●7月月例ネット句会投句案内●


●7月月例ネット句会投句案内●
①投句:当季雑詠(夏の句)3句
②投句期間:2018年7月1日(日)午前10時~2018年7月8日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:7月8日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:7月9日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、7月9日(月)正午~6月14日(木)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

ご挨拶/6月月例ネット句会


ご挨拶
6月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。入賞の皆さまおめでとうございます。
また、選とコメントをありがとうございました。横浜は梅雨なのにさほど蒸し暑さもなく、雨も少なく
過ごしやすい梅雨となっています。植田の景色もしばらく見ていませんが、俳句に詠まれた句に、植田の美しさを思い浮かべたりしました。

今月は大学生の高橋成哉さん、30代の西村友宏さんが参加してくださって、句会の意義が増した気持ちになり、うれしく思いました。やはり、続けることは、大事なのだと思いました。
これで、6月月例ネット句会を終わります。(主宰・高橋正子)

※来月の句会は7月8日(第2日曜日)になります。

■6月月例ネット句会入賞発表

■2018年6月月例ネット句会■
■入賞発表/2018年6月11日

【金賞】
★稜線の高さを飛びぬ夏燕/多田有花
山の稜線の高さまで燕が来ていることは驚きだ。稜線の上を飛ぶ夏燕の姿がさっそうとして爽快だ。有花さんたちと富士登山の前哨登山で登った山から河口湖が見えたが、そこを自在に、大きく飛ぶ燕の姿を思い出した。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★植田村明けゆく月のみずみずし/柳原美知子
田が植わった村の水田の静けさ。明けてゆく月もまた水を含んでいるようにみずみずしい。月と植田の美しい日本の風景。(高橋正子)

★トマト苗葉にも花にも今朝の風/藤田洋子
「今朝の風」がいきいきとしている。植えたばかりのトマトの苗の葉にも黄色い花にも、今朝の風が吹いている。苗はまちがいなく根付きはじめている。夏の朝の安堵した爽やかな気持ち。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★友と来て列待つ子らのかき氷/祝恵子
暑さに負けず元気に遊ぶ子らが、かき氷を求めて列を作る。かき氷を待っている間も、友達とわいわいにぎやかだ。「友と来て」こそかき氷を食べる楽しみなのだ。祭り気分の子どもたちが眩しい。(高橋正子)

★遠雷に重なり響く泣き声よ/高橋成哉
遠雷の鳴る街。その街の子どもの泣き声。庶民の暮らしがそこに見えるようだ。遠雷と泣き声を二つ聞き届けたのは、静かで、ひろい心。(高橋正子)

★幼子の指の彼方に小鳥来る/河野啓一
「小鳥来る」の季語が当季ではないのが、6月句会としは残念だが、大変いい句だ。幼子は目敏い。彼方の鳥も見つけて指さす。「彼方に」によって、句が深まった。(高橋正子)

【高橋信之特選/7句】 
★紫陽花を左右に眺め山門へ/高橋秀之
何処の紫陽花の有名な寺であろうか?紫陽花見学に出かけ、先ずお詣りの後と思い、山門に向います。早速左右には色とりどりの紫陽花が迎えて呉れています。 (桑本栄太郎)

★植田村明けゆく月のみずみずし/柳原美知子
田が植わる一村と明け方の月の、美しく豊かな情景。夜明けの静けさの中、季節のみずみずしさがいっそう感じとれます。 (藤田洋子)
田植えが終わったばかりの村に有明の月がかかっています。田は月を映しているでしょう。夜明けは早く、清々しい情景です。(多田有花)

★トマト苗葉にも花にも今朝の風/藤田洋子
植え付けたばかりのトマト苗でしょうか。葉も花も朝のそよ風に揺らいでこれからの成長と稔りが期待されます。家庭園芸のささやかな愉しみ。(河野啓一)

★田の植わりはるか石鎚青澄める/柳原美知子
★稜線の高さを飛びぬ夏燕/多田有花
★遠雷に重なり響く泣き声よ/高橋成哉
★幼子の指の彼方に小鳥来る/河野啓一

【高橋正子特選/7句】
★友と来て列待つ子らのかき氷/祝恵子
★遠雷に重なり響く泣き声よ/高橋成哉
★植田村明けゆく月のみずみずし/柳原美知子
★田の植わりはるか石鎚青澄める/柳原美知子
★揚羽飛ぶ自由よ庭の出入りに/高橋信之
★稜線の高さを飛びぬ夏燕/多田有花
★トマト苗葉にも花にも今朝の風/藤田洋子

