■4月月例句会清記


■4月月例ネット句清記
2018年4月8日
13名65句 

01.揺れるとも一花も放たず咲き満てり
02.快晴の花にやや吹く風のあり
03.甍の波桜の波と重なりて
04.角ひとつ曲がれば花に出会う頃
05.山桜左右に山の懐へ
06.忘れめや空の鈍色花の冷
07.今年また此処の櫻とあいにけり
08.花の雲利根へ利根へと急(せ)く支流
09.千本の櫻阿修羅や風嵐
10.斑をみせし雪代山女岩の黙

11.春の水しぶきを上げてバタフライ
12.花の丘裾を取り巻く雪柳
13.うきうきとと夕日の中に散るさくら
14.オランダの土産や赤いチューリップ
15.藻か草か目高何処に隠れしや
16.春眠のコアラの耳のぴくぴくと
17.初燕池は青空映しおり
18.道戻り色濃き菫愛でにけり
19.青空へ二階の子が吹くシャボン玉
20.ミモザ咲く麒麟の首の長いこと

21.新入生より広いエリアの保護者席
22.ボート漕ぐ桜が写る池に波
23.持ち寄りの弁当広げて花見酒
24.柔らかな風が西から春の海
25.木の枝の芽吹く先には大空が
26.桜散り芽生える緑に見える夏
27.花吹雪夕焼け後ろに染まる道
28.輝く目先に夢見る新入生
29.知恩院抜けた先に山桜
30.真夜中に見上げる街灯春の星

31.一本のチューリップいま切りしもの
32.花屑を分けて色鯉近づきぬ
33.吹きあぐる花の吹雪よケーブルカー
34.参道の山椿の花切り株に
35.数匹の猫遊ぶ寺花の咲く
36.道の端小さき菫の幸あれと
37.白き雲千切りて飛ばす柳絮かな
38.花疲れ居眠り多しバスの中
39.清明や名を知らぬ花咲きてをり
40.たんぽぽや地の太陽と黄に染まる

41.青麦のさざめく畝を猫が行く
42.つばめ来る完成間近の物産館
43.風鐸に枝垂るる花のひかり揺れ
44.リハビリ終え花満つ土手を送らるる
45.花の間に稜線青き皿ケ嶺
46.蛙鳴く道よわが家が見えてくる
47.つとめ終えし帰宅の吾に鳴く蛙
48.春の日のりんごジュースを飲み干しぬ
49.菜の花を咲かせて谷戸を流れる川
50.天晴れて地に低く咲く菜の花は

51.初蛙くりりくりりと谷戸の田に
52.初蛙棚田の泥に声転がし
53.谷戸の田は貧し菖蒲芽をそろえ
54.春嵐彩なす丘陵大花壇
55.菜の花に残れる淡き遠き花
56.山雨過ぎ朝の光りの花御堂
57.花御堂杓持つ子らに囲まるる
58.花蘇枋雨の上がりし窓を拭く
59.名を呼んで駆け寄りし子と花の昼
60.掘りたての初筍の皮開く

61.葉桜が一直線に目黒川
62.山吹の花は薄墨夜になりて
63.花冷えの風が上着をひためくる
64.玄関にチューリップの鉢花盛り
65.春野菜甘い香りの爽やかさ

※互選を始めてください。7句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。選句締め切りは、今日の午後9時です。

●4月月例ネット句会投句案内●


●4月月例ネット句会投句案内●
①花冠会員・同人であれば、どなたでも投句が許されます。花冠会員・同人以外の方は花冠IDをお申し込みの上、取得してください。
②当季雑詠(春の句)計5句を下の<コメント欄>にお書き込みください。
※5句投句といたしますのでお間違いのないようにお願いします。

③投句期間:2018年4月1日(日)午前0時~4月8日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。

▼互選・入賞・伝言
①選句期間:4月8(日)午後6時~4月8日(日)午後9時
②入賞発表:4月9日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、月12日(月)正午~3月14日(水)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

