■6月月例ネット句会/入賞発表■


■2017年6月月例ネット句会■
■入賞発表/2017年6月12日

【金賞】
★光る水受けて芒種の田一枚/多田有花
芒種は、現行歴では24節季の5月節の第一日目をいう。今年は6月5日。麦の刈り入れや、稲の植え付けをするころで、天候では、蒸し暑くなって、梅雨入りするころである。晴天であれば、強い太陽が水を光らせて田に落ちる。田一枚とあるので、光り落ちる水と、それを受ける平らな田水が立体的構成をなして面白い。(高橋正子)

【銀賞/3句】
★枇杷熟れて雲間に空の青澄める/柳原美知子
枇杷の熟れるころ、空には雲が多いが、雲間からのぞく青空は、夏そのものの澄んだ青さだ。枇杷と、雲と、空の青が油彩のように美しい。(高橋正子)

★ちんどんやクラリネットは夏空へ/祝 恵子
ちんどんやは、今では大道芸のような存在になっているが、開放的な夏空へ向かって吹くクラリネットの音色がノスタルジック。「夏空へ」の開放感がたまらなくいい。(高橋正子)

★蛍見に田水明りの山里へ/藤田洋子
四国で暮らしていたころは、夕飯を早めに済ませて、すぐ裏を流れる山川の橋の袂へ子供たちと蛍を見に行った。そこから少し奥へ行けば本当に山里になるが、その光景を思い出した。田に水が張られ、夕方の「田水明かり」に里は一層静かになる。ふっと蛍が火をともす。乱舞することもある。抒情のある句。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★包みたる濡れ新聞の夏の鯉/小口泰與
水が滴りそうな濡れた新聞紙にぴちぴちした鯉が包まれている。獲ったばかりの鯉のいただきものであろう。「鯉のあらい」となって涼しげに登場するのだろう。(高橋正子)

★張り紙の矢印の先ツバメの巣/高橋秀之
張り紙があって、矢印が描いてある。その先にツバメの巣がある。矢印の意味は言葉以上に物語って微笑ましい。ツバメをあたたかく見守る心に人はほっと心和む。(高橋正子)

★時の日やひっくり返せる砂時計/廣田洋一
6月10日の「時の日」。時の日に砂時計をひっくり返すのも何かの意味がある。「時」について考えればきりがない。デジタル化された時、文字盤の長針短針が示す時、もっと原初に近づいて砂時計の砂の落ちる間の時、哲学的時、物理学的時などと。(高橋正子)

【高橋信之特選/8句】
★青梅も蕗もみどりよ夜の厨/高橋正子
「みどり」がいい。夏の夜の厨を見事に詠んだ。主婦ならではの佳句。 (高橋信之)

★青梅を沈める水のゆらぎけり/高橋正子
主婦ならではの、いい観察だ。主婦の生活から生まれた名句と言ってよい。(高橋信之)

★ちんどんやクラリネットは夏空へ/祝 恵子
作者の見た風景が明らかに読み手の眼に浮かぶ。都会の夏の風景がいい。都会の抒情が読み手に快く届いてくる。 (高橋信之)

★包みたる濡れ新聞の夏の鯉/ 小口泰與
「濡れ新聞」がいい。「夏」の季節感がいい。 (高橋信之)

★張り紙の矢印の先ツバメの巣/高橋秀之
★時の日やひっくり返せる砂時計/廣田洋一
★枇杷熟れて雲間に空の青澄める/柳原美知子
★青梅の紅刷くものの転がりぬ/高橋正子

【高橋正子特選/8句】
★光る水受けて芒種の田一枚/多田有花
田植が始まり、稲作には欠かせない「芒種」の頃。水を張る田一枚の輝きに、季節の節目を迎えての喜び、晴れやかな明るさが感じ取れます。(藤田洋子)

★蛍見に田水明りの山里へ/藤田洋子
昨日蛍を見に行く予定が崩れて残念。蛍見学の情景がよく見える。 (満天星)

★玉苗のずらりと置かれ水満々/柳原美知子
苗代より採られた玉苗が、水を満々と満たした代田に配られ、愈々田植え直前の光景である。玉苗との季語が良く働き、豊かな水と共にまさに豊穣の日本の原点がここにある。(桑本栄太郎)

