●10月月例ネット句会投句ご案内●
①投句:当季雑詠(秋の句)3句
②投句期間:2019年10月7日(月)午前6時~2019年10月13日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:10月13日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:10月14日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、10月14日(月)正午~10月17日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之
●10月月例ネット句会投句ご案内●
①投句:当季雑詠(秋の句)3句
②投句期間:2019年10月7日(月)午前6時~2019年10月13日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:10月13日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:10月14日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、10月14日(月)正午~10月17日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之
■2019年9月月例ネット句会■
■入賞発表/2019年9月9日
【金賞】
13.爽やかや渓流の音身の内に/小口泰與
渓流にしばらく佇むと、渓流の音が身の内に沁みこんで来るような気がする。自身が渓流と一つになったような感覚。無理なく素直に爽やかさが詠まれた。(高橋正子)
【銀賞/2句】
35.稔田をはるかに飛機雲伸びゆけり/柳原美知子
熟れた稲の色と青空をはるかへと伸びて行く飛行機雲の色の対比が自然の現象のなかで美しい。澄んだ秋の空気を思い切り吸いたい気持ちになる。(高橋正子)
23.音たてて木曽駒ケ岳(きそこま)流す秋の水/古田敬二
駒ヶ岳と呼ばれる山は、日本にどれくらいあるだろう。作者の詠んだのは名だたる木曽駒ヶ岳。そこに秋の水が音を立てて流れている。大いなる山の秋の水だ。(高橋正子)
【銅賞/3句】
28.採れたての野菜頂き秋の風/廣田洋一
採れたての野菜を頂いた。秋の風がそっと吹いてきた。畑で採れたてを手渡されたのだろうか。庭先だろうか。秋の風が爽やかないい関係を忍ばせている。(高橋正子)
18.稲光車内に本を読みふけて/西村友宏
通勤の電車内か。本を読みふけっていると、窓から稲光が差し込み、本を光らせた。外の天気の変わりように、我に戻ってはっと驚いたのだ。(高橋正子)
01.大阪港の西に大きく秋の空/高橋秀之
地図を見れば、あきらかだが、大阪湾は西に向かって開かれている。大阪港もしかり。大きな船が出入りする港湾の空も大きな秋の空なのだ。おおからな、とらわれのない句だ。(高橋正子)
【高橋信之特選/7句】
07.秋雷の後に鳴らして豆腐売り/祝恵子
激しい雷鳴の後に聞こえてくる豆腐売りのラッパの音でしょうか。ゆっくりとのどかな調子に緊張感がほぐれ、ほっとしたことでしょう。 (柳原美知子)
08.西瓜切り子供へ無料の張り紙/祝恵子
13.爽やかや渓流の音身の内に/小口泰與
24.秋の夜や静かに語る満蒙談/古田敬二
26.葛の花の匂いここまで川はさみ/高橋正子
28.採れたての野菜頂き秋の風/廣田洋一
35.稔田をはるかに飛機雲伸びゆけり/柳原美知子
【高橋正子特選/7句】
01.大阪港の西に大きく秋の空/高橋秀之
大阪港の西には大阪湾が広がります。瀬戸内海あるいは紀淡海峡を抜けて大阪湾にいたる船の航行が多く活気に満ちた海です。その上に広々と広がる秋の空です。 (多田有花)
13.爽やかや渓流の音身の内に/小口泰與
18.稲光車内に本を読みふけて/西村友宏
19.夏山に木を伐り倒す音立てて/高橋信之
20.卓上の芒が風に吹かれいる/高橋信之
23.音たてて木曽駒ケ岳(きそこま)流す秋の水/古田敬二
34.朝露に濡れて白猫帰りくる/柳原美知子
【入選12句】
06.かなかなの峡の静寂や母の里/桑本栄太郎
夕方に聴く日暮しはひときわ寂しい響きである。母の里で聴くそれは更に静寂感を催す。(古田敬二)
