★冬瓜にさくっという音のみありぬ 正子
形といい、味といい、つかみどころのない冬瓜を「さくっという音のみありぬ」ときっぱりと詠んで、小気味良さを感じました。丸ごと1個いただくと困ります。困りますが、夏に何度かは食べたくなる不思議な味。冬瓜にはそこはかとない可笑しみもありますね。(後藤あゆみ)
○今日の俳句
水行を終えし僧侶の麻衣/後藤あゆみ
水垢離のあとの僧侶が、白であろうか、麻の衣をまとっている。ごわごわとした麻の衣が体に付かず離れずで、それも質素であって、目にもいかにも涼しそうである。心境が涼しい。(高橋正子)
○花冠9月号が印刷されて届く。月うちで届いたのは、水煙創刊以来。
◇生活する花たち「日日草」(横浜日吉本町)

子どもの俳句 高橋正子選評
大阪 小五 高橋成哉
★青い海明石海峡貨物船
青い海に大きな貨物船が浮かんでいるのは、いい景色だね。
★浜辺には青いパラソルきれいだな
浜辺に青いビーチパラソルがあって、涼しそうだね。
私も、きれいな海で泳ぎたくなりました。
愛知 小四 上島光太郎
★夜ご飯トウモロコシがおいしいな
トウモロコシは、おいしいね。きれいな黄色で、食べるとあまくて、わたしも大好きです。たのしい夕ご飯だね。
大阪 小三 高橋博己
★ビーチボール浮かんだり投げたり楽しいな
ビーチボールで遊ぶのはおもしろいね。
★海水浴小さい波がいっぱいだ
海水浴は、小さい波がいっぱいで、プールとはちがうよね。
大阪 幼年長 高橋周也
★かいすいよくうきわでぷかぷかたのしかったよ
うみはなみがあるから、うきわでういてると、たのしいよね。うきわがはずれそうにならなかったかな。
★あめやんでせみがいっぱいないてたね
せみは、あめがやむと、げんきよくなきだすね。あっちでも、こっちでもなきだしてるね。
愛知 幼年中 上島千晴
★よるのみちおつきさまがいいね
よるのおさんぽかな。おつきさまがきれいでうれしいね。
★熟れきってまるきトマトの冷やされし 正子
○今日の俳句
湖へ虎杖の花咲きいそぎ/小口泰與
湖のほとりに虎杖の花が咲き急いでいる。夏が短い北国を思わせる。虎杖の花は小さく白い。散れば葉に埃がかかるように散る。夏の短さも、花のもろさも、みな移ろいやすさでえある。(高橋正子)
◇生活する花たち「白粉花」(横浜日吉本町)

★わが視線揚羽の青に流さるる 正子
強い夏陽の中を漂う揚羽蝶の帯模様。しかしそれが思いがけない速さで木や花のあいだを飛び翔ることがあります。そんなとき揚羽の青は網膜に一閃を残し、青を追う視線は宙を流されることになります。夏の日の輝きと揚羽蝶の流れる色彩を頂戴いたしました。 (小西 宏)
○今日の俳句
大きく晴れし南の空や凌霄花/小西 宏
南の空が広く眺め渡されて、その中にオレンジ色の凌霄花が咲き盛り、絵画的印象の強い句となっている。(高橋正子)
○猛暑続きでしたが、今日は雨。気温も下がり、暑さが一段落。
○花冠10月号の編集。巻頭抄、選後に、正子の俳句日記、正子俳句鑑賞、子ども俳句。午後3時半ごろまで掛かる。
○洋介さんの句集『葉桜』をクロネコ便で洋介さんあて贈った。明日午前中到着予定。
同人贈呈用の慣例で寄贈いただく。
○花冠9月号の発送用封筒の準備。洋介さんの句集は申込者に9月号の同封する。
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◇生活する花たち「朝顔」(横浜日吉本町)

ドイツの旅平成2年夏
★ラインのぼる巨船の人の裸かな 正子
夏のライン河を大きな船がのぼっていく動きがおおらかです。日光と風にさらされた裸は、ゲルマンの男でしょうか。船上の開放感は格別なことでしょう。夏のドイツの旅の気持ちよさが、この一句にありのままに投影されていると思います。 (池田加代子)
○今日の俳句
まっくろな錨巻き上げ夏港/池田加代子
夏の港は、独特な雰囲気があって、開放的で、いきいきとした動きが感じられる。海から巻き上げられる鉄の錨はまっくろで、潮を滴らせ、その色さえ、夏の色であることの驚きがある。(高橋正子)
◇生活する花たち「ハイビスカス」(横浜日吉本町)