3月月例ネット句会入賞発表


■2018年3月月例ネット句会■
■入賞発表/2018年3月11日

【金賞】
47.青き踏む海へ海へと日の中を/柳原美知子
中7の「海へ海へと」がいい。口語表現がリアルで、意図的でないのがいいのだ。(髙橋信之)

【銀賞/2句】
33.森の道歩くは春日を踏むことに/高橋正子
春が来た作者の快い情感が読み手に伝わってくる。いい抒情だ。(髙橋信之)

38.パンジーで囲み色良し花時計/祝 恵子
読み手を快く喜ばしてくれる。読み手は素直になって、良い句だと思う。(髙橋信之)

【銅賞/3句】
20.大空に向かう木の枝新芽吹く/高橋秀之
一句の冒頭に置いた「大空」がいい。句が大きく、広々とした世界が広がる。(髙橋信之)

09.浅春や鵯訪ね来しミニ菜園/河野啓一
下五に置いた「ミニ菜園」は字余りだが、違和感が全くない。そこに作者の生活がある。(髙橋信之)

28.窓開けて囀りを聞く昼餉かな/廣田洋一
日々変わりのない生活だが、「窓開けて囀りを」聞けば一変する。生き生きとした世界が拡がり、喜びがあり、楽しみがある。(髙橋信之)

【高橋信之特選/9句】 
21.畦一面兄への供花やイヌフグリ/古田敬二
誰もが幼少の頃を思い出す。懐かしい句だ。いい句だ。田園風景がありありと眼に浮かんでくる。下五置いた「イヌフグリ」が季題としての働きを充分に果たしている。(髙橋信之)

35.野の草の刈られ春日の大広場/高橋正子
一句の頭に置いた「野の草の刈られ」という作者の思いに、生活感があっていい。続く「春日の大広場」という広々とした風景に作者の内面の大きさを読む。(髙橋信之)

28.窓開けて囀りを聞く昼餉かな/廣田洋一
他愛ない句と思われるが、読み手の耳にも聞こえてくる。リアルな句だ。(髙橋信之)

13.西空の群青深き余寒かな/桑本栄太郎
西の空は太陽が沈む方向になります。その空が群青深きというところに春よりも冬の続きのような余寒の厳しさが感じられます。 (高橋秀之)

47.青き踏む海へ海へと日の中を/柳原美知子
青々とした草を踏みながら、春の日を浴び、海へと歩いていく元気な姿が浮かびます。(祝恵子)
海に向かって大股に歩く。足元には萌え出した小さな緑。心身とも元気が満ちている作者を想像した。 (古田敬二)

24.兄送る畔にあふれて土筆立つ/古田敬二
33.森の道歩くは春日を踏むことに/高橋正子
38.パンジーで囲み色良し花時計/祝 恵子
39.切り口を揃え菜の花地名入り/祝 恵子

【高橋正子特選/10句】
19.梅林を抜けたらそこは大阪城/高橋秀之
私は大阪生まれなので、「大阪」という文字を見つけては、意味もなく喜んでいる。(髙橋信之)

22.棺逝く春の出水の長良川/古田敬二
この度はご愁傷様です。長良川も春の雪解水でごうごうと流れるなか、川沿いを棺が長良川の景をゆっくりと亡き人に見てもらうように行き過ぎて行きます。(小口泰與)

09.浅春や鵯訪ね来しミニ菜園/河野啓一
20.大空に向かう木の枝新芽吹く/高橋秀之
21.畦一面兄への供花やイヌフグリ/古田敬二
25.芋植える旅に行く話など/古田敬二
28.窓開けて囀りを聞く昼餉かな/廣田洋一
44.花芽数多寺への桜大門を/髙橋信之
47.青き踏む海へ海へと日の中を/柳原美知子
51.山焼きの仙石原が真正面/髙橋句美子

