9月17日(日)

晴れ
夏草をまた夏草を鎌倉へ   正子
秋海の見えて潮濃く匂いけり 正子
帆を立ててヨットは沖に犇めけり 正子
極楽寺門前さやかに花芙蓉  正子
 成就院
結界に来て花葛の真っ盛り 正子
●七里ガ浜へ
鎌倉の七里が浜へ句美子と出かける。10時48分発の元町中華街行きに乗るため、日吉のプラットホームで待ち合わせる。横浜からは逗子行で鎌倉まで。鎌倉から江ノ電で七里が浜へ。江ノ電は観光客でごったがえしていて、一電車遅らせて乗る。この状態はわかっているが、なかなか出かけるチャンスがない。
七里が浜へ12時すぎに着いたので、レストランの予約時間の1時まで砂浜へ下りて遊ぶ。江ノ電を降りて川沿いを海へ歩くとすぐに潮の匂いがしてくる。濃い潮の匂いが懐かしい。ちょうど引き潮。砂は黒っぽくて、金の砂がきらきらして、踏むと足が沈む。砂浜の感触を忘れている。貝殻を土産に拾おうとするが、壊れた貝殻しかない。そもそも貝がいないのかも。波に洗われて丸くなった小石を少し拾う。
七里ガ浜には食べ物屋が多いと電車の乗客の話。たしかに海岸沿いにレストランや喫茶店がずらりと並んでいる。海岸の道路は、オートバイをバリバリ噴かしたり、ロールスロイスや、面白い車が走っている。グレアムグリーンのハードボイルドの小説のような風景。ヨットがたくさん沖にでて、サーファーやウィンドサーフィンをする人たちでいっぱいだ。
1時に予約していたイタリアンのアマルフィ本店へ入る。七里ガ浜のレストランやカフェは、みんな海へ向いてどこからでも海が見える。案内されたのは2階の海が見える席。スパゲッティをさっと食べて寺を巡るつもりが、そうはいかなかった。句美子が本店しか予約がとれなかったと言うのだ。ランチながらフルコース。前菜からはじまり、ライチのシャーベットとマンゴーのババロアのデザートまで、延々2時間。食事が終わったのは3時。太陽が傾き始めて海が眩しく光る。句美子に席を代わってもらって海が見えない反対側へ。来た時引き潮だったのが、潮は満ち始めて砂浜が少なくなってきている。食事の間の2時間、ずっと七里ガ浜の海を見ていた。
房総半島の方へ橋が伸びているように見えた。あれって、アクアライン?と聞いて、句美子に叱られる。アクアラインが見えるはずがないでしょ。レストランの人に聞くと、ヨットだという。沖まで白い橋脚のようにヨットの帆が並んでいるのだ。いつもに増して今日はたくさんのヨットが沖にでているそうだ。
レストランを出て鎌倉行に乗り、極楽寺駅で降りる。電車も駅も混雑。暑さに参りながら、駅から近い極楽寺に行く。山門の茅葺屋根が美しい。芙蓉、萩、曼殊沙華、百日紅が咲いてこじんまりしたきれいなお寺。極楽寺を出て、徒歩数分の成就院へ。成就院は真言律宗。石段を上り西の結界から入る。葛の花が盛り。石段を上ったところから由比ガ浜の海が見える。そこを下ると東の結界の入り口に至るが、紫陽花と萩が植えられている。萩は咲きはじめ。境内にはいると、白曼殊沙華、羊草。弘法大師の像。なで蛙。境内は狭い。
暑さで体力消耗。お土産も買わず、鎌倉から横浜へ。そごうで、句美子とお茶をして帰る。私はくず小倉、句美子はくずあられ。横浜からは特急がきたので乗り、句美子とは菊名で別れて帰った。念願の七里ガ浜行きの小旅行はたのしかった。今日は何回電車で席を譲られただろう。尋常ではない。どれも断りはしたが。

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