ビルの窓全てで五月の空なせり 正子
ビルの窓に一体何がどの様に映るだろうと暫くビルの窓を眺めて、はっ!と致しました。真っ青な空、白い雲、青葉若葉の木々 そよぐ風、光、色、飛び交う小鳥など。映している窓の全てで五月の空をなしているという広大な御句の深さに感銘致しました。(佃 康水)
○今日の俳句
広島縮景園
茶摘女や手にさ緑の陽を返す/佃 康水
薫風の季節を迎え、茶摘みが始まる。茶葉を摘む女性のしなやかな手元から、きらきらと陽光がこぼれるように、茶葉が光る。「さ緑の陽」といい、季節の麗しさが詠まれた。(高橋正子)
野ばら咲く愛のはじめのそのように 正子
○今日の俳句
沢音の高まり青葉に分け入りぬ/小川和子
沢の音が高まって、その先の沢の流れは、青葉の下を潜ることになる。青葉の中へと分けて入る。茂る青葉と豊かな水が、日本の季節をよく知らせている。(高橋正子)
○花冠6月号発送。
四月月間賞、立夏ネット句会の賞品を発送。(柳原美知子・多田有花・川名ますみ・宮地祐子・藤田洋子)
◇生活する花たち「あやめ・かきつばた・山吹」(東京・椿山荘)

初夏の夜の電車傾きつつ曲がる 正子
○高橋秀之さん歓迎吟行句会
参加者は、信之先生、秀之さん、加代子さん、私。宏さんは、あいにく欠席。高田の馬場で秀之さんと待ち合わせ。11時過ぎから芭蕉庵へ。加代子さんは、直接芭蕉庵へ。
関口芭蕉庵を吟行し、一人5句投句を済ませる。その後、神田川沿いの冠木門から椿山荘に入り、蕎麦処の無茶庵で、せいろ天そばと生ビールの歓迎昼食。昼食後は、椿山荘のカフェを句会場に予定していたが、今日は、結婚式と表千家師範のお披露目会で、賑わっていたので、江戸川橋から有楽町線で飯田橋まで移動。飯田橋の駅のカフェで句会。加代子さんの司会。5時すぎお開き。秀之さんと別れ、日吉行き南北線で帰宅。加代子さんは、大岡山下車。
○花冠6月号が昨日到着。秀之さんと加代子さんに手渡す。明日発送の予定。
○立夏句会(祐子さん)、四月月間賞(ますみさん、有花さん)の賞品を準備。秀之さんには、立夏句会の賞品を手渡した。(美知子さんと洋子さんの賞品は後ほどにする。)
○今日の俳句
真っ青な五月の空の飛行雲/高橋秀之
すっきりとして、なにもない良さ。「五月の空」と言って、それ以上言わないことで、実在感が生じた。青と白のさわやかさは五月である。(高橋正子)
◇生活する花たち「竹としゃがの花」(東京・関口芭蕉庵)

新緑の翳るときあり水があり 正子
○今日の俳句
幾たびも来ては飛び去る夏の蝶/平田 弘
夏になると、蝶さえも活発な動きを見せるようになる。今しがた蝶が来たかと思うと、また来ている。初夏の日差しのなかにきらめく蝶の動きが印象に残る。(高橋正子)
白ばらの空気を巻いていて崩る 正子
○今日の俳句
高々と牛舎の空へ鯉幟/渋谷洋介
鯉幟は、男の子の成長を願って立てられるものだが、牛舎のある家にも男の子が誕生したのだ。のどかな風景に、力強く、高々と泳ぐ鯉幟に健やかな成長を願う気持がいっぱい。(高橋正子)
◇生活する花たち「つつじ・藤・パンジー」(横浜日吉本町)

藤房
高橋正子
藤房に天の蒼さのありにけり
明治神宮
新緑の枝差し交わす神の杜
真っ直ぐな菖蒲のみどり湯が熱し
菖蒲の葉折ればかぐわし仕舞湯も
朽葉色の葉がよく真白き柏餅
ラベンダー紫混みて風にあり
ベランダにハーブ匂える五月来ぬ
プラチナの五月の光をベランダに
豆の花宙に雀が鳴いており
都忘れの花を思えば幾月ぞ
葉桜の蔭は家居のごと安し 正子
○今日の俳句
ゆさゆさと百の牡丹も風のまま/黒谷光子
風が来て、百ほどの牡丹の花を揺らす。大きく富貴な花が、花の重みをもって揺れると「ゆさゆさ」となる。「ゆさゆさ」「風のまま」は、牡丹をより自然に捉えている。(高橋正子)
●昨日のアクセスランキング入り
2010.05.05(水):8656 位(1405359ブログ中)、583(閲覧数)、158(訪問者数)
◇生活する花たち「つつじ・パンジー・藤」(横浜日吉本町)

矢車の星空深きにまわる音 正子
○今日の俳句
芳しき緑をひらき柏餅/池田加代子
柏餅の葉には、蒸して緑が変色した色のもある。これはこれでまた落ち着いた色あいでよい。この句では、柏餅を包んでいるのが、「芳しき」緑の柏の葉である。白い柏餅と対比されて、すがすがしい。(高橋正子)
[自句自解] この句をつくったときもそうですが、夫に「食べ物がからむといい句をつくるね」と時々いわれます。童心に戻れるせいかもしれません。
○花冠発行所(代表/高橋正子)主催の立夏ネット句会を開催する。
http://blog.goo.ne.jp/kakan15/
◇生活する花たち「つつじ①・つつじ②・藤」(横浜日吉本町)

俳句
スイートピー眠くなるほど束にする 正子
自句自解:例年、朝顔を咲かせるために西窓を覆って竹を四つ目に組んでいた。それを秋になっても取り除かず、利用して根基にスイートピーを蒔くと、朝顔と同じように窓を覆って茂り、花もとりどりに存分に咲いた。飽きるほど花を摘んで束にすると、日もうららかで、眠気をもよおしそうな色である。
○今日の俳句
しゃぼん玉垣根越えゆき風となる/祝恵子
しゃぼん玉は吹かれていって消えるものであるが、消えるのではなく、姿の見えない風となったのである。風となって風と一緒に吹かれてゆく。しゃぼん玉は風となって命を新しくしたのである。(高橋正子)
○明日5日は、立夏ネット句会開催。
http://blog.goo.ne.jp/kakan15/
●昨日のアクセスランキング入り
2010.05.03(月):9476 位(1404250ブログ中)、517(閲覧数)、140(訪問者数)
◇生活する花たち「つつじ・キンレンカ・蒲公英」(横浜日吉本町)
俳句
森奥のたんぽぽ大方は絮に 正子
森の奥にも春の日がうららかに差し、たんぽぽも大方が絮となって、吹けば飛びそうです。木々の若葉が萌え始め、静かな森にまた新たな生命あふれる季節の始まりを感じます。(柳原美知子)
○今日の俳句
蕗ゆでて野のかおり満つ真夜中に/柳原美知子
昼間は、教師としての勤務があるので、主婦としての仕事は真夜中になってしまうことがあります。蕗をゆでている真夜中のひと時に、蕗のかおりが満ち、まるで野にいるかのような安らぎをもたらせてくれています。(高橋正子)
◇生活する花たち「菜の花畑・藤・シャガの花」(横浜市緑区中山)