【入選/10句】
02.白梅やかって庄屋の蔵と井戸/小口泰與
05.朧夜や金属音のライン鳴る/小口泰與
06.春嵐過ぎて芽生えを待つ大地/河野啓一
07.桃の節句わが娘(こ)も孫を持つ歳に/河野啓一
14.立子忌となれば土筆を探しけり/桑本栄太郎
18.春の夢幼き頃の子らの顔/高橋秀之
27.音立てて一筋落ちる春の水/ 廣田洋一
37.三椏や登る人皆立ちどまる/祝 恵子
48.春の海鴎一列光りこぼる/柳原美知子
55.シャボン玉七色高く高く飛ぶ/髙橋句美子

■選者詠/高橋信之
41.散策の静かな春の午後に居る
42.寺の裏に墓地あり春の静かな暮れ
43.山麓の墓地へ降る日がさんさん
44.花芽数多寺への桜大門を
45.墓地の春天ひろびろとわが頭上

■選者詠/高橋正子
2.目を凝らし一本の土筆すぐ二本/高橋正子
周りの草に紛れてすぐには見つけられない土筆。一本を見つけた時のうれしさ、摘む音も心地よく、すぐに二本目が見つかります。春の野の日差しの中で、童心が蘇ります。 (柳原美知子)

31.掃除の水たっぷり汲むやクロッカス
33.森の道歩くは春日を踏むことに
34.クロッカス白は祈りの手のふくらみ
35.野の草の刈られ春日の大広場

■互選高点句
●最高点(5点)
47.青き踏む海へ海へと日の中を/柳原美知子

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。

■3月月例ネット句清記

■3月月例ネット句清記
2018年3月11日
11名55句 

01.七色の金平糖や春の星
02.白梅やかって庄屋の蔵と井戸
03.片栗の免れがたく反り返り
04.長閑さや瀞へ落ちたる包装紙
05.朧夜や金属音のライン鳴る
06.春嵐過ぎて芽生えを待つ大地
07.桃の節句わが娘(こ)も孫を持つ歳に
08.梅一輪ようやく咲いて空の青
09.浅春や鵯訪ね来しミニ菜園
10.残雪を遠く望みて伊吹山

11.つちふるや嘗て吾にも蒙古斑
12.落椿ばさと地上へ安らぎぬ
13.西空の群青深き余寒かな
14.立子忌となれば土筆を探しけり
15.清流の石のさざれや流し雛
16.合格の知らせはひとこと通ったよ
17.あちこちに怪しき身なり花粉症
18.春の夢幼き頃の子らの顔
19.梅林を抜けたらそこは大阪城
20.大空に向かう木の枝新芽吹く

21.畦一面兄への供花やイヌフグリ
22.棺逝く春の出水の長良川
23.天寿全う梅咲く里の別れかな
24.兄送る畔にあふれて土筆立つ
25.芋植える旅に行く話など
26.青空に手を広げたる辛夷咲く
27.音立てて一筋落ちる春の水
28.窓開けて囀りを聞く昼餉かな
29.遠足や歴史を学び日の暮れる
30.春嵐砂場の山を削りたる

31.掃除の水たっぷり汲むやクロッカス
32.目を凝らし一本の土筆すぐ二本
33.森の道歩くは春日を踏むことに
34.クロッカス白は祈りの手のふくらみ
35.野の草の刈られ春日の大広場
36.色ペンで地図に数カ所春の山
37.三椏や登る人皆立ちどまる
38.パンジーで囲み色良し花時計
39.切り口を揃え菜の花地名入り
40.一クラス集まり連凧飛ばしゆく

41.散策の静かな春の午後に居る
42.寺の裏に墓地あり春の静かな暮れ
43.山麓の墓地へ降る日がさんさん
44.花芽数多寺への桜大門を
45.墓地の春天ひろびろとわが頭上
46.雲流る空の水色梅八分
47.青き踏む海へ海へと日の中を
48.春の海鴎一列光りこぼる
49.棚に雛飾れば立ちて見上ぐ猫
50.スイートピーうすむらさきの香り買う