★満ちみちて棚田の水や時鳥/小口泰與
里山の長閑な田植え前の一時が、時鳥の声に励まされるようです。 (祝恵子)

★噴水の雀の羽を濡らしをり/谷口博望(満天星)
噴きあがる噴水の勢いや飛沫に飛び立つ雀の動きが見てとれるようです。飛沫に濡れてきらめく雀の羽も清々しく、本格的な夏を前に清涼感あふれる光景です。(藤田洋子)

★包みたる濡れ新聞の夏の鯉/小口泰與
★張り紙の矢印の先ツバメの巣/高橋秀之
★ちんどんやクラリネットは夏空へ/祝 恵子

【入選/6句】
★せせらぎへ指差す先の初蛍/藤田洋子
幼子を囲み初めて見せる蛍でしょうか。せせらぎの音と幻想的な蛍火の闇に包まれて、家族の穏やかで平和な至福のひとときが思われます。(柳原美知子)
せせらぎの方に何かを見つけて指をさすとその先には今年の初蛍が飛んでいる。蛍の夕べは気持ちいい季節です。 (高橋秀之)

★夏風邪にソーダ水の缶冷たし/高橋句美子
夏風邪の手に持つソーダ水の缶、夏風邪の身なればこその、冷やされた缶の感覚がよく伝わります。長引く夏風邪にどうぞお気をつけて。 (藤田洋子)

★桑の実や母の無き子に甘く熟れ/桑本栄太郎
どこか郷愁を誘う桑の実。初夏に色付き実を結ぶ桑の実の甘さに、お子さまへ向けられる優しい心情がうかがえ、心温まります。 (藤田洋子)

★渓流の白銀の水夏木立/ 小口泰與
渓流に太陽の陽を受けて白銀に光る水と緑いっぱいの夏木立が涼し気な雰囲気を醸し出してくれます。 (高橋秀之)

★石畳の間にどくだみの真っ白い花/ 高橋句美子
★さらさらと葉より色のせ紫陽花の絵/祝 恵子

■選者詠/高橋信之
★夏座敷男三代健やかに
吹き抜ける風も心地よい夏座敷に男達三代が集まっている素晴らしい景が見えています。仲の良い素敵なご家族ですね。 (小口泰與)

★初夏健やかに子が居て孫がいて
三代揃って、本当に健康で明るい家庭が見えてくる。(廣田洋一)

★わが前を孫歩きいて初夏の風
孫が歩いている様子を後ろから見つめている愛情の気持ちと気持ちよい初夏の風がマッチングして、微笑ましく、そして爽やかな気持ちにさせてくれます。 (高橋秀之)

■選者詠/高橋正子
★青梅も蕗もみどりよ夜の厨
★青梅の紅刷くものの転がりぬ
★青梅を沈める水のゆらぎけり

■互選高点句
●最高点(5点)
11.光る水受けて芒種の田一枚/多田有花

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。

■6月月例ネット句清記


■6月月例ネット句清記
2017年6月11日
12名36句 

01.大海の浪に乗り居りあめんぼう
02.天王山逆さ青嶺の車窓かな
03.桑の実や母の無き子に甘く熟れ
04.初浴衣の露店巡りやお稲荷さん
05.噴水の雀の羽を濡らしをり
06.人だかりの原爆ドーム青鷺来
07.満ちみちて棚田の水や時鳥
08.包みたる濡れ新聞の夏の鯉
09.渓流の白銀の水夏木立
10.晴天の続くこのごろ芒種かな

11.光る水受けて芒種の田一枚
12.にわか雨何度も梅雨入のゴルフ場
13.張り紙の矢印の先ツバメの巣
14.梅雨入りの日の事務所に傘並ぶ
15.真っ青に広く大きく夏の空
16.時の日やひっくり返せる砂時計
17.空梅雨や如雨露の水を降らせたり
18.水馬や小魚の影踏みており
19.花菖蒲池に目をやる男の子
20.ちんどんやクラリネットは夏空へ

21.さらさらと葉より色のせ紫陽花の絵
22.蛍見に田水明りの山里へ
23.点るたび蛍の葦辺声上がる
24.せせらぎへ指差す先の初蛍
25.玉苗のずらりと置かれ水満々
26.梅雨に入る板間に飼い猫伏しおりて
27.枇杷熟れて雲間に空の青澄める
28.青梅も蕗もみどりよ夜の厨
29.青梅 の紅刷くものの転がりぬ
30.青梅を沈める水のゆらぎけり

