花冠」会員やインターネット俳句コンテストなど種々のコンテストの選者として、細部まで作者の思いに寄り添っての丁寧なご指導に、お疲れになられることと思います。いつもの手元の灯を少し暗くすると秋の夜が静かに深まってゆき、一日の終わりの安らぎが感じられるようです。(柳原美知子)

○今日の俳句
雨去って空の水色破蓮に/柳原美知子
雨に洗われた空の水色を背景にした破蓮の姿、色がからりとして、枯のよさが出ている。(高橋正子)

○ネット短信No,80発信。
○花冠12月号オンライン版をブログに掲載。平成22年度の花冠各賞を決定。電話で承諾を得る。

○夕方、駒林神社の祭りのあとの境内を見に出かける。石柱に「村社」「鎮守」と彫った字が見える。一人カメラを提げた男性がいた。その人が去ると、鞄をもった中年の女性が拍手と打って拝んで帰った。すぐあとまた、三十前後の女性が来て、御手洗で手を清めて出て行った。だれも来ないようだが、お参りがある。神社を出てさらに丘を上ると、日吉本町二丁目の見知らぬところに出た。二丁目は平地から丘の上まで随分広い。普通部の第二グランドとテニスコート、それにKBHOUSEとか、NESLEHOUSEと看板の出た建物があったが、たぶん、慶応のものだろう。雑草の刈り取りも手が回らない様子。竹藪などが残っていて、昔からの民家もあって、しずかなところ。住む町に、子ども達二人が通った大学関係の建物があると、遠く四国から来た身にもそれなりの雰囲気があるのか、馴染みやすいと知る。

○今日の俳句
龍の口より落ちたる水の澄みていし 正子
境内の秋澄み銀杏まだ青し
境内の崖をしばりて蔦紅葉
二丁目の丘に芒の穂の若し
酔芙蓉はれやかなるは八重であり
野ぼたんの紫あれば庭が澄み
 治代さんから芋炊きセットが届く
水郷のごぼう里芋鍋に煮て
湯上りの肌に星より来る寒さ
きょうからは色が見え出す菊蕾

10月16日(土)

★鶺鴒のぱっぱと石を水を飛び  正子
長い尾を振りながら水辺の石や水の上を敏捷に飛ぶ鶺鴒の動きが目に浮かびます。きれいな鳥なのでしょう。
(黒谷光子)

○今日の俳句
秋の滝白の激しを眩しめり/黒谷光子
「白の激し」が、秋の滝を真実表している。夏ならば滝水の白は涼しさを呼ぶであろうが、どうどうと落ちる秋の滝は激しいまでの白、眩しいまでの白となる。(高橋正子)

10月15日(金)

★秋水湧く波紋をそのまま手にすくう  正子
山峡にこんこんと湧きだしている清水。水の輪を大きくそのまま、両手で掬いたくなる素晴らしい秋の水です。きっと冷たくておいしかったことでしょう。(河野啓一)

○今日の俳句
スケッチの筆のタッチは鰯雲/河野啓一
鰯雲のように筆を小さくふわふわっと置いてゆくスケッチが、たのしい。スケッチの軽さが鰯雲とよく合っている。(高橋正子)

○洋子さんが船倉に注文していくれていたコンテストのトロフィー3個、メダル9個が届く。

○ランク入り
10月14日のアクセス数 閲覧数:543PV 訪問者数:172IP
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○今日の俳句
晩稲田の刈らるるまでをそよぎけり  正子
晩稲田の祭りすぎたるさびしさよ   正子

10月14日(木)

★手の中の木の実の熱き山の暮れ  正子
秋の午後、日が翳り出してからの散歩ウォーキングでしょうか?道の途中で拾って手に持っていた木の実は、秋の日差しを浴びてほの温かかったのに、「あれよ」と言う間に日が暮れてしまった・・。釣瓶落としの秋の日暮れの様子を「の」の格助詞を多用され、たたみ掛けるように巧み詠われ素敵です。(桑本栄太郎)

○今日の俳句
蘆の穂の大きく風を捉えけり/桑本栄太郎
蘆の穂を主体に、蘆の穂を大きく、大らかに捉え、風の中にクローズアップさせ見事である。

○午前中、花冠12月号の後記を書き、印刷所に原稿をHPにアップしたことをメールと電話で連絡。
○11時ごろから、早淵川沿いの吟行に。
○ランク入り
2010.10.13(水) 459 PV 165 IP 8588 位 / 1478793ブログ

「鶴見川支流早淵川を下る」
川は上るほうが好みか、下る方が好みかと聞かれ、下りだと答えると、鶴見川支流の早淵川をセンター南から東山田まで案内しようということで、午前十一時ごろ吟行に信之先生と出かける。