【入選/14句】
★娶らざる吾子の四十路や浮いて来い/桑本栄太郎
お子様でしょうか。四十路になってもまだ妻を娶らぬお子様の事を心配している親心を浮人形に託した二物衝撃の素晴らしい句ですね。 (小口泰與)

★雨を得て白く輝く七変化/河野啓一
雨と紫陽花は陰と陽の様な関係で、雨が降ると紫陽花の色は本当にあでやかになる。白い花も一層輝く。 (廣田洋一)
久しぶりの雨を浴びることができて、正に白く輝く紫陽花は七変化の名にふさわしい瑞々しさが感じられます。 (高橋秀之)

★朝刊のことりと音す五月晴/小口泰與
早朝の晴れた日の静けさが際立つ様子があらわれています。 (髙橋句美子)

★新緑が映る水面の鮮やかさ/高橋秀之
綺麗な景色が思い浮かびます。 (西村友宏)

★脇芽摘む朝のトマトの青匂う/藤田洋子
菜園のトマトの花が咲き、いよいよ青い実をつけるようになり、脇芽も次々とでるようになりました。心地よい夏の朝風に吹かれて、収穫を楽しみに、季節の作物を育てる喜びが伝わってきます。 (柳原美知子)

★雲厚き空なり栗の花匂う/多田有花
雨のパラパラと降ってきそうな空模様の中、白い栗の花が豊かに咲き、風に吹かれて強い匂いを放つと梅雨の季節が実感されます。 (柳原美知子)

★水一面のまるい葉にあさざの黄/高橋句美子
池の水一面を埋め尽くすあさざの丸い葉とそこから伸びる黄色い花。初夏のさわやかさを感じます。 (高橋秀之)

★晴れの日は背を伸ばし咲く花菖蒲/高橋句美子
雨に咲くしっとりとした風合いと違う晴れの日の花菖蒲。明るい空の下、真っ直ぐな葉と茎がより強調され、ひときわ凛と鮮やかな花菖蒲です。 (藤田洋子)

★燦々と陽に佇んでやまぼうし/西村友宏
降り注ぐ陽光に、やまぼうしの四片の大きな白い苞が眩しいかぎりです。梅雨に入るも、陽ざしの中のやまぼうしに自ずと心明るくなれます。 (藤田洋子)

★積上げし本を抜き取り梅雨最中/廣田洋一
梅雨の真っ最中は雨で外出も憚られます。そんなひととき、部屋に積みあがっている本を一冊抜き取って読むのもこの時期ならではの時間の過ごし方なのでしょう。 (高橋秀之)

★牧水の名付けし峠緑雨かな/小口泰與
★夏の潮豊かなるかな河内灘/ 河野啓一
★水満ちて山と玉苗写す今朝/柳原美知子
★石段を登りて涼し大山寺/廣田洋一

■選者詠/高橋信之
★揚羽飛ぶ自由よ庭の出入りに
庭の緑を縫い、美しい翅をひろげて高く低く飛ぶ揚羽蝶に心遊ばせるひととき。心地よい夏の風が心身を吹き抜けるようです。 (柳原美知子)

★今日晴れて空の自由を得し揚羽
★万両の花びらを反らして白し

■選者詠/高橋正子
★青草に水音立ちて蛍棲む
せせらぎにそっと近づき蛍火を眺めたのはいつの日だったことでしょうか。蛍、懐かしいひびきです。(祝恵子)

★茎水漬くほど水あって菖蒲園
菖蒲の茎へひたひたと寄せる清らかな水とひかり、水面にも空にもとりどりの菖蒲が映える静かで美しい情景が目に浮かびます。 (柳原美知子)

★菖★蒲田の遠目の花は明るかり

■互選高点句
●最高点(7点)
★植田村明けゆく月のみずみずし/柳原美知子

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。

●6月月例ネット句会投句案内●


●6月月例ネット句会投句案内●
①投句:当季雑詠(夏の句)3句
②投句期間:2018年6月4日(月)午後1時~2018年6月10日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:6月10日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:6月11日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、6月11日(月)正午~6月14日(木)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