31.石畳の間にどくだみの真っ白い花
32.ふわふわと靄につつまれアイスクリーム
33.夏風邪にソーダ水の缶冷たし
34.夏座敷男三代健やかに
35.初夏健やかに子が居て孫がいて
36.わが前を孫歩きいて初夏の風

※互選を始めてください。
5句選をし、そのうち一句にコメントをお願いします。

●6月月例ネット句会投句案内●


●6月月例ネット句会投句案内●
①投句:当季雑詠(夏の句)3句
②投句期間:2017年6月5日(月)午後1時~2017年6月11日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:6月11日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:6月12日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、6月12日(月)正午~6月14日(水)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

■5月月例ネット句会/入賞発表■


■2017年5月月例ネット句会■
■入賞発表/2017年5月15日

【金賞】
★舟べりを叩きはまちの追込み漁/桑本栄太郎
この句には季語はないが、季節感がある。春は新しいブリ・ハマチの子供をつかまえる時期なので、春の季節感がある。ハマチの稚魚の採捕は、春先(4月中旬頃)から初夏(7月下旬頃)にかけて行われる、養殖業界の春を告げる風物詩なのだ。(高橋信之)

【銀賞/2句】
★歌声の「原爆の子」へ銀杏咲く/谷口博望(満天星)
「原爆の子」の歌は、反戦歌。銀杏は毅然とした姿をした木だが、銀杏の花は地味で目立たない。秘めた力が原爆許すまじの反戦歌「原爆の子」の歌と響きあっている。(高橋正子)

★校庭の若葉へ運ぶパン・珈琲/柳原美知子
広々とした校庭を縁取る若葉。その木陰へパンと珈琲を運んで戸外での軽食を楽しむ。学校行事の一環か。明るい気分になれる句だ。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★朝の鐘五月の空へ鳴り渡る/多田有花
清々しい五月の朝、鐘が空へと鳴り渡る。何も無いような空気感がある。(高橋正子)

★小さいといえども我が家に鯉のぼり/高橋秀之
住宅事情もあって、一般の家庭では、大きな鯉のぼりは揚げにくい。小さいけれど、元気な鯉のぼりがあって、男の子たすこやかに育っている。
それこそが大事だ。(高橋正子)

★早起きに洗濯をする初夏の朝/高橋句美子
初夏の朝、「明け易し」ころ。目覚めも自然に早くなり、早く起きた時間を洗濯する。さっぱりと、さわやかである。(高橋正子)

【高橋信之特選/8句】
★朝の鐘五月の空へ鳴り渡る/多田有花
澄んだ鐘の音が薫風に乗り朝空に響き渡る。清々しい五月の一日の始まりに心も晴れ晴れとしてきます。 (柳原美知子)

★校庭の若葉へ運ぶパン・珈琲/柳原美知子
校庭での楽しい昼食の風景を思いだします。「若葉へ運ぶ」に共感します。 (古田敬二)

★夏鶯谷の空間ひろびろと/高橋正子
山へ行くと新緑のなかにウグイスの声が絶え間なく聞こえます。谷に響くウグイスの澄んだ囀りは空間を広げる心地がします。(多田有花)

★舟べりを叩きはまちの追込み漁/桑本栄太郎
勢いを感じる句です。はまちのはねる音、漁師たちの声、水の音などが浮かんできます。(多田有花)

★歩くほど若葉の匂い濃くなれり/高橋正子
様々な木々の若葉が匂う山道。澄みきった空気を吸い、奥へと歩くほどに、感覚も研ぎ澄まされ、新鮮な心持ちになってくるようです。(柳原美知子)

★歌声の「原爆の子」へ銀杏咲く/谷口博望(満天星)
★小さいといえども我が家に鯉のぼり/高橋秀之
★早起きに洗濯をする初夏の朝/高橋句美子

【高橋正子特選/8句】
★暮れ残る代田を囲む水の音/柳原美知子
代掻きが終わり、田に水を入れている夕ぐれの情景が目に見えるようだ。 (満天星)

