■8月月例ネット句会入賞発表■

■8月月例ネット句会/入賞発表■
2024年8月12日

【金賞】
21.朝影の田に濃きみどり秋立てり/柳原美知子
「朝影」は朝日の光のこと。朝日が田んぼに射すと、緑濃くなった田んぼに爽やかな風が吹き、立秋を知る。朝影のイメージと響きが美しく、季節の移り変わりを大切に思う心がみえてくる。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
02.茄子の葉へ軽い音してにわか雨/吉田 晃
にわか雨の降り始めに、茄子の広げた葉に軽く音を立てて雨が落ち始めた。その時の様子が、リアルに伝わってくる。「軽い音」に茄子も雨も生き生きとしている様子がうかがえる。(髙橋正子)

31.いかづちや東京の夜を真っ二つ/西村友宏
大都会の東京でも雷光と雷鳴に夜空が真っ二つに割かれるような激しい雷があった。「夜」「真っ二つ」に力強さがあり、雷の力強さを示す句となった。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
22.白壁を朝顔の紺のぼりきる/川名ますみ
白壁と朝顔の紺の対比が美しい句。また、「のぼりきる」に作者の決意ともいえるような強い内省的な意志が見えて、美しさに加えてのよさとなっている。(髙橋正子)

30.赤とんぼおのおの翅をきらめかせ/多田有花
赤とんぼが群れ飛んでいる。それぞれに陽があったって、それぞれの翅が向きむきで、どの赤とんぼの翅もきらめいている。赤とんぼの世界が別世界のように思える。(髙橋正子)

35.夏晴れる瀬戸内海の田舎町/髙橋句美子
瀬戸内海の夏は、かつては塩田に象徴されたように、雨が少ない瀬戸内式気候と言われる特徴を持っている。晴れると夏の強烈な日差しが射すが、どこか細やかな陰影を見せる晴れ方である。その瀬戸内の田舎町は、古い町並みが夏陽に照らされ、特別な印象をもって、目に残るのだ。(髙橋正子)

【髙橋正子特選/7句】
02.茄子の葉へ軽い音してにわか雨/吉田 晃
俄雨の中の茄子畑の様子を良く見ている。軽い音が良い。 (廣田洋一)

14.母がむく桃を頬張る帰省の子/高橋秀之
帰省した子に旬のおいしいものを食べさせたいと思う母心。童心にかえって母の気持ちに甘える子。成長した子に幼き日の面影を重ね、微笑ましく見守る作者です。 (柳原美知子)

21.朝影の田に濃きみどり秋立てり/柳原美知子
朝影の映る田の鮮やかな緑の葉がさやさやと風になびいている。初秋の爽やかな一日が始まる。(弓削和人)

22.白壁を朝顔の紺のぼりきる/川名ますみ
きっと白壁を這う朝顔が紺の花を咲かせているのでしょう。爽やかな朝の景色を感じます。(高橋秀之)

30.赤とんぼおのおの翅をきらめかせ/多田有花
夏から秋にかけて色々な種類の蜻蛉がみられます。特に赤とんぼうの初秋の強い日が翅に当たった姿は素晴らしいですね。(小口泰與)

31.いかづちや東京の夜を真っ二つ/西村友宏
東京の夜の激しい雷雨。ガラスの高層ビルの並びを雷光が照らし、雷鳴が轟きます。「真っ二つ」に雷の激しさが感じられます。(多田有花)
この夏は、東京にも、幾度か激しい雷雨が起きました。日頃は人工の灯が固まってきらきらと光る東京の夜景。大きな夜空に、天から地へ突き抜けるように電光が走った、その衝撃が伝わります。 (川名ますみ)

35.夏晴れる瀬戸内海の田舎町/髙橋句美子
昨今、瀬戸内海沿岸の小さな町や小島が、古い伝統を残す町並みと素晴らしい景観で脚光を浴びています。夏晴れの瀬戸内海の光景を思い浮かべ、そのことを思い出しました。(高橋秀之)