51.山焼きの仙石原が真正面
52.土佐水木黄色い花は晴れの日に
53.重なりて桃の蕾が幾本も
54.春の星線で結ばれ星座が浮かぶ
55.しゃぼん玉七色高く高く飛ぶ

※互選を始めてください。7句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。

3月月例ネット句会ご案内(2018)


●3月月例ネット句会投句案内●
①花冠会員・同人であれば、どなたでも投句が許されます。花冠会員・同人以外の方は花冠IDをお申し込みの上、取得してください。
②当季雑詠(春の句)計5句を下の<コメント欄>にお書き込みください。
※5句投句といたしますのでお間違いのないようにお願いします。

③投句期間:2018年3月5日(日)午前0時~3月11日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。

▼互選・入賞・伝言
①選句期間:3月11(日)午後6時~3月11日(日)午後9時
②入賞発表:3月12日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、3月12日(月)正午~3月14日(水)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

2月月例ネット句会入賞発表


■2018年2月月例ネット句会■
■入賞発表/2018年2月11日

【金賞】
★桜芽の伸びる空へと坂登る/柳原美知子
桜の芽が伸びている空は、もうすぐ桜が咲く予感に満ちて華やかな気配がある。その空へと続く坂があれば、登ってみたくなるものだ。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★春の草丈あるものに風吹けり/小口泰與
春の草はようやく芽生えたもの、すっかり丈を伸ばしたものなど、生長に遅速がある。丈があるものは風に吹かれて一つ大きく育っている。(高橋正子)

★棚田の日谷の春雪溶かせつつ/柳原美知子
棚田にあたる日が谷間に残る春雪を溶かしている。「溶かせつつ」というのだらから、棚田の日は、十分に棚田を温める日でありながら、雪を溶かしてるのだ。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★頂は春陽集いしところなり/多田有花
山の頂は、四方八方、真上から春陽を受けているのではないか。春の陽がにぎやかに頂に集まってあたたかな集いが始まっているいるようだ。(高橋正子)

★子らの居ぬブランコ風の触れてゆく/祝恵子
ブランコは子どもたちが大好きな遊具だ。(中国や、日本の平安のころは大人の乗るものであったようだが。)子どもが乗っていないブランコは風が触れて揺らしてゆく。風がブランコにのっているかのように。(高橋正子)

★春満月高く見上げて帰る道/高橋句美子
水に潤ったような春の満月。高く上る春の満月に帰る道が心楽しい道となった。(高橋正子)

【高橋信之特選/9句】
★春の草丈あるものに風吹けり/小口泰與
萌え出た春の草、一つ一つの新たな生命に、吹く風がことに優しく感じられます。柔らかな草の動き、快い風の広がりに、みずみずしい春の訪れを思います。(藤田洋子)

★一月の法事に幼は手を合わす/祝恵子
1月の法事というと前の年の暮れに亡くなられた人の法事と思われる。幼子も見知ったる方なので、みんなと共に手を合わせる。故人を悼む気持ちが良く表現されている。 (廣田洋一)

★棚田の日谷の春雪溶かせつつ/柳原美知子
棚田全体に春日が当たり雪をかぶった所々を溶かし始めている。見ていて飽きない感じですね。(祝恵子)

★濡れているひじき買うなり海も買い/髙橋正子
春採取して乾燥し、油揚・大豆などと一緒に煮て食べるひじきをお店で買い、そのひじきから外海に面する波の激しい岩礁上に付着する素晴らしい海の匂いも一緒に買った嬉しさが素敵ですね。(小口泰與)

★合格の知らせを告げる着信音/高橋秀之
受験生のみならず、ご家族にとっても大変な受験期を乗り越え、待ちに待った「合格」の知らせ。感慨ひとしおの嬉しさが伝わる着信音に、春来る明るさ、喜びを感じます。 (藤田洋子)