早淵川は支流といっても一級河川と表示がある。それにしては、それほどでもと言う大きさだ。センター南で電車を降り、川に架かる橋を渡って、土手沿いの遊歩道へ降りる。川沿いの、二つある歩道の内下のほうの歩道を歩く。増水時には注意とあって、歩くと周りの葦や数珠、薄は、川水に浸ったあとがある。歩きはじめは、薄と葦が多く、次第に背高泡立草が増えてくる。川の水は、比較的澄んで、よく太った黒い鯉、ハヤのような魚がいて、白鷺、青鷺、鶺鴒、鴨が見られる。向かいから心地よい風が吹いて、しばらく土手を歩くが、坐って休むようなところもない。川の水は、今来たほうへ波が起こって流れているように見える。川を下るのなら、反対方向だ。近くに工場があって、梯子を降りかけた人に川はどっちに流れているかと聞く。「海はあっちだ。」と返事。落ち着いて水に浸かった葦や薄の靡き方を見ると、やはり、間違いなく、川下へ歩いている。風のせいで、流れが逆に見えただけのようだ。鴨など八羽も気楽に泳いでいるところもある。
 
 芒の穂中洲にひらきみな若し 正子
 鴨泳ぐ速き流れに乗りつつも 正子
 秋の野の黄蝶白蝶こまごまと  正子

里芋や小松菜、白菜、葱などが植えられた畑が結構残っている。この里芋はおいしいだろうなと思いつつ歩くと、おばあさんに出会った。ふと農作業小屋を見ると、中で里芋や小松菜を売っている。里芋ふた袋、小玉葱一袋、胡瓜二本を買って、四百円払う。それをリュックに入れて歩く。
 
 里芋の畑にとなり芋を売る 正子

川沿いはクコの花、風船かずら、栗の毬が落ちている。小鳥小屋を作ってインコを飼っている家がある。垣根もなにもなくて、日当たりと風通しをよくしているので、インコが丸見えだ。きれいな黄色、白、黄緑、青の四羽のインコを面白く見た。
 
 秋風の鳥小屋インコの羽四色 正子
 
行程の半ばほどを歩いて、「勝田橋」と言う第三京浜にほぼ近いところまできた。食堂を探すがない。橋のたもとのコンビニによって、巻きずしのセットを一つ(一つしかなかったが)、ねじり棒ドーナツを買って、またそこから歩き始めた。十分ほどあるくと、泡立草が明るく咲いているが、小鳥も、魚も川には見られない。土手をさらに歩く。雑木林の中にベンチが見える。工場の作業員らしい人たちが三人休憩しているが、個人の土地のようだ。あきらめてさらに歩く。ちらっと、稲穂が見えた。まだ刈り取られずにいる。見に行くと、反対側が雑木林になっている。入るなと鎖を張っている。そのそばで、ここでよかろうと腰を下ろして、熟れた稲を見ながら昼食にする。昼時か、車は通らなくて、たまに自転車が通る。不思議そうに見て通るが、そんなことは、お構いなしで休憩。このあたりの植生は面白く、雑木林が残っていて、必要なところは切り開いて、畑にしたり、住む家にしたり、工場にしたりしている。栗畑も残っている。

休憩を終えて、さらに歩く。「待橋」という橋に来る。信之先生は、喫茶店に入りたいらしく、丘の上に見えるあの黒い家に何と書いてるか、と聞く。何も書いていません。あれは、洗濯物です。破風のある三角屋根も、壁も黒い建物のベランダには、赤いタオル、オレンジ色のタオル、白い子どものTシャツなど、絵画的色彩に干してある。遠目にはデザイン文字とも見える。残念ながら、レストランも、喫茶店もありません。橋の名前を頼りに歩いて、第三京浜国道がすぐ上を通る「北新川橋」まで来た。この橋を左折すれば、市営地下鉄の東山田駅。この駅から二駅目が日吉本町。予定より一時間以上も早い帰宅となって、夜は、芋炊きと決まりで、今日の吟行の閉めとする。

 剥かれたる芋の白さを煮て保つ 正子
 残業の子にあたためて芋煮鍋 正子

10月13日(水)

★パソコンを消して露散る夜となりぬ  正子
パソコンを消すと、しんしんと夜が深まっていき、静寂な時が流れていくのを感じます。「露散る夜」という表現がロマンティックだと思いました。(井上治代)

○今日の俳句
どこまでも水色軽き秋の空/井上治代
「どこまでも水色」がやはり秋の空をイメージさせる。水色の軽い青さも秋の空の変化のひとつ。(高橋正子)

10月12日(火)

★辻に出て通う秋風身にまとう  正子
辻に出た途端に風の変化を感じる。十字路に行き交う爽やかな秋の風。「身にまとう」から秋風の心地よさが伝わって参りました。(後藤あゆみ)

○今日の俳句
秋の灯の鉛筆軽し編み図引く/後藤あゆみ
「鉛筆軽し」に手慣れた作業とたのしい心持が知れ、「秋の灯」にもよい生活感があるのがよい。出来上がりを思いながら、軽やかに鉛筆を動かし、編み物の製図をする楽しい時間である。(高橋正子)