【髙橋句美子特選/7句】
02.茄子の葉へ軽い音してにわか雨/吉田 晃
茄子の葉の柔らかさを感じる句です。(髙橋句美子)

04,かなかなや峡の村なる母のさと/桑本栄太郎
かなかなの少しさびしい声を聞くと郷愁を覚えます。山峡の村の母の里に繋がる様々な思い出が蘇るひとときです。 (柳原美知子)

22.白壁を朝顔の紺のぼりきる/川名ますみ
きっと白壁を這う朝顔が紺の花を咲かせているのでしょう。爽やかな朝の景色を感じます。(高橋秀之)

27.溝萩のすっくと立ちて風のなか/髙橋正子
風が吹いても決して倒れることなく直立している様子が「すっくと」と言う表現で目に浮かびます。(西村友宏)

30.赤とんぼおのおの翅をきらめかせ/多田有花
夏から秋にかけて色々な種類の蜻蛉がみられます。特に赤とんぼうの初秋の強い日が翅に当たった姿は素晴らしいですね。(小口泰與)

21.朝影の田に濃きみどり秋立てり/柳原美知子
26.秋蝉の螺子のゆるみて鳴き終わる/髙橋正子

【入選/12句】
01.鵜がもぐる蒼き水輪の海は秋/吉田 晃
鵜にはカワウとウミウがいますがこれはウミウなのです。もぐってさかんに魚をとっています。その海もしだいに秋めいてきています。(多田有花)

07.朝涼や一湖と吾のほかになし/弓削和人
早朝の空を映すひろびろと澄んだ湖に一人佇み、朝風に吹かれる。この上ない朝涼の景です。(柳原美知子)

15.機上から青き山頂夏の富士/高橋秀之
富士山の上を飛ぶ飛行機の旅。冠雪時期は白い山頂ですが、夏場は青い山頂です。ここにも日本の夏があります。(多田有花)

16.山の日や湯煙高く露天風呂/廣田洋一
山に登って山の露天風呂を楽しむのは山登りの大きな楽しみのひとつです。麓に下りてそこの露天風呂から今登った山を仰ぐのもまたよし。(多田有花)

18.秋の蝉命の限り鳴き続け/廣田洋一
夏蝉に続いて秋を知らせてくれる蝉も七年もの土の中から地上に出てきて、ほんの短い期間を樹々を渡って命の限り鳴き声を聞かせてくれる。その最後の
声を心して聞きたいものです。 (柳原美知子)

24.新涼やけさ心地好き朝寝坊/川名ますみ
これ迄熱帯夜が続き、寝苦しかったもののここ数日、漸く朝方は涼しくなって参りました。涼しい朝方の心地よい睡眠に、朝寝坊を楽しむ作者が見えます。如何にも新涼の心地である。 (桑本栄太郎)

28.昼寝より覚めれば法師蝉の声/多田有花
昼寝はある意味至福のひととき。その昼寝から目覚めると聞こえてくるのは法師蝉。残暑厳しき中にも確実に秋が近づいてくることを感じさせてくれます。(高橋秀之)

09.大西日犬にホースの水しぶき/弓削和人
11.老鶯の声の整う沼の木木/小口泰與
19.草照らす手花火窓より愛猫も/柳原美知子
20.浄瑠璃の語りに凉し人形の所作/柳原美知子
33,ビル抜けて仕事終わりの盆の月/西村友宏

■選者詠/髙橋正子
25.夕焼けの窓を連ねて東横線
渋谷から横浜へ向かう東横線の電車。西へ行く電車の全車両の窓に夏の西日が射している。夕焼けを窓満載に横浜へ向かうのである。東横線…大学生時代を思い浮かべる、懐かしい響きである。 (吉田晃)