6月月例ネット句会清記


■6月月例ネット句清記
2018年6月10日
14名42句 

01.医科大の古ぶ煉瓦や蔦茂る
02.娶らざる吾子の四十路や浮いて来い
03.うつすらと田圃アートの植田かな
04.朝刊のことりと音す五月晴
05.牧水の名付けし峠緑雨かな
06.ぬか雨の上がりし薔薇の美しく
07.新緑が映る水面の鮮やかさ
08.紫陽花を左右に眺め山門へ
09.折り畳み傘をかばんへ梅雨に入る
10.友と来て列待つ子らのかき氷

11.百合色の互いに光らせあう朝
12.揚羽きて小花に止まる瞬間
13.夏の草寝そべり思う遠い過去
14.暗がりに吹き込む夏風のばす足
15.遠雷に重なり響く泣き声よ
16.幼子の指の彼方に小鳥来る
17.雨を得て白く輝く七変化
18.夏の潮豊かなるかな河内灘
19.水満ちて山と玉苗写す今朝
20.植田村明けゆく月のみずみずし

21.田の植わりはるか石鎚青澄める
22.揚羽飛ぶ自由よ庭の出入りに
23.今日晴れて空の自由を得し揚羽
24.万両の花びらを反らして白し
25.雲厚き空なり栗の花匂う
26.稜線の高さを飛びぬ夏燕
27.果実酒の焼酎を買う梅雨曇
28.茎水漬くほど水あって菖蒲園
29.菖蒲田の遠目の花は明るかり
30.青草に水音立ちて蛍棲む

31.トマト苗葉にも花にも今朝の風
32.脇芽摘む朝のトマトの青匂う
33.オクラの実小さく尖り節もとに
34.水一面のまるい葉にあさざの黄
35.晴れの日は背を伸ばし咲く花菖蒲
36.どくだみの花の白さが山のよう
37.夕暮にやさしく留まるしおからとんぼ
38.燦々と陽に佇んでやまぼうし
39.あめんぼが元気に跳ねる昼の池
40.積み上げし本を抜き取り梅雨最中
41.短夜や夢の妻すぐ消え去りぬ
42.石段を登りて涼し大山寺

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。

■5月月例ネット句会入賞発表


■2018年5月月例ネット句会■
■入賞発表/2018年5月13日

【金賞】
★湖へ差す強き朝日や更衣/小口泰與
湖へ差す朝日の変化。湖の波をきらめかす今朝の朝日は強いのだ。更衣の季節だ。朝日の強さ、更衣の身軽さが夏が来たことを実感させてくれる。泰與さんは取り合わせの句と得意とされるが、不即不離の関係が上手くいっている。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★新緑に手を伸ばしつつ児の歩む/河野啓一
幼い児も新緑の季節は嬉しいのだろう。新緑に触れようとしてか、手を伸ばしながら歩く。かわいらしく、のびのびとした新緑のような児の姿が微笑ましい。(高橋正子)

★草笛の真直ぐ届く空の青/柳原美知子
草笛を巧みに鳴らす人にたまに出会うことがある。その音色が、真直ぐに青空へ響いていけよ、と願いたくなる。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★もてなしの砥部の大皿初鰹/藤田洋子
砥部焼は、全くの白磁ではなく、やや乳白色で厚手の民芸磁器。それに藍色を大胆に染め出した模様が特徴。もてなされる人たちの真ん中にでんと出された砥部焼の大皿の初鰹。初夏の爽やかさに、遠慮なくいただけそうだ。(高橋正子)

★ふくらみを確かめ葉陰の豌豆採る/古田敬二
豌豆は、莢も葉も緑。葉陰の莢も見落とさないように、ふくらみ具合を確かめて収穫する。熟れすぎず、よく実の入った豌豆こそが美味しいのだ。そこは経験がものを言う。(高橋正子)

★束の間の甘き香りやパイナップル/廣田洋一
夏らしい色と匂いが思い浮かぶ句。パイナップルの甘酸っぱい匂いが一瞬ぷんとたつ。そのことで夏の明るさが出た。(高橋正子)