★白梅のかげりてうすき緑なる/髙橋正子
咲いたばかりの瑞々しい白梅に春の日差しが柔らかく、うす緑にもかげる可憐で清々しい白梅と芳香に春の喜びを感じます (柳原美知子)。

★恵方巻思い出すのは母の味/高橋秀之
★桜芽の伸びる空へと坂登る/柳原美知子
★春の階わが影しかと映されし/髙橋正子

【高橋正子特選/9句】
★子らの居ぬブランコ風の触れてゆく/祝恵子
立春が過ぎたとはいえ、まだ冷たい風が吹き、子供たちは乗っていないブランコ。公園に賑やかな声が響く日が待たれます。(柳原美知子)

★ミニカーを離さず寝る児日脚伸ぶ/藤田洋子
ミニカーを握りしめているのはまだ小さな子なんでしょう。きっと明るい時間が少しずつ伸び、そしてその分遊び疲れて寝ているのではないか、そんな春先のひとこまを感じます。(高橋秀之)

60.春浅き日の喜びに明るい空/髙橋信之
風はまだ冷たいながらも春の日差しの届く空は明るく青く晴れわたり、心も晴々と春の到来が実感されます。 (柳原美知子)

★春立てり夕陽に染まる白灯台/高橋秀之
春の海の青と白灯台を夕陽がやわらかく染めてゆく美しい情景が目に浮かびます。穏やかな海の夕暮れにも春の訪れが感じられます。 (柳原美知子)

★春の草丈あるものに風吹けり/小口泰與
★頂は春陽集いしところなり/多田有花
★棚田の日谷の春雪溶かせつつ/柳原美知子
★桜芽の伸びる空へと坂登る/柳原美知子
★春満月高く見上げて帰る道/高橋句美子

【入選/15句】
★新幹線からの景色や雪の富士/高橋秀之
新幹線での上京は、天候の良い日であれば静岡辺りで富士山を仰ごうと思い、そわそわします。都合よく富士山を眺める事は、中々出来ない所を、圧倒されるほどの雪の富士山を眺め感動した作者である。 (桑本栄太郎)

★群青の宵空深し冬送る/桑本栄太郎
冬の時期の宵の空は、群青の色濃さがありますが、それも冬を送る時期の様子と思えば、感慨もひとしおであろうと思います。 (高橋秀之)

★春の日にきらめく海や波を待つ/廣田洋一
波も穏やかに煌めく春の海を眺め、その穏やかな波が寄せてくるのを待つ時間は、まったりとした穏やかなひとときを感じます。 (高橋秀之)

★春隣孫子の来る誕生日/河野啓一
お孫さん、お子さんに囲まれ祝われる誕生日。ほのぼのとした温もりのある情景に、まだ寒さの続く中にも春の到来が身近に感じられます。(藤田洋子)

★雪踏みて鳴る音一歩ずつ確かめ/高橋句美子
首都圏では厳しい寒波と積雪に見舞われた今年。踏みしめる雪の一歩一歩に、雪の感触、接する雪の音が伝わります。寒さの中にも都心の雪が新鮮に目に映ります。(藤田洋子)

★春来たるコナラの梢も柔らかく/古田敬二
見慣れている森のコナラの梢の様子にも春の訪れが感じられ、心も弾みます。心地よい口調にも惹かれます。 (柳原美知子)

★陽光の田面きらめき風光る/ 桑本栄太郎
★春の日や流れる雲を見ていたり/多田有花
★早春の風が揺らしていく梢/多田有花
★我が街の彼方伊吹の残雪嶺/古田敬二
★早春の風が水面に波立てる/高橋秀之
★パンくずを得開けあう小鳥鵯も来て(ママ)/河野啓一
 ※パンくずを分けあう小鳥鵯も来て
★白壁の道後蔵元椿咲く/藤田洋子
★雪残る囲いの中の緋の牡丹/柳原美知子