26.秋蝉の螺子のゆるみて鳴き終わる
勢いよく鳴いていたツクツクボウシでしょうか。だんだんと消え入るように鳴き止む様子が「螺子のゆるみて」によく表されていて面白くも儚くもあります。 (柳原美知子)

27.溝萩のすっくと立ちて風のなか
風が吹いても決して倒れることなく直立している様子が「すっくと」と言う表現で目に浮かびます。(西村友宏)

■選者詠/髙橋句美子
35.夏晴れる瀬戸内海の田舎町
昨今、瀬戸内海沿岸の小さな町や小島が、古い伝統を残す町並みと素晴らしい景観で脚光を浴びています。夏晴れの瀬戸内海の光景を思い浮かべ、そのことを思い出しました。(高橋秀之)


34.色とりどり浴衣に埋まる河川敷
36.花火の輪枝垂れ落ちて輝き散る

●互選最高点句(6点/同点3句)
02.茄子の葉へ軽い音してにわか雨/吉田 晃
22.白壁を朝顔の紺のぼりきる/川名ますみ
31.いかづちや東京の夜を真っ二つ/西村友宏

※コメントのない句にコメントをよろしくお願いします。思ったこと、感じたこと、ご自由にお書きください。

■8月月例ネット句会清記■

■8月月例ネット句会清記■
2024年8月11日
36句(12名)

01.鵜がもぐる蒼き水輪の海は秋
02.茄子の葉へ軽い音してにわか雨
03.好物の甘き西瓜を買いもどる
04.かなかなや峡の村なる母のさと
05.抜駆けのように鳴き居り法師蝉
06.勇気とて暑さにしぼむ草田男忌
07.朝涼や一湖と吾のほかになし
08.動かざる嶺より来る大暑かな
09.大西日犬にホースの水しぶき
10.隠沼の川蝉自由奔放に

11.老鶯の声の整う沼の木木
12.鮎提げ駆け来る園児顔さやか
13.立秋や青空見上げて深呼吸
14.母がむく桃を頬張る帰省の子
15.機上から青き山頂夏の富士
16.山の日や湯煙高く露天風呂
17.秋天にしかと掴みし金メダル
18.秋の蝉命の限り鳴き続け
19.草照らす手花火窓より愛猫も
20.浄瑠璃の語りに凉し人形の所作

21.朝影の田に濃きみどり秋立てり
22.白壁を朝顔の紺のぼりきる
23.晩夏光褪せし色して足もとに
24.新涼やけさ心地好き朝寝坊
25.夕焼けの窓を連ねて東横線
26.秋蝉の螺子のゆるみて鳴き終わる
27.溝萩のすっくと立ちて風のなか
28.昼寝より覚めれば法師蝉の声
29.夕刻や秋をすすめる驟雨来る
30.赤とんぼおのおの翅をきらめかせ

31.いかづちや東京の夜を真っ二つ
32.一瞬に夜空彩る大花火
33,ビル抜けて仕事終わりの盆の月
34.色とりどり浴衣に埋まる河川敷
35.夏晴れる瀬戸内海の田舎町
36.花火の輪枝垂れ落ちて輝き散る

※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。

■8月月例ネット句会ご案内■

■8月月例ネット句会ご案内■
①投句:当季雑詠3句
8月5日(月)午前6時~8月11日(日)午後5時
②投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:8月11日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:8月12日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、8月15日(月)正午~8月18日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:髙橋句美子・西村友宏

ご挨拶/7月月例ネット句会を終えて

今日は梅雨明けか、という予報も出ています。実際、どうなるのでしょう。梅雨が明ければ暑い本番の夏が来ること間違いなしです。暑さにはお互いに気をつけましょう。

7月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。今月は12名の皆さんにご参加いただきました。いろいろご用が色々ある中、選と丁寧なコメントをありがとうございました。入賞の皆様おめでとうございます。コメント欄にコメントやお礼などは、まだ受け付けていますので、自由にお書きください。
これで、7月月例ネット句会を終わります。
髙橋正子
2024年7月18日