11.稲の波広々続く播磨の野/多田有花
一面の広々の稲田、その稲穂の波が次々となびく播磨の景が涼やかです。 (祝恵子)
16.一泳ぎゴーグル外せば鰯雲/西村友宏
海か屋外プールか、それとも川か、とにかく外で泳いでおられます。まだまだ残暑も厳しく、心地よいひと泳ぎ。しかし、ふと空をみれば鰯雲。さわやかな情景です。(多田有花)
31.秋場所の初日の空の高く晴れ/髙橋句美子
まちに待った大相撲秋場所の初日を迎えた嬉しさと爽やかな澄んだ秋の空の素晴らしさとのうれしさの対比が素晴らしい素敵な句ですね。(小口泰與)
32.秋茄子の母の煮びたし薬味の香/髙橋句美子
秋茄子も終わりごろともなれば少し硬くなり、あくも出るとも言われています。しかし、料理自慢の母の手にかかれば、柔らかくこの上ない美味し秋茄子は、煮びたしが美味しい。中でも母の煮びたしには隠し味のような薬味も乗せられて良い香りがする。 (桑本栄太郎)
04.綾子忌の豆殻焚いて早風呂に/桑本栄太郎
細見綾子の忌日は9月6日。「そら豆はまことに青き味したり」などが代表句です。豆殻焚を焚かれたあたりに綾子への思いが感じられます。 (多田有花)
36.青銀杏吹きあぐる風身に透けり/柳原美知子
銀杏は大木となるものが多く、晩秋には見事な黄葉を楽しめます。その木が今は濃い緑を保ち、強い風の中に立っています。銀杏とともにその風に吹かれている詠者です。 (多田有花)
12.唐辛子赤し快晴の空青し/多田有花
唐辛子の赤と快晴の空の青の対比と韻を踏んだリズムも楽しく、さわやかです。(柳原美知子)
05.暮れ残る嶺の茜やあきつ飛ぶ/桑本栄太郎
14.秋の朝利根上流の堅き水/小口泰與
30.海べりの波打つ如き尾花かな/廣田洋一
33.駅ホーム秋雨の叩く音響き/髙橋句美子
■選者詠/高橋信之
19.夏山に木を伐り倒す音立てて
夏山に青々と茂る大木と逞しい樵の姿が眼に浮かび、切り倒された大木の音の余韻が響いてくるようです。(柳原美知子)
20.卓上の芒が風に吹かれいる
21.しんとして夏の暑さの中に居る
■選者詠/高橋正子
25.芒の穂若きみどりが金を帯ぶ
芒の色の変化が綺麗です。輝くような色が想像できます。(髙橋句美子)
26.葛の花の匂いここまで川はさみ/高橋正子
川むこうに咲いている葛の花のむせ返るような芳香と澄みきった川の水音に包まれ、秋の到来が実感されるうれしいひと時です。(柳原美知子)
27.家づとに芒・露草・葛の花
■互選高点句
●最高点(5点)
13.爽やかや渓流の音身の内に/小口泰與
※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も一点として加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。
■9月月例ネット句清記
2019年9月8日
12名36句
01.大阪港の西に大きく秋の空
02.秋風が吹き寄す海に鳥一羽
03.台風の進路はいずこニュース見る
04.綾子忌の豆殻焚いて早風呂に
05.暮れ残る嶺の茜やあきつ飛ぶ
06.かなかなの峡の静寂や母の里
07.秋雷の後に鳴らして豆腐売り
08.西瓜切り子供へ無料の張り紙
09.秋初めお食い初めの鯛や汁
10.福岡の豊水店頭に高く
11.稲の波広々続く播磨の野
12.唐辛子赤し快晴の空青し
13.爽やかや渓流の音身の内に
14.秋の朝利根上流の堅き水
15.背(せな)ふたつ遠目に月の湖畔かな
16.一泳ぎゴーグル外せば鰯雲
17.靴ひもを結びて誓う墓参り
18.稲光車内に本を読みふけて
19.夏山に木を伐り倒す音立てて
20.卓上の芒が風に吹かれいる
21.しんとして夏の暑さの中に居る
22.天辺から楓紅葉木曽ホテル
23.音たてて木曽駒ケ岳(きそこま)流す秋の水
24.秋の夜や静かに語る満蒙談
25.芒の穂若きみどりが金を帯ぶ
26.葛の花の匂いここまで川はさみ
27.家づとに芒・露草・葛の花
28.採れたての野菜頂き秋の風
29.たらたらと肘に流れる桃の水
30.海べりの波打つ如き尾花かな
31.秋場所の初日の空の高く晴れ
32.秋茄子の母の煮びたし薬味の香
33.駅ホーム秋雨の叩く音響き
34.朝露に濡れて白猫帰りくる
35.稔田をはるかに飛機雲伸びゆけり
36.青銀杏吹きあぐる風身に透けり