■選者詠/高橋信之
★立春の焼海苔ぱりっと音を立てる
音と香りから、春が来た喜びを想像させる巧みさ7962が思われます。(河野啓一)
今年の立春は厳しい寒さのなかでした。暖かい春はまだまだ先。それでも立春という言葉にうれしさがあります。食卓の焼き海苔がたてる音にさえ、その喜びが感じられます。 (多田有花)

★立春過ぎし天仰ぎ見る嬉しさよ
★立春を過ぎて散歩という楽しみ
★水仙咲く広き寺苑に吾も居る
★春浅き日の喜びに明るい空

■選者詠/高橋正子
★囀りは雲のどこかに弾けたる
小鳥の囀りをきいて、どこにいるのか探してみるも、雲に紛れて姿は見えないのに元気な声は弾けている様子が、春の訪れを感じさせてくれます。(高橋秀之)

★白梅のかげりてうすき緑なる
★止まれば紅梅匂う風来り
★濡れているひじき買うなり海も買い
★春の階わが影しかと映されし

■互選高点句
●最高点(4点/同点4句)
02.春の草丈あるものに風吹けり/小口泰與
41.雪残る囲いの中の緋の牡丹/柳原美知子
45.桜芽の伸びる空へと坂登る/柳原美知子
62.白梅のかげりてうすき緑なる/高橋正子

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。

■2月月例ネット句清記(2018年)


■2月月例ネット句清記
2018年2月11日
13名65句 

01.残照の山の冷気や梅の花
02.春の草丈あるものに風吹けり
03.雨粒の消えては生まる木の芽かな
04.恋猫の声の上州訛りかな
05.山峡の雪間の中や蕗の薹
06.群青の宵空深し冬送る
07.こきこきと揺らぐ並木や余寒風
08.陽光の田面きらめき風光る
09.ポン菓子の団地の庭に春来たる
10.上京の荷物チッキに春来たる

11.春の日や流れる雲を見ていたり
12.早春の風が揺らしていく梢
13.風あれどまごうことなき春ここに
14.梅林に柄長の群の来ておりぬ
15.頂は春陽集いしところなり
16.春来たるコナラの梢も柔らかく
17.木漏れ日の色濃くなりぬ春来れば
18.春の陽のぬくもり幹に凭れれば
19.我が街の彼方伊吹の残雪嶺
20.春の空越えて異国からメール

21.新幹線からの景色や雪の富士
22.恵方巻思い出すのは母の味
23.早春の風が水面に波立てる
24.合格の知らせを告げる着信音
25.春立てり夕陽に染まる白灯台
26.一月の法事に幼は手を合わす
27.小雪降る走る選手の息づかい
28.蕪汁四天王寺の境内に
29.子らの居ぬブランコ風の触れてゆく
30.春立つ日五指の靴下明るきもの

31.春隣孫子の来る誕生日
32.パンくずを得開けあう小鳥鵯も来て
33.春光をを窓一面に伸びをする
34.パソコンのトラブル解消風さやか
35.雪吊の釣雪解け終わり音もなし
36.早春の熟田津の道堰の音
37.白壁の道後蔵元椿咲く
38.湯籠提げ行き交う人の春初め
39.たんぽぽの小道一輪児が屈む
40.ミニカーを離さず寝る児日脚伸ぶ

41.雪残る囲いの中の緋の牡丹
42.湯たんぽを容れ父母在りし日の昭和
43.日脚伸ぶジャズを聴きつつ菜を洗い
44.棚田の日谷の春雪溶かせつつ
45.桜芽の伸びる空へと坂登る
46.春の日にきらめく海や波を待つ
47.買はねども顔見てまわる雛売場
48.布袋尊お腹光りて春立ぬ
49.紅梅や色濃く咲きし八重の花
50.豆撒くや一斉に天を掴みたる