■7月月例ネット句会入賞発表■

■7月月例ネット句会入賞発表■
2024年7月15日

【金賞】
13.水弾く真っ赤なトマトを丸かじり/高橋秀之
誰にでもわかる易しいことばと、率直な詠み方に俳句の本質を見る句と思う。採れたての真っ赤に熟れたトマトを、勢いよく流れる水の下で洗い、水滴のあるままそれを丸かじりする。ずばり、トマトのおいしさが伝わってくる。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
22.初蝉の朝のひと声艶やかに/吉田 晃
朝、今年はじめて、ひと声鳴く蝉の声を聞いた。その新鮮な驚きと、夏が来たと言う実感が「艶やかに」に洗われている。蝉の姿まで艶やかに思われる。(髙橋正子)

28.夕焼の雲を押し上げ富士現る/川名ますみ
空に広がる夕焼雲を押し上げて富士山の山頂が現れる。力強い富士山と夕焼雲のある景色があきらかに目に見えて来る。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
16.谷水に声を響かせほととぎす/柳原美知子
谷水を汲もうとしているのか。ほととぎすの鋭い声が、谷水を響かせるように聞こえる。谷水とほととぎすの声のある景色に山気を感じて涼しいそうだ。(髙橋正子)

17.青紫蘇を薫らせ日々の厨事/柳原美知子
今私のベランダにも青紫蘇がこんもりと繁っているが、毎日数枚を採って料理に楽しんでいる。美知子さんも日々の厨ごとに何かにつけて、青紫蘇を使っ使い薫らせている。清々しい日々の暮らしがいい。(髙橋正子)

34.テレワーク窓を開ければ星涼し/西村友宏
日中のテレワーク中は、窓を閉め切ってクーラーをかけている。根詰めていたテレワークの仕事が終わり、窓を開ければ星が涼しそうに輝いている。星の美しさを実感し、ほっとするひとときだ。「テレワーク」はコロナ禍を経て日常化した言葉。(髙橋正子)

【髙橋正子特選/7句】
13.水弾く真っ赤なトマトを丸かじり/高橋秀之
家庭菜園で採れたトマトやナス、胡瓜を水桶に漬けて居ります。その中の真っ赤に熟れたトマトを丸かじりすれば、至福の美味しさです。 (桑本栄太郎)
夏の盛りに、みずみずしい真っ赤な大きなトマトを丸かじりしながら、したたる果汁を拭う情景が想い浮かぶ。「真っ赤な」と表現したことが、水の青色とトマトの赤色のコントラストが清々しい。(弓削和人)
よく熟した瑞々しいトマト。一番美味しい食べ方は、やはり「丸かじり」でしょう。率直な言葉選びで、情景がダイレクトに届きます。 (川名ますみ)

28.夕焼の雲を押し上げ富士現る/川名ますみ
夕焼け雲が切れて富士山が見えるようになりました。「雲を押し上げ」と富士山自身が意志を持っているようです。夕焼け空の中に聳える神々しいまでの富士山の姿です。 (多田有花)
28.押し上げるという表現で富士山の力強さを感じると共に厳かな光景が目に浮かびます。(西村友宏)

16.谷水に声を響かせほととぎす/柳原美知子
ホトトギスの鳴き声を「テッペンカケタカ」と表現するが、実際の声は丸みを帯びた可愛らしい声であり、青葉繁る谷にその声を響かせる。涼しい風を感じさせてくれる。(吉田晃)

32.ナイターの光夜空を突き抜ける/髙橋句美子
夜空を突き抜けるナイターの光の華やぎに昼間の仕事からの解放感やひろびろとした夜空の涼しさが感じられ、楽しい観戦のひとときが想像されます。 (柳原美知子)