【高橋信之特選/9句】
★草笛の真直ぐ届く空の青/柳原美知子
子供の頃を思い出して鳴らす高音の草笛。鋭く鳴った。青空へ届くようだ。 (古田敬二)

★鮓飯をひろげ冷ましつ母思う/柳原美知子
鮓飯をひろげ、鮓の香りの清々しい初夏です。懐かしく優しい母の味はきっと受け継がれるのでしょう。お母様への思いがしみじみと温かく伝わります。(藤田洋子)

★児の帽子シロツメクサの花輪つけ/祝恵子
野で摘んだシロツメクサの花輪をつけた清楚でかわいらしい帽子に、夏野の日の匂うような少女の笑顔が目に浮かびます。 (柳原美知子)

★新緑に手を伸ばしつつ児の歩む/河野啓一
★湖へ差す強き朝日や更衣/小口泰與 
★登校の児童賑わうえごの花/桑本栄太郎
★ふくらみを確かめ葉陰の豌豆採る/古田敬二
★豆ご飯つやつや子らと卓囲む/藤田洋子
★茅花吹く風を荒しと見ていたり/高橋正子

【高橋正子特選/9句】
★もてなしの砥部の大皿初鰹/藤田洋子
砥部焼の大皿に盛った初鰹で客人をもてなそうとする方も、ご馳走になる方も、季節感に話が弾みます。窓の外は青葉がきらきらと輝いて見えるし、嬉しい鳥声が聞こえるかもしれません。(河野啓一)

★蹲に滴る山の丸く映ゆ/古田敬二
新緑の明るさがうれしいころです。ふと気がつくと蹲に山の姿が映っていました。清々しい五月の朝を感じます。(多田有花)

★一時を椅子に座しおりバラ香る/祝恵子
バラ園なのか、それともご自宅なのか、庭なのか、いずれにせよ、ひとときの寛ぎの感覚が新鮮です。(多田有花)

★窓越しの空の明るさ五月来る/高橋信之
★野に出でてわが誕生の月五月/高橋信之
★束の間の甘き香りやパイナップル/廣田洋一
★草笛の真直ぐ届く空の青/柳原美知子
★新緑に手を伸ばしつつ児の歩む/河野啓一
★湖へ差す強き朝日や更衣/小口泰與

【入選/16句】
★夏来たるを振る影畝に濃し/古田敬二
光の変化が最も確実に季節の変化を教えてくれます。ほどよい気温の立夏のあたり。しかし、日差しは確実に夏の強さになっています。農作業に勤しむなかでそれを感じられました。 (多田有花)

★鞘豌豆実りて陽に透く玉の列/古田敬二
蔓に生る鞘豌豆が陽に透けてみずみずしい限りです。収穫の時を迎えての実りの喜び、初夏の明るい季節感が感じ取れます。(藤田洋子)

★新緑や陰で足湯を待つ時間/祝 恵子
新緑のまぶしき季節。日差しもきつくなってきました。
そんな日差しを陰でかわしつつ、足湯の順番を待つ。初夏の季節感をあふれて感じます。 (高橋秀之)

★窓若葉娘の滞在のピアノ鳴る/藤田洋子
いつもは学校生活等であろうか?不在勝ちの娘がゴールデンウイークに帰宅していて、ピアノを奏でています。大きく開けた窓より、新緑の若葉が目に沁みるように心地良く、久しぶりに帰宅した娘のピアノの音を通して、懐かしくそして嬉しく想う親の心が良く出ている。 (桑本栄太郎)

★ふと母に問いかけしことカーネーション/藤田洋子
母は娘にとって常に道標であるような気がします。母の日のカーネーションを前に亡き母への敬慕の念が溢れてきます。 (柳原美知子)

★青き目の遍路姿や様になり/廣田洋一
異人さんもお遍路されているのですね。ご無事で旅を続けられますように。(祝恵子)

★たんぽぽの絮の揃いて夕茜/柳原美知子
入日のあかあかとした中たんぽぽの絮が入日を一杯に受けてどこまでも飛んで行く素晴らしい景ですね。 (小口泰與)

