晴れ
秋朝日洗車の水をかがやかす 正子
柿の実の粉吹くほどに空晴るる 正子
テーブルの林檎黄みどりよく匂う 正子
●朝起きたのは6時すぎ、晴れて気持ち良かった。5丁目の丘に小鳥が来ているだろうと、散歩に出かけた。かりんの実が鈴なりに生っている家がある。富有柿がよく熟れている家もある。一番楽な路を上ることにして、鯛ヶ崎公園のところから上った。鵯がよく鳴いていた。丘の小学校の近くに来ると、グランドのネットに鳥の群れがいる。椋鳥が二十羽ほどと、インコが十羽ほど。椋鳥もインコもすぐ近くの森とネットを行き来している。インコは大きくて、朝日に黄緑色の羽をきらめかせている。四十雀の地鳴きの声が聞こえるので、樹の中をのぞくと姿が見えた。
坂の途中で洗車している人に会ったが、ほかには、誰にも合わなかった。わが家の前を散歩する人が急に通らなくなって、信之先生とあの人どうしたんだろう、という話をすることがあった。信之先生だって、気が付けば、見かけないということになっていたに違いない。老人は、ほんとうに明日はどうなるかわからないところを生きている。
●編集は予定分は進んだが、もしかして、編集が難しいのではと思い始めた。自分の原稿を1月号に入れるかどうか。三週間ほど前、武満徹と小澤征爾の音楽の対談を読んでいたとき、それはそれで面白く、貴重な内容だったが、リルケが読み進めなくなった。それで途中でやめた。そのとき、高階秀爾の近代西洋絵画の話も読んでいたが、リルケが読めないということはなかった。それは、画や音楽と文学との関係性という単純なものではないと思うが、何でこうなるのだろうか、と。
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