17.青紫蘇を薫らせ日々の厨事/柳原美知子
22.初蝉の朝のひと声艶やかに/吉田晃
34.テレワーク窓を開ければ星涼し/西村友宏

【髙橋句美子特選/7句】
01.小燕の店番となり道の駅/弓削和人
小燕の声が挨拶のように賑やかに思います。みちの駅も旅行客で賑わっている様子がうかがえます。(髙橋句美子)

11.大聖火向かうはパリや夏旺/廣田洋一
大聖火は無事にパリに到着し市内をめぐってるようです。夏の盛りのオリンピック、世界が少しでも明るい未来へとひらかれるよう、アスリートの方々の
活躍を見守りたいですね。 (柳原美知子)

03.六月の樹々雨音を迎えたり/弓削和人
新樹にとって雨は必要不可欠なもの。喜んで雨と雨音を迎えたことでしょう。絵本を見るようです。 (柳原美知子)

20.ふる雨の強さにゆれる白睡蓮/髙橋正子 
雨の中の白睡蓮の揺れる様子に、雨音、風の音、水の音、水の色などが感じられ、白睡蓮の存在感が晴れている時よりもさらに強く感じられるようです。
(柳原美知子)

13.水弾く真っ赤なトマトを丸かじり/高橋秀之
15.海沿いを走る電車に夏の雨/高橋秀之
28.夕焼の雲を押し上げ富士現る/川名ますみ

【入選/10句】
05初蝉の忽と鳴き初め即止みぬ/桑本栄太郎
初夏になると子供のころの懐かしい蝉の声があちらこちらから聞こえてくる。野原を駆け回り疲れた体で一休みしていると、頑張れと蝉の一声に励まされてまた遊びほけた事が思い出される。 (小口泰與)

23.ぶらんこの子に梅雨空の休みけり/吉田 晃
実際には梅雨の中休みの時間に子どもたちが公園のぶらんこを楽しんでいるのでしょうが、ぶらんこの子を主体に捉えた楽しい目線の句を感じます。(高橋秀之)

24.向日葵の鉢の新装喫茶店/吉田 晃
いきつけの喫茶店でしょうか。それとも新しくオープンした店?向日葵の鉢がそこに飾られました。仲間が毎朝集まってモーニングを楽しむ情景を想像します。(多田有花)

27.朝凪の終わり吹き初め今朝の風/多田有花
朝凪が終わる。風が吹く。今朝の風はその吹き初め。夏がやってきたと感じる朝の一コマがそこにあります。(高橋秀之)

35.扇風機のメモリを「強」へ風呂あがり/西村友宏
すごく気持ちが分かります。自然の行動を素直に表現されていると感じます。(高橋秀之)

22.威勢よく草刈る男の腕まくり/弓削和人
04.驟雨止み雨雲峡にとどまれり/桑本栄太郎
07.風鈴やまた聞し召す赤ワイン/小口泰與
08.一本のばらのくずれる朝かな/小口泰與
12.世事忘れ避暑の旅へと出かけたり/廣田洋一

■選者詠/髙橋正子
19.あおあおと蓮の花托の葉を抜きぬ
蓮は最初に若葉が池の面に張り付くように出てきます。巻葉が水面から立ち上り花托もそれに続きます。初夏から晩夏へと移り変わっていく蓮の生長の瞬間をとらえておられます。(多田有花)

20.ふる雨の強さにゆれる白睡蓮 
雨の中の白睡蓮の揺れる様子に、雨音、風の音、水の音、水の色などが感じられ、白睡蓮の存在感が晴れている時よりもさらに強く感じられるようです。
(柳原美知子)

21.風鈴に風の声聞く盆法会

■選者詠/髙橋句美子
2.ナイターの光夜空を突き抜ける/髙橋句美子
夜空を突き抜けるナイターの光の華やぎに昼間の仕事からの解放感やひろびろとした夜空の涼しさが感じられ、楽しい観戦のひとときが想像されます。 (柳原美知子)