★新しい制服着こなし初夏の朝/高橋秀之
配属場所が変わり、四月から制服が代わったのでしょうか。その制服がそろそろ肌になじんでくるころです。(多田有花)

★街路樹の若葉青々晴れわたる/高橋句美子
街路樹の若葉のみずみずしい緑が目にうれしいころです。その上に広がる明るい晴天、心浮き立ちますね。(多田有花)

★わが誕生の空の明るい五月来る/高橋信之
明るい空から自然界のものみな光を受け、生命感あふれる五月。その五月に誕生され、今年もまた無事その時を迎えられるお喜びは一入のことでしょう。お祝い申しあげます。(柳原美知子)

★トマト苗植えれば直ぐに脇芽のぶ/祝恵子
トマト苗を植え毎朝水やりの度に成長が楽しみですね。充実した日常がうかがえます。(柳原美知子)

★校庭の若葉へ運ぶパン・珈琲/柳原美知子
★朝の鐘五月の空へ鳴り渡る/多田有花
★舟べりを叩きはまちの追込み漁/桑本栄太郎

【入選/6句】
★沖や今島影見ゆる卯波かな/桑本栄太郎
視界が広がり、卯波から島影が見えだし、海の風を受けながら、楽しまれているのでしょうか。 (祝恵子)

★ハンモック揺する風あり夏来たる/祝恵子
春の終りまだ強い風の日もありハンモックを揺らす風が吹いています。明日から立夏を迎える新しい暦によって夏に入る感情が整えられる。 (小口泰與)

★背伸びして今日が立夏と言ってみる/古田敬二
とても清々しい気持ちにしてくれます。理屈抜きで今回の投句の中で大好きな句です。(高橋秀之)

★エンドウ採る昼餉のパスタに足りるだけ/古田敬二
自家製のエンドウを収穫し、その新鮮なエンドウでパスタを料理する。なによりのごちそうですね。みどりも鮮やかな季節感あふれる一皿が目に浮かびます。(柳原美知子)

★湖の面へ木立を映し影涼し/小口泰與
★新緑の枝から枝へ揚羽蝶/廣田洋一

■選者詠/高橋信之
★矢車菊よわが誕生の五月来る
★わが誕生の空の明るい五月来る
★空晴れて矢車菊の花の青

■選者詠/高橋正子
★夏鶯谷の空間ひろびろと
★歩くほど若葉の匂い濃くなれり
★母の日の紫陽花ピンク娘は若し

■互選高点句
●最高点(5点)
★舟べりを叩きはまちの追込み漁/桑本栄太郎
●次点(4点/同点3句)
★朝の鐘五月の空へ鳴り渡る/多田有花
★暮れ残る代田を囲む水の音/柳原美知子
★校庭の若葉へ運ぶパン・珈琲/柳原美知子

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。

5月月例ネット句会清記


■5月月例ネット句会清記
2017年5月14日
12名36句

01.湖の面へ木立を映し影涼し
02.川狩や浅間の風のそよと吹き
03.飲みごろよ読書疲れの一夜酒
04.朝の鐘五月の空へ鳴り渡る
05.新緑のなかの三等三角点
06.筍の掘られし後の虚空かな
07.尖塔の中腹にあり聖五月
08.沖や今島影見ゆる卯波かな
09.舟べりを叩きはまちの追込み漁
10.歌声の「原爆の子」へ銀杏咲く

11.夏帽子平和の鐘へ黙祷す
12.ひーふーみーG線上の松の花
13.新緑の枝から枝へ揚羽蝶
14.紫は高貴な色ぞ鉄線花
15.群れごとに傘を差したる牡丹かな
16.エンドウ採る昼餉のパスタに足りるだけ
17.背伸びして今日が立夏と言ってみる
18.野に来たりこれぞ薫風と独り言
19.新しい制服着こなし初夏の朝
20.新緑が眩しき朝に日が昇る

21.小さいといえども我が家に鯉のぼり
22.若葉陰一息入れる歩き会
23.トマト苗植えれば直ぐに脇芽のぶ
24.ハンモック揺する風あり夏来たる
25.校庭の若葉へ運ぶパン・珈琲
26.夏つばめ鳴いて空切り夕日へと
27.暮れ残る代田を囲む水の音
28.夏鶯谷の空間ひろびろと
29.歩くほど若葉の匂い濃くなれり
30.母の日の紫陽花ピンク娘は若し

