11月1日(土)

★冷たさも露けさもスライスオニオン  正子
「スライスオニオン」に露けさをお感じになり、またそこに冷たさも味わわれて、晩秋の白さのようなものを造形なさいました。その澄明さに見とれ、句のリズムに聞き惚れます。(小西 宏)

○今日の俳句
蟷螂の路上を這える青きまま/小西 宏
秋になると蟷螂も枯れ色をしたのが眼に付く。ところが、路上に出てきた蟷螂がゆっくりとした動きだが、青きまま。「青きまま」が却ってあわれを誘う。(高橋正子)

○金水引(キンミズヒキ)

[金水引/横浜・四季の森公園]_[銀水引/東京・向島百花園]

★金水引のきらきら森の正午となる/高橋信之

 キンミズヒキ(金水引、学名:Aqrimonia pilosa)は、バラ科キンミズヒキ属の多年草。本州、四国、九州などの林の縁、原野、路傍に普通に見られる。草丈1メートル程に伸びて、全株に長毛が密生し、葉は互生し、羽状の複葉で表面に腺点がある。大小ふぞろいの小葉からなっているが、根元につくものは大きくなる。長い葉柄には葉状で縁がぎざぎざの托葉(たくよう)がある。花は、夏から秋にかけ、長くのびた茎の上部に黄色5弁の小さなものを穂状につけ、果実は宿存がくの内側にでき、そのがくの縁には鋭くて内側に曲がった刺毛が多数でき、この刺毛が衣類等に附着して散布に役立っている。
 キンミズヒキの名前の由来は、ミズヒキは「水引」の意味で、夏に黄花の小花を細長く穂のように咲かせる姿から「金色の水引」に見たてこの名前がついたという。
中国では、果実の刺毛が内側に曲がった姿から「竜の牙(きば)」を連想して、龍牙草(りゅうげそう)という漢名があり、それを音読みして生薬名になった。 また、キンミズヒキの果実が衣類に簡単につきやすいことから、ヒッツキグサという別名もある。キンミズヒキ属は、アグリモニアといい、ギリシャ語で刺の多い植物という意味のアルゲモネからきている。キンミズヒキは、日本から東ヨーロッパまで広く分布して、全体に小型のものはヒメキンミズヒキと呼ばれ、日本の特産種。夏から初秋の開花期に全草を掘り採り、水でよく洗って天日で乾燥し、生薬名は龍牙草(りゅうげそう)又は、仙鶴草(せんかくそう)という。春先の若芽や若葉を摘み、熱湯で茹でて水にさらしてから、おひたしや和え物にしたり、汁の実にしたりして食べる。

◇生活する花たち「秋の野芥子・銀木犀・金木犀」(横浜日吉本町)


コメント

  1. 小西 宏
    2014年11月6日 15:12

    お礼
    高橋正子先生
    「蟷螂の路上を這える青きまま」を先生の「俳句日記」にご紹介くださり、たいへんありがとうございました。

  2. 小西 宏
    2014年11月6日 15:14

    鑑賞
    ★冷たさも露けさもスライスオニオン  正子
    「スライスオニオン」に露けさをお感じになり、またそこに冷たさも味わわれて、晩秋の白さのようなものを造形なさいました。その澄明さに見とれ、句のリズムに聞き惚れます。