33.真新しい色の夏帽小旅行
今の夏に新調した夏帽子なのでしょう。小旅行の楽しさと相まって、わくわくする気持ちを感じます。(高橋秀之)

31.とりどりの願い事揺れ七夕笹

●互選最高点句(8点)
13.水弾く真っ赤なトマトを丸かじり/高橋秀之
集計:髙橋正子
※コメントのない句にコメントをよろしくお願いします。思ったこと、感じたこと、ご自由にお書きください。
さい。

■7月月例ネット句会清記■

■7月月例ネット句会清記■
2024年7月14日
36句(12名)

01.小燕の店番となり道の駅
02.威勢よく草刈る男の腕まくり
03.六月の樹々雨音を迎えたり
04.驟雨止み雨雲峡にとどまれり
05.初蝉の忽と鳴き初め即止みぬ
06.掘割りの鯉の寄り来る?外忌
07.風鈴やまた聞し召す赤ワイン
08.一本のばらのくずれる朝かな
09.豊満な水着の少女湖の辺に
10.白靴を履きたる婦人色白し

11.大聖火向かうはパリや夏旺
12.世事忘れ避暑の旅へと出かけたり
13.水弾く真っ赤なトマトを丸かじり
14.晴れの日は目覚まし代わり蝉の声
15.海沿いを走る電車に夏の雨
16.谷水に声を響かせほととぎす
17.青紫蘇を薫らせ日々の厨事
18.梅雨長し青春の地に土砂崩れ
19.あおあおと蓮の花托の葉を抜きぬ
20.ふる雨の強さにゆれる白睡蓮

21.風鈴に風の声聞く盆法会
22.初蝉の朝のひと声艶やかに
23.ぶらんこの子に梅雨空の休みけり
24.向日葵の鉢の新装喫茶店
25,浴衣着て今宵は野球応援に
26.夏祭り知らせる朝の町内放送
27.朝凪の終わり吹き初め今朝の風
28.夕焼の雲を押し上げ富士現る
29.盆用意ようやく慣れて静かなり
30.紺青のレースを羽織り車椅子

31.とりどりの願い事揺れ七夕笹
32.ナイターの光夜空を突き抜ける
33.真新しい色の夏帽小旅行
34.テレワーク窓を開ければ星涼し
35.扇風機のメモリを「強」へ風呂あがり
36.冷房の音止む夜の静寂さ

※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。

■7月月例ネット句会ご案内■

■7月月例ネット句会ご案内■
①投句:当季雑詠
7月8日(月)午前6時~7月14日(日)午後5時
②投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:7月14日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:7月15日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、7月15日(月)正午~7月18日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:髙橋句美子・西村友宏

ご挨拶/6月月例ネット句会を終えて

■ご挨拶/6月月例ネット句会を終えて■

梅雨入りしたところもあるようですが、横浜の梅雨入りはもう少し先になりそうです。このところ暑い日もあって、私はいつ買った忘れた三社祭の団扇をだして扇いでおりますが、扇風機やクーラーが欲しい方もいらっしゃるでしょう。

6月月例ネット句会にご参加ありがとうございました。梅雨入りを前にして詠んだ句がたくさんあり、楽しませていただきました。入賞の皆様おめでとうございます。また、選とコメントをありがとうございました。コメントはまだ受け付けていますので、ご自由にお書込みください。
これで6月月例ネット句会を終わります。来月は7月14日(日)となります。楽しみにおまちください。
2024年6月12日
髙橋正子

■6月月例ネット句会/入賞発表■

■6月月例ネット句会入賞発表■
2024年6月10日

【金賞】
23.夏雲に海は青さを極めけり/吉田 晃
夏雲と海の青さのコントラストに力強さがある。「極めけり」がそのコントラストを強調し、夏雲と海とが双方を強め合っている。爽快で堂々とした句。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
18.晴天や見渡すかぎりの抜き玉葱/柳原美知子
玉葱の収穫が晴天を見計らって行われた。見渡すかぎりの畑に抜き置かれた玉葱は大豊作を意味している。豊作の姿を眺め見るのもうれしいことだ。(髙橋正子)