※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。
●9月月例ネット句会投句ご案内●
①投句:当季雑詠(秋の句)3句
②投句期間:2019年9月2日(月)午前6時~2019年9月8日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:9月8日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:9月9日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、9月9日(月)正午~9月12日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之
■2019年8月月例ネット句会■
■入賞発表/2019年8月12日
【金賞】
22.稲穂出て朝の光に総立ちに/柳原美知子
稲穂が出始める季節。出穂のときは、穂はまだまっすぐだ。朝の光に、われもわれもと背伸びをするかのように、総立ちになる。歓喜で朝を迎えている。これからの実りが楽しみだ。(高橋正子)
【銀賞/2句】
16.盂蘭盆会を前に仏花を求めくる/高橋秀之
先祖の精霊を迎える支度に、仏花を求めてきた。夏菊などが束ねられて、生き生きとした花だ。盆の花を用意し、先祖を迎える生活が生き生きとしている。(高橋正子)
32.展覧会モノクロ涼しき師の写真/高橋句美子
展覧会でモノクロ写真を目にした。シンプルな句だが、多彩な写真のなかで、モノクロ写真が涼しく思えた。師の写真には特別涼しさが加わったのだろう。(高橋正子)
【銅賞/3句】
13.水道は小さく絞れ広島忌/古田敬二
広島に原爆が投下され、犠牲となった人たちは、水を、水を、と水を求めながら死んだ。命と引き換えの水。水道は、小さく絞って、せめてこの日は使おうではないか。(高橋正子)
10.葉より葉へ蓮の水滴すべり落つ/祝恵子
蓮の葉が重なる。上の葉から、下の葉へ、水滴が滑り落ちる。その光景は、目にもきよらかで涼しい光景だ。(高橋正子)
35.山頂に飲み干すラムネに映る空/西村友宏
山頂でラムネを傾けて飲み干した。すると、瓶に空が映る。青いラムネの瓶に映る空も青く輝いている。山頂きの空気が爽やかだ。(高橋正子)
【高橋信之特選/7句】
10.葉より葉へ蓮の水滴すべり落つ/祝恵子
美しいものの代名詞のような、蓮の葉の上を転がる水滴です。風に不安定となり、きらめきながら転がり落ちた先も、又蓮の葉の上です。「ハ」と「ス」の頭韻が心地よく、美しい涼やかなリズムが生まれている。(桑本栄太郎)
23.朝風に初穂光りて揺れやまず/柳原美知子
稲穂が出揃う時期になってきました。朝の涼やかな風の中朝日に映えて輝く初穂の美しさが感じられます。 (多田有花)
13.水道は小さく絞れ広島忌/古田敬二
16.盂蘭盆会を前に仏花を求めくる/高橋秀之
22.稲穂出て朝の光に総立ちに/柳原美知子
32.展覧会モノクロ涼しき師の写真/高橋句美子
35.山頂に飲み干すラムネに映る空/西村友宏
【高橋正子特選/7句】
05.百日紅の木陰にならび六地蔵/多田有花
暑い日差しは地蔵にも容赦なく照り付けます。そんな六地蔵が涼しさを求めているかのように百日紅の木陰に並んでいるのは、ほっとする光景です。 (高橋秀之)
35.山頂に飲み干すラムネに映る空/西村友宏
山頂で飲むラムネ。飲み干せば青空が。汗がひいたことでしょう。 (祝恵子)
17.幼子の袋に金魚が懐かしき/高橋秀之
夜店の金魚すくいで取った金魚でしょうか。ビニール袋に透ける赤い金魚を手に、うれしそうに歩く幼子の姿にかつての子供たちの姿が重なります。 (柳原美知子)
10.葉より葉へ蓮の水滴すべり落つ/祝恵子
13.水道は小さく絞れ広島忌/古田敬二
22.稲穂出て朝の光に総立ちに/柳原美知子
32.展覧会モノクロ涼しき師の写真/高橋句美子
【入選/10句】
03.テンカラの毛ばり呼び込む?の花/小口泰與
テンカラ釣りでは釣りの間中ずっと竿を振り続けます。渓流で竿を振る釣り人の上にタラの白い花が涼やかです。 (多田有花)
06.原爆忌いずこの町も燃えている/多田有花
このところの日本全国での酷暑は、原爆の火をイメージさせられるような気がします。地球上での様々な危機的状況について、考えさせられる原爆忌です。 (柳原美知子)
