★雉啼くや子二人育てつつ暮らす 正子
物の本によれば、雉はメスだけが子育てをするのだそうですね。うちもそうでしたが夫が仕事に忙しい間は妻一人で子育てをしなければならないときもあったでしょう。そんな時、雉の鳴き声はどのように聞こえたことでしょうか。(小西 宏)
○今日の俳句
水色のそらに連翹の明るい岸/小西 宏
感動のありどころを、論理的に詰めて表現するとリアルな句になる。水色の空であるから、真っ黄色い連翹の咲く岸がくっきりと眼前に見える。そのコントラストが美しい。(高橋正子)
○葵菫(あおいすみれ)
[あおいすみれ/東京白金台・自然教育園]
★山路来て何やらゆかしすみれ草 芭蕉
★骨拾ふ人にしたしき菫かな 蕪村
★菫程な小さき人に生れたし/夏目漱石
★すみれ咲く小さきゆえの濃むらさき/高橋正子
葵菫(アオイスミレ、Viola hondoensis)は、 スミレ科スミレ属の多年草。山野や路傍の湿地に生える。全株に細毛がある。葉は根生し、長い柄をもつ心臓形。早春一番早くに咲くすみれで、とても小さく草丈は10cm足らず。淡紫色の花を横向きにつける。別名:ひなぶき。
スミレ(菫)は、スミレ科スミレ属の植物の総称であるが、狭義には、Viola mandshurica という種の和名であるが、類似種や近縁種も多く、一般にはそれらを区別せずにスミレと総称していることが多い。
種名としてのスミレ(Viola mandshurica)は、道ばたで春に花を咲かせる野草である。深い紫(菫色)の花を咲かせる。地下茎は太くて短く、多数の葉を根出状に出す。葉は根際から出て、少し長めの葉柄があって、少しやじり形っぽい先の丸い葉をつける。花は独特の形で、ラッパのような形の花を横向きかやや斜め下向きにつける。5枚の花びらは大きさが同じでなく、下側の1枚が大きいので、花の形は左右対称になる。ラッパの管に当たるのは大きい花弁の奥が隆起したもので距(きょ)という。花茎は根際から出て、やや立ち上がり、てっぺんで下を向いて花のラッパの管の中程に上側から着く。平地に普通で、山間部の道ばたから都会まで、都会ではコンクリートのひび割れ等からも顔を出す。山菜としても利用されている。葉は天ぷらにしたり、茹でておひたしや和え物になり、花の部分は酢の物や吸い物の椀ダネにする。ただし他のスミレ科植物、例えばパンジーやニオイスミレなど有毒なものがあるため注意が必要である。
コメント
お礼
高橋正子先生
「水色のそらに連翹の明るい岸」を先生の「今日の俳句」にお取上げ下さり、たいへんありがとうございました。
鑑賞
★雉啼くや子二人育てつつ暮らす 正子
物の本によれば、雉はメスだけが子育てをするのだそうですね。うちもそうでしたが夫が仕事に忙しい間は妻一人で子育てをしなければならないときもあったでしょう。そんな時、雉の鳴き声はどのように聞こえたことでしょうか。