07.参道の先で風鈴鳴り響く/高橋秀之
寺社の参道の先のほうで、風鈴市があるのか、風鈴が鳴る音が聞こえる。静かな参道に響くすずしい風鈴の音色に夏らしい生活を思う。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
01.新調の靴をおろすや風薫る/桑本栄太郎
風薫る季節の心弾む気持ちを表すかのように新調した靴をおろす。風薫るの中を運ぶ足も軽く、はつらつと歩く姿が想像できて、気持ちが良い句。(髙橋正子)

20.茄子の花薄紫をうつむきに/多田有花
茄子は葉にも茎にも花にも紫の色があるが、花は特に薄紫で下向きに咲く。この「うつむいて」咲く花には、想いがある様子で、その控えめな咲き方に惹かれるものがある。(髙橋正子)

36.薔薇のブーケ抱えて入る写真館/髙橋句美子
薔薇のブーケを抱えて写真館に入ったと言う事実だけが述べられているが、その背景や薔薇のブーケをもって写真に映る様子など場面が想像できる。特に薔薇のブーケが季節を象徴してよい記念になっている。(髙橋正子)

【髙橋正子特選/7句】
01.新調の靴をおろすや風薫る/桑本栄太郎
新調した靴をおろし、気持ちも新たに風薫る戸外へと踏み出す心地よさと意気込みが感じられます。 (柳原美知子)

23.夏雲に海は青さを極めけり/吉田 晃
夏雲と青い雲がくっきりと、誰の目からも鮮やかな情景をよくとらえています。「極めけり」の言い切りが印象深い絵画のようで、飾っておきたくなります。(弓削和人)
青空に湧き上がる白い大きな雲は生命観に溢れ力強さか満ちています。それに対して大きな海は素晴らしい青さを誇っています。まさに夏の素晴らしい景ですね。(小口泰與)
白い雲との対比で海の青さが眩しい夏の爽快感を感じました。(西村友宏)

27.青空へ伸びやかに立つ立葵/西村友宏
伸びやかというのは立葵を表すのにぴったりの形容です。同時に詠者ご自身の心の持ちようもそこに投影されています。青空へ伸びやかに立つのはご自身でもあります。(多田有花)

36.薔薇のブーケ抱えて入る写真館/髙橋句美子
何か特別な記念日なのでしょうか。写真館で写真を撮影する機会は現代生活では稀なことと思います。高揚感は薔薇のブーケにも表されています。(多田有花)
写真館で写真を撮る、きっと特別な日なのでしょう。大切に胸に抱えた花束は、今が盛りの薔薇。「ブーケ」という言葉からも、背筋がすっと伸びる、華やいだ雰囲気が伝わります。(川名ますみ)

07.参道の先で風鈴鳴り響く/高橋秀之
18.晴天や見渡すかぎりの抜き玉葱/柳原美知子 
20.茄子の花薄紫をうつむきに/多田有花

【髙橋句美子特選/7句】
13.六月のドラセナに葉の新たなる/川名ますみ
ドラセナは葉が美しいですが、六月の光にまた新しく出てきた葉が映え、色合いを楽しませてくれます。季節の喜びが感じられます。 (柳原美知子)

17.夏海へ音わたらせて二両列車/柳原美知子
時間がゆっくり流れてのどかな雰囲気がかんじられます。(髙橋句美子)

21.紫陽花や縁より彩始まりぬ/多田有花
うすみどりの毬の紫陽花がいつの間にか縁に仄かな青や紅を帯び、日毎に彩を変えていくのを見るのは梅雨の時期の楽しみのひとつですね。 (柳原美知子)