★青梅が木々の葉裏に育ちおり/多田有花
木々の葉裏に実を結ぶ青梅のみずみずしさがありありと目に浮かびます。これからも丸く育ちゆく梅の実に季節の喜びを感じます。(藤田洋子)

★新幹線トンネル抜ければ緑濃き/高橋秀之
トンネルを抜けて、いっそう鮮やかな木々の緑が目に入ります。新幹線の爽快さに、より緑美しい季節の旅の心地よさを思います。(藤田洋子)

★友送り悼むこの日や花は葉に/桑本栄太郎
長くお付き合いが続いていたご友人が亡くなられました。花が咲いて散り、葉桜となり、巡る季節にさまざまな思いが去来したことでしょう。(多田有花)

★雲の峰飯盒飯の炊きあがり/小口泰與
炊きあがった飯盒飯に歓声が聞こえ、青葉の向こうに
早くも立ち上がる雲の峰に解放感あふれる夏のキャンプ場の様子が目に浮かびます。(柳原美知子)

★D51の鋭き汽笛夏の河/小口泰與
★鍵ひとつ加え五月のキーホルダー/多田有花
★植えし苗確と根付きて夏に入る/古田敬二
★戯れる二頭の蝶は青空へ/高橋秀之
★幼子の声響く居間夏に入る/藤田洋子

■選者詠/高橋信之
★野に出でてわが誕生の月五月
明るい野の日差しの中で、心地よい風に吹かれ、真っ青な空を仰げば、今年もまた誕生の月、五月の到来が喜びをもって実感されます。28日にはお誕生日、おめでとうございます。 (柳原美知子)

★窓越しの空の明るさ五月来る
★無事大事卓上の皿のそら豆よ
★食卓のそら豆に亡き母を思う
★生きていることを喜びそら豆食う

■選者詠/高橋正子
★茅花吹く風を荒しと見ていたり
茅花の白い穂を大きく揺らす荒々しい風に驚き、しなやかに吹かれる野花の力強い生命力に夏の季節の到来が実感されます。 (柳原美知子)

★バスを降り眼前大きな竹の秋
★夏鶯憩えば天辺より鳴きぬ
★空へ空へポピーは赤き花を立て
★若竹の伸びたる宙の橋渡る

■互選高点句
●最高点(6点)
★もてなしの砥部の大皿初鰹/藤田洋子

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。

■5月月例ネット句会清記


■5月月例ネット句清記
2018年5月13日
12名60句 

01.親兄弟揃い賑やか鯉のぼり
02.人の世の常やさまざま花の色
03.新緑に手を伸ばしつつ児の歩む
04.柿古木なお芽吹きつつ柿若葉
05.古池や色冴え来る花菖蒲
06.湖へ差す強き朝日や更衣
07.雲の峰飯盒飯の炊きあがり
08.D51の鋭き汽笛夏の河
09.あの頃のメトロの出口ソーダ水
10.大利根の水の流転や七変化

11.青梅が木々の葉裏に育ちおり
12.鍵ひとつ加え五月のキーホルダー
13.陽を受けし角度に開き若楓
14.はつなつの山路彩り餅躑躅
15.青鷺の孤影を映す山の池
16.登校の児童賑わうえごの花
17.教会の道のすがらや薔薇の垣
18.若楓かさね雨降るトンネルに
19.鼓打つ音の団地にたかしの忌
20.友送り悼むこの日や花は葉に

21.植えし苗確と根付きて夏に入る
22.夏来たる鍬を振る影畝に濃し
23.鞘豌豆実りて陽に透く玉の列
24.ふくらみを確かめ葉陰の豌豆採る
25.蹲に滴る山の丸く映ゆ
26.右に海左に新緑呉の旅
27.新幹線トンネル抜ければ緑濃き
28.延々と茂る葉桜河川敷
29.戯れる二頭の蝶は青空へ
30.軒下にかわいく泳ぐ鯉のぼり

31.児の帽子シロツメクサの花輪つけ
32.雨蛙ひやっと触れて他の鉢へ
33.一時を椅子に座しおりバラ香る
34.苦瓜の棚は脚立の助け借り
35.新緑や陰で足湯を待つ時間
36.幼子の声響く居間夏に入る
37.窓若葉娘の滞在のピアノ鳴る
38.もてなしの砥部の大皿初鰹
39.豆ご飯つやつや子らと卓囲む
40.ふと母に問いかけしことカーネーション

