★ストーブの出されしばかりが炎の清し 正子
寒さに耐えかねてストーブを出して火をつけると新鮮な炎の火に満たされて、その火の暖かに心も休まりますね。(小口泰與)
○今日の俳句
きらきらと浅間の星や冬に入る/小口泰與
「浅間」が効いている。冬に入って浅間の夜空がきりっと澄むと、星が神秘的なまでにきらめく。山国の羨しい星空である。(高橋正子)
○句美子の句集
句美子の句集『手袋の色』の件で、句美子と出版社の文學の森を訪問。林誠司編集長と室伏スタッフと句集の打ち合わせをした。打ち合わせは1時間ほど。大井恒行編集顧問にもお会いでき、来客者の写真をブログに載せているので、といって句美子と二人の写真を撮ってくださった。文學の森は、高田馬場にあって、日吉本町の自宅から1時間ほどで着いた。初校は年末か、新年早々となる予定。
○文學の森編集部のブログ
<橋正子・句美子両氏来訪>の題で、文學の森編集部のブログに顧問の大井恒行さんの記事が載った。
昼過ぎ、「花冠」の代表・高橋正子女史と句美子穰がわざわざ訪ねてこられた。句集制作の相談にみえたのだ。編集長・林が対応して、愚生は挨拶のみ。
過日お宅にお伺いして、高橋信之氏と楽しくも有意義な時間を過ごさせていただいた。そのときにお会いしたのが初めてであったのだが、お名前だけは、30数年前から知っていた。かつて小西昭夫や東沙逍など、「花綵列島」の母体となった俳句会の指導者だったように記憶している。
初めての拝謁であったが、80歳を越えられてなお、年齢を感じさせない、俳句に対する情熱が溢れていた。いち早くインターネットも活用されていたように思う。ともあれ、娘さんの句美子氏の句集、どのような句集になるのか楽しみに待ちたい。名前からして、俳句を創るために名付けられたような感じだ。
http://editor.bungak.com/
○実葛(サネカズラ)
[実葛/ネットより] [実葛/東京白金台・自然教育園]
★葉がくれに現れし実のさねかづら/高浜虚子
★境内か否かを知らずさねかづら/森田 峠
★木洩日や美男葛の葉がくれに/山下渓水
★行きすぎて戻りて美男葛の実/川崎展宏
★悔い多し美男葛の実を数え/小堤香珠
★下心ありやに美男葛の実/阿部寿雄
★人恋し美男葛に風吹けば/大野温子
★雨脚のときをり烈し実葛 しじみ
★さねかづらの赤く熟れたる実を見つけ/高橋正子
実葛(サネカズラ、学名:Kadsura japonica)は、マツブサ科サネカズラ属の常緑つる性木本。別名、ビナンカズラ(美男葛)。葉は長さ数cmでつやがあり互生する。ふつう雌雄異株で、8月頃開く花は径1cmほど、10枚前後の白い花被に包まれ、中央におしべ、めしべがそれぞれ多数らせん状に集まる。雌花の花床は結実とともにふくらみ、キイチゴを大きくしたような真っ赤な丸い集合果をつくる。花は葉の陰に咲くが、果実の柄は伸びて7cmになることもあり、より目につくようになる。単果は径1cmほどで、全体では5cmほどになる。果実は個々に落ちてあとにはやはり真っ赤なふくらんだ花床が残り、冬までよく目立つ。関東地方以西、西日本から中国南部までの照葉樹林によく見られる。庭園に植えることもある。ビナンカズラともいうが、これは昔つるから粘液をとって整髪料に使ったためである。盆栽として栽培もされる。果実を漢方薬の五味子(チョウセンゴミシ)の代わりに使うこともある。
古歌にもしばしば「さねかづら」「さなかづら」として詠まれ、「さ寝」の掛詞として使われる。
名にし負はば 逢坂山のさねかづら 人に知られで くるよしもがな (藤原定方、百人一首25/後撰和歌集)
コメント
小口泰與
高橋正子先生
「冬に入る」の句を11/27の正子先生の俳句日記にお取り上げ頂き、素晴らしい句評を頂き大変に嬉しく感謝申し上げます。有難うございました。
◎ストーブの出されしばかりが炎の清し/高橋正子 寒さに耐えかねてストーブを出して火をつけると新鮮な炎の火に満たされて、その火の暖かに心も休まりますね。