08.人影を石に映せり原爆忌/桑本栄太郎
広島で炸裂した原爆の光がそのとき座っていた人の影を敷石に残したという話は有名です。それを思い出しました。 (多田有花)
12.童話めくれば懐かしき夏灯し/祝恵子
童話のページのひとつひとつに、かつての読み聞かせの思い出が蘇る夏の夜の心温まるひと時です。 (柳原美知子)
18 帰宅路に聞こえる花火の音遠く/高橋秀之
帰宅時に、駅を出ると花火の音が聞こえることがある。どこの花火大会かなと思いながら、空を見回すが、花火は見えない。何となく寂しくなる心情を「音遠く」で表したところが上手い。(廣田洋一)
20.若かりし妻の好みのソーダ水/廣田洋一
ソーダ水を飲めば、若き日の奥様の笑顔や仕草がまなうらに浮かび、共に過ごした日々が懐かしく偲ばれます。素敵な愛の詩ですね。 (柳原美知子)
24.初秋の石鎚青きシルエット/柳原美知子
澄んだ空気に山のシルエットが綺麗に浮かび上がる景色が美しいです。 (高橋句美子)
33.レモン水透けるガラスにつく水滴/高橋句美子
レモン水の入ったガラスの涼し気な水滴。よく冷えていたことでしょう。透き通った向こうに見えてもの何だったのでしょう(古田敬二)
07.勇気こそ愛の証しや草田男忌/桑本栄太郎
34.天の川帽子を流す浜の風/西村友宏
■選者詠/高橋信之
25.夏ずぼん薄く軽きを楽しめる
26.外を見る出かける前の夏シャツで
27.窓外がかっと明るい真夏の陽
■選者詠/高橋正子
29.ひとひらの高き雲浮き秋に入る
澄み渡った秋空にひとひらの雲、定めない秋空に雲の変化もあり、秋の気配を充分に身に染む頃となりました。素晴らしい季節に感謝です。 (小口泰與)
今年の立秋の日は、こちらでも青空に巻雲が出ていました。急に空が高くなったように感じられました。 (多田有花)
28.灼けていて煤あるごとく空暗み
30.きっかりと空に半月秋に入る
■互選高点句
●最高点(同点2句/7点)
10.葉より葉へ蓮の水滴すべり落つ/祝恵子
29.ひとひらの高き雲浮き秋に入る/高橋正子
※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も一点として加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。
■8月月例ネット句清記
2019年8月11日
12名36句
01.底紅やかの日の夢は夢のまた
02.傘寿過ぎその衰えや桐の花
03.テンカラの毛ばり呼び込む?の花
04.熱中症の人運ばれてくる酷暑
05.百日紅の木陰にならび六地蔵
06.原爆忌いずこの町も燃えている
07.勇気こそ愛の証しや草田男忌
08.人影を石に映せり原爆忌
09.秋立つや黒く連なるビルの影
10.葉より葉へ蓮の水滴すべり落つ
11.出目金と一瞬目の合う水族館
12.童話めくれば懐かしき夏灯し
13.水道は小さく絞れ広島忌
14.一本に一匹蝉のいる道路
15.落柿舎に小さく秋の風来たる
16.盂蘭盆会を前に仏花を求めくる
17.幼子の袋に金魚が懐かしき
18.帰宅路に聞こえる花火の音遠く
19.ラーゲリの移動記録や敗戦日
20.若かりし妻の好みのソーダ水
21.令和初剥きたる梨は二十世紀
22.稲穂出て朝の光に総立ちに
23.朝風に初穂光りて揺れやまず
24.初秋の石鎚青きシルエット
25.夏ずぼん薄く軽きを楽しめる
26.外を見る出かける前の夏シャツで
27.窓外がかっと明るい真夏の陽
28.灼けていて煤あるごとく空暗み
29.ひとひらの高き雲浮き秋に入る
30.きっかりと空に半月秋に入る
31.猛暑の夜街の中吹く風があり
32.展覧会モノクロ涼しき師の写真
33.レモン水透けるガラスにつく水滴
34.天の川帽子を流す浜の風
35.山頂に飲み干すラムネに映る空
36.帰路につく我を露店へ鰻の香
※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。
●8月月例ネット句会投句ご案内●
①投句:当季雑詠(夏の句・秋の句)3句