41.窓越しの空の明るさ五月来る
42.無事大事卓上の皿のそら豆よ
43.食卓のそら豆に亡き母を思う
44.生きていることを喜びそら豆食う
45.野に出でてわが誕生の月五月
46.赤と白一輪ずつの皐月かな
47.束の間の甘き香りやパイナップル
48.新緑や玄関の壁塗り直す
49.薊咲く休耕田の畔の道
50.青き目の遍路姿や様になり

51.矢車草初花ましろ一輪挿す
52.たんぽぽの絮の揃いて夕茜
53.草笛の真直ぐ届く空の青
54.鮓飯をひろげ冷ましつ母思う
55.初夏の丘に歓声ゴールする
56.バスを降り眼前大きな竹の秋
57.夏鶯憩えば天辺より鳴きぬ
58.茅花吹く風を荒しと見ていたり
59.空へ空へポピーは赤き花を立て
60.若竹の伸びたる宙の橋渡る

※互選を始めてください。7句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。

●5月月例ネット句会投句案内●


●5月月例ネット句会投句案内●
①花冠会員・同人であれば、どなたでも投句が許されます。花冠会員・同人以外の方は花冠IDをお申し込みの上、取得してください。
②当季雑詠(春の句・夏の句)計5句を下の<コメント欄>にお書き込みください。
※5句投句といたしますのでお間違いのないようにお願いします。

③投句期間:2018年5月6日(日)午前0時~5月13日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。

▼互選・入賞・伝言
①選句期間:5月13日(日)午後6時~5月13日(日)午後9時
②入賞発表:5月14日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、5月14日(月)正午~5月16日(水)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

ご挨拶/4月ネット句会


4月ネット句会は、第2日曜日が8日でしたので、花祭りの日と重なりました。ご参加ありがとうございました。また、入賞の皆様おめでとうございます。
4月ネット句会から、高橋秀之さんのご長男の成哉さんが子花冠ども俳句会を卒業し、参加してくれました。4月に神戸大学に入学したばかりの若い学生さんです。「継続は力なり」を実践されているようで、将来がたのしみです。
入賞発表のコメントを整理するのが遅れましたが、4月22日に最終的に全てのコメントを発表することができました。ご覧ください。来月の句会は5月13日(日)の母の日となります。楽しみにおまちください。(花冠主宰/高橋正子)

■4月月例ネット句会入賞発表


■2018年4月月例ネット句会■
■入賞発表/2018年4月8日

【金賞】
★一本のチューリップいま切りしもの/ 祝恵子
直截な俳句の良さが生かされた句。チューリップの瑞々しく、生き生きとした花が、たった今、一本だけ、切られることによって、明らかになった。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★青空へ二階の子が吹くシャボン玉/古田敬二
シャボン玉が青空へ吹かれる。二階の子が吹くと、より青空に近く吹かれる。「二階」という階は、地上から少し離れた生活圏。シャボン玉を吹く楽しさが伝わってくる。(高橋正子)

★花の間に稜線青き皿ケ嶺/柳原美知子
花と花の間に、稜線が青い皿ケ嶺を描き出している。花の色と青い嶺とういう色彩的に鮮やかな景色が清々しい。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★花の雲利根へ利根へと急(せ)く支流/小口泰與
利根川の支流は山間を流れる。雪解け水に、ますます急く川となって花の雲の下を流れる。山間の冷や冷やとした空気が感じられる。(高橋正子)

★うきうきとと夕日の中に散るさくら/河野啓一
散る桜は美しくも哀しさがあるものだが、夕日を受けた桜は、うきうきとして、まるで極楽に咲く桜のようである。作者の心がこのようであるのだろう。(高橋正子)

★花蘇枋雨の上がりし窓を拭く/藤田洋子
蘇芳の花の色は、そのまま「蘇芳」と呼ばれる日本の美しい色。雨上がりに、窓を拭くのは窓に湿りがあって、汚れが落ちやすいので、合理的なこと。地味な句だが、生活をじっくりと捉えて詠んだ佳句だ。(高橋正子)