25.日が射して青葉の透ける並木道/西村友宏
青葉が日に透ける美しい並木道、清々しい風に吹かれて歩けば、心も軽く弾むようです。 (柳原美知子)

29.菖蒲田の水のめぐりを飛ぶ蛍/髙橋正子
菖蒲田に水がさざめき、菖蒲の中から蛍が舞い上がって来る。菖蒲田に水がめぐり、蛍の光がめぐる。暗闇に体が溶け込んでゆく錯覚にとらわれたのだと想像する。(吉田晃)

11.喧騒の六角張りて鉄線花/弓削和人
23.夏雲に海は青さを極めけり/吉田 晃

【入選/11句】
04.水嵩の増し来る利根や鮎遡上/小口泰與
梅雨の時期を控えて上流のダムが水位調整を始めたのでしょうか。そんな水嵩の増えた利根川で鮎が遡上する光景も自然の一コマです。(高橋秀之)

06.利根川の波の遊びて夏の月/小口泰與
まだ暮れきらぬ利根川に波がたゆたい、紺色の薄闇に浮かぶ夏の月。ゆったりと刻が流れてゆきます。 (柳原美知子)

10.渓谷の滝のしぶきや甘味店/弓削和人
何処の渓谷の滝の光景でしょうか?その滝をのぞむ場所に、甘味店があります。景観を愛でながら頂く甘味は、得も言えないほど涼やかですね。(桑本栄太郎)

14.走り梅雨カット少なき映画みる/川名ますみ
誰の作品をご覧になったのでしょうか。長回しがひとつの作風になっている映画監督もありますね。今年の梅雨入りは記録的な遅さになりそうです。(多田有花)

16.朝明ける紫陽花の色ゆらす風に/柳原美知子
今頃の季節の雰囲気を美しく詠んでおられます。朝は最も早く明けるころです。紫陽花が色づきそれを早朝の風が揺らしていきます。(多田有花)

19.驟雨来る夕餉の支度しておれば/多田有花
夕餉の支度をしていると急にどっと雨が降りだして、支度が終わらないうちにやんでしまう。まさに驟雨です。(高橋秀之)

22.放たれしここを稚鮎はふる里と/吉田 晃
稚鮎の放流があった時の感慨なのでしょうか。ふる里への思いが目の前の鮎たちにも伝わるといいですね。(高橋秀之)

31.山道になだれ咲きたる額の花/廣田洋一
なだれ咲きたるに創られた秩序ではなく、自然の力強さを感じます。(高橋秀之)

05.風薫る垣穂に隠る野鳥かな/小口泰與
08.雲間から夏の日一条降り注ぐ/高橋秀之
09.夏の海吹き寄す風は温かく/高橋秀之

■選者詠/髙橋正子
29.菖蒲田の水のめぐりを飛ぶ蛍
菖蒲田に水がさざめき、菖蒲の中から蛍が舞い上がって来る。菖蒲田に水がめぐり、蛍の光がめぐる。暗闇に体が溶け込んでゆく錯覚にとらわれたのだと想像する。(吉田晃)

28.蛍火の十ほど飛べる蛍狩
30.暮れ兼ぬる空を蛍の生(あ)れて飛ぶ

■選者詠/髙橋句美子
36.薔薇のブーケ抱えて入る写真館
何か特別な記念日なのでしょうか。写真館で写真を撮影する機会は現代生活では稀なことと思います。高揚感は薔薇のブーケにも表されています。(多田有花)
写真館で写真を撮る、きっと特別な日なのでしょう。大切に胸に抱えた花束は、今が盛りの薔薇。「ブーケ」という言葉からも、背筋がすっと伸びる、華やいだ雰囲気が伝わります。(川名ますみ)

34.紫陽花の小さな花の青集う
35.向日葵の花束花屋よりあふれ

●互選最高点句(8点)
23.夏雲に海は青さを極めけり/吉田 晃
集計:髙橋正子

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