富士登山7合目辺り
★稜線の夏空切るを見つつ登る 正子
「稜線の夏空切る」で、夏空にくっきりと聳える富士の偉容が読むものに迫ってくる。「見つつ登る」とあって、頂上を間近にした登山者の、気持ちの高ぶりが感じられる。登山の経験のない者にまで、夏の富士に登ってゆくような気持ちにさせてくれる。(山中啓輔)
○今日の俳句
一色の青田の色となりにけり/山中啓輔
今、青田は「一色」である。「一色」の青さには、疵も不揃いもなく、すくすくと育つ青田が表現されている。「一色の青田」は、よい観察であり、またよい発見である。(高橋正子)
◇生活する花たち「睡蓮」(横浜市都筑区山田富士公園)

横浜
★女学院の丘の緑の梅雨明ける 正子
○今日の俳句
大小の波を重ねて子等泳ぐ/上島祥子
「大小の波を重ねて」は納得する描写である。大きい子も小さい子も入り混じって泳ぎ興じるときの大波小波。きらきらとした夏の日差しまで思う。(高橋正子)
◇生活する花たち「昼顔」(横浜日吉本町)

ベイ・ブリッジ
★梅雨明けの海の真上を渡りきる 正子
梅雨明けの眩しく広やかな海上、ベイ・ブリッジならではの格別の爽快感です。梅雨を抜け出た喜び、清々しく力強い盛夏の始まりを感じます。(藤田洋子)
○今日の俳句
白百合の活けられるより香の立ちぬ/藤田洋子
厳密に言えば、白百合は、活けられる前からも匂っているわけであるが、活けられ、しばらくその場にいると、清楚な姿に、香りがいっそう感じられるというのだ。(高橋正子)
○治代さんの句集原稿信之先生の指示箇所を検証の後、最終稿としてファイル治代さんにメールする。
○俳句界8月号が届く。この号では、5月号に掲載された高橋正子作品6句についての鑑賞が載った。鑑賞者は、中上哲夫氏で、3句を紹介いただいた。
総合誌では、句を発表できるものの、十指に入る俳人意外は、発表後の句評などは皆無に近い。この点「俳句界」は誠意があって、創作の本筋を行っている。創作においては、発表したものへのコメントは、作者にとっても、読者にとっても必要なことであると思われる。
菖蒲束ざんぶと投げて湯が青む
(一句目。菖蒲の香りではなく「湯が青む」と言ったところが新鮮。)
葉桜の蔭は家居のごと安し
(二句目。そうなのか。一度葉桜の蔭にじっとすわってみたくなる句。)
ただ一人来て木苺の熟れており
(3句目。昔、渓流釣りに行って、木苺の藪に遭遇し、魚を釣らず、リュックいっぱい木苺をつんで帰ったことがあった。熟した木苺はひときわ人を興奮させるものがあるようだ。ただ、この句の場合は孤独の象徴になっていると思う。)
※中上哲夫氏は、たぶん、1939年生まれの詩人。花冠会員の方は掲載句を別の読み方をされるかもしれない。
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◇生活する花たち「朝顔」(横浜日吉本町)

★ゆうすげに月まだ淡くありにけり 正子
「ゆうすげ」の響が素敵ですね。夏の夕暮れから朝にかけて淡い黄色の爽やかな花を咲かせるゆうすげ。その色は当に月の色を連想させ、暮れなずむ空をふと見上げると月はまだ淡い。夜の更けるにつれてくっきりと浮かぶ月がゆうすげを更に美しく照らすであろうと想像が広がります。 (佃 康水)
○今日の俳句
噴水のしぶきや児らを走らせる/佃 康水
噴水のしぶきを避けながらも、喜々として水に濡れたり、水から逃げたりする幼い子たちの無邪気な姿がよく詠めている。(高橋正子)
○夕方から横浜ロイヤルパークホテル68Fの四季亭で会食。3時過ぎ信之先生と家を出るが、今日も猛暑。四季亭の窓から横浜港が見渡せる。絶景。遠くは、富士の嶺らしきもの。会食開始時間まで、ホテルのロビーで、ハワイアンの生演奏と踊りをしばし楽しむ。
◇生活する花たち「向日葵」(横浜日吉本町)

★漂白されすずしき食器となりいたり 正子
日常使われる愛用の食器でも、少しずつ曇りや黄ばみが生じてくるもののようですね。そんな食器をしばらく漂白剤につけて水に拭うと、また新鮮な色と輝きを取り戻します。涼しく並ぶ食器の再生が心嬉しく感じられます。 (小西 宏)
○今日の俳句
舟虫が閉づわが通り来し道を/小西 宏
夏の岩場に集まる舟虫は、敏感に人の気配を察知して散り散りに逃げる。人が去るとまた直ぐに集まって、通って来た道を閉じた格好だ。舟虫の生態がたのしく詠まれた。(高橋正子)
○緑陰ネット句会の賞品(金銀銅賞)を発送。郵便局とメール便。
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◇生活する花たち「木槿」(横浜日吉本町)