【高橋信之特選/9句】 
★初燕池は青空映しおり/古田敬二
快晴の青空のもと、池の上を初燕が飛んでいったのでしょう。春の爽快さを感じます。 (高橋秀之)

★一本のチューリップいま切りしもの/ 祝恵子
庭に咲くチューリップを切り、花瓶に生ける。冬の寒さを耐えて土を破り茎をのばし花を咲かせる。精魂込めて咲かせた一本のチューリップに寄せる思いが感じられる。 (古田敬二)

★リハビリ終え花満つ土手を送らるる/柳原美知子
リハビリを終えた充足感に満開の花の美しさ。明るく前向きなお姿に、花の季節の喜びがいっそう感じられます。 (藤田洋子)

★木の枝の芽吹く先には大空が/高橋秀之
芽吹く木々の枝先に、見上げる空の広やかさ。春を迎えた伸びやかな光景に、新たな季節の明るい希望が感じとれます。 (藤田洋子)

★花の間に稜線青き皿ケ嶺/柳原美知子
四国は中央に山脈がとおり、その山が意外に険しいところです。満開の桜、そのむこうに郷土の山が青く見えます。 (多田有花)

★初蛙棚田の泥に声転がし/高橋正子
今年初めての蛙の声に耳を澄ますと、棚田の泥の中で体中から声を出して懸命にないているようです。泥の中の蛙はユーモラスでもあり、生き物への温かい視線が感じられる楽しい句ですね。 (柳原美知子)

★名を呼んで駆け寄りし子と花の昼/藤田洋子
桜も咲きほころぶ中、可愛い盛りのお孫さんとの至福のひとときに安らぎと希望が感じられます。 (柳原美知子)

★青空へ二階の子が吹くシャボン玉/古田敬二
★花蘇枋雨の上がりし窓を拭く/藤田洋子

【高橋正子特選/9句】
★うきうきとと夕日の中に散るさくら/河野啓一
さくら見物は気持ちがうき浮きとします。やがて夕日が出て、さくらも散りだし、夕日に映えてさらに気持ちも高揚してきます。 (祝恵子)

★桜散り芽生える緑に見える夏/高橋成哉
桜が散ったかと思うとすぐに同じ木に芽生える緑、季節の移り変わりを前向きに捉え実感する若さが感じられます。 (柳原美知子)

★甍の波桜の波と重なりて/多田有花
日本の甍と桜の花の色は、品よく似合う。甍の波、桜の波に動きが見えて、爛漫の景色が詠まれている。(高橋正子)

★道の端小さき菫の幸あれと/廣田洋一
道端に菫が踏まれはしないかと咲いている。「菫ほどの小さき人に生まれたし/夏目漱石」と詠まれた菫だが、可憐な花に応援をしたくなる。「幸あれ」と願いたい。(高橋正子)

★蛙鳴く道よわが家が見えてくる/高橋信之
蛙が鳴く道。家路に田んぼがずっと広がっていて、道すがら蛙の鳴く声を聞く。家路につく安堵感。(高橋正子)

★花の雲利根へ利根へと急(せ)く支流/小口泰與
★青空へ二階の子が吹くシャボン玉/古田敬二
★一本のチューリップいま切りしもの/ 祝恵子
★花の間に稜線青き皿ケ嶺/柳原美知子

【入選/18句】
★ミモザ咲く麒麟の首の長いこと/古田敬二
フランスの文学や映画によく出てくる花で、黄色の小さいパフのような花が一杯咲き香りが高い。キリンの長い首との二物衝撃が素晴らしいです。(小口泰與)

★掘りたての初筍の皮開く/藤田洋子
春のやわらかな筍、掘りたてのものの皮をはいでいきます。筍の色、皮の色、手触り、匂い、そうしたものが感じられます。(多田有花)

★たんぽぽや地の太陽と黄に染まる/廣田洋一
野山に様々な花が咲き、生きとし生けるものに春の喜びが感じられる季節。とりわけたんぽぽのびっしりと咲く地の黄の輝きは、ほのぼのと生命力にあふれ、明るい太陽の日差しに包まれる思いがします。 (柳原美知子)

★山桜左右に山の懐へ/多田有花
春山に広がる桜の光景が思い浮かびます。(高橋成哉)