51.店々の雛人形のすまし顔
52.春満月高く見上げて帰る道
53.雪踏みて鳴る音一歩ずつ確かめ
54.猫柳送り迎えを玄関に
55.通勤の手をポケットに春寒し
56.立春過ぎし天仰ぎ見る嬉しさよ
57.立春を過ぎて散歩という楽しみ
58.立春の焼海苔ぱりっと音を立てる
59.水仙咲く広き寺苑に吾も居る
60.春浅き日の喜びに明るい空

61.囀りは雲のどこかに弾けたる
62.白梅のかげりてうすき緑なる
63.止まれば紅梅匂う風来り
64.濡れているひじき買うなり海も買い
65.春の階わが影しかと映されし

※互選を始めてください。7句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。

2月月例ネット句会ご案内(2018年)


●2月月例ネット句会投句案内●
①花冠会員・同人であれば、どなたでも投句が許されます。花冠会員・同人以外の方は花冠IDをお申し込みの上、取得してください。
②当季雑詠(冬か春の句)計5句を下の<コメント欄>にお書き込みください。
※5句投句といたしますのでお間違いのないようにお願いします。

③投句期間:2018年2月4日(日)午前0時~2月11日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。

▼互選・入賞・伝言
①選句期間:2月11(日)午後6時~2月11日(日)午後9時
②入賞発表:2月12日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、2月12日(月)正午~2月14日(水)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

■2018年新年ネット句会/入賞発表■


■2018年新年ネット句会■
■入賞発表/2018年1月3日

【金賞】
27.大年の潮の香溢る魚市場/柳原美知子
大年の魚市場は、新年を迎えるために、一年で最も活気づく。一歩市場に入れば潮の香がふんぷんと溢れている。なにもかもが「ふんだん」である。(高橋正子)

【銀賞/2句】
08.冬夕焼け日が室内へ本棚へ/祝恵子
冬夕焼けは、みるみる消えてしまうが、その消える前に入日を惜しんで、室内へ、本棚へ明るく射し込む。静かで美しい時だ。(高橋正子)

24.注連飾るドアが連なる様々に/髙橋句美子
マンションのドアに思い思いの注連飾りが飾られ、形も材料も様々なものがずらりと並び、淑気漂う中、出入りする人たちの多彩な生活が想像されます。 (柳原美知子)

【銅賞/3句】
10.青竹より流るる手水初詣/祝恵子
初詣は、すがすがしいことが一番である。手水には青竹を設えてそこより水を流している。淑気が漂う境内だ。(高橋正子)

21.元日の満月が高い帰り道/髙橋句美子
今年は元日に大きな満月が見られた。帰り道、偶然にいつもよりも明るい大きな月に出会えた。それが元日であることに特別の安らぎがある。また、口語表現で、さりげなく「高い」で切れていることが、この句のまた別のよさだ。(高橋正子)

26.冬夕焼辿りて下る瀬戸の海/柳原美知子
瀬戸の海に夕焼けが見えてきた。寒さなど忘れるくらいに雄大な景色です。(祝恵子)
瀬戸の海一面に夕焼け色が広がっている美しい景色が目に浮かびます。 (高橋句美子)

【高橋信之特選/9句】
15.初詣空の青さの全きに/高橋正子
新年の始まりの初詣から青く晴れ渡る大空が気持ちいいです。(高橋秀之)

12.松飾通りすぎれば松匂う/高橋正子
青々とした立派な松飾りの門が目に浮かびます。通りすぎた時の清々しい松の匂いに懐かしさと淑気がひろがります。(柳原美知子)

09.お元日晴れ賜りて国旗だす/祝恵子
冬晴れのお元日は何よりの天からの授かりもの。心も晴々と国旗をなびかせ、今年一年の平安を祈ります。(柳原美知子)

