10月22日(木)

★起きぬけの目にりんりんと曼珠沙華  正子
秋の彼岸ごろ、川辺の堤や畦、お寺さんなどに、葉の無い花茎を急に伸ばして、頂に真紅の美しい花を輪状に咲かせる。群生して、その辺りを、真赤に燃え立たせ、特に起きぬけの目には妖凄な感じがいたしますね。 (小口泰與)

○今日の俳句
直立の日矢や藁塚一列に/小口泰與
朝早くだろう。山里などでは日が高く昇り、日矢は真上近くから差し込んでくる。それを「直立の日矢」といった。その日矢が一列に並ぶ藁塚に差し、山里は神々しいまでの朝だ。(高橋正子)

○昨日岡田史乃さんの句集『ピカソの壺』をお嬢さんの辻村麻乃さんが信之先生と私宛にお送りくださった。「篠」の174号も同封されてあった。句集は、華やかなでいて芯のある装丁。赤い布地がよい色合い。「はなぎれ」の美しさに感動。通し読みさせていただいて、覚えた句もあって、今日はときどき思い出して、その句意を考えたりした。
○自然教育園に信之先生と午後出かける。写真クラブの人たちがいたり、結構人がいた。水生植物園いいるとき、園内の烏が50羽はいただろう、空に一斉に鳴き散った。帰り際に写真家の人が、大鷹が烏を襲った瞬間の写真を撮ったと見せてくれた。あの烏は、大鷹に仲間が襲われたために大騒ぎで空に逃げたのだろうと想像できた。今日の花は、しろよめな、ゆうがぎく、のこんぎく、野葡萄、藤袴、つりふねそう、溝そば、。ねかずらの実、むらさきしきぶの実、からたちばなの実が熟れていた。
帰りジョナサンで、早い夕食。はやくも牡蠣おフライやみそ味の包み焼きが出された。やっぱり牡蠣はフライかな。甲状腺を半分摘出手術して、このごろは、多少疲れやすくなった感じがする。(2015)

○野葡萄

[野葡萄/北鎌倉・東慶寺]

★野葡萄の色に遠野の物語 佐藤みほ
★野葡萄の瑠璃の惜別牧を閉づ 村上光子
★野葡萄や岩の迫り出す漁師町 仲尾弥栄子
★野葡萄の葉擦れの音も冬に入る 清水伊代乃
★野葡萄や滝を見にゆく道々に 阿部ひろし
★蒼穹に野葡萄が実をかかげたり 山村修
★野葡萄の色付き初めし城址かな 内田和子
★野ぶだうや湖畔の杜の写生会 大島英昭
★野葡萄の熟れ豊頬の石地蔵 中山純子
★野葡萄や四囲の山稜雲生みて 大竹淑子
★野葡萄の同じ瑠璃色ひとつも無し 栗田れい子
★野ぶだうの透明をただ呟きて 井上信子
★野葡萄をふふみて森の人となる 石田きよし
★野葡萄や何処に立つも水の音 飯田角子
★野葡萄の聯はそのままそのままに 瀬川公馨

 ノブドウ(野葡萄、Ampelopsis glandulosa var. heterophylla)はブドウ科ノブドウ属に属するつる性落葉低木。日本全国のほか東アジア一帯に分布し、アメリカにも帰化している。やぶに多く見られ、都市でも空地などに見られる。
 葉はブドウやヤマブドウに似ることもあるが、別属であり、特に果実は葉と交互につくなどブドウ類とは異なる。 果実は、熟すと光沢のある青や紫などに色づくが、食味は不味い。園芸植物として栽培されることがある。
 ノブドウ属(Ampelopsis)の植物はアジア・アメリカに20種ほどある。ウドカズラ(A. leeoides または A. cantoniensis)日本に自生し、葉はウドに似た2回羽状複葉で、実は赤く熟する。カガミグサ(白斂:ビャクレン、A. japonica)中国原産。漢方薬に使われる。

◇生活する花たち「犬蓼・金木犀・白曼珠沙華」(横浜四季の森公園)


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