★ばめ来る完成間近の物産館/柳原美知子
つばめが建築中の物産館に巣をかけに来のでしょうか。オープン間近の物産館を楽しみに日々観察している作者を想像します。(高橋句美子)

★花御堂杓持つ子らに囲まるる/藤田洋子
子どもたちが沢山来ているのでしょう。柄杓を持つ子に囲まれるという賑やかさが花御堂を引き立てます。
(高橋秀之)

★春野菜甘い香りの爽やかさ/高橋句美子
春野菜だからこその甘い香りが気持ちを爽やかしてくれる。気持ちのよい春のひとこまです。(高橋秀之)

★柔らかな風が西から春の海/高橋秀之
海を渡る風にふとやわらかさを感じられました。こういう瞬間に、季節の進みをはっきり感じます。 (多田有花)

★吹きあぐる花の吹雪よケーブルカー/祝恵子
どこの山でしょう。ケーブルカーで登っていかれるとそこへ花吹雪がどっと風にあおられてきました。華やかな一瞬の美しさを見事にとらえておられます。 (多田有花)56.山雨過ぎ朝の光りの花御堂/藤田洋子

★葉桜が一直線に目黒川/高橋句美子
つい先日まで花見客で賑わい、両岸に桜で染まる美しさの目黒川を思い浮かべます。花の時季を終え、すっかり葉桜となる並木の「一直線」が、清々しく爽やかな季節の訪れを感じさせてくれます。 (藤田洋子)

★揺れるとも一花も放たず咲き満てり/多田有花
桜が咲ききった、その時は、風が吹くとも雨が降るとも「一花も放たず」という信じられないほどの力強さを見せる。満開の桜の力強さ。(高橋正子)

★快晴の花にやや吹く風のあり/多田有花
快晴の空。桜の花をすこし揺らす風が吹く。この微妙な動きに、晴れやかで、優しい景色が見える。(高橋正子)

★今年また此処の櫻とあいにけり/小口泰與
桜が咲くのは毎年のことである。今年また、此処の桜と会った感慨。(高橋正子)

★オランダの土産や赤いチューリップ/河野啓一
オランダのチューリップは有名である。オランダ土産が赤いチューリップだった。おやゆび姫の童話を思い起こさせるような、チューリップを代表する赤い色のチューリップだ。(高橋正子)

★花吹雪夕焼け後ろに染まる道/高橋成哉
夕焼けが染める花吹雪の美しい光景。その桜吹雪の道を歩いているのだ。晴れやかな心がさわやかだ。(高橋正子)

★知恩院抜けた先に山桜/高橋成哉
知恩院は京都東山の麓にある。山桜が咲いて知恩院とよく馴染んでいる。「山桜」がいい。(高橋正子)

★花屑を分けて色鯉近づきぬ/祝恵子
花屑が一面に浮かぶ水面。その花屑を分けて、いろんな色の鯉が近寄ってくる。なんときれいな。鯉に親しさが湧く。(高橋正子)

■選者詠/高橋信之
★春の日のりんごジュースを飲み干しぬ
リンゴジュースは、前年の林檎から作られる。それを飲んで、春を実感する。 (廣田洋一)

★蛙鳴く道よわが家が見えてくる
★つとめ終えし帰宅の吾に鳴く蛙
★菜の花を咲かせて谷戸を流れる川
★天晴れて地に低く咲く菜の花は

■選者詠/高橋正子
★初蛙くりりくりりと谷戸の田に
春がきて、可愛い初ガエルの鳴き声きが懐かしく響きます。オノマトペが嬉しい。 (河野啓一)

★初蛙棚田の泥に声転がし
今年初めての蛙の声に耳を澄ますと、棚田の泥の中で体中から声を出して懸命にないているようです。泥の中の蛙はユーモラスでもあり、生き物への温かい視線が感じられる楽しい句ですね。 (柳原美知子)

★谷戸の田は貧し菖蒲芽をそろえ
★春嵐彩なす丘陵大花壇
★菜の花に残れる淡き遠き花

■互選高点句
●最高点(5点)
★花の雲利根へ利根へと急(せ)く支流/小口泰與
●次点(4点/同点2句)
★一本のチューリップいま切りしもの/祝恵子
★吹きあぐる花の吹雪よケーブルカー/祝恵子

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)