31.街路樹の若葉青々晴れわたる
32.早起きに洗濯をする初夏の朝
33.菖蒲持つ人が街を行き来する
34.矢車菊よわが誕生の五月来る
35.わが誕生の空の明るい五月来る
36.空晴れて矢車菊の花の青

※1)選句を始めてください。5句選をし、そのなかの一句にコメントを書いてください。
※2)互選期間:5月14日(日)午後6時~午後10時

●5月月例ネット句会ご案内●


●5月月例ネット句会投句案内●
①投句:当季雑詠(夏の句)3句
②投句期間:2017年5月8日(月)午後1時~2017年5月14日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:5月14日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:5月15日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、5月15日(月)正午~5月17日(水)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

■4月月例ネット句会/入賞発表■


■2017年4月月例ネット句会■
■入賞発表/2017年4月10日

【金賞】
★摘み置かる花束橋に花祭り/柳原美知子
中七の花束の「花」に続き下五の花祭りの「花」と畳み掛けた『花』がいい。橋に置かれたのは野の花束であろう。それは、作者の心にしっかと捉えられ、読み手の心に伝わる。(高橋信之)

【銀賞】
★ステップで花のトンネル駆けゆける/祝恵子
上五に置いた「ステップ」がいい。快く駆けて行く「花の風景」がいい。(高橋信之)

★鶯の声透き通る野の雨よ/柳原美知子
鶯は雨の中、野原で、聞きほれるほどの美声を聞かしてくれているのでしょう。 (祝恵子)

【銅賞/2句】
★シャガの花夜道一面白い影/高橋句美子
心に残った風景を素直に表現した。写生句の良さであり、写実の句であると言ってよい。(高橋信之)

★シャボン玉追い掛けている姉いもと/祝恵子
虹色のシャボン玉が風にゆらゆらと飛んでいくのを追いかける仲良しの姉妹の微笑ましい景は、絵本を見るようです。(柳原美知子)

【高橋信之特選/5句】
★口笛に鶯応え我はも鳥/高橋正子
「鶯と我」がいい。「応えあう」のがいいので、それを俳句の心と言ってよい。自然との関わりを詠めば、人間の心は深くなる。(高橋信之)

★シャガの花夜道一面白い影/高橋句美子
★摘み置かる花束橋に花祭り/柳原美知子
★桜満つ空へ瀬音の吸い込まれ/柳原美知子
★ステップで花のトンネル駆けゆける/祝恵子

【高橋正子特選/5句】
★桜散る斜面にもまた桜色/高橋句美子
空に満ちる桜と斜面をも桜色に埋め尽くす落花、桜色に染まる季節の感動が生き生きと伝わってきます。
(柳原美知子)

★桜散る空に吹きあぐ花びらも/高橋信之
一陣の風に今散ったばかりの桜の花びらが青空へと舞い上がる美しい情景が目に浮かび、花の季節に名残を惜しまれるお気持ちが伝わってきます。(柳原美知子)

★摘み置かる花束橋に花祭り/柳原美知子
★桜満つ空へ瀬音の吸い込まれ/柳原美知子
★シャボン玉追い掛けている姉いもと/祝恵子

【入選/6句】
★まだ満ちぬ月が朧に花のなか/高橋正子
爛漫の桜を灯すように淡い光を放つ朧月。幻想的な美しい情景が広がり、桜の季節ならではの喜びが感じられます。(柳原美知子)

★花筏の渦ゆらゆらと目黒川/高橋句美子
★卒業歌学生バスの声深く/高橋正子
★すみれ咲く地に低く咲く濃き色に/高橋信之
★仰ぎ見る青一枚の春天を/高橋信之
★すでにさくら落とす先客の鳥あり/祝恵子

4月月例ネット句会清記


■4月月例ネット句会清記
2017年4月9日
5名15句 

01.花筏の渦ゆらゆらと目黒川
02.シャガの花夜道一面白い影
03.桜散る斜面にもまた桜色
04.まだ満ちぬ月が朧に花のなか
05.卒業歌学生バスの声深く
06.口笛に鶯応え我はも鳥
07.すみれ咲く地に低く咲く濃き色に
08.桜散る空に吹きあぐ花びらも
09.仰ぎ見る青一枚の春天を
10.摘み置かる花束橋に花祭り