②投句期間:2019年8月5日(月)午前6時~2019年8月11日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:8月11日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:8月12日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、8月12日(月)正午~8月15日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之
■2019年7月月例ネット句会■
■入賞発表/2019年7月15日
【金賞】
★蓮池に雲間の空の青ひろげ/柳原美知子
蓮池の葉の隙間に空が映っている。その空は、青空に小さな雲が浮かんでいて、雲が流れて次第に青い空がひろがる。それが、モネの睡蓮の画のようになる。睡蓮画を見ているようだ。(高橋正子)
【銀賞/2句】
★雨宿りしているトンボ朝に会う/祝恵子
トンボも雨宿りをする。雨を避けて、葉陰か、杭のようなところに止まっているのだろう。翅には、雨がかかり透明感が増している。そんなトンボに朝出会った。朝出会ったことで、トンボへの愛おしさ、またすがすがしさを感じた。(高橋正子)
★語り合う友とのひととき冷奴/高橋秀之
一杯飲みながら、友と語り合うとき、手元にあるのが冷奴。冷奴は、冷たくて、気負わない、さっぱりとした一品。友との関係も、そんな関係であろう。涼しい気持ちになる句。(高橋正子)
【銅賞/3句】
★子かまきり柔らかき鎌を構えおり/多田有花
子どものかまきりも、親そっくりの姿。小さいながら鎌をもって、構えもするが、一つ違うのは、「やわらかさ」。生まれて間もない子かまきりの生命の柔らかさ、初々しさだ。(高橋正子)
★日傘買う母に合わせた花の色/高橋句美子
日傘を母にプレゼントする。柄や模様や色は、と考える。母に合わせた、花の色。花の色は読み手によって、想像される。(高橋正子)
★朝風に白鷺の来て田を占むる/柳原美知子
朝の田に、風が連れてきたようにたくさんの白鷺が降り立った。白と緑の印象が鮮やかで、田を占めるほどの白鷺に、目を見張るばかりだ。(高橋正子)
【高橋信之特選/7句】
★蓮の実の真青に雨の降りいたり/高橋正子
蓮の花が散り、瑞々しい青い実をつけた蓮池。静かに雨が蓮の葉を濡らし、実を濡らして青さを深めていきます。日本画を見るようです。(柳原美知子)
★日傘買う母に合わせた花の色/高橋句美子
母子の情が読み手に伝わってくるが情の甘さを感じさせない。そこがいい。(高橋信之)
★晴れの朝一気に蝉が鳴き始む/高橋秀之
上五の「晴れの朝」に続く「一気に」がいい。俳句ならではの良さである。(高橋信之)
★語り合う友とのひととき冷奴/高橋秀之
昔からの仲の良い友達と楽しい話し合いとさっぱりとした美味しい冷奴との対比が素晴らしいですね。 (小口泰與)
親しい友達と冷奴をつつき乍ら、語り合う景色が見える。隣にビールでもあるだろうか?楽しい句である。 (廣田洋一)
★雨宿りしているトンボ朝に会う/ 祝恵子
★蓮池に雲間の空の青ひろげ/柳原美知子
★朝風に白鷺の来て田を占むる/柳原美知子
【高橋正子特選/7句】
★子かまきり柔らかき鎌を構えおり/多田有花
誰が教えたわけでもないのに、子かまきりは身を守るために懸命に威嚇をしています。 (祝恵子)
★山清水リズム良く鳴る鹿威し/廣田洋一
何処かの山を背景にした庭園であろうか?こんこんとわき出す山清水に、鹿威しの音が涼やかで心地良い。 (桑本栄太郎)
★向日葵にわが丈抜かれ空の青/西村友宏
下五に置いた「空の青」がいい。読み手の眼にも鮮明に浮かんでくる「空の青」である。(高橋信之)
★山百合の白い蕾はすっとあり/高橋句美子
すっとありの下五が山百合の白くてかわいい蕾の様子を醸し出してくれています。(高橋秀之)
★夏空へ飛び立つ鳥の水しぶき/高橋秀之
河口の鳥でしょうか。飛び立つ時の水しぶきの勢いと涼しさが青い夏空へと広がっていくようで、しばし暑さを忘れ、やすらぐひと時です。 (柳原美知子)
★雨宿りしているトンボ朝に会う/祝恵子
★蓮池に雲間の空の青ひろげ/柳原美知子
【入選/8句】
★雲海のはるか眼下に道の駅/桑本栄太郎
雲海の切れ目に道の駅を見つけたのでしょうか。ひろびろとした景色が想像できます。(高橋句美子)
★サアーフインの板立てかけて小料理店 祝恵子
海辺の小料理店なんでしょうか。お店の近くに立てかけているサーフボードが夏の海の雰囲気を運んできてくれます。(高橋秀之)
