9月3日(月)


★夏蒲団糊の匂いて身に添えり  正子
寝苦しい夏の夜ですが、ほどよく糊のきいたシーツに包まれた夏蒲団に横たわれば、ほんのりと漂ってくる糊の匂いとともに、さっぱりとした肌触りが伝わり、静かに眠りを誘ってくれます。「身に添えり」に安らぎが感じられます。(小西 宏)

○今日の俳句
金蚊の仰向いて脚生きんとす/小西 宏
金蚊が何かにぶち当たってひっくり返った。起き上がろうとしてか、必死に脚を動かしている。作者はその様子を「生きんとす」と捉えた。金蚊の命を直視しているのがよい。(高橋正子)

●今朝、角川俳句年鑑2019年版の原稿をe-メールで送った。ついでに、封書でも送る。
【思うのだが】花冠会員のみんなの句を1年分読んで、その中から、8名分の一句だけ選び出すのは悩ましく、大変な労力。花冠は人数を絞っているからいいようなものの。

それで、思うのだが、どんなに粗末な見かけであっても、句集にまとめなければ、俳句を作ったことにならない。散らばっていては、読みようがない。
今信之先生の全句集の出版を準備中で、出版社に依頼している。経費もかかるが、読者が一人としていなくても、出すべきだと、私は主張している。

今日は句美子の誕生日。昨日、水彩画となる色鉛筆をあげたが、すぐに手近のぬいぐるみを描いてメールで送って来た。簡単に描けて、楽しいよ、と言ってきた。

今日は、誕生日の休暇をもらって、昭島の森にある昭和ホテルに一泊するそうだ。武蔵野の雰囲気があるらしい。誕生日のケーキと花束がもらえると言っていた。スケッチブックを持っていくみたい。

根岸の子規庵から特別展の招待状。子規庵へは、JR鶯谷駅から。句美子に見せると、行くと言う。そうだ、「子規はあなたの高校の大先輩だからね。」と言っておいた。「根岸には、言問い団子があるよ」、というと、知らなかった、と。

○ささげの花

[ささげ花/横浜市緑区北八朔町]

★アフリカの太古の色やささげ咲く/照れまん
★紫にささげの花や土用東風/憧里夢
★高架駅下りればすぐに花ささげ/高橋正子
★大畑を区切って三筋の花ささげ/高橋正子

 ササゲ(?豆、大角豆、学名 Vigna unguiculata)はマメ科の一年草。つる性の種類とつるなしの種類とがある。アフリカ原産。主に旧世界の温暖な地方で栽培される。南米では繁栄と幸運を呼ぶ食物と考えられ、正月に食べる風習がある。樹木の形状は低木であり、直立ないし匍匐する。枝を張ったり、からみついたりと、成育の特性は多彩。語源は、莢が上を向いてつき物をささげる手つきに似ているからという説[1]、莢を牙に見立てて「細々牙」と言ったという説、豆の端が少々角張っていることからついたという説など諸説ある。藤色、紫、ピンクなど様々な色の花をつける。花の形は蝶形花である。穀物用種は、さやが10-30cmで固く、豆は1cm程度の腎臓形で、白・黒・赤褐色・紫色など様々な色の斑紋をもつ。白い豆には一部に色素が集中して黒い目のような姿になるため、ブラック・アイ・ピー(黒いあざのある目を持つ豆)と呼ばれる。つる性種は草丈が2mから4mになるのにたいし、つるなし種の草丈は30cmから40cm。ナガササゲと呼ばれる品種は100cmに達する。耐寒性は低いが、反面暑さには非常に強い。日本では、平安時代に「大角豆」として記録が残されている。江戸時代の『農業全書』には「?豆」という名前で多くの品種や栽培法の記述がある。また、アズキは煮ると皮が破れやすい(腹が切れる=切腹に通じる)のに対し、ササゲは煮ても皮が破れないことから、江戸(東京)の武士の間では赤飯にアズキの代わりに使われるようになった。

◇生活する花たち「あさざ・露草・うばゆり」(東京白金台・自然教育園)


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