08.冬夕焼け日が室内へ本棚へ/祝恵子
10.青竹より流るる手水初詣/祝恵子
21.元日の満月が高い帰り道/髙橋句美子
24.注連飾るドアが連なる様々に/髙橋句美子
26.冬夕焼辿りて下る瀬戸の海/柳原美知子
27.大年の潮の香溢る魚市場/柳原美知子

【高橋正子特選/9句】
16.正月の菓子が若草色なれり/髙橋信之
お正月にいただくお菓子は気持ちも華やぎ、若草色であればなおさら春を想い清々しい気持ちになります。穏やかなよいお正月が思われます。(柳原美知子)

01.新年の時報とともに着信音/高橋秀之
08.冬夕焼け日が室内へ本棚へ/祝恵子
10.青竹より流るる手水初詣/祝恵子

19.天井に今日元日の灯が灯る/髙橋信之
21.元日の満月が高い帰り道/髙橋句美子
24.注連飾るドアが連なる様々に/髙橋句美子
27.大年の潮の香溢る魚市場/柳原美知子
28.石鎚の冬灯掲げて野は眠る/柳原美知子

【入選/6句】
02.元日の定点写真は鳥居前/高橋秀之
毎年、元日に初詣の際に撮る家族写真でしょうか。鳥居の前に皆で勢揃いして微笑む幸せと安堵感。来年
もまた撮れますように。(柳原美知子)

13.おみくじを結ぶ枝なり梅蕾む/高橋正子
おみくじを結ぼうとする枝に梅の蕾がある。新年の訪れとともに春の兆しもそこに感じます。 (高橋秀之)

22.初詣石段上り願い事/髙橋句美子
 神社は石段を上がった先にあるのでしょう。その石段を上りつつ、願い事を思うお参りのひとこまを感じます。 (高橋秀之)

03.帰省する友を迎えて初詣/高橋秀之
14.元日の家路にあがる円き月/高橋正子
18.時移りゆく元日の夜となりぬ/髙橋信之 
 
■選者詠/高橋信之
16.正月の菓子が若草色なれり
17.元日の暮ゆく時の中にいる
18.時移りゆく元日の夜となりぬ
19.天井に今日元日の灯が灯る
20.元日の夜となり天井に灯を

■選者詠/高橋正子
11.初詣杜の落葉のかく踏まれ
12.松飾通りすぎれば松匂う
13.おみくじを結ぶ枝なり梅蕾む
14.元日の家路にあがる円き月
15.初詣空の青さの全きに

■互選高点句
●最高点(5点)
10.青竹より流るる手水初詣/祝恵子

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。

新年ネット句清記(2018年)


■新年ネット句清記
2018年1月2日
6名30句 

01.新年の時報とともに着信音
02.元日の定点写真は鳥居前
03.帰省する友を迎えて初詣
04.添え書きに笑みを浮かべし年賀状
05.初売りを買う買わないで初けんか
06.ギュウギュウと押し込む餅の詰め放題
07.床暖房児は素足で遊びおり
08.冬夕焼け日が室内へ本棚へ
09.お元日晴れ賜りて国旗だす
10.青竹より流るる手水初詣

11.初詣杜の落葉のかく踏まれ
12.松飾通りすぎれば松匂う
13.おみくじを結ぶ枝なり梅蕾む
14.元日の家路にあがる円き月
15.初詣空の青さの全きに
16.正月の菓子が若草色なれり
17.元日の暮ゆく時の中にいる
18.時移りゆく元日の夜となりぬ
19.天井に今日元日の灯が灯る
20.元日の夜となり天井に灯を

21.元日の満月が高い帰り道
22.初詣石段上り願い事
23.冬の風電飾揺らす並木道
24.注連飾るドアが連なる様々に
25.冬晴れに大掃除の音がする
26.冬夕焼辿りて下る瀬戸の海
27.大年の潮の香溢る魚市場
28.石鎚の冬灯掲げて野は眠る
29.ウインナコーヒー淹れて新春を祝い
30.元日や猫の日課のパトロール

※互選を始めてください。7句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。