11.鶯の声透き通る野の雨よ
12.桜満つ空へ瀬音の吸い込まれ
13.すでにさくら落とす先客の鳥あり
14.ステップで花のトンネル駆けゆける
15.シャボン玉追い掛けている姉いもと

※選句を始めてください。

●4月月例ネット句会ご案内●


●4月月例ネット句会投句案内●
①投句:当季雑詠(春の句)3句
②投句期間:2017年4月8日(土)午後1時~2017年4月9日(日)午後7時→午後11時
                    ※投句時間を午後11時までに延長します。

③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:4月9日(日)午後7時~午後10時 →(変更します。)4月9日午後11時~10日午前9時
②入賞発表:4月10日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、4月10日(土)正午~4月12日(水)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

■雛祭りネット句会/入賞発表■


■2017年雛祭りネット句会■
■入賞発表/2017年3月6日

【金賞】
★乗換えて船場のひいなに会い嬉し/祝恵子
船場は大阪の江戸時代からの商業の中心地。財をなした商家もあって、由緒ある雛人形が保存されているのであろう。はるばると乗り継いできてあった雛のゆかしさ。作者の嬉しさが伝わる。(高橋正子)

【銀賞2句】
★春立ちぬ朝のサラダの鮮やかに/古田敬二
寒い冬から抜けて春立つ朝を迎えた。朝食のサラダも色鮮やかで、フレッシュだ。春の軽やかさがいい。(高橋正子)

★駅中に園児の描いた雛並ぶ/高橋秀之
駅中はいろんな人が忙しく通る。園児の描いた雛人形を、微笑ましく見て通ったことだろう。駅中が雛の絵に和む。(高橋正子)

【銅賞2句】
和服着し子等かたまりて雛巡り/佃 康水
雛祭の日に和服を着せてもらって嬉しい女の子たち。かたまって家々の雛を見て巡る。振る舞いもおのずとしとやかに。雛の日の華やぎが微笑ましく思われる。(高橋正子)

全快を祈り飾らる雛人形/多田有花
雛人形に託した祈りは、全快。女の児の健やかな成長を願って飾られるひな祭りの原義そのもの。(高橋正子)

【高橋信之特選/5句】
★乗換えて船場のひいなに会い嬉し/祝恵子
「会い嬉し」と下五を終え、読み手も嬉しくなる。「船場のひいな」に会いたくなるのだ。(高橋信之)

★春立ちぬ朝のサラダの鮮やかに/古田敬二
上五の季題「春立ちぬ」がいい。季節の嬉しさ、生活の喜びがまさに「鮮やかに」伝わってくる。(高橋信之)

★駅中に園児の描いた雛並ぶ/高橋秀之
上五の「駅中に」がいい。日常生活の中での俳句で、生活のリアルを表現した。(高橋信之)

★全快を祈り飾らる雛人形/多田有花
「全快を祈り」と言い切って、嬉しい俳句だ。下五の「雛人形」が優しい。(高橋信之)

★和服着し子等かたまりて雛巡り/佃 康水
中七の「かたまりて」がいい。いい言葉だ。(高橋信之)

【高橋正子特選/5句】
★乗換えて船場のひいなに会い嬉し/祝恵子
★春立ちぬ朝のサラダの鮮やかに/古田敬二
★駅中に園児の描いた雛並ぶ/高橋秀之
★春風が遠くの海の香運びくる/高橋秀之
★和服着し子等かたまりて雛巡り/佃 康水

【入選/5句】
★雛祭それぞれ話す幼き日/高橋句美子
★改札を出てチューリップを過る/高橋句美子
★雨あがりの日差し明るし雛祭/多田有花
★巣箱あり作りし子の名はっきり/祝恵子
★古民家の床艶やかや御殿雛/佃 康水

■選者詠/高橋信之
★今日立春と独り言を言う
★立春の朝よ胸いっぱいの息吸う
★立春の一日が静かに過ぎる

■選者詠/高橋正子
★春立てりマジックショーの人だかり
★赤き芽を白く弾かせ猫柳
★飛び移る笹音させて笹鳴きす

※コメントのない句にコメントをお願いします。