★夜の色をまとう浅間や合歓の花/小口泰與
浅間山が次第に紺色を帯びる頃、合歓の花が優しい紅の花をひらく美しい景が眼に浮かびます。 (柳原美知子)
★父母もいて我は幼し蛍狩り/古田敬二
蛍狩りに故郷を思い、幼き日とうら若い父母の姿がまなうらに浮かびます。いつまでも蛍飛ぶ平和な故郷であってほしいものです。 (柳原美知子)
★シャッター街猫の見上げる江戸風鈴/西村友宏
寂しげなシャッター街。そんな所にもある江戸風鈴の風情。人間社会とは関係の無い猫がこのふたつを繋いでくれました。(高橋秀之)
★遮断機の踏切り開かず片かげり/桑本栄太郎
★渡し場のありしところや夏の川/多田有花
★走馬灯幼き時の遠い道/小口泰與
■選者詠/高橋信之
★蓮咲くと妻と出かけるバスの旅
蓮の花を見ようとご夫婦で出かけられる充実したお暮らしぶりがうかがえます。日常を離れてのバスの旅に心も弾むようです。 (柳原美知子)
★カンナ咲く山へと登る入口に
★今日あればまた明日があり梅雨降れる
■選者詠/高橋正子
★蓮の実の真青に雨の降りいたり
蓮の花が散り、瑞々しい青い実をつけた蓮池。静かに雨が蓮の葉を濡らし、実を濡らして青さを深めていきます。日本画を見るようです。(柳原美知子)
★電線に尾長よく鳴き梅雨夕焼
★山鳩の声は夏山より出でず
■互選高点句
●最高点(5点)
08.子かまきり柔らかき鎌を構えおり/多田有花
子どものかまきりも、親そっくりの姿。小さいながら鎌をもって、構えもするが、一つ違うのは、「やわらかさ」。生まれて間もない子かまきりの生命の柔らかさ、初々しさだ。(高橋正子)
※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も一点として加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。
■7月月例ネット句清記
2019年7月14日
12名36句
01.金色の水面すくいて蛇泳ぐ
02.遮断機の踏切り開かず片かげり
03.雲海のはるか眼下に道の駅
04.真夜の風赤提灯を簾越し
05.走馬灯幼き時の遠い道
06.夜の色をまとう浅間や合歓の花
07.歯科医院出れば驟雨の始まりぬ
08.子かまきり柔らかき鎌を構えおり
09.渡し場のありしところや夏の川
10.晴れの朝一気に蝉が鳴き始む
11.語り合う友とのひととき冷奴
12.夏空へ飛び立つ鳥の水しぶき
13.父母もいて我は幼し蛍狩り
14.中学生カサブランカの香を抜けて
15.七月来時折寒き風吹けり
16.雨宿りしているトンボ朝に会う
17.サアーフインの板立てかけて小料理店
18.オクラ切る包丁にぬめりつけながら
19.カンナ咲く山へと登る入口に
20.蓮咲くと妻と出かけるバスの旅
21.今日あればまた明日があり梅雨降れる
22.汗ふいて缶コーヒーと富士の山
23.向日葵にわが丈抜かれ空の青
24.シャッター街猫の見上げる江戸風鈴
25.日傘買う母に合わせた花の色
26.山百合の白い蕾はすっとあり
27.山盛りの新茶お茶屋に香ばしい
28.蓮の実の真青に雨の降りいたり
29.電線に尾長よく鳴き梅雨夕焼
30.山鳩の声は夏山より出でず
31.山清水リズム良く鳴る鹿威し
32.梅雨曇り実り少なき畑かな
33.パリ祭や屋台連なる丸の内
34.蓮池に雲間の空の青ひろげ
35.朝風に白鷺の来て田を占むる
36.雨匂いイカ焼き匂う夜店かな
※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。
●7月月例ネット句会投句ご案内●
①投句:当季雑詠(夏の句)3句
②投句期間:2019年7月8日(月)午前6時~2019年7月14日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:7月14日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:7月15日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、7月15日(